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第6章 ケンジの新しい生産力!

30話 慰謝料②

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 受付嬢たちはギルドに帰りギルドマスターに事の顛末を報告したのだった。ギルドマスターはケンジの態度に気を悪くし真っ赤な顔になり怒鳴り散らしていたのだった。

「あのガキがいい気になりおってからに!下手に出て謝罪に行かせたのになにが慰謝料だ!」

「ギ、ギルドマスター・・・ですがケンジ様の言う通りにしなければ町から去ると言っているのですよ。そうなれば困るのはわたし達ではないですか・・・」

「何でギルドがわし達があんな小僧一人に頭を下げねばならんのだ。普通ならあいつ等がギルドの言う事を聞く立場なのに!」

 ギルドマスターは今までの自分達の栄光を忘れられないらしく自分の立場を認めたくなかったのである。





 そんな報告を受けていた時ケンジ達はそのままメイガン商会に向かっていたのだった。

「おお!坊主・・・元気だったか?」

「ガンスさん。おひさしぶりです。いつもいきなり訪問をして申し訳ございません。」

「そんなこと気にするな!坊主はこのメイガン商会を救ってくれた恩があるからな!で、今日は何の用事があったんだ?」

 ケンジは今回超級ダンジョンにいく事になったところからギルドがケンジにしたことを説明し慰謝料請求したとガンスに報告したのだった。そしてその提示によってはケンジ達はテンペの町を去ることになるとガンスに言ったのであった。

「な、なんだと!上級貴族が後ろ盾になっている者にそんなことをギルドはしたのか?」

 ガンスはケンジの言葉に怒りを通り越し呆れた表情になるのだった。

「そうか・・・よくこのことを我らに報告してくれた。我々からもちょっと口出しをさせてもらおう!」

 ガンスは執事らしい人を部屋に呼びなにやらヒソヒソ話をして話し終わるとその人は急いで冷や汗をたらしながら部屋から出ていくのだった。

「これでたぶんギルドもケンジの要求を呑むと思うぞ。これで飲まなかったら相当馬鹿というもんだ・・・」

 ガンスはそう言ってガハハハハと大笑いしていた。ケンジはそういって笑っていたガンスに礼を言って家に帰るのだった。




 そして、一方ギルドだがギルドマスターが憤慨していたところにメイガン商会から連絡がはいり、その執事らしい人がカウンターでガンスの言葉を読み上げるのだった。

「このたび、メイガン商会が後ろ盾になっているケンジ殿に対しての扱い許し難し!もしケンジ殿がテンペの町を出ることに相成った場合、メイガン商会もまたテンペの町から撤退すると思うべし!」
「我がメイガン商会会長ガンス様からのお言葉です。それでは失礼します。」

 先ほどガンスとケンジが話していた部屋から出て行った執事らしき人がギルドの受付カウンターで大きな声で報告したのだった。その言葉を聞いたギルド職員、冒険者や生産者はケンジが町を去る?どうゆうことなんだ?ざわざわし始めるのだった。


「おい!ギルドはケンジになにをしたんだ?」
「いまのはどうゆうことなんだ?」
「おい・・・ケンジが居なくなったらこの町は終わりだぞ?」
「俺達も今のうちにホームを変えたほうが良いんじゃないのか?」
「ちょっと待ってくれよ・・・俺この間家を購入したばかりなんだぞ!」
「それは運がわるかったとしか・・・」


 ギルド中パニック状態になるのだった。それを聞き上役のギルド職員はギルドマスターの部屋に急いで報告するのだった。

「失礼します!」その職員は勢いよくドアを開けるのだった。

「無礼者が!いきなり入ってくるでないわ!」

「すいません!ですが大変です!先ほどメイガン商会の使いの者が来てこの手紙を置いていきました。そしてギルド中に大きな声で読み上げたったいまお帰りになりました。」

 ギルドマスターはメイガン商会と聞き顔を青くして震えるのだった。確かケンジの後ろ盾になったと聞いていたからである。そのことからケンジがらみの事だと馬鹿でもすぐ予想できるのだった。

