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第4章 生産無双へ!

30話 ギルドのピンチ①

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 今日もケンジは生産ギルドに顔をだし午前中はFランクの仕事を探し受付に提出していたのであった。

「あの・・・ケンジ様?」

「ん?なんだ?」

「この間からずっとFランクの依頼ばかりですが採掘には行かれないのでしょうか?」

「今はまだ行かないかな?」

「そろそろギルドとしても行っていただきたいと思うのですが・・・」

「なぜギルドが催促してくるんだ?他にも生産職の人はいるだろ?」

「いえ・・・最近魔物が強くなってきていてそう簡単に生産職の方がダンジョンに潜れないのでオリハルコンの在庫が切れそうになってきているのです。」

「いやいやいや・・・俺も同じ生産職だし!」

「いえ、同じ生産職なわけないです!普通オリハルコンのインゴットを5個揃えるのに何回ダンジョンに潜るかわかりますか?」

「いや、普通って何を言っているかわからんけど・・・」

「普通は最低6、7回以上潜って5個のインゴットを納品するですよ。ケンジ様は1回潜ってインゴットを5個納品されるじゃないですか。」

「げっ!そうゆうものなのか?」

「はい!そうゆうものです!ですから一個のインゴットがあんなに高額なのですよ。」

「まあ、それならそれで元の供給に戻っただけだろ?俺にはやることがあるからまだ潜れないよ。」

「そんなこと言わず納品をお願いします。そんなFランクの依頼なんてやってるならいいじゃありませんか。」

「何言ってんだ!Fランクの仕事も立派な依頼だろ?最近町の人も俺が受けていることもありギルドの信用も持ち直しているだろ。」

「その辺りは感謝してますがオリハルコンやミスリルのインゴットも待っている依頼者もいるのです。」

「まあ、その依頼は他のFランクの依頼を軽んじてやらない生産者に任せ俺はまだやらないからよろしく!」

「そんなこと言わず・・・」

「日頃ちゃんとFランクもみんなで協力しているならこうゆうとき俺も協力してもいいかと考えるべきだが都合のいい時だけ俺を利用しようというその考え方が気に入らないから協力するつもりはない!」

「・・・・」

「俺が潜りだすまで待っとけ!オリハルコンやミスリルが需要と供給のバランスが崩れ出したら俺も儲かるしそっちの方がいいしな。」

 ウランはケンジがこう言いだしたら聞かないとみてガクッと膝をおとすのだった。

(まあ、俺を動かしたいのならギルドも殿様営業をするんじゃなくきっちり考えるんだな。)とケンジはそう頭の中でウランやギルドに対して大声で叫びたかったのである。






「ねえ、ケンちゃん・・・あたしも最近ずっと以来受けてないけど、ご飯や生活費稼がなくてもいいの?」

「いやいや・・・俺が装備製作で時間を取ってダンジョンや町の外にいけないだけだろ。それなら俺が生活費出すのが当たり前じゃないか。」
「それにマイもFランク依頼につきあわず、誰かとシスティナやオリヴィアを連れて町の外の討伐依頼を受けても構わないんだぞ。あの二人連れていけば地上の魔物でピンチになることはまずないし安心だしな。」

「え?システィナとオリヴィア連れて行ってもいいの?」

「ああ、かまわないよ。二人もいいと言うなら訓練になるだろうしな。」

 こんな会話をしながらケンジは午前中はFランクの仕事をこなし町の人達と仲良くなり着実に目標に向けて歩き出すのである。ケンジはまだ知らなかったのである地上の魔物も強くなってきており魔物や素材の値段が高沸してきていることに!
 そして、システィナやオリヴィア達には簡単に討伐できる魔物が普通の冒険者達には討伐するのにそれなりの時間と労力がかかってきていることに気づいていなかったのである。

 


 そしてそれから2週間が過ぎたころギルドから呼び出しがケンジにあるのだった。

 ケンジは毎日のように午前中にFランクの依頼を受けていて、とうとうしびれを切らしたギルドから呼び出しがあった。ケンジはすぐには呼び出しに応じず、次の日にギルドに顔を出したときにウランから奥の部屋に来るように言われるのだった。

