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第5章 遂に始動!

45話 閑話②

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 そして、一方ケンジに雇われる事を断られたアーチェとモーリスだがトボトボと気落ちしながらいつも泊まっている宿屋に帰るのだった。

「ねえ・・・アーチェ明日からどうしようか・・・」
「うん・・・どこか働き口を探さなきゃね・・・」

 二人は考え込みギルドを退職したにもかかわらずケンジが雇ってくれなかったことにどうしてもアーチェは納得いかなかったのである。

「ねえ!もう一回頼みに行かない?」

「アーチェ・・・もう諦めよ・・・ギルドを辞めてまで交渉したにもかかわらず断られたしそれにケンジ様もアプリコット様と一緒にいたいだけじゃ断るしかないって言ってたじゃない。」

「モーリスは本当に諦められるの?」

「それはまだわからないよ・・・」

「だったら!」

「でもね・・・わたし思うんだ・・・こうなった事の現実を自分自身見つめ直さないと先に進めないんじゃないかと・・・」

「モーリスはアプリコット様を見限るつもりなの?」

「うんん・・・そうは言ってないよ。アプリコット様はもう私達の上司じゃないと言っているのよ。」

「それっておなじことじゃ!」

「違うよ!わたしはまだアプリコット様の事を尊敬し一緒に働きたいとおもってる!けど、ケンジ様に断られもうどうしようもない所に来ている。この現実を見つめ直すと言っているのよ。」

「だからもう一回一緒に頼みに行こうよ。」




 モーリスはアーチェにもっと冷静になろうと話し続けるのである。

「アーチェ・・・話は変わるけどもう一回話しに行かない?」

「やっぱりそうするしかないよね。」

「ちがうよ・・・ケンジ様の所じゃなくギルドにもう一回雇ってもらいにいくの。」

「なっ!?」

「何でギルドに?そんなこと絶対無理でしょ?」

「うん・・・そうだね。たぶん雇ってくれないだろうね・・・わたし達が勝手な理由で退職しギルドに迷惑を掛けたんだから・・・仮にもう一回温情で雇ってくれても下働きからだろうし。」

「なにいってんの?モーリスもちゃんとわかってるじゃないの。」

「それをアーチェはケンジ様にやっているんだよ。」

「え?どういうことよ!」

「その絶対無理な事をわたし達はケンジ様に要求しているってことだよ。」

「あっ・・・」

「だからね、わたし達はアプリコット様に執着せず現実を見て他の就職先を見つけるのがベストなんだよ。」

「モーリスはアプリコット様を忘れることができるの?」

「違うよ!忘れるんじゃなく思い出にするの!立派な元上司を見習いこれからの糧にするの。」

「わたしは無理だよ!」

「アーチェ。だから一緒にこの町を出て違う場所でがんばろうよ。私一人じゃ無理だけどアーチェと一緒ならがんばれるからさ。」

「ホントに大丈夫?わたしは・・・」

「アーチェ!アプリコット様がいつも言ってたでしょ。やる前からできないって言ったらダメだって!私も不安だけど一緒に頑張ろうよ。」

 アーチェはモーリスに説得されて一日考えさせてと言い自分の部屋に戻っていくのだった。





 そして次の日アーチェとモーリスは何かを決意した顔つきになりテンペの町を後にしたのだった。


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