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第5章 遂に始動!
34話 ダンジョンへ①
しおりを挟むケンジの店で肥料が売り出され農家をやっている平民たちの口コミでケンジの店は大盛況である。
それもそのはずでケンジは魔力調整を行い肥料にする段階で試作品より弱めの物を作るのであるが、今まで一年に一回の収穫がケンジの肥料のおかげで2回収穫が出来るようになったのである。
試作段階であった肥料は強すぎる為10日で収穫できることになると、色々問題が起きる為調整をおこなったのである。それでも、今までより収穫された野菜や果物は糖分やミネラルを多く含み美味しいく出来上がるので、農家さんの売り上げは上がってケンジは町の人たちから感謝されまくるのであった。
そんな日が続いたある日また、ケンジに生産ギルドからの呼び出しがあるのだった。
「ご主人様。生産ギルドからの呼び出しがありましたがどういたしますか?」
「へえ・・・もう呼び出し何て来ないかと思ったがまた来たのか?」
「はい・・・」
「今日は何も予定もないし気まぐれで出てみるとするよ。」
セバスはケンジが呼び出しに応じると言いびっくりした様な顔をするのだった。
「え?ホントでございますか?」
「ああ、たぶん肥料や食器の事だと思うけどな。だけど本命の要件はインゴットだと思うぞ。」
「ああ・・・なるほど・・・最近ご主人様、オリハルコンを納品してませんでしたから・・・」
「まあ、ギルドの足元をすくってくることにするか。」
ケンジはそう言ってカラカラ笑うのだった。それを見たセバスはケンジが今度はどんなことをするのか興味半分恐ろしさ半分で見ていたのだった。
昼ぐらいからケンジはギルとプリムを連れて生産ギルドに顔を出し、受付に声をかけるのだった。
久しぶりにギルドに顔を出したケンジはなんか様変わりしたギルドに驚くのだった。ギルドの受付嬢も知らない顔が増えていて全体的に若い女性が増えている印象があるのだ。
「すいません。」
「はい!今日は何のご用件でしょうか?」
「ギルドから呼び出しがあったんだが・・・」
受付嬢は眉をしかめるのだった。ケンジは見た目は童顔でとてもじゃないがこのガイアースに降り立った時16歳であれから2年経ち18歳になっていたがどう見ても成人したての15・6にしか見えないのだ。それゆえ新人の受付嬢はこんな子供にギルドが呼び出し?と疑問を持つのだった。
「えーっと・・・ギルドから呼び出しっていったい何をしたの?本当に呼び出されたの?何かことづけを預かったとかかな?」
なぜか受付嬢は小さい子をあやすような、迷子に話しかけるような対応をするのである。
「なんだその迷子をあやすようなしゃべり方は。あんたじゃ話にならんみたいだから上司を呼んでくれないか?」
「なっ・・・失礼な子ね!ホントに呼び出されたの?」
「ああ!たぶんギルマスだと思うぞ。」
「はあぁ~~~ギルドマスタぁですってうそでしょ?」
「何を騒いでいるの!貴方はもっと受付嬢の自覚を持ちなさいと言っているでしょ!」
「あ!アヤさん!聞いて下さいよ。この子がギルドマスターから呼び出しがあったから取り次いでくれって言うんですよ!」
アヤと呼ばれた女性はケンジの顔を見て慌てて謝罪するのだった。
「ああ!ケンジ様ですね!失礼しました!あなた何をやっているのですか!」
アヤは新人受付嬢の対応を謝罪するのだった。
「アヤ先輩。この人は誰なんですか?」
「何言っているのですか!朝礼でちゃんと連絡したでしょう。又聞いてなかったの?」
ケンジは二人の言い合いに呆れながら口を出すのだった。
「なあ、用事が無いなら俺は帰るぞ!あんたらの言い訳はもういいから取り次いでくれないか?」
「あ・・・これは失礼しました・・・どうぞこちら奥の方へ!」
アヤと呼ばれた女性はケンジを奥の部屋に案内するのだった。当然だがこの新人受付嬢は先輩受付嬢にこっぴどく叱られるのである。
「失礼します。ケンジ様がギルドに来てくれたので案内しました。」
そういってアヤはギルドマスターの部屋の前に立ちノックするのだった。
「はいれ!」
「ケンジ様どうぞ。」
ケンジは案内されギルマスの部屋に入るのだった。
「これはケンジ殿よく来てくれた。本当にありがとう!」
「いつも来ることが出来なくてすいません。今日はどういった用件でしょうか?」
「まあ、そこに座ってくれ!」
ケンジはギルマスの言う通りソファーに腰を下ろしギルマスと少し世間話をしていたところにアヤという受付嬢がお茶を持ってきてくれたのだった。
「それで今日はどういった用件でしょうか?」
「実はな、オリハルコンの在庫が少なくなってきてケンジ殿に依頼を頼みたいんだよ。」
「ずっと納品が少なくてな・・・今オリハルコンの値が高沸してインゴット1個2000万ドゴンまで上がっているんだよ。」
「なるほどね・・・うちの店でも値の動きに合わせて値上げしているからその辺りはよくわかりますよ。」
「それでできたらすぐ納品してもらえるとありがたいんだができるかね?」
「いや・・・無理ですね。納品するなら採掘しに行かないと自分の所にも在庫は無いです。」
