上 下
108 / 619
第4章 生産無双へ!

17話 中級ダンジョン攻略後③

しおりを挟む
 大広間で優雅にお茶を続けていたケンジはフッと横を見るとティアナとフィアナが立っているのだった。

「おわっ!!」

 二人はケンジの驚いた大きな声にビクッと驚くのだった。

「二人ともいつからそこにいたんだ?」

「「ご主人様がセバスさんに罰をあたえたとこから・・・」」二人は何故かケンジを見て怖がっていたのだった。

「なぜ、そんなに離れているんだ?いつもならすぐに席につくだろ?」

「だってご主人様いつもとちがう・・・」

「ああ・・・二人は何か悪い事とか俺に対してとか言いづらい事をやったのか?」

「「いえ!そんなことはしてないです!!」」

「なら、そんな怖がることないだろ?俺はいつもと一緒だよ。」

「でも、あの4人に罰をあたえていた時のご主人様の顔こわかったよ・・・」

「そりゃそうさ!あの4人は俺に怒られることをしたんだからな。」と、いつも通りの笑顔をティアナとフィアナに向けて笑うのだった。
「俺はいつもと一緒だよ。」

 二人はケンジの笑顔がいつもと一緒だと確認すると安心をしてニッコリと笑顔になるのだった。

「ねえ、ご主人様は今度はいつまで屋敷でゆっくりするのですか?」
「無事に・・・帰ってきてくれて嬉しいです。」

「そっか、二人にも心配かけたみたいだな・・・今度も1週間は町でゆっくりするつもりだが、午前中はギルドでFランクの依頼でもやって午後からは装備品を製作して過ごそうと思っているよ。」

「え?ご主人様がいまさらFランクの依頼をするのですか?」

「いままでも、少しづつだがやっていただろ?そんな驚く事か?」

「だって今はもうオリハルコンを納品してあり得ないくらい稼げているんでしょ?」

「ああ・・・そこに驚いているのか・・・Fランクの依頼は別にお金の為にやっているわけじゃないかな?」

「依頼ってお金の為にやるもんじゃ・・・ないの?・・・」

「Fランクの依頼って殆どが街中での雑用だろ?まあ、薬草の採取とかはあるけどな。」

「「はい、そうですね。」」

「町の人たちの中には足腰が悪くなって庭の手入れや溝掃除が大変になったご老人なんかもいるんだよ。だが報酬が余り出せない人ばかりなんだよ。」

「はい!それだから平民でも貧乏な方が多いのもわかります。」

「でも、報酬が安いから若い俺たちが依頼をやらないでは雨が降った時、溝から雨水が溢れたり、庭が手入れしてなかったらやぶ蚊が大量発生したり大変な事になるんだよ。」

「「ふむふむ」」

「公衆トイレとかの掃除もしないと疫病が蔓延したらそれこそ大変な事になるだろ?」

「それって、ランクの低い人がやればいいんじゃないんですか?」

「いや、そうじゃないんだ・・・この町の冒険者やギルド所属の人たちは報酬が低いからと言ってなるべく報酬の高い依頼ばかりやって、そうゆう依頼の報酬が低いものをやらないんだよ。まあ、その人たちも生活があるから一概にダメとは言えないんだけどな・・・」

「じゃあ、ご主人様がやる必要はどこにあるのですか?」

「そこだよそこ!」

「「どうゆうことですか?」」

「できない人間を当てにするんじゃなく誰かがやらなくちゃいけないん事なんだ!だけど、俺だって慈善事業でやっているつもりはないよ。」
「いずれ俺も暴力ではなく経済で誰にも言われないくらいの力をつけると言ってただろ?」

「「はい・・・」」

「ってことはだ、いずれこの町にお店を開くということだ!そのときお客様は誰だ?」

「「あっ!!」」

「なんとなくわかってきたか?」

「ご主人様・・・すごい・・・」
「ホントにすごいです!」

「そうだ!その時の為に今から未来のお客様に顔を売って置けば、この町の人達は俺の店で買い物をしてくれるということだ。だからFランクの依頼を率先して町の人たちと仲良くやっているとゆうわけだよ。」

「「なるほどお!」」

「それに今でもその恩恵は出ていると思うぞ。」

「え?どんなことですか?」

「普通、この町いや世界でティアナやフィアナだけで買い物ってできると思うか?」

「あっ!」

「そうだ、俺がFランクの依頼をしているとき町の人達に俺の仲間(奴隷)だけで買い物に来ると思うけど売ってやってくれと頼んでいるけど町の人たちは嫌な顔一つせず笑顔で協力してくれてるんだぞ。」

「そっかあ・・・あたし達の考えはあまりにも傲慢だったのね・・・」
「「ご主人様ごめんなさい・・・」」

「そうだ。人間社会ってのはみんなの協力で成り立つものなんだよ。まあ、この考えは町の平民の人たちだけと考えたほうが良いけどな。」

「「それってどうゆうことですか?」」

「なんで、俺がさっき人間社会は持ちつ持たれつで成り立っていると言ったのにもかかわらず、誰にも拘束されないくらい経済での力を手に入れたいといったのはなぜだとおもう?」