「ケンジ様。申し訳ありません・・・奥の部屋に来てもらえませんか?」

「え?いやです!どうせダンジョンに潜ってくれとお偉いさんが言うんでしょ?」

「ええ、その通りでございます!もう在庫が切れて今いるメンバーで一生懸命採掘しているのですが間に合いそうもないのです。」

「うんうん・・・そうだろうねえ・・・依頼書にも日に日に値上がりしているみたいだし。」

「だったら、ケンジ様も協力してくれてもいいじゃないですか?」

「ギルドは本当に自分勝手だよな・・・俺は今まで何もしていなかったか?それともオリハルコンを掘る事だけが協力と?」

「それは・・・今はインゴットが不足しているのでこっちの依頼を優先してほしいのです。」
 
 ケンジは少し考えるふりをして目をつむるのだった。

「で、奥の部屋には誰がいるんだ?」

「副ギルドマスターです。」

「ギルドマスターはどうしたんだ?」

「ギルドマスターは最近の魔物の事で会議で町を離れています・・・」

「ん!わかったよ!副ギルドマスターなら会ってやってもいいよ。」

 それを聞きウランは肩の荷が下りた様にホッとした表情になるのであった。ウランはケンジを奥の部屋に案内をし、副ギルドマスターがいる部屋の扉をノックするのであった。

 副ギルドマスターはエルフの女性であった。さすがエルフの女性だけあって人形のような美しさがありケンジも見惚れてしまうのである。

「はじめまして、ケンジと言います。」

「これはこれはよく来てくれました。呼び出しに応じてくれてありがとうございます。」

 副ギルドマスターは物腰が低い女性で丁寧にケンジをもてなし名前をユエティーというらしい。

「それで、率直に申し上げます。申し訳ないのですがオリハルコン鉱石を掘りに行きインゴットを納品お願いできないでしょうか?」

「聞きたいのだがなんで俺にそれをいいつけるんだ?」

「ケンジ様なら一回ダンジョンに潜れば用意できると信じているからです。」

「いや、そういう事じゃなく。」

「ん?なにがききたいのですか?」

「俺がこの町に来る前は万年的にオリハルコンインゴットは不足気味だったはずだよね?不足になるとギルドは生産者にこうやってお願いするものだったのか聞きたいんだ。」

「そ、それは・・・こうしてお願いするのはケンジ様がはじめてだと・・・」

「だったら、万年不足気味だったころに戻っただけで俺が協力しなくても問題はないと思うが違うか?」

「それが今はその不足だったころより悪化しているのが実状なのでございます。」

「理由を聞かせてくれないか?なんでそうなったんだ?」

「最近ケンジ様もわかると思いますがダンジョンの魔物がグレードアップし初級ダンジョンでも生産者達が潜れない程魔物が強力になっているのでございます。5階層に行くだけで冒険者達が犠牲になる事件が多発しており当然冒険者が潜れないのに生産者が潜れるわけがございません・・・殆どの者がが地上で採掘をしているのです。」

「なるほど・・・地上でしか掘れないから偶然レジェンダリーの採掘スキルに引っかかったオリハルコン鉱石しか掘れなくなっているのか・・・」

「その通りです・・・このままでは不足どころではなくミスリル製の装備しか無くなりダンジョンにも行けなくなる冒険者で溢れることになるのです。」

「でも、オリハルコン製の装備なんて買える冒険者がそんなにいるものなのか?」

「いえ、オリハルコンは何も装備だけじゃなく錬金術の材料にも使われるし用途はいっぱいあるのでございます。」

「なるほどなあ・・・それは知らなかったよ・・・」

「ですから、ケンジ様は中級ダンジョンも攻略したお人なので、もうギルドはケンジ様しか頼れないのでございます。」

 ケンジはしばらく考え込んで目をつむり難しいと一言いうのであった。

「そんなケンジ様・・・」ユエティーは愕然とするのであった。

「難しいと言ったのはギルドの態度のことだよ。俺は頑なに行かないと言っているわけではないよ。」

「では!」

「ユエティーさん!まあ、待ちなよ!俺はここにきてまだ1年ちょっとで新参者だが今までギルドの態度に癖壁としている。」
「町の人の依頼は蔑ろにしているは、自分さえ良ければいいという考えの奴ばかりだは、ゴッドオーダーの事に関しても一週間程度の事で子供でもできるようなことしかしないは、こうして今回のように俺を利用だけしようとしている。」

「それは・・・」

「まあ、これはたぶんギルドマスターの命令だとは思うが、もっと自分達で考えて動けないものなのか?」

「どうしてそれを?」

「少し考えたら誰でもわかるよ。だけどな、もっと何とかならないものなのか?」

「そ、それは・・・」

「まあ、俺が言いたいのは都合のいい事だけしか動かないギルドはどうしようもないということだよ。」

「ケンジ様!どうか、お願いします!ダンジョンに潜ってもらえないでしょうか?この通りです!」

 ユエティーは副ギルドマスターの立場も忘れケンジに土下座するのであった。これ以上オリハルコンやミスリルが無くなるということは町の機能が失われることになりにっちもさっちもいかなくなるのを意味しているである。
ユエティーはそれだけは防がないと説明をしケンジにすがりついてくるのである。

