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第6章 ケンジの新しい生産力!

33話 束の間の平穏②

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 今日は2話更新します。どうぞよろしくお願いします(^^♪

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 次の日、ゴードンがまたケンジの家にやってくるのだった。だが、ゴードンはなんなくケンジの店に入ることが出来たのだった。ユリア達ユエティーや店の店員をしている者たちは驚く出来事だった。
 実はこの防犯システムは店で万引きをした人間とかお店に不利益を与えたら作動するシステムであり、ゴードンは昨日は万引きをしたわけではなかったので入店することが出来たのだった。
 はじき出された原因は店員であるユリアに乱暴をしたことが原因でこれはケンジがAランクの魔石にサンクチュアリの魔法をエンチャントし作った独自の結界なのである。
 ゴードンは昨日ケンジにいらぬことを考えているから入店できないと聞きそのアドバイスを生かしてユリアに対して邪な考えをしていなかったので結界を潜り抜けていたのだった。

「昨日は失礼した・・・ここの主と面会がしたい。取り次いでいただけないだろうか?」

 ゴードンは醜く太っていて脂汗をかきながらユエティーに話しかけるのだった。ユエティーはちゃんと会話できる人なんだとさすがは貴族なんだなと感心するのだった。

「少々お待ちください・・・ご主人様に連絡してまいります。」

 ユエティーは急いでケンジを呼びに屋敷の方へ向かうのだった。

「ご、ご主人様昨日の貴族様が又来店しに来ました。」

「どうせ入店できないだろ?そのままにしておいたら。そのうちまた衛兵がきてくれるだろ?」

「いえ・・・・それが普通に入店出来て、昨日は失礼したご主人様と面会したいと大人しく店の方で待ってもらってます・・・」

「それは本当か?」

 ケンジの予想がここにきて初めて外れたのだった。ケンジはあのような人間は強引に事をすませるものだと思い、昨日の今日で結界が作動しなくなるような行動をゴードンがするとは思っていなかったのである。

「いかがなさいましょうか?」

「相手がそのような態度で面会を望んでいるならこちらも貴族様に対して礼を重んじないといけないから丁重に客室に案内してくれ。」

 そしてユエティーはケンジの言う通り丁重にゴードンとその従者を客室に案内をしてミナレスとセバスが最高級の紅茶を出し迎え入れるのだった。

 ケンジもセバスたちがお茶を出したタイミングで客室に入るのだった。するとゴードンはケンジを見ると頭を少し傾け会釈をしたのだった。

「お待たせしてすいませんでした。」

「昨日はいきなりあんなことをしてしまい悪かった。久しぶりにユリアの姿を見て焦ってしまったのだ。」

「なるほど!わかりました。謝罪を受け入れましょう。」

 ケンジはすぐに丁寧な謝罪をしてくれたのでゴードンには慰謝料とか請求しないで言葉の謝罪だけで済まそうと思ったのだった。

「それで、今日伺ったのはユリアの事だが、あの奴隷を儂に売っていただきたい。あの奴隷を儂は手元に置きたいと思っているのだ。」

「なるほど!やっぱりそうゆう事ですよね。ですが、申し訳ないのですが昨日も言った通りユリアを手放すつもりは俺には無いのですよ。」

「そんなこと言わず譲っていただきたい!金ならいくらでも言い値で払う!」

「申し訳ない!ユリアを受け入れた時ユリアと約束したのです。ユリアはここでずっと暮らしたいから他の所に売らないでほしいと約束したのですよ。俺はその約束を果たすつもりでいます。」

「だがユリアはハイエルフだぞ!いつかはお主も死ぬんだ。ずっとって事は無理だろ?それなら貴族の儂の方がユリアに優雅な暮らしを与えてやることができるじゃないか!」

「いえ・・・そうゆう事じゃないのです。ユリアは見世物じゃないのです。ユリアは日々仕事をし自由に楽しく生きているのです。」

「そんなわけあるか!奴隷が働かされて幸せだと?自由に楽しく?そんなのお前が勝手に思っているだけだろ?」

「俺はそんな理不尽なことはしない!だからあきらめてください。俺はユリアがこの暮らしが嫌だというなら奴隷から解放しますが、貴方も知っているように奴隷紋は介抱しても数十年消えません。」

「ああ、その通りだ。だから奴隷に堕ちた者は解放されたがらず奴隷商人に売ってくれと言うのだ。」

「だけどユリアは解放も奴隷商にも売ってくれとは言わないですよ。だからユリアはここの幸せで自由な生活を望んでいるのです。」

「じゃあ、ユリアに直接聞かせてくれ!」

「直接聞かないと信じられないと・・・」

「ああ・・・そうだ!ユリアの口から聞かないと信じられない。」

 ケンジはユリアに直接言ってもらいゴードンに諦めてもらう事にしたのだった。

「セバス。悪いがユリアを呼んできてくれないか。」

「承知しました。少々お待ちください。」

 セバスはケンジとゴードンに一礼をして部屋から出ていくのだった。そしてセバスはユリアのいる練金工房に入るのだった。

「ユリアいるか?」

 ユリアは今日お店の方にはいなくて薬師としての仕事をしていて腹痛の薬や熱覚ましを作っていたのだった。

「何か御用ですか?」

「実は昨日の貴族が訪問してきてな。ご主人様がユリアを呼んできてほしいとおっしゃっていて呼びに来たんだ。」

「え?」

「すぐ客室の方に私ときてくれるか?」

「ご主人様はわたしをあの貴族に譲る気ですか?」

「な、なんてことを言うんだ!昨日もご主人様はお前を他に譲る気はないとユリアと約束しただろ?」

「じゃあ・・・なんで?」

「あの貴族がユリアの口からここにいたいと言うまで諦められないらしいのだ。だからご主人様はユリアからそれを言わせるみたいだぞ。」

 それを聞きユリアは安心したようだった。ユリアはすぐに今やっている製薬をきりのいいところまでかたずけてセバスと客室に向かったのだった。



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