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第6章 ケンジの新しい生産力!

13話 超級ダンジョンへ③

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 ケンジ達は自分達に掛けれるだけ強化魔法を掛けてダンジョンに突入を開始したのだった。ダンジョンに入ったケンジ達は見知った通路をドンドン奥に入っていくと早速魔物と出会うのだった。

 そこにはデスタランチュラウォーリアが迫ってきたのだった。この魔物は上半身は人間で下半身は蜘蛛の姿なのである。
 そして上半身の装備品で攻撃をして素早い動きで相手を翻弄し粘着糸で相手を動けなくし猛毒で攻撃してくる本当に厄介な相手なのだ。




 それがいきなり3体現れギル達は身体をこわばらせるのだった。

 ケンジはこの魔物たちを瞬時に鑑定すると、75レベル前後の魔物だということがわかりケンジはみんなに大声で伝え落ちつかせようとしたのだった。

「みんな!落ち着くんだ!いつも通り対処するんだ!」

 そのケンジの言葉にギルはアクロバットを使いシスティナ達の上空を飛び越え後方に移動、システィナは魔物に挑発を使い3体のデスタランチュラを自分に誘導させるのだった。そしてシスティナの後ろからプリムは3段突きを繰り出すのだった。

 デスタランチュラはシスティナの固さに驚き武器を振り回したり粘着糸を吐き出したりして隙を突こうとしたのだがシスティナの方が一枚も二枚も上手だった。

 システィナの鉄壁なガードの後ろからプリムは冷静にデスタランチュラの動きを見極め急所である人間と蜘蛛の付け根あたりを槍で攻撃をし瞬殺してしまったのである。




 システィナとプリムはこんなにも呆気ない結末になるとは思っていなく立ちすくんでいた。

「え?ご主人様・・・今の魔物って75レベル前後って言ってませんでしたか?何でこんな簡単に倒せてしまったのですか?」

「なぜってそりゃお前達が強くなっているからだろ?」

「でも、あたしはまだ65レベルだしプリムは80になったばかりだけどそれでも実質はプリム一人で倒したみたいなものでしたよ。」

「なんでプリム一人だったんだよ。みんなで倒しただろ。強化魔法を忘れるな。」

 ケンジの説明にギルやマードックも信じられない感じであった。

「主、今のはやっぱりちょっとおかしいですよ。」

「なにがだよ!」

「あの魔物はこの階層では見られないものです。今まで5階層まで行きましたがその5階層でもです。だからあんなに瞬殺できるものではないんですよ。」

「いいかみんなよく聞けよ。瞬殺出来た事実を受け止め自分の強さを自覚しないと駄目だぞ。」
「お前達はダンジョンには来ていなかったが日頃サボらず訓練をしてスキルは上げていただろ?」
「それにプリムに至ってはスキルさえ120.00になれば3次職になれるぐらいに強いんだ。今はパワースクロールが115.00までしか使ってないから3次職になれないだけなんだぞ。」

「だけど主よう・・・それにしたって強くなり過ぎのような感じがするんだが・・・」

「マードックそりゃ当り前だよ。そんな強くなったプリムにセイラもまた強くなった強化魔法をかけ、その上にお前とシスティナの強化スキルを重ねがけしているんだ。あの程度の魔物は雑魚の部類になるよ。」

「75レベルの魔物が雑魚って・・・」

「それにな言っておくが俺の与えた装備品を忘れるなよ。その装備は強力すぎて地上にいる兵士たちが使ったら武器に振り回され一回戦闘したらたぶん筋肉が分断するぐらい強力なんだ。」
「そんな装備品を扱えるぐらいお前達は強いと自覚するんだ。わかったな!」

「「「「「「はい!」」」」」」

「ケンちゃんひょっとしてこのまま10階に行こうとしていない?」

「今はまだ行く気はないがこのまま5階層に行って判断しようと思っているよ。みんなが自分の強さを理解しないと反対に危なくなる時もあるからな。」

「たしかに・・・」

 そういってケンジ達はデスタランチュラウォーリアのドロップアイテムを回収し奥へと進むのだった。ここ超級ダンジョンは5階層のフィールドエリアまでは基本一本道でグネグネした道に、時々部屋がありその部屋を通過し
5階層まで降りるのである。

 つまり大変だがエンカウントした全ての魔物を討伐しないと5階層には辿り着けないのである。だが今回地上の兵士たちにとっては有り難いことである。間引き忘れが無い為地上に取ったら安全になるのである。

 ケンジ達はダンジョンの様子を見ていたが苦戦になるような戦闘は無く通路ではシスティナとプリムが、部屋ではシスティナとマードックが活躍しケンジとマイはただついていくだけの形であった。

