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第6章 ケンジの新しい生産力!

2話 スキル上げ②

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 ケンジとシスティナは満足し町に帰るのだった。

「システィナ、ちょっと寄りたいとこあるけどいいか?」

「ええ、それはいいですがどこに行くのですか?」

「まあいいから!いいから!」

 ケンジは何も言わずシスティナを目的の場所につれていくのだった。ケンジはどんどん町の西の方向へすすみ町を囲む城壁を上る階段を昇っていくのだった。

「ご主人様?城壁に上がるのですか?」

「ああ、この季節の城壁は俺のお気に入りの場所なんだ。この町に着いたとき見つけてそれから一人になりたいときよく来てたんだよ。」

「ご主人様しか知らない場所ですか?」

「俺しか知らないってことは無いけど俺のこの町でのお気に入りだな。」

 城壁に上った二人は遠くに見える夕日が景色一面に広がりシスティナは思わず声を上げるのだった。この季節だけみられる両方にそびえる山の谷間に丁度太陽が沈み何とも言えない景色を映し出すのであった。

「この季節だけなんだよ太陽が丁度あの谷間に沈んでいくのは、低い位置まで夕日が見れるので光の屈折の関係で夕日がものすごく大きく見えてこの景色をみて俺は明日も頑張ろうって気持ちになるんだよな・・・」

「ご主人様あたしはホント幸せ者です。奴隷になった時あたしは世の中に絶望したけど、ご主人様に拾っていただきこんな美しい景色をご主人様と一緒に見ることが出来てホント嬉しいです。」

 システィナは夕日の景色大パノラマをみて涙が自然と流れるのだった。

「そっか。この景色で感動してくれて俺も教えて良かったと思うよ。」

 二人はそれ以上何も言わず太陽が山の立間に沈んでいくのを時間も忘れて見続けていたのだった。





「さて、太陽も沈んだし家に帰るか。」

「ご主人様今日はありがとうございます。あたしホント幸せでした。」

「そっか。ならよかった。これからも当分だがスキル上げよろしくたのむな。」

「あああ~~~!ご主人様それが目的であたしをここに連れてきたんですか?」

「まあ、それもあるけどシスティナとももう長い付き合いになるからな。一緒にこの景色が見たかったのが一番の理由だよ。ここは俺のお気に入りスポットで家族の誰にも教えていない場所だぞ。」

「え?マイさんにもですか?」

「ああ、家族で知っているのは俺とシスティナだけだよ。」

 そういうとシスティナは顔を真っ赤にして満面の笑みを浮かべ、ケンジの腕に腕を回し機嫌が一瞬でよくなるのだった。

「ったく・・・システィナは現金だよな・・・」

「ご主人様なんか言いましたか?」

「うんにゃ・・・なんにも・・・」


 ケンジとシスティナは腕を組みはたから見ると主人と奴隷ではなく恋人同士にしか見えなかったのだった。



 家に帰るとセバスたちが一斉に出迎え、ケンジ達は驚くのだった。

「「「ご主人様」」」「やっとお帰りになられましたか!心配なのでもっと早くおかえりください!」

 ミナレスがそう言ったときケンジとシスティナがお互いの目を見て、示し合わせた様に同じような事を言ったのだった。

「「ごめんなさい・・・・少しおそくなった(なりました)。」」

 周りで居たオリヴィアたちは二人の距離感に違和感を覚え眉を顰めるのだった。

「みんな!システィナを連行!事情聴取だ!」

「「なっ!」」

「ちょ、ちょっとなにするのよ!あたしは何もやましい事してないよ・・・」

「それは今からみんなで調べる!」

「ホントだってば・・・ねえ!聞いてよ!」

「システィナ今日ご主人様と二人きりでいただけでも羨ましいのに・・・わたしたちは自分のスキルを一生懸命伸ばし頑張っていたのよ。なのにさっきの雰囲気は何か抜け駆けしたでしょ!」