「そ、そっかあ・・・ならすぐにでも採掘してもらいたいんだが依頼を受けてくれないか?」
「それは、指名依頼でよろしいですか?」
「ああ、受けてくれるならそれで構わないよ。」
ギルマスはケンジの言う事に無理強いはしないで言う事を聞いてくれるのだった。
Aランク依頼
受注内容 オリハルコンインゴットの納品
個数 10個
値段 オリハルコンインゴット1個につき2500万ドゴン
「それでいつから採掘に向かってくれる?」
「そんなに在庫が無いのか?」
「ああ・・・もうカスカスなんだ・・・すぐにでも欲しいくらいなんだ。」
「ああ、わかったよ。今回無理強いをするわけじゃないみたいだからギルドに協力し明日からダンジョンに向かう事にするよ。」
「本当か?本当にありがとう!助かるよ!」
「じゃあ、俺はこれから明日の準備があるからお暇して良いか?」
「ああ、わかった!よろしく頼む。」
ケンジは今度のギルドマスターは今までとちょっと違うなという印象をうけたのだった。
「主、今回のギルドマスターはなんか違いますね。」
「ホントああゆうギルドマスターなら好感持てますね。」
「ギル、プリム確かに印象はいいと思うが油断したらダメだぞ。ああゆう人間が一番注意しないと足元をすくわれ油断いけないんだ。」
「「えっ!どうゆうことなんですか?」」
「わすれたのか?あのギルマスはアプリコットを切り捨てたやつなんだぞ。」
「ですが、主の要求を素直に飲みましたよね?主の事を立てることにしたんじゃないんですか?」
「そうですよ!あれだけご主人様に叩かれたんだからギルドも考えないしたんだとおもいますよ。」
ケンジはギルとプリムの考え方に呆れるのだった。
「ギル、プリム・・・そんなことだとあげ足取られることになるぞ。なぜ、ギルマスは俺の要望に素直になったのかわかるか?」
「だから、主の事を怒らせてたらやっかいなことになるから・・・」
「それは違うぞ。ああいう人間はそう簡単に考え方を変えることは無いんだ。今回注文した金額は500万ドゴンも高い金額で注文したことになるよな。」
「それも今のこの高沸した金額でだ。普通なら1000万ドゴンで取引される時から考えたら1500万ドゴンも高く買い取ることになるんだぞ?」
「それから考えられることは一つだ!今回こんだけ高い値段で買い取ったんだから次はギルドのお願いを聞いて食器や肥料をギルドに卸してくれと言ってくると思うぞ。」
「「なっ・・・・」」
「ご主人様はそれがわかってて何で素直に依頼を受けたのですか?」
「ギルドの言う事はわかるがその要求を言われても突っぱねたらいいだけだからな。」
「でも、ギルドはそうゆう要求してくるのでしょ?」
「要求したからってなんで俺が飲まなくちゃいけないんだ?今回ギルドが勝手に値段を上げて俺に指名依頼しただけだぞ。」
「「・・・・」」
「それにオリハルコンが少なくなってきて困っているのは事実だろ?生産者がダンジョンに潜れなくて困っているのを俺が助けるんだ!ギルドは俺に借りを作ることになり肩身が狭くなるのはギルドの方だよ。」
それを聞いたギルとプリムは何も言えなかったのだ。
「やっぱ主は怖いな・・・」
「ええ・・・」
「何二人で何コソコソしゃべっているんだ。今回は超級ダンジョン往復で1週間の期間だ。それで準備してくれるか?」
「「はい!わかりました。」」
ケンジは家に帰りセバスに明日からダンジョンに行くからと伝え、家の事を頼むと言うのだった。
そしてケンジは一華に明日からダンジョンに行くからみんなの事頼むといいその横に顔がそっくりの人物が立っていてその人物にもケンジは頼むと言うのだった。
「一華、俺は明日からダンジョンに1週間行ってくるからみんなの事よろしく頼んだぞ。」
「はい!任せてください。」
「二葉(フタバ)もよろしくな!」
「はい。イチカと一緒なら大丈夫です!」
ケンジはゴーレムを新しく完成させていたのだった。二葉は一華に比べ同じ顔だが少し幼い感じで製作せていたのだった。だが、性能は一華と同じでとても強くAランク冒険者にも負けることはないのだ。
これによりケンジの戦闘能力のない家族の安全は確立するのである。
また、マイにも明日からダンジョンにいく事を伝えるとマイは久しぶりのダンジョンに喜ぶのだった。ケンジが店の事で手一杯だったため、最近ではプリムとシスティナを連れて地上の依頼ばかり受けていたのでダンジョンに行ける事は依頼料が跳ね上がるからである。
「ねえ、ケンちゃん今回はどのくらい潜るの?」
「オリハルコンの在庫が少なくなってみているから指名依頼を受けたんだよ。だから超級の5階層までで、1週間しか潜らないよ。」
「そうなんだ・・・短いね。」
「まあ、そういうな。レアの食材や肉を大量に持ち帰れるのは間違いないからな。」
「たしかに、超級ダンジョンの魔物は素材もむっちゃ高いからいいか。」
「俺も鉱石をいっぱい持ち帰れるから助かるしな。」
ケンジとマイは気軽に散歩に行くような感じで余裕の表情で明日からのダンジョンの事を考えているのだった。
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