 ケンジは部屋を出ていこうとするのをユエティーはどうしてもケンジにダンジョンへ行って採掘をしてもらいたいので足にしがみつくのだった。

「はああ・・・」

 ユエティーはケンジの足にしがみつき涙をためて懇願するのである。

「女はずるいよなあ・・・涙さえ見せたら男は動くと思っているんだから・・・」

「そんなこと言わないでください!ですが、わたしの涙でケンジ様が言う事聞いてくれるならいくらでも流します。」

 ケンジは下手に出る副ギルドマスターは好感に思えるのは確かであり、少し考えるのである。

「で、オリハルコンインゴットはいくつ必要なんだ?」

「で、では!」

「ああ、用意してやるよ!だが本当にユエティーさんは町の事を考えて俺にお願いをするんだな?」

「は、はい!このままでは町の機能が失われてしまうからです!ああ、あ、ありがとうございます!」

「わかった!ただし条件がある!今回はアンタの下手に出る態度で今回だけ聞いてやる!今回だけだぞ!次からはどんなことがあっても自分の都合でしか動くつもりはない!いいな?」

「はい!はい!わかりました。」

「そしてもう一つ!こんだけ不測の事態に陥っていると言う事はオリハルコンは幾らになっているんだ?」

「ハイ・・・今はインゴット一個2000万ドゴンまで値上がりしています。」

「じゃあ、その倍の1個4000万ドゴンで受けてやる。」

「そ、そんな・・・それでは売り上げが殆どでないじゃありませんか・・・」

「ん?アンタら町の機能が戻れば助かり、俺は嫌だが言う事を聞くそれで俺は言う事を聞くメリットとしてお金を請求!何の問題があるんだ?」
「嫌ならこの話は無かったことになるだけだが良いのか?」

「わかりました・・・オリハルコンインゴットを20個用意してください。」

「じゃあ、8億ドゴンだな!毎度あり!」

 ケンジは受付に戻ろうとし、ユエティーは部屋で項垂れ落ち込むのであった。

 すると部屋を出るときギルは本当によろしいのですかとケンジに耳打ちをしてくるのだった。

「ああ、しょうがないよ!町の人に迷惑がかかるからな。」

 ケンジの護衛のみんなは久々に腕が鳴ると気合を入れるのだったが、ケンジはまあ、待て!ダンジョンに行くつもりはないからとギル達を止めるのだった。

「ギル!俺はいつも言っているだろ。切り札は薄切りにして出すものだと。」

「はい・・・出し惜しみは知っている者の特権だと!いつもおっしゃってますね・・・」

「それを今から見せてやる!」ケンジは悪い笑みをうかべるのだった。




 ケンジは受付に行き、副ギルドマスターの受注書をウランに出し受付をすますのだった。

「ケンジ様オリハルコンの依頼を受けてくれてありがとうございます。それでいつ出発してくれるのですか?」

「いやダンジョンにはいかないよ。」

「え?それでは依頼失敗してしまい、違約金をはらうことに・・・」

 ケンジはウランが言い終わる前にカウンターにオリハルコンのインゴットを20本だすのだった。

「え?ええええ!!」

「そうゆう訳だから報酬の8億ドゴンを払ってくれ!」

「ケ、ケンジ様・・・オリハルコンがあるなら売ってくれても良かったじゃないですか・・・それをだますなんて・・・」

「な!だますとは心外な!言いがかりはよせ!オリハルコンがあるなら売ってくれと一回でも俺に言ったのか?」

「そんな・・・オリハルコンが20本もあるとはだれも思わないじゃありませんか?あるなら最初から言ってくれても!」

「悪いが俺はギルドとなれ合うつもりはないんでね。ギルドが対応を変えるなら考えてやってもいいがと、何回も忠告しているのに変わらないギルドとなれ合うとこっちが損をするだけなんでね。あきらめてくれ!」

「主、怖ぇ~~~!」

「主の言う知っているものは最強というのが改めてわかりました・・・・」

「「「「ご主人様は絶対怒らせたらダメというのがわかりました・・・・」」」」

「で、物は納品したんだ。早く報酬おくれ!」




 ウランは顔を真っ青にして少々お待ちくださいと言い、副ギルドマスターのところに相談しに行くのだった。すると、顔を真っ青にして奥から飛び出してきた二人はケンジに対して土下座をするのだった。