「えーっと・・・・・・その・・・・」

 システィナはケンジとの二人だけの場所を言いたくないと思いどもってしまうのだった。

「やっぱり何かあったのね!みんなシスティナを連行!」

「い、いやあああ~~~やめてぇ!ご主人様助けてええ~~~!」

「主殿・・・手を出してはいかんぞ・・・」
 シェムが小声でケンジにアドバイスをおくるのだった。ケンジも女性達の気迫に一歩も動けないのであった。

 オリヴィアの一言で女性たちはシスティナの腕を取り大部屋に連行されていったのだった。その場に残された男性たちみんな口をそろえて女って怖ぇ・・・・と呟くのだった。

 その後当然だがシスティナはケンジのお気に入りのスポットの事を白状させられ、聖の日のデートにシスティナと同じような二人だけの秘密の物を組み込まれることが決定したのだった。




 そして、やっとシスティナとの事が落ち着き夕飯を食べることが出来マイがケンジに話しかけてきたのだった。

「ねえ、ケンちゃん・・・今日はどんなことをしてきたの?」

「いやあの様子だとシスティナから全部聞いたんじゃないのか?」

 システィナの方を見るとみんなからの追及で消衰しきっていた。

「それはケンちゃんとの城壁の事だよ。そうじゃなくて昼間だよ。」

「それはまだ内緒だ!」

「内緒にしてもいいけど今回はしないほうがいいよ。」

 マイが意味深な笑みを浮かべるのだった。

「ケンちゃんはそれでいいけど今回の事もあるしシスティナにみんながさらに追及するかもしれないよ。」

 それを聞いた女性たちはいっせいにシスティナを見つめてシスティナはこの状況にビクッと背筋が伸びるのである。そしてシスティナはケンジに助けを求めるように目で合図をおくるのだった。

「「あああ~~~システィナ!ご主人様にアイコンタクトしてる!」」

 ティアナとフィアナが大声を上げる。

「ご主人が秘密にするなら私達はシスティナから聞けばいいだけなんで問題はないです!」
 
 今度はセイラが目を閉じ冷静な口調でご飯を食べながら宣言するのだった。それを聞いたシスティナはケンジの方を見て涙目になって無言で訴えかけていたのだった。

「あああ・・・もうわかったよ!これ以上システィナをいじめるな!お前達気持ちはよく分かった。」

 ケンジはもう一人だけ贔屓をするようなことは絶対しないと心に誓うのだった。

「で、なにをしてきたの?」

「今日はな、システィナのバードスキルで野犬を沈静化してもらってたんだよ。」

「はっ?なんで今更野犬を狩ってたの?」

「いや狩ってたんじゃなく行動を止めてもらってたんだ。」

「え?沈静化させてただけ?」

 周りを見るとみんな興味津々にケンジの言う事を聞いていたのだった。

「ああ、システィナには沈静化してもらっていただけでそのすきを狙って俺がテイマースキルを上げたんだよ。」

「ええええ~~~~~!!!」

 みんな一同声を出して驚くのだった。

「ケンちゃん今度はテイマーになるつもりなの?テイマーなんて上げてもなんか役に立つの?それにケンちゃん裁縫スキル上げるって言ったじゃない。」

「ああ。言ったよその為にテイマースキルも上げているんだよ。」

「なんかわけわかんないんだけど・・・」

 ケンジはシスティナに説明したことをみんなにも説明し直すのだった。それを聞いたみんなはケンジの計画に開いた口が塞がらなかったのである。

「そんな事が可能なの?魔物のゴブリン一匹テイムするにも大変なのにそれに戦闘だって一匹じゃ役に立たないでしょ?」

「それはゴブリンだからだ。もしそれがスワンプドラゴンだったらどうなんだ?Aランク冒険者30人でも相手にならない魔物をテイム出来たら強力な戦闘力になるとおもわないか?」

「スワンプをテイム?そんなの無理だよ!」

「なんでだ?テイムのスキルを育ててレジェンダリーにしたらできるかもしれないだろ?それに俺がテイムしようとしているのはもっと弱い蜘蛛系やワーム系の魔物だよ。」

「それはそうかもしれないけど・・・」

「もしテイム出来たら裁縫の素材は綿花をわざわざ採取しにいかなくて済むだろ。それもその上質な素材で作った衣服を売れれば安価で町の人たちに提供できるんだぞ。」
「そして馬系の魔物をテイム出来たら魔物の馬力で馬車を引っ張れたらどうなるとおもう?」

