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第5章 遂に始動!

40話 Aランクパーティー、と一つの問題が解決。

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 ケンジは流星のメンバーが全員生き残った事をギルド職員から報告を受けるのだがリーダーと双剣士の男は右腕切断し大剣士の男は左足と左手を切断、ファイヤーボールを撃った女はギルが腕を切り飛ばし、ヒーラーの女は気がふれてしまい何かに怯えてしまってて会話のできない状態だと聞かされ奴隷に売っても本当に二束三文にしかならないと言われるのだった。

「それにしても、みんな生き残るとはさすがはAランクだよなあ・・・」

 ケンジは流星のメンバーに感心するのだった。

「ケンちゃん・・・流星のメンバーどうするの?」

「どうするの?と言われても・・・まあ、契約を結び一旦家に帰りどうするか決めるしかないな・・・」

「え?主・・・こいつらを連れて帰るのですか?」

「今は、こいつらの事考えなくてもいいよ。どうせ何もできないんだしな。」

 流星のメンバーは錬金術の女性以外、欠損や鬱状態で自分から動けないのである。

「それより早く家に帰らないと客が来てもう待ってるはずなんだからな。」

「ああ、それならケンちゃんが決闘に巻き込まれたと連絡がきたときにはもう家に来てたよ。それでお客さんに報告したら、いつまでも待ちますと言ってた。」

「なに?もう朝から家に来てたのか?」

「うん。ケンちゃんがギルドに行ってすぐだったよ。」

「そんなにあいつら俺の家で働きたいのか・・・」

「まあ、働きたいと言うかアプリコットの側にいたいんでしょうけどね。」

「・・・」

 ケンジは達は流星のメンバーを奴隷に落とし家に連れて帰るのだった。



 帰る途中、流星のメンバーはケンジに悪態をつきまくっていたのだった。なんで俺達が・・・とかなんかイカサマしたんだろう!などである。

「奴隷が何であんなに強いんだ?おかしいじゃねえか!」

「おかしいも何もお前たちはギルとプリムに負けたんだ。この事実は早く受け止めろよ。」

「お前たちはAランク冒険者だったがこれからは無職の奴隷になるんだからな。」

「くっそおおお!俺達の華やかな人生が・・・」

「なあ、お前達!」

「なんだ奴隷のくせに!俺達をお前と呼ぶな!」

「お前ももう俺やプリムと同じ立場で俺達の方が先輩なんだ!もっと態度を改めないか!主に失礼だろうが!」

「なっ・・・なんで俺達が!」

「いいか!お前たちは決闘に負けて主の奴隷になったんだ。これは絶対に変わらない事なんだ!まあ、主がお前達はいらないと言い奴隷商人に売られるまでは主が絶対権力者だ。絶対に忘れるな!」

「う!うるさい!」

「いいか!その息巻いた根性続けるなら俺が教育しその根性圧し折ってやるから覚悟しろよ!」

 そういってギルは流星のメンバーに威圧し放ったのである。今までは手加減し実力の30%も出していなかったが、奴隷に堕ちたのに未だに交戦的な態度である流星のメンバーに苛立ったギルは本気の威圧を放ってしまったのだった。

「おい!ギルそのくらいにしろよ。」

 直接ギルの威圧にあてられたメンバー5人は気絶し、錬金術の女性は下を向きガクガク恐怖で震えていたのだった。ケンジは流星のメンバーが気絶してしまったので鉱石を運ぶリアカーをインベントリから出し流星を載せ家に帰るのだった。





