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第6章 ケンジの新しい生産力!
43話 新しい商品①
しおりを挟むケンジ達は無事にテンペの町に帰ってくることが出来たのだった。
「ご主人様おかえりなさい!無事で何よりです。」
「ああ、闇ギルドは壊滅したよ。当分の間アサシンからの襲撃はなくなるとおもうよ。」
セバスたちは嬉しそうにケンジ達をみて労うのだった。そして一番嬉しそうにしていたのはやっぱりユリアでケンジからゴードンは王国の首都に強制連行にされたと聞きもう二度と会う事はないだろうと聞きケンジに抱きつくのであった。
「ご主人様ありがとうございます!」
「あいつはあの後衛兵に聞いたらとんでもないやつだと判明したよ。」
「どうゆうことですか?」
「あいつの屋敷の地下牢にはユリアのような奴隷がいっぱいいたらしくて死にかけていた者も多数いたらしく、ユリアのような美しい奴隷をいたぶる性癖だったらしいんだよ。」
それを聞いたユリア達は顔を青ざめて恐怖していたのだった。
「多分犠牲になった奴隷達もたくさんいたらしく処刑は間逃れないらしいぞ。」
この世界の奴隷たちは主人の扱いは自由で厳しい生活を余儀なくされているが自分の都合でいたぶり殺してしまっては罪に問われるのである。
強制的に労働はさせたり食事も1日1回だがそれはOKらしく曖昧なのである。だが今回のようにゴードンは自分の欲望の為に奴隷を購入してはいたぶり殺して隠蔽していた為罪に問われるみたいだった。
「という訳でもうゴードンは処刑をま逃れないからユリアは安心してもいいぞ。」
セバスたちはやっぱり自分達のご主人様は頼りになると思い笑顔になるのである。そしてケンジはセバスたちに万が一の為一人での出歩きは絶対しないように指示を出すのだった。
「ご主人様?もう脅威は去ったのでしょ?なのに何で一人では出歩いてはいけないのですか?」
「そりゃそうだろ。俺達は闇ギルドを一つ潰したんだ。闇ギルドからしたらメンツをつぶされそれを回復するために俺達にちょっかい出してくるからだよ。」
「でも、その闇ギルドは壊滅したんですよね?」
「おいおい、ユリア何を言っているんだよ。この町の闇ギルドを潰したんじゃないだろ。」
「「「「「あ・・・・」」」」
家で留守番していた者たちが一斉に声を上げるのだった。それを聞いたケンジは俺の家族は結構呑気なものが多いんだなとため息をつき呆れるのだった。
「だから絶対用心はして外に出るように・・・」
「「「はい・・・・」」」
「ケンちゃんそれはいいけど今度はいつダンジョンに潜るの?」
マイが厄介事はなくなったと思いダンジョンの予定を聞いてくるのだった。
「当分潜る予定はないな。とりあえず俺は新商品の開発とゴッドオーダーで裁縫のマジカルツールを出さないといけないからな。」
「マジカルツール?」
「マジカルツール知らないのか?」
「うん・・・知らない・・・」
「マジカルスミスハンマーでマイたちの武器を作っただろ?あれの裁縫セットだよ。マジカルツールで今度はマイやギル達の防具を作らないとな。」
「本当に!」
ケンジは超級ダンジョン攻略の為にローブや皮やスケイル(鱗)の防具をマジカル製品で作る為にゴッドオーダーでマジカルツールを出すつもりだったのである。
素材はツバキの糸を利用して作れば金属防具に劣らない程強い防具が作れるはずであるとケンジは確信していたのだった。
「ああ!だからそれまでダンジョンに潜ることは今のところないな。だけどまたギルドからお願いが来るかもしれないからその準備だけはしておいてくれよ。」
「うん!わかった。」
マイはそう言って自分の部屋に戻ってしまったのだった。
「あの・・・ご主人様。話は変わるのですが・・・」
「なんだ?」
「そのご主人様にへばりついている幼女は誰ですか?」
ケンジはセバスの言葉で思い出しすっかり忘れていたサーシャをあわてて紹介したのだった。
「あ!忘れてた・・・・この娘はサーシャと言って新たな家族になった娘だ。」