「わたし達では・・・なんとも・・・」

「それはな、町の人たちはそういった協力し合って生きているがギルドや貴族といった権力者はそうじゃないからだ。隙あらば人を利用する人間や自分勝手な人間が多いからな。」

「そうなのですか?」

「そうだぞ!そのせいで俺の親父は死んだんだ・・・それに俺もこの町に移ってきた理由も権力者が原因なんだぞ。」

「「・・・・・」」

「だから、この法則はギルドや権力者には通じないんだ・・・」

「もしそれをギルドに対してやるとどうなっちゃうのですか?」

「例えばギルドがやってほしい依頼ばかり休みなく俺にやらせたり、報酬を出し渋ったりするだろうなあ・・・それがいやなら俺達の言う事を大人しく聞けとかな・・・」

「それって最悪ですね!」

「だからナメられないように強い力が必要なんだ。」

「でも、ご主人様って強いですよね?なめられてもどうにかなるんじゃないんですか?」

「暴力じゃそうゆうのはダメなんだよ。」

「なんでですか?冒険者ギルドではそうゆうのが当たり前に横行しているじゃないですか。」

「それだとな、逆切れしてくる奴が多くなるし恨みを買うだけでなんも解決しないんだよ。それにな・・・その方法はギルド内だけしか通用しないんだよ。」

「「どうゆうことですか?」」

「その方法を王族や貴族にしたらどうなるとおもう?」

「「あっ!」」

「そうゆうことだ!不敬罪で俺達は一発でアウトだよな。だから自由に楽しく暮らしていくためには、専売特許とゆう圧倒的な力が必要なんだよ。」

「せ・・・ん・・・売・・・とっ・・・きょ・・・ってなんですか?」

「わかりやすく言えば、俺にしか作れない便利な物で俺にしか売れない物だな。」

「う~~~ん・・・それを売るとなんで貴族が何も言えなくなり力が持てるのですか?」

「それはな・・・町の人だけじゃなく貴族もその便利な商品を利用するだろ?その商品が俺にしか作れないものだったらどうなる?」

「「・・・・」」

「人間とゆうのは生活水準を上げるのは楽なんだが下げるとなるとなかなかできないんだよ。それはわかるか?」

「どうゆうことですか?」

「わかりにくいか?例えばティアナ、フィアナを俺が奴隷商人に売るとするよね?」

「「いや~~~~!!ご主人様!わたし達を売らないでください!!!なんでもしますから・・・」」

 ケンジが二人を売ると言ったとたん烈火のごとく泣き出してしまった。

「いや!まてまてまて!例えばの話だ!例えばの話!売るつもりはないよ。」

「「ほんとに?」」

「ああ、売ってくれと言われても売るつもりはないよ。ティアナ、フィアナがここが嫌になったらしょうがないけどな・・・」

「「そんな事絶対ないです!!」」

「で、今のでわかったと思うがティアナやフィアナが又世間一般の奴隷生活に戻るといったらどうだ?」

「「そんな恐ろしい事・・・」」
「生活もそうですがご主人様が居なくなるなんてそれが一番恐ろしいです・・・」

「そっか、ありがとな。」
「それがな世間一般の考えなんだ。一旦生活水準が少しでも上がると元の生活に戻れないのが人間なんだよ。」

「「へええ~~~・・・・」」

「その商品が俺にしか作れなくて売ってないとしたらどうなると思う?王族や貴族だってそう簡単にちょっかいできなくなるのは必然だろ?」

「ご主人様すご~~~~い!!」
「ほんと・・・すごい・・・!」

「で、話が大分脱線したが、その為の布石でいまはFランクの依頼でも頑張らないといけないんだ。」

「なんか、話が壮絶すぎて追いついていけないです・・・」
「ご主人様はそのことを最初から考えていたのですか?」

「ああ、この世界でみんな一緒に楽しく暮らすにはそれしかないかなってぼんやりだけどな。」

「なんかわたし達には難しくてわからないや・・・」

「まあ、それでいいと思うぞ。その辺りは俺がやっていくことだからな。」

 するとそこにセバスが戻ってきてティアナフィアナを探していたららしくセバスは二人を連れて行ってしまったのだった。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢の選んだ末路〜嫌われ妻は愛する夫に復讐を果たします〜

ノルジャン
恋愛
モアーナは夫のオセローに嫌われていた。夫には白い結婚を続け、お互いに愛人をつくろうと言われたのだった。それでも彼女はオセローを愛していた。だが自尊心の強いモアーナはやはり結婚生活に耐えられず、愛してくれない夫に復讐を果たす。その復讐とは……? ※残酷な描写あり ⭐︎6話からマリー、9話目からオセロー視点で完結。 ムーンライトノベルズ からの転載です。

ドン引きするくらいエッチなわたしに年下の彼ができました

中七七三
恋愛
わたしっておかしいの? 小さいころからエッチなことが大好きだった。 そして、小学校のときに起こしてしまった事件。 「アナタ! 女の子なのになにしてるの!」 その母親の言葉が大人になっても頭から離れない。 エッチじゃいけないの? でも、エッチは大好きなのに。 それでも…… わたしは、男の人と付き合えない―― だって、男の人がドン引きするぐらい エッチだったから。 嫌われるのが怖いから。

ポンコツ女子は異世界で甘やかされる(R18ルート)

三ツ矢美咲
ファンタジー
投稿済み同タイトル小説の、ifルート・アナザーエンド・R18エピソード集。 各話タイトルの章を本編で読むと、より楽しめるかも。 第?章は前知識不要。 基本的にエロエロ。 本編がちょいちょい小難しい分、こっちはアホな話も書く予定。 一旦中断!詳細は近況を!