「ちょ、ちょっとお待ちください!このオリハルコンはどうしたのですか?」

「どうしたのですかって俺の持ち分を出しただけだよ。正真正銘俺が採掘したオリハルコンだ。」

「ですが・・・今からダンジョンに行って採掘してくるのが嫌だからあんなに駄々をこねてたんじゃ・・・」

「いやいやいや・・・あんたらがそのように勝手に思っていただけだろ。それに俺が使う予定のオリハルコンを出すのがいやだったから渋っていただけだし。」

「それでしたら最初から言ってくれれば・・・」

「ハッ!何でそんなネタをいちいち言わなきゃならんのだ!言ったら儲け話がおじゃんになるだろうが!」
「なんでもいいから8億ドゴン払ってくれよ。ちゃんと受け付けもすませただろ。」

 そうなのだ、受付をしたと言う事は物を納品したら報酬を払わないとギルドが詐欺をしたことになり、
ユエティーは責任を取らされてしまうのである。

「あ、あの・・・ケンジ様・・・・相談があるのですが・・・報酬のお金は少し待ってもらっても・・・」

 そうユエティーはケンジが採掘をしている間の時間でお金を工面するつもりでいたのである。ケンジがオリハルコンを自分の分を持っていただなんて思いもしなかったのである。

「ギルドは俺達が依頼が遅れたときはどうしていたかわかるか?」

「・・・・」

「違約違反で賠償金を有無も言わさず払わせて、今回自分が払えないと待ってくれとはどうゆう意味か教えてくれないか?」
「違約金が払えず奴隷落ちした冒険者や生産者がいてもギルドは容赦なく取り立てたと思うが。」

 すると周りにいた冒険者や生産者はここぞとばかりに「そうだ!そうだ!」と声を上げるのだった。

 ユエティー達ギルド職員は何も言えなくなってしまい、グウの音も言えない状態で下を向いたまま、ケンジにお願いをするしかなかったのである。

「さて、ギル?これはどうしたものかな?・・・」

「なぜ私に聞くのですか?こんなこと前代未聞ですから私がわかる訳ないですよ。」

「ケンジ様・・・2週間!2週間で良いので待ってください!お願いします!」

 ユエティーはじめギルド職員は見事な土下座をし、身動き一つしなかったのである。

「なぜ払えないのに受注書を発行したんだ?」

「いえ・・・払えるつもりでしたがケンジ様がダンジョンに言っている間に工面するつもりでした。まさかオリハルコンを自前でお持ちになっているとはおもわなかったのです。」

 ユエティーは土下座をして額を床に付けたまま理由を説明したのだった。

「ユエティーさん顔を上げてください。」

 ユエティーはケンジの顔を上げてと言われてお金を待ってくれると思い笑顔で顔を上げるのだった。

「ユエティーさん今回依頼の条件をいってもらえますか?」
 ケンジは笑顔でユエティーさんに今回依頼をするにあたっての条件を聞くのだった。

「・・・・・・」

「はやく!」

「今回だけ・・・ギルドのお願いを聞くことに・・・する・・・今回だけだぞ!・・・次からはどんなことがあっても・・・自分の都合でしか動くつもり・・・はない・・・」

「はい!よくできました。で、貴方達ギルドはどうしますか?」

「・・・・・」

 ユエティーはケンジの笑顔がものすごく怖かったのである。すぐに顔を床に付けて謝罪を繰り返すのであった。

「しょうがない・・・」

「待っていただけるのですか!」

「なんで待たなきゃいけないんだ?」

「で、では・・・」

「8億ドゴンを誰かに負担してもらわないといけないからな・・・だが8億となると何人か奴隷になってもらうしかないから誰がいいかなとおもってな。」

「ちょっ、ちょっと待ってください!」

「うん?なにか名案でも浮かんだんですか?」

「2週間ぐらい待ってもらってもいいじゃないですか!」

「ウランさん今のギルドの立場がわかっていますか?」

「そ・・・それは・・・」
「ウラン!早くケンジ様に謝罪をしなさい!」ユエティーはウランの頭を押さえ無理やり土下座をさせるのであった。

「ユエティーさん。ギルドはこうゆうとき生産者達にどうゆう態度を問ってきましたか?正直にお答えください。」

「はい・・・違約金が払えない者には・・・奴隷に堕ちてもらい借金奴隷になりそのお金を違約金に当てました。」

「で、そんなことを繰り返してきたギルドがその立場になったら待ってくれと?そんな自分勝手な事が通るとでも?」
「それに8億もの大金が2週間で集まるのですか?まあ、待つとしても2週間も待ちませんけどね。」