 ケンジが家に帰るとセバスが出迎え、二人は客室に案内していると報告してきたのだった。

 ケンジはセバスとマイと一緒にすぐさまアーチェとモーリスが待つ客室に向かったのだった。ケンジは客室の扉を開け遅くなったことを謝罪するのだった。

「遅くなってすいませんでした。」

「「いえいえ・・・大変でしたね。」」

「ああ、まさかあんなことに巻き込まれるとは思わなかったです。」

「まあ、マイマール様はギルドでは英雄で冒険者が憧れるほどの快挙を成し遂げたから無理もないですよ。」

「快挙ってスワンプの肉を持って帰った事か?」

「肉を持って帰ったってことはスワンプドラゴンを倒したって事でしょ?」
「それが快挙なのですよ。」

「まあ、よくわからんがそれによってマイがSランクになったと言うならめでたいことだ。」

 ケンジ達にとってスワンプドラゴンは竜種ではなくでっかい蜥蜴と同じなので冒険者ギルドがなんであんなに騒いでいるのかよくわからないのである。

「ご主人様・・・なんでそんなに騒いでいるのかよくわからないみたいですね・・・」

「ああ、何でスワンプごときで快挙なんだ?」

「「・・・・」」

 アーチェとモーリスはケンジの言葉に言葉を失ってしまうのである。

「ご主人様・・・本来スワンプドラゴンとは下級ドラゴンですがまぎれもなく竜種なのでございます。」

「だが、ブレスもはかないし少し素早く硬いだけだろ?」

「ご主人様、スワンプは本来ならAランク冒険者がパーティーではなく連合を組んで討伐する魔物なんですよ。それでも討伐は難しいとされている魔物なんです。」

「えええ~~~!」

「「ケンジ様・・・しらなかったのですか?」」

「あんなスワンプなんて俺達にとったら雑魚もいいところで竜じゃなく蜥蜴のような存在だぞ。」

 それを聞きセバスは頭を横に振り呆れ、アーチェ達は空いた口がふさがらなかったのである。

 アーチェとモーリスはケンジが言う雑魚発言に驚き放心状態で話を続けたのだった。

「あのですね・・・そんな存在のスワンプを実質マイマール様がソロで討伐したのでよ。」
「だから、ギルド内ではマイマール様を英雄扱いにしSランクに昇格したのですよ。」

「なるほどなあ・・・だからAランクの流星はあんな弱かったんだな・・・」

「あのケンジ様・・・流星は弱くないですよ・・・」
「そうです。言ってみたらケンジ様達が強すぎるのですよ!」

「まあ、確かに俺達に比べたら弱いと思うが俺からしたらギルドの査定も見直した方が良いと思うけどな。」

「ご主人様が査定したら冒険者みんなDランクから上がれなくなりますよ。」

「ははは。確かにそうだな!」

 それを聞いたアーチェとモーリスは呆れて物が言えなくなっていたのであった。





「それで話が脱線してしまったがアーチェさんとモーリスさん本題になるがいいか?」

「「は、はい!」」

「俺としたらやっぱり申し訳ないがあんた達を雇う事は出来ないんだ。」

「「そ、そんな・・・私達は!」」

「ああ、君達の意気込みはよくわかるよ。だが、俺達にも事情があり外には情報を出したくないんだよ。わかってくれないか?」

「この家の情報絶対に話しません!お約束します!」
「だからわたし達をアプリコット様と一緒に働かせてください!」

 二人はケンジに頭を下げるのである。

「そうはいってもだな・・・俺は今日の事もある様になんか敵が多いんだ。これはわかるよな?」

「「ええ・・・」」

「だから、君達のような一般市民がいざこざに巻き込まれた時のことが心配なんだよ。自衛できるくらい強かったらまだいいんだが君達はギルド職員だっただけで自衛できるほど強くないだろ?」

「わたし達は強くないですし自衛できるとは言えないですがアプリコット様も同じだと思うのですが?」

「いや・・・前にも言った通りアプリコット達は奴隷という立場だ。この家の事は絶対にしゃべることはできないだろ?」

「ですが、この家の事はわたし達も調べたのですが自衛のできない奴隷達には必ずと言って戦闘できるものがついてくれて攫われる事が殆どないじゃありませんか?」

「それはそうだが・・・万が一という事があるだろ?それに君達を雇う事になってアプリコット達みたいに四六時中ずっと目の届く範囲にいるわけじゃないしな。」
「休みの間は自宅か宿屋に帰ることになるだろ?その時に襲われでもしたらどうするつもりだ?」

「「そ・・・それは・・・」」
「でしたら住み込みで働かせてください!」
「「お願いします!」」

「それもむりだな・・・」

「「なんでですか?」」

「そりゃ当り前だろ!家の事がまるわかりになるのも嫌だが、君達の心情を考えたら絶対無理だ。」

「だから・・・なんでですか?」

「君達は尊敬するアプリコットが奴隷部屋で生活しているのに君達は住み込みとはいえ本宅でアプリコットより良い暮らしができるのか?」

「「あ・・・」」

「そういうわけだから最初はいいかもしれないがそのうち君達の関係性に歪みが出てくるぞ。そうなったら本末転倒だろ?ちがうか?」

「「だったら!」」

「君達を俺の奴隷にしてくれと言うのは無理だぞ!」

 ケンジは二人の意見をかぶせ気味に否定したのだった。何の落ち度もない人間を奴隷にするのは絶対にできないのである。

「「なんでですか?」」

「なんでですか?ってあたりまえだろ!奴隷に堕ちたら平民に上がることがもうほとんどできないし、そんな理由で奴隷に落としたら俺に批判が集中するだろうが!」

「わたし達がいいと言っているんですから!」

「それでもだめだ!」
「俺達が納得したとしても人々はそんなのわからないからな!そういう事は人間は面白がりある事ない事言うもんなんだ。」

「ですが・・・」

「君達はちゃんとギルドにはもう戻れないかもしれないが、ちゃんとした所で働き暮らしていくんだ。」

「だけどわたし達はギルドもやめて真剣に考えたうえでここで働きたいのです。」

「それについては、アプリコットが余計な事を言ったと謝罪するよ。だが、それを選択したのは君達の自由だ。俺にその責任を取ってくれ言うのは筋違いというもんだと思わないか?」