「え?どうなるって?」

「馬車の旅の日数が軽減されるだけでなく盗賊や魔物に襲われるリスクが少なくなるんだぞ。」

 マイたちみんなケンジの計画に何も言えないでいたのだった。

「今日はその為にシスティナに協力してもらってたんだ。」
「システィナしかこの役目はできないからシスティナに頑張ってもらったんだ。それなのにお前達は・・・」

「でしたらそのように初めから言ってくれたらいいじゃないですか。」

「お前等に言ったら有無も言わさず心配だからとか言って反対するだろ?」

「そんなぁ・・・説明してくれたら・・・」

「ホントにそうか?前にテイマーをギルドで見たと言った時、お前達は俺に反対したじゃないか。だから俺はシスティナに協力を求めたんだよ。」

「でも、あのときシスティナも反対してたじゃないですか?」

「だからシスティナを一人連れて実践して見せながらやったらうまくテイムできたから問題ないだろ。それにわざわざみんな連れて行くこともないしな!」

「「「「そんなああ・・・!」」」」」

 ケンジの言葉にみんな落ち込みがひどかったのである。

「みんなは俺の事ばかりいっているがちゃんと今日は自分のスキルを伸ばしてたのか?」

 みんな、特に女性たちはギクッとしたのがまるわかりであった。

「お前たち・・・心配してくれるのは有り難いし文句はないがそんなことばかりしてたら聖の日に二人でどこかに連れて行くのは無しにするぞ!」

 それを聞いた女性たちは慌ててケンジの側に来て土下座して謝罪したのである。

「「「「ご主人様ごめんなさい!」」」」「それだけは許してください!」

「だったらシスティナに嫉妬ばかりせずちゃんとやることはしなさい!」

「「「「「はい!」」」」」

 するとそれをみていたマイがケンジに聞いてくるのだった。

「ねえケンちゃん・・・もう一つ聞いていい?」

「ああ、なんだ?」

「平日はFランクの依頼や裁縫のスキルを当分伸ばすんでしょ?土の日は当分システィナと二人きりでテイマースキルをのばすの?」

 それを聞いた女性たちはガバッと頭を上げ文句を言ってきたのだった。

「そ、それはズルいです!」
「そうです!システィナばっかり・・・」
「毎週ご主人様と二人っきりで過ごせるじゃないですか!」

「お前たちいいかげんにしろよ・・・」

「「「だってええ・・・」」」

「これはデートとかお出かけじゃない!スキルを伸ばすための訓練だ!お前達にも聖の日に交代でお出かけすると言っているだろ。」

「だけどシスティナはそのお出かけと毎週ご主人様と一緒に過ごせるじゃないですか・・・」

「それはしょうがないだろ!システィナしかバードスキルを使えないんだからな。みんなも使えるなら交代したらいいけどこれはシスティナしか出来ないんだからあきらめろ。」

「「「ええええ~~~~・・・・」」」


 ケンジは女性たちを見て少し考えこんでからしゃべりだした。

「じゃあ他の例え話をしてやるからよく聞くんだ。ティアナフィアナお前達は農業で畑の世話をしてた時、肥料の開発の時俺はお前達と一緒に行動してた時システィナもいたか?」

「「いませんでした・・・」」

「だけどシスティナはガーデニングのスキルを持っているんだぞ。その時俺はお前達に適材適所があると言ってお前たちに任せたんだ。その時システィナは文句言ってなかったぞ。」

「プリムやオリヴィアだってそうだ。町の護衛でシスティナより回数は多くしているはずだぞ。ちがうか?」

「「はい・・・・そうです・・・」」

「そして俺が教会に行くときはセイラだけを護衛にして一日一緒にすごしているはずだろ?」

「はい・・・」

「なのにお前達はそのことを忘れてシスティナを責めるのは違うと思わないのか?今回はシスティナが得をする番だから文句は言わない!俺はみんなの事も大事だから贔屓しているつもりは全然ないいいな!」

「は~い・・・・」

 女性たちは渋々納得いったような雰囲気で返事をするのだった。

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