「そんなこと言わず待ってもらえないでしょうか?必ず用意しますので。」

「用意するのは当たり前でしょう!他の町のギルドに今から連絡をしてお金をかき集めてこの町に持ってくる作業をしたら最低でも1か月はかかるとおもいますがどうですか?」

「・・・・はい・・・そのとおりです・・・」

「じゃあ、2週間ってのは最初から嘘だと言う事ですか?ずるずる伸ばして揃えたら払って終わりとか冗談じゃないですよ!」

「そ、それは・・・」

「それに期限が過ぎたら利子が発生しますしね。8億の利子となると普通はこの世界の利子って1割でしたっけ?」

 ユエティーはだんだんケンジが恐ろしくなってきて逃げ出しくてしょうがなかった。8億の利子と言ったら・・・ユエティーは恐ろしくてパニックを起こしこんな簡単な計算が出来なくなっていたのだった。

「もう無理でしょ?奴隷に堕ちて俺が買ってあげますよ。そうそうギルドマスターにも責任を取ってもらい奴隷落ちしてもらいます。あのギルドマスターの後任のひとにはもっとまともな人がついてくれた方がギルドも良くなるでしょう!」

「あの・・・ケンジ様・・・わたしが貴方の奴隷になることで許していただけませんか?」

「ほうう!自分が奴隷になることで後は許してくれと?」

「はい・・・それでどうか・・・」

「聞きたいことがあるのだが、ギルド所属員同士の決闘で賭けがあるよな?」

「はい?ありますが・・・それをなぜ今?」

「俺が前に絡まれた時賭けがあった時俺の仲間たちを賭けさせられたことがあってなその時ギル達の査定があったんだよ。」

「はあ・・・それがなにか?」

「こんなに強いギルの査定が2000万ドゴンにしかならなかってその時は驚いたよ・・・俺は・・・」

 このセリフを聞きユエティーはドキッとする・・・

「俺が何が言いたいかわかるよね。ギルですら2000万だ。ユエティー・・・君は自分で奴隷に堕ちたときの値段をどのくらいを見積もって意見をしているのか聞きたいんだがいいかな?ギルドの借金は8億だ!」

「・・・・・」

「なあ、不都合になると無口になるのはもうやめにしないか?いくら温厚な俺でもイライラしてくるんだよね・・・」

 ケンジは威圧をギルド中に発散させるのである。するとレベルの低い者は気絶し、レベルの高い者は身動きできなくなるのだった。



「なんだよ・・・あいつ・・・生産者じゃねえのかよ・・・」
「俺は昔Sランクの魔物に出会ったとき・・・の事をおもいだす・・・」
「俺は・・・昔ワイバーンの討伐した時のことをおもいだすぜ・・・」


 周りにいる高ランク冒険者達は口々に口走るのであった。


「主、威圧を収めてください・・・気絶しているものが・・・」
 ギルはケンジに話しかけるのですらまるでドラゴンの逆鱗に触れるんじゃないかというほど声を震わしながらケンジを落ち着かせようとしたのであった。

「なあ、ユエティーさん。本当にどうするつもりですか?」

「あの・・・1日待ってください・・・明日にはギルドマスターが帰ってきます。どうお支払いするか相談する時間をくださいませんか?」

「ギルドマスターが帰って来たところでどうしようもないかと思うのですが何を相談するつもりですか?」

「何か私には思いつかない物があるかもしれません・・・」

「それに掛けると言うのですか?」

「どうか・・・一日・・・お願いします・・・」

「まあ、いいでしょう・・・一日待ってあげますが利子は一割乗せてもらいますよ。ホントに大丈夫ですか?8億8千万ですよ。いいですね。」

 ケンジは威圧をやめ、ギルドを出ていこうとし出口の前で振り向き逃げることは絶対無理だからねと一言言って帰っていった。

 ユエティーはあんな恐ろしい生産者がいるとはおもわなかったと・・・冷や汗が止まらない経験などしたことがなかったのである。

 ケンジがいなくなったギルドを見回すとギルド職員はケンジの威圧に当てられ気絶し、ちらほらいた高ランクの冒険者達はあいつ等だけは怒らせたらいけないと噂しているのであった。
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