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第7章 超級ダンジョン攻略!

31話 大盛況

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 その日の朝寝ぼけていたとはいえフィアナにとんでもない事をしてしまったケンジは冗談抜きで落ち込んでいたのだった。

「ちょっとケンちゃん聞いたわよ!」

 マイがケンジの部屋に勢いよく入ってくるのだった。

「ああ、マイか・・・おはよう・・・」

「なに?落ち込んでいるのよ!フィアナ泣いていたよ。」

「ああ・・・そうだろうな・・・」

「そうだろうなじゃないでしょ!何ベットでうだうだしてんのよ。」

「どうせケンちゃんの事だから寝ぼけてたんでしょ?ちゃんと誤解を解きなさいよ。」

「今、セバスに一肌脱いでもらってんだ・・・」

「はあ・・・情けないわね・・・ケンちゃん、しっかりしなさいよ!」



「そんなんだからあたしにも手を出せないのよ・・・」

 マイは小さな声でボソボソ文句を言った。


「はっ?後半が聞こえなかった?なんて言ったんだ?」

「うるさい!そんな事どうでもいいよ!」

「ケンちゃんこういう事は自分の口でちゃんと言わないと駄目だよ。」

「でもよう・・・・」

「ほら!早く朝の支度して下に降りてフィアナにちゃんと謝罪しなさい!フィアナはちゃんと謝ったらすぐ許してくれるから!」

 ケンジはマイに後押しされて下の大広間に降りて行くのだった。するとフィアナはケンジが下りてくるのを待っていたようで大広間のソファーの横に立って待っていたのだった。



 それを見たケンジはすぐにフィアナの側に駆けよるのだった。

「フィ、フィアナ!さっきはごめんなさい!俺寝ぼけていたみたいで・・・」

「ご主人様!もういきなりあんなことは止めてください・・・わたしいきなりで・・・ビックリしました・・・」

「ああ・・・本当にごめん!悪かったよ・・・」

 ケンジは素直に頭を下げるのだった。

「わたしの身体も心もご主人様の物です・・・だからあんな事しなくとも言ってくれれば・・・」

「ちょっと待て・・・何を言っているんだ?」

「だからわたしは・・・もう・・・だけどあんないきなりだと心の準備が・・・」

「だからちょっと待て・・・俺はフィアナに寝ぼけてあんなことをしたんであって誤解だと判ってほしい。」

「えっ・・・」

「だから誤解なんだよ!俺があんな無理やりするはずないし・・・フィアナにそんな事求めた事・・・」

 ケンジがそう説明している途中からフィアナの瞳から涙がドンドン溢れ滝の様にながれるのだった。

「なんで、泣いてんだよ・・・」

「ご主人様はわたしの・・・奉仕は・・・この先必要ないのですか?・・・」

「えっ?」

「ご主人・・・様・・・わたしがお嫌いなのですか?」

「そんな事!嫌いなわけないじゃないか!俺はお前を大事に思って・・・」

「ご主人様は・・・大事という言葉でわたしの気持ちをわかっていて誤魔化しています・・・」

「そんな事ない・・・」

「本当ですか?絶対に?」

「ああ!」

「じゃあ、今晩わたしご主人様の部屋にお邪魔します!」

「はあ?・・・何でそう言う事になるんだよ。」

「わたしを今晩抱いて下さい!じゃないと今回の事許しません!わたしの事大事だというならわたしの事抱けるはずです。」

「いや、意味が解らない!大事だと言っているだろ?それにお前はまだ子供じゃないか!」

「ご主人様!忘れてしまったのですか?私は先日15になりました・・・もう子供じゃありません!子供あつかいしないでください・・・」

「あっ・・・」

 ケンジの感覚ではフィアナはまだ中学生を卒業したばかりだがガイアースでは立派な大人で成人なのである。

「それにご主人様は15歳まで待ったら抱いて下さるとお約束してくれたはずです。」

「だけど、こんな感じでフィアナを抱くのは・・・」

「そうやってまた誤魔化すのですか?」

 ここまでくるとフィアナも涙でぐしょぐしょで後戻りできない感じであった。その姿を見てケンジもまたここまで自分に好意を向けてくれている姿を見て断るの違うんだろうなと思うのだった。

「フィアナの気持ちはわかったよ。」

 フィアナはその言葉を聞き表情が笑顔に変わるのだった。

「あのご主人様・・・」

「なんだ?」

「あの・・・その・・・」

「はっきり言わないとわからないだろ?」




 そういった瞬間ケンジの頭に衝撃が走ったのだった。

     パァ~~~~~ン!

「いっ、痛ったああああ~~~~!」

「ケンちゃん!ちょっと来なさい!」

「なんだよマイ!いきなり叩く事ないだろ!」

「ホントにケンちゃんは鈍感なんだから!」

「なにがだよ!」

「フィアナに何を言わせようとしてんのよ。」

「いや・・・フィアナがなにか言いたそうにしてただろ?だから俺は・・・」

「そうじゃないでしょ!フィアナはケンちゃんに今晩自分の部屋に来いって言ってもらいたいんじゃない。」

 ケンジはマイに言われて気づかされるのだった。そしてマイにため息をつかれるのだった。



「はぁ・・・こんな調子じゃあたしはいつになるのか・・・」

 マイはぶちぶち愚痴るのだった。そしてケンジはフィアナに今晩部屋に来る様にと伝えたのだった。その時のフィアナの顔は満面の笑顔だったのは言うまでもない。
 そしてみんなはハラハラしてその様子を伺っていたのだがフィアナの笑顔をみてホッと安心しみんな揃って朝食を食べるのだった。