「お兄ちゃん・・・忘れてたなんてひどいよ・・・」
「わるかった・・・もうこの旅で居て当たり前の存在になっていたから・・・」
「あたしが居て当たり前の存在?」
「ああ!そうだ。サーシャが居なくなってしまったらみんな悲しむ存在だ。」
サーシャはケンジに言われた言葉が本当にうれしく思い、二パッと擬音が聞こえるほどいい笑顔で笑うのだった。
「ではサーシャには何をさせたらいいでしょうか?」
「セバス。サーシャには13歳になるまで仕事は一切させなくてもいいよ。代わりに勉強をしてもらい教養や知識を身に着けてもらうから。」
「え?働かせないのですか?」
「ああ。サーシャはまだ子供だ!少なくともティアナとフィアナがこの家に来た年齢までは自由にすごしてもらいたい。」
「ですが、そんなこと聞いたことないですよ。」
「お兄ちゃん・・・やっぱりあたし何でもいいから働かせてください・・・」
「いや、働かずにサーシャは勉強をするんだ。働くのはそれからでも全然遅くないよ。」
「ご主人様。それでは周りにも示しがつかないのでは。」
「セバス、示しって何だ?」
「それは、奴隷を甘やかし働かなくてもいいと言う事ですよ。」
「セバス・・・じゃあ俺は今日から君たちみんなを世間一般で認知されている奴隷のあつかいにしたら示しがつくというんだな?」
「「「「ええええ~~~~!」」」」」
周りにいたミナレスやミイナ、ユリア達が大声で叫ぶのだった。
「なんだお前達そんな大声を出して!」
「ですが、奴隷を引取って働かせないなんて聞いたことないですよ。」
「うん、だから周りから俺が奴隷を甘やかしていると示しがつかないんだろ?だったらお前たち全員の暮らしを見直さないといけないだろ?」
「い・・・いや・・・それはですね・・・」
「おい!セバス自分の都合が悪くなったら渋るのは違うと思わないか?」
セバスはケンジに土下座して謝罪したのだがすでに遅かったのだ。
「セバス、一度吐いたセリフはもう戻らないよな?奴隷を甘やかして示しがつかないと言ったが俺はお前達を今までそんな風に扱ってきたのか?」
「それは違います・・・平民の人たちより豊かな生活をさせてくださってます。」
「いつのなったらお前はその感覚が抜けるんだ?」
「申し訳ございません!」
「もういい!頭を上げろ!次そんな事をのたまったときは覚悟しろよ。」
セバスはケンジが許してくれたことにホッと胸をなでおろすのであった。
「主・・・怖ぇ~~~・・・」
「ああぁ!マードック何か言ったか!」
「イエ・・・・ナニモイッテナイデス・・・」
「ホントあんたは懲りない性格してんのね・・・」
「ティアナ、フィアナいるか?」
「「はいぃ~~~!」」
二人はセバスが怒られていたのを見て自分も怒られると思ったらしく声が裏返って返事をしてしまった。
「あ、悪かった。そんなにビビらなくていいよ・・・お前達には怒ってないんだからさ。」
「そ、それでなんでしょうか?」
「いや、お前達はサーシャと一番年も近いし仲良くしてやってくれ。」
「はい!わかりました。」
「ん・・・わかった・・・」
「とにかくサーシャの仕事はこれから色んな事を勉強してもらう事だから、ティアナとフィアナがここに来たときは13歳だったよな?」
「「はい。」」
「それまであと6年サーシャは勉学に励む様に!他の者はそれに協力してやってくれ!」
「承知しました!」
「オリヴィアとシスティナ、サーシャはこっちに来てくれ。」
ケンジは3人を連れて客室の方に入ったのだった。そこでサーシャをつれて日用品、ベットや家具、服を買いに行くように指示を出したのだった。
「お兄ちゃん服を買ってくれるの?」
「ああ、二人についていき好きなものを買って貰ってくれ。」
「部屋の方はみんなと一緒で店の2階になるが後でオリヴィアに教えてもらったらいいよ。」
サーシャはケンジに色んなことを聞きケンジについてきて本当に良かったと思ったのだった。ケンジはサーシャの事をオリヴィア達に任せ念のためイチカにも同行させて4人で行動させたのだった。