 セイラとオリヴィアは強化魔法や回復魔法を時々掛けて、ギルは罠を注意し理想のパーティーでドンドン奥へと進んでいくのだった。






 女神クローティアが心配するようなことは無く5階層までたどり着きケンジは採掘を開始し、ギル達は周りを警戒するのだった。

「ケンちゃん、このブラッドタイガーの素材貰ってもいい?」

「ああ!今回はその魔物が依頼の品なのか?」

「うんうん。」

「え?マイさん今回はこれで依頼達成なのですか?」

「ギルそうだよ。みんなありがとね。いつも楽して依頼達成できちゃうんだ。」

「今回その魔物はいくらぐらいになるんだ?」

「マードック気になるの?」

「そりゃやっぱり自分達が倒した魔物の値段って気になるよ。」

「この牙、魔石、毛皮、角だけで8000万ドゴンになるよ。肉はオークションにかけるらしいからまだわからないけど50kg1億スタートらしいからどれだけになるかわからないわ。」

 マードックはマイの説明に驚き開いた口が塞がらなかったのである。ブラッドタイガーは小柄だが肉のドロップは150kgは出ていたのだ。つまり最低額でも3億はあることになるのである。

 だがこれは1匹の値段でマイはケンジに許可を取り10匹全て貰ったのである。

「くはああ~~~!マイさんと主はホント勝ち組だよな。ホントすげ~~~よ。」

「マードックご主人様にそんな言い方失礼でしょ!」

「姉貴そうじゃないんだ。俺はそんな主とマイさんが誇らしいと言ってんだよ。」

「それはわかっているけど言葉を選びなさいと言ってんのよ!ご主人様じゃなかったらあんたは今頃鞭打ちにされているわよ!」

「姉貴・・・そんなこと言うなよ。俺だってそんなことわかってるよ。」

「オリヴィア、俺もマードックの口の悪さには慣れてるから今更そんな事言わないでやってくれ。」

「主・・・そりゃねーぜ・・・」

 ケンジの言葉にオリヴィア達は笑い緊張が少しやわらぐのだった。そしてダンジョンで野営をすること三日後帰るまで四日残っている時にケンジはマイたちに10階層に行くことを提案するのだった。

「なあ、みんな、採掘の方はもう大丈夫なんだが10階層の中ボスに挑んでみないか?」

 ケンジがこれを言ったのは興味本位だけではなく野営や護衛を見てギル達の強さは鬼神のような強さを見せたからであり、それに伴い自分の強さも理解していたからであった。

「ケンちゃんはギル達を見て大丈夫だと判断したの?」

「ああ!10階層までは誰も行ったことは無いがこの強さを見せるギル達なら問題ないと判断したよ。あともう一つの理由としては6階層からはマイと俺も戦闘に参加していくつもりだからな。まず大丈夫だろう!」

「どうだ?みんなに自信がないというならこのまま後4日ここに滞在する。」

「主が戦闘に参加するというなら俺は10階層に挑戦してみたい!」

「マードックそうは言うけど女神様からの啓示を忘れてしまったらダメよ!」

「セイラの言う事ももっともよ。」

「だけど姉貴!いずれ俺達はこのダンジョンを攻略するという目的があるんだろ?だったら魔物を間引くのは遅かれ早かれ考えないといけないんじゃないのか?」

「「確かにマードックの言う事も一理あるわね!」」

「だろ?システィナとプリムはわかっているよな!」

「ヴィア、セイラあなた達の協力が無いとこの先に進む事は絶対無理な事よ。お願い協力してよ。」

「システィナ・・・」

「ギルはどうするの?」

「俺か?俺はみんなの出した結論に賛同するよ。この先に行くのは団結が必要だからな!だけど一人でも自信が無いという事が見て取れたら俺はその一人に賛同し行かないほうにする。」




「今はセイラとヴィアが躊躇しているって事だろ?」

「「うん・・・」」

「だったらいく事は反対だ!一旦帰り準備を万全にし挑戦すべきだとおもう。」

「「・・・・・」」

「だが、俺自身の意見だけ言ってくれと言うのであれば主が大丈夫だと判断してくれているから行きたいと思っているよ。」

 その言葉を聞きセイラとオリヴィアはケンジに再度確認を取り、ケンジの役に立ちたいと思っている二人は勇気を振り絞りこの先にいく事にしたのだった。

「じゃあ、みんなの意見が一致したと言うことで先に進む事にする。」







 ケンジはみんなの意識を再度締め直し油断だけは絶対しないように言い聞かせ、6時間の休憩を取りダンジョンの6階層へと降りて行くのだった。


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