 ケンジ達は店の開店の準備をしてテンペの町の店舗だったところを久々に開けるのだった。するとそこには噂を聞きつけ長蛇の列があったのだ。

「ケン坊!開けるのが遅いぞ!」
「そうよ!早く便所の魔石を売ってちょうだい!」
「俺達は冷蔵庫を!」

 ケンジは昨日の夜は眠れないかったがそんな気にする必要はなかったとホッとするのだった。

「お客様!長らくお待たせいたしました!雑貨屋【Freedom】は今日から再開させていただきます!これからまたご贔屓によろしくお願いいたします。」

 ケンジの挨拶に町の人達の歓声が上がったのだった。そしてお客が店の中に入ろうとしたらケンジはお客を止めて説明をしたのだった。

「申し訳ありませんが今までと少し購入スタイルがこれから変わります。」

 お客はケンジのセリフに戸惑っていたのだった。それもそのはずで先頭にいたお客は店の中を見ると商品は無くガラーンとして殺風景で何も商品が陳列されていなかったのだ。

 そしてケンジに転移マットの上に案内されここに乗ってくれと案内されるのだった。すると前に並んでいた町の人がシュッという音と共に消えてしまったのだ。

「ケン坊!これっていったいなんだ?」

「ええ!これから俺の店はこの町ではない所に移転したんですよ。だから皆様にはそこに瞬間移動してもらいそこで買い物をしていただきます。」

「はあ?瞬間移動ってどういうことだよ?」

「まあまあ、おっちゃんも移動してくれよ。後がつかえているだからさ。まず30名送って順に出てきたら転移マットに乗ってください!」
「冷蔵庫や大きい物を購入される人はリアカーも向こうに持って行って下さいね。そしてそれに積んで帰ってきてください!」

 ケンジは店の入り口で説明しお客様を順にさばいていくのだった。リンダやマーサ達もまた店の外で並んでいるお客様に店の中の事を説明しお客様がスムーズに購入できるように奮闘していたのだった。

 そしてお客は転移マットの上に乗った瞬間風景が変わり驚きびっくりするのだった。そこはものすごい広いロビーでカウンターには女性店員達がとびっきりの笑顔で迎えてくれたのだった。

「いらっしゃいませ!今日は何をお求めでしょうか?」

「あ、ああ・・・便所の魔石と冷蔵庫がほしい!」

「ありがとうございます!」

 そういうと受付嬢は魔石をカウンターに置き冷蔵庫は奥からイチカが運んできてお客のリアカーに乗せずり落ちないように冷蔵庫をロープで縛ったのだった。
 お客は便所の魔石を交換して差額分のお金を払いいったい何が起こっているのか白昼夢を見ているようでフワフワしながら受付嬢にお帰りは来たマットの上に乗ればテンペの町だと案内されて帰っていったのだった。

 ケンジは一人出てきたのを確認したらまた一人入店させたのだった。中のロビーは余裕を持って100人は入れるようになっているが出口がこの転移マットしかないので余裕がある様に30人づつ案内していたのだった。

「いったいどういう仕組みなんだ?」

 出てくるお客はブツブツ言い帰っていくのである。出てきたお客に行列で待っていたお客が中はどうだったと聞くがみんな揃って自分で確かめろ。とか、とにかくすげえぞ!等言って教えてくれないのであった。
 そのような段取りでお客様を案内しお昼になった時、店の中からマインが出てきてケンジに冷蔵庫の在庫が後50台で終わりと告げられたのだった。

「え?あんだけあったのにもう50台で終わりなのか?」

 それを聞いたお客は50人までのお客は胸をなでおろすのだった。

 ケンジは後50人だという事を説明し業務用はまだ大丈夫だと言ったのだった。

 そして自宅用の冷蔵庫を求めていた人には丁寧に謝罪しこれからまた製造していく旨を伝えお引き取りしてもらうのだった。

 そしてその日の行列はなくなることは無く便所の神鋼魔石の購入者や冒険者達で行列が途切れることは無く閉店時間の夕方5時が過ぎるまで続くのだった。そして今日だけは夜の7時まで店を開けることにしたのだった。ここまで遅く店を開けていても行列が途切れることは無かったのである。

 そしてケンジ達もクタクタとなり並んでいたお客に7時まで対応した事でお客さんも納得して引き取ってもらったのだった。最後のお客様が店を出たのは7時半をまわったころだった。

 ケンジ達は店を開けれなかったことでここまで町の人達に自分達の商品が必要だという事を思い知らされたのだった。そしてクタクタとなり閉店準備をして店を閉めたのだった。




 店を閉めた事を陰から見ていた人物がいたのだった。この店のシステムを知った商人ギルドが焦ったのは言うまでもなかったのだ。
 お客を安全に転移させ店は町の城壁の外にあるなんて聞いたことのない販売方法なのである。つまり売る側が行商ではなく買う側が店に訪問し安全に町の外に商品を購入する事のなるので町に【Freedom】の店の売り上げが税金として一切入らないのである。

 そして兵士から聞いた話では王国を去るのではなく離脱と言っていた事を生産ギルドは思い出していたのだった。離脱という事は町の事に関しては自分達はもう関係ないと言っている事と同じなのである。
 つまりインゴットはもうケンジから納品はないと言っている事となりケンジの性格からしてもうFランクの雑用しかしないと思われるのだった。もしインゴットが欲しければ店から正規の値段で購入しなければならないのである。

 ケンジの計画を知らないギルドはこの町だけの事と考えていて、他の町ではまだ自分達の保管庫等や魔道具は売れるはずだとたかをくくっていたのだがこの後日王都にもケンジの家が出来て王都の平民達もまた便利のいい商品を買い求め、ケンジの店が大盛況でギルド中に激震が走る事となるのである。

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