「そうかもしれませんが・・・」
「だけどわたし達は真剣に考えた結果ギルドを辞めてきたのです。」

「じゃあ、話を変えよう!もし俺が君達に一目ぼれしたから付き合ってくれといったとする。」

「「いえ・・・それはちょっと・・・いきなりすぎて何を言っているか。」」

「うんうん。そう思うのが普通だよ。だが、俺は奥さんになる予定のマイマールと別れてきたんだ!」

 それを聞いたマイは焦った様子で話に割って入ってきたのだった。

「ちょっとケンちゃん!どういうことよ!」

「例えばの話だ!そんなことないから安心しろ!」

「ならいいけど・・・例え話が嫌な感じの話ね・・・」

「でだ、君達に俺はマイと別れてきたのにそれはないと詰め寄ったなら君達は俺の事をどうおもう?それが原因で君達にストーカーするとしたら?」

「「それは・・・」」

「そうだ!君達にとってそんな理由で迫られてもと思うのが普通だよな?今君達がやっているのはそうゆう理不尽な事なんだよ。」

「「・・・」」

「そしてここからは君達がここで働きたいと言って俺を困らせている最大の理由なんだが・・・ここでの仕事が魅力的で働きたいのならまだ俺は考える余地はあるのだが君達の働きたい理由はアプリコットと一緒にいたいと言うだけだ。」

「「それは・・・」」

「アプリコットは今この店では雑用に毛の生えたような仕事しかしていない。ギルドでのようなかっこいい姿とは今は皆無だ。君達は前の姿を期待しているならガックリきてこの店を辞めることになるぞ。」

「そんなこと・・・」

「本当にそうか?君達はアプリコットのかっこいい姿しかしらないだろ?一般に奴隷と言われる姿をアプリコットと重ねて想像して見なよ。」

 ケンジがそういうとアーチェとモーリスは暗く沈んでいくのが手に取るようにわかるのだった。

「ですが、アプリコット様は店頭では綺麗な作業服を着て元気いっぱいでしたよ。」

「そりゃ当り前だ!元気いっぱいに愛想ふりまかなきゃ接客なんてできないだろ?そうならないように綺麗な作業着は用意するさ!」
「だが、まぎれもなくアプリコットは奴隷の暮らしなんだぞ。君達が思っているようなアプリコットはもう存在しないんだぞ?」

「「・・・・」」

「そういった現実を目の当たりにした君達は今度は店を辞めると言うだろう?だって君達の憧れていたアプリコットはもういないんだからな?」
「そうなった場合この家の事が君達から漏れる恐れがあるんだ。それだけは絶対阻止しないといけないが、平民である君達にそんな縛りはできないから俺にはどうしようもできなくなるんだ。」

「なんでケンジ様はそんなに秘密主義なんですか?」
 アーチェはケンジの秘密主義が無ければと何の問題はなくなると思い苛立ちを露わにするのだった。

「そりゃ当り前だろ!ギルドや他人は俺の開発した便器や食器を利用し取り上げようとするんだからな。信用するわけないだろ?あれらの商品は俺達が暮らしていく為の飯の種だ!外部に漏らしたくないと思うのは当たり前だと思うが違うか?」

 ケンジの言う事は当たり前であり、アーチェとモーリスは何も言えなくなり下を向き黙ってしまうのだった。

「そういうわけだから君達は雇えないからお引き取りしてください。」

 ケンジはアーチェとモーリスにそう伝えるのだった。アーチェとモーリスはもう何も言えないと思い下を向いてケンジの家から出ていくしかなかった。
 二人が出て行ったあとケンジはフーっとため息をつき安心したようにつぶやくのだった。

「アプリコットには悪い事をしたがしょうがないだろう・・・」

「ご主人様・・・なんでアプリコットに悪い事をしたのですか?」

「だって、尊敬している後輩にアプリコットの事を悪く言ってしまったからな・・・」

「ご主人様はお優しいですね。」

 そう言いながらケンジの家を出ていく二人を見送るのだった。

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