「おい・・・それでいったい何をメイガン商会は言っていたのだ?」

「それが、今回ケンジ様にしたことで、もしケンジ様が町を去ることになったらメイガン商会も町から撤退するそうです。」

「な、なんだと!」

「そんなことになったら本当にテンペの町はどうなるか・・・・」

「あの・・・ギルドマスター忘れているかと思いますがケンジ様が町を去ったら便器を使えなくなり、また肥料もこの町では使えなくなります・・・」
「そしてなんといってもインゴットが他の町のように常時不足気味になり、魔道ギルドで錬成ができなくなり町の結界の維持が出来なくなる恐れが・・・」

「むぐぐぐぐ・・・・」

「やっぱりここはギルドマスター自身が謝罪しにいく事が最善だと思うのですが・・・・」

 報告した4人は口をそろえてギルマスを説得するのだった。

「むむむ・・・・それしか本当に道はないのか?」

「わたし達はそれしかないと思うのですが・・・・」

 ギルマスは目をつむり考え込み、その4人に付いてくるように指示を出すのだった。

「ギルドマスターどこに行くのですか?」

「どこに行くとは?さっきの話の流れからしてケンジ殿の家に謝罪に行くに決まっているだろうが!」

 ギルマスにそのように命令をされた4人は慌てて頭を下げるのだった。

「「「「申し訳ありません!」」」」

「何を謝っている!さっさと準備するんだ!」

「わたし達はこの件に関してもうケンジ様には関わりたくありません!」
「そうです!謝罪しに行くならギルマス一人で行くか他の者につきそって貰ってください!」
「わたしもいやです!」
「あたしも破滅したくありません・・・」


 そういって4人はギルドマスターの部屋から逃げるように出て行ってしまったのだった。

「おい待て!逃げるでない!逃げたらわかっているのか!」

 今までしっぽ切りしていたギルマスが今度は部下から見放された瞬間であった。






 先ほど報告に来た職員とギルマス二人だけになってしまったのだった。

「おい!お前が一緒についてくるのだ!」

「申し訳ありません!わたしもこの件からは手を引かせていただきます。」

 その職員もまた身の危険が迫っていると感じ取り急いで部屋から出て行ってしまったのだった。ギルマスはその後景を見て部屋の中で一人怒鳴り散らしたのだった。
 部屋から出て行った職員達は他の職員にそのことを報告しギルマスに着いていくと自分達が犠牲にされると噂し始めるのだった。
 このことがきっかけでギルマスは職員達を呼んでも誰も対応をしなくなるのだった。確かにテンペの町ギルド最高の立場の人間の命令でも関わったら破滅するかもしれないとなると人間自分が一番かわいいのである。
 ギルマスが一人一人に指示を出すが噂が噂を呼び「自分は今忙しいので」とか「あああ~~~そうだった!あの仕事をしないと・・・」といわれギルド職員は蜘蛛の子散らすようにギルマスのまわりからいなくなってしまったのだった。

 今までギルドのやってきたことはこういったことでパワハラ・モラハラで言う事を聞かなければ理不尽な権力を振りかざし言う事を聞かせる事しかしてこなかった。ここにきて今度はギルドのトップが部下から裏切られる事になるのであった。

「お前等・・・・この件が治まったら覚悟しておけよ!」

「「「・・・・・・・」」」ギルド職員全員無言でギルマスを見つめていたのだった。

「本部に連絡し人員を全て入れ替えしお前達は全員クビにしてやるからな!」

 そのギルマスの言葉を聞き一人の職員が近づいてきたのだった。

「お前は一緒にきてくれるのか。だったらお前だけはこの件が治まったら幹部に推薦してやろう!」

「いえ・・・・けっこうです。ギルドマスターの言う様にうまく事が運べばの話なので。わたしもまだ破滅はしたくありません。あなたの思う様にうまく運べばよろしいですな。」

「なっ!」

「これはわたしからの最後のあいさつにございます。さ・よ・う・な・ら!」

 職員はギルマスにそのように話しかけ離れていくのであった。

 ギルマスは顔を茹蛸のように真っ赤にしながらギルドから出て行ってしまったのだった。ギルの門から出たギルマスは足取り重ケンジの家に一人寂しく訪問を余技するしかなかったのである。


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