これで安心したケンジは久しぶりに鍛冶工房の方に顔を出すのだった。するとダンギとシェムがケンジに話しかけてきたのだった。
「主殿がこっちに顔を出すなんて久しぶりだな!」
「なにかあったのか?」
「ダンギ、シェム工房の方はどうだ?」
「そうじゃな・・・もうほとんど便器も普及してしまって、壊れてしまった便器を買いにくるお客しかいないし食器の方も他の店でも売られるようになって暇になってしもうたの・・・」
「それでお前達は何か新しい物を考えたのか?」
「「それが何も考えが浮かばなくて・・・」」
「やっぱそうか。新しいものが浮かんだら俺に報告してくれと言ったが何も言ってこなかったからそんなことじゃないかと思っていたよ。」
「主殿すまぬな・・・」
「まあ、しょうがない・・・俺が神鋼魔石を使った新しい商品を考えたから聞いてくれないか?」
「「主殿!本当か?!」」
それを聞いていた二人の部下たちも興味津々にケンジの話を聞いていたのだった。
「これは前にも少し言ってた物なんだが、冷蔵庫を作ってみようと思ってな。」
「「冷蔵庫ってなんだ?」」とトニーとジーロが聞いてきたのだった。
「食料を保管しておく倉庫みたいなものだな。」
「あの食堂や貴族様しか持っていないやつか?」
この世界では冷蔵庫はものすごく高価な物であり、使い勝手が悪いのである。保管庫と言っていて中には水の魔石が内蔵されているのである。1日1回水属性の使える30レベルの魔法使いが魔力を限界までチャージすることで1日起動させることが出来るのが一般的なモデルである。
だから、保管庫を持っている家庭はまず皆無であり水の魔石も出力を上げ使わないと冷えるものじゃないので頻繁に買い替えないといけないので貴族か売れている外食店ぐらいしか所持できないのである。
「ああ、その冷蔵庫を平民の家庭にも普及させようとおもう。一般家庭ではその日に買ったものを消費してしまわないと無駄になることが多いと聞くしな。」
「でも、主殿!一般には魔力をチャージするほど魔法使いを雇えるのか?」
「ダンギは何言っているんだ・・・そんな物開発して誰が買うんだよ。」
「だが保管庫というのはそうゆうものだろ。」
「ダンギもうちょっと頭を柔らかく柔軟にしないといけないとおもうぞ。」
「なっ・・・」
「いいか?さっき俺は神鋼魔石を使った保管庫を開発すると言ったよな?同じような使い勝手の悪い物を作ってどうするんだ?」
「おう・・・確かにそういったな・・・」
「神鋼魔石の特徴を言ってみな。」
「あ・・・・」
「ああ、そうだ!限界まで指定したものを吸収し続けるんだよ。」
「じゃが・・・そうなると何を吸収しつづけるんじゃ?」
「なんだ・・・シェムもそんな事を言っているのか?食材は何で腐ったり痛むかわかるか?」
「何でというか。暑い場所に置いておくことで痛みは早くなるな。じゃから保管庫のように水の魔石の出力を上げて保管庫の中を氷のように冷やすんじゃろ?」
「その通り!だからだな神鋼魔石を使って保管庫の中の熱を吸収したら良いんじゃないかと思うんだよ。」
「あああ!なるほどのう!」
「主殿!それは凄い画期的な発案だ!」
「神鋼魔石は今までのように魔法使いを依頼で雇ってチャージしなくてもいいし限界まで吸ったら交換したらいいわけだしな。それに・・・」
「それに?なんじゃ?」
「たぶんだが便器のように便のように固体や液体を吸収するんじゃないからたぶん3年ぐらい交換の必要はなくなるかと思うぞ。」
「なんじゃと!」
「それは本当か?」
「そりゃ便のように固体じゃなく熱を吸収するんだからな。容量もそんなに食わないさ。まあとにかく実験をしてみないと何とも言えないけどな。」
「そんな保管庫が完成したら革命がおこるぞ・・・」
「ああ・・・また忙しくなる予感がするな!」
ケンジはダンギたちに見取り図を描いて家庭用冷蔵庫の説明をしたのだった。それを聞いたダンギとシェムは鉄鉱石を使い冷蔵庫のボディーを製作しだしたのだった。
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