【完結】溺愛予告~御曹司の告白躱します~

蓮美ちま
恋愛
モテる彼氏はいらない。 嫉妬に身を焦がす恋愛はこりごり。 だから、仲の良い同期のままでいたい。 そう思っているのに。 今までと違う甘い視線で見つめられて、 “女”扱いしてるって私に気付かせようとしてる気がする。 全部ぜんぶ、勘違いだったらいいのに。 「勘違いじゃないから」 告白したい御曹司と 告白されたくない小ボケ女子 ラブバトル開始

二人の公爵令嬢 どうやら愛されるのはひとりだけのようです

矢野りと
恋愛
ある日、マーコック公爵家の屋敷から一歳になったばかりの娘の姿が忽然と消えた。 それから十六年後、リディアは自分が公爵令嬢だと知る。 本当の家族と感動の再会を果たし、温かく迎え入れられたリディア。 しかし、公爵家には自分と同じ年齢、同じ髪の色、同じ瞳の子がすでにいた。その子はリディアの身代わりとして縁戚から引き取られた養女だった。 『シャロンと申します、お姉様』 彼女が口にしたのは、両親が生まれたばかりのリディアに贈ったはずの名だった。 家族の愛情も本当の名前も婚約者も、すでにその子のものだと気づくのに時間は掛からなかった。 自分の居場所を見つけられず、葛藤するリディア。 『……今更見つかるなんて……』 ある晩、母である公爵夫人の本音を聞いてしまい、リディアは家族と距離を置こうと決意する。  これ以上、傷つくのは嫌だから……。 けれども、公爵家を出たリディアを家族はそっとしておいてはくれず……。 ――どうして誘拐されたのか、誰にひとりだけ愛されるのか。それぞれの事情が絡み合っていく。 ◇家族との関係に悩みながらも、自分らしく生きようと奮闘するリディア。そんな彼女が自分の居場所を見つけるお話です。 ※この作品の設定は架空のものです。 ※作品の内容が合わない時は、そっと閉じていただければ幸いです(_ _) ※感想欄のネタバレ配慮はありません。 ※執筆中は余裕がないため、感想への返信はお礼のみになっておりますm(_ _;)m

妹が私の婚約者を奪った癖に、返したいと言ってきたので断った

ルイス
恋愛
伯爵令嬢のファラ・イグリオは19歳の誕生日に侯爵との婚約が決定した。 昔からひたむきに続けていた貴族令嬢としての努力が報われた感じだ。 しかし突然、妹のシェリーによって奪われてしまう。 両親もシェリーを優先する始末で、ファラの婚約は解消されてしまった。 「お前はお姉さんなのだから、我慢できるだろう? お前なら他にも良い相手がきっと見つかるさ」 父親からの無常な一言にファラは愕然としてしまう。彼女は幼少の頃から自分の願いが聞き届けられた ことなど1つもなかった。努力はきっと報われる……そう信じて頑張って来たが、今回の件で心が折れそうになっていた。 だが、ファラの努力を知っていた幼馴染の公爵令息に助けられることになる。妹のシェリーは侯爵との婚約が思っていたのと違うということで、返したいと言って来るが……はあ? もう遅いわよ。

拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら

みおな
恋愛
 子爵令嬢のクロエ・ルーベンスは今日も《おひとり様》で夜会に参加する。 公爵家を継ぐ予定の婚約者がいながら、だ。  クロエの婚約者、クライヴ・コンラッド公爵令息は、婚約が決まった時から一度も婚約者としての義務を果たしていない。  クライヴは、ずっと義妹のファンティーヌを優先するからだ。 「ファンティーヌが熱を出したから、出かけられない」 「ファンティーヌが行きたいと言っているから、エスコートは出来ない」 「ファンティーヌが」 「ファンティーヌが」  だからクロエは、学園卒業式のパーティーで顔を合わせたクライヴに、にっこりと微笑んで伝える。 「私のことはお気になさらず」

今さら、私に構わないでください

ましゅぺちーの
恋愛
愛する夫が恋をした。 彼を愛していたから、彼女を側妃に迎えるように進言した。 愛し合う二人の前では私は悪役。 幸せそうに微笑み合う二人を見て、私は彼への愛を捨てた。 しかし、夫からの愛を完全に諦めるようになると、彼の態度が少しずつ変化していって……? タイトル変更しました。

処理中です...