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第4章 生産無双へ!
16話 中級ダンジョン攻略後②
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マイがギルド依頼清算した後家に帰ってきた。マイは疲れたぁとばかりに大広間にあるソファーでくつろいでいるとそこにセバスが入ってくるのだった。
「あ、マイ様おかえりなさいませ。」
「セバスただいま~~~。」
「ん?何か疲れてる様子ですね。どうかなさいましたか?」
「ええ、ギルドでちょっとね・・・」
「ギルドで何かあったのですか?」
「さっきね、あたしの受けた依頼を清算してきたんだけどね・・・」
マイは先ほどあった出来事を事細かくセバスに愚痴ったのだった。
「それは大変でしたね。紅茶でも飲まれてリラックスいたしますか?」
「そうね。淹れてもらえる?」
「わかりました。少々お待ちくださいね。」
セバスは大広間を出てクッキーと紅茶を用意してマイにお茶を出すのだった。
「やっぱりセバスの淹れた紅茶はおいしいね。」
「お褒めに預かりありがとうございます。」
「そういえば今回のダンジョンではマイ様も大分とレベルアップしたみたいですね。」
「うん、ケンちゃんからパワースクロールを貰ったの。」
「ほう!それはようございましたね。」セバスはマイの話を聞きにこやかに話しの相手をするのだった。
「次はいつ出発するのかなあ・・・この実力を今度は上級ダンジョンで試したいわ。」
「え?次は上級ダンジョンにお行きになるのですか?」
「うん!ケンちゃんは今回で中級ダンジョンには用が無くなったって言ってたから多分そうなると思うよ。」
「それは真でございますか!?」
セバスは凄く驚き、冷静沈着をもっとうとしているのに大きな声を出してしまうのだった。
「ケンちゃんもこの中級ダンジョン攻略した時に採掘のパワースクロールを手に入れて新たな素材を手に入れるんだって息巻いていたよ。」
「え?ご主人様の採掘って120.00でとっくにレジェンダリーでございましたよね?」
「それが聞いてよ今回大発見でパワースクロール150.00が出たんだよ!」
「なっ!それは本当でございますか?」
「ホントびっくりだよね!120が最大値だと思っていたのにその先があるなんて!」
「マイ様!ひょっとしてそれをギルドで言いましたか?」
「え?言ってないよ。」
「それはようございました・・・言ってたら大変な事になってましたよ。」
「そうだよね・・・」
「特にご主人様は目立つのが嫌いなお方ですからそのことはくれぐれもご内密にしておいてくださいね。」
「目立つのが嫌いなのはわかるんだけど、ケンちゃん普通に行動しても目立つから無理だと自覚してくれた方が楽なんだけどね・・・」
マイの言葉にセバスとマイは苦笑いをうかべるのだった。するとそこに工房でインゴットを作っていたケンジが大広間に入ってきた。
「お!良い香りだな。」
「ご主人様もお飲みになられますか?」
「ああ、いいね!淹れてくれるか?」
セバスはそういわれてすぐにお茶をいれに出ていくのだった。
「ケンちゃん、これ・・・」マイは依頼のお金をケンジに差し出すのだった。
「もう清算しに行ったのか?」
「うん・・・さっきいってきたの・・・ケンちゃん庭石ごめんなさい・・・」
「ああ、これで弁償してくれたしもういいよ。許すよ。」
ケンジはニッコリ笑うのだった。
「このあと俺も生産に行くから素材のお金後で渡すから。」
「うん。」マイもその言葉を聞いて安心するのだった。
「あ・・・ケンちゃん、ギルドに清算する時気をつけてね。」
「ん?いつも通りだから問題ないぞ。もうギルドとは深く付き合うつもりないしな。」
「そうじゃなくて、さっき行ってきたんだけど・・・」
マイはケンジにもセバスと同じ説明をするのだった。
「なっ!そんなことがあったのか?」
「うん・・・今までギルドはあたしの事、口では有望とかなんだの言ってたけど実質ほったらかしだったのにね・・・中級ダンジョンの最深部の素材は売ってくれるものとばかり思ってたらしいのよね。」
「それでマイはギルドにはなんて言ったんだ?」
「あたしは素材の売却はケンちゃんに任せてるし、生産ギルドで売っても値段は一緒だし冒険者ギルドで売らないと思うよって言っておいたよ。」
「そっか。それならよかったよ。」
「ただ、話の流れ上、中級ダンジョン攻略してきたと言っちゃったけどね・・・」
「ってことは、ギルドボスの素材売ってくれとうるさい事になりそうだな。」
「ケンちゃんごめんね・・・」
「あ、マイが悪いんじゃないし謝ることないよ。」
そこにお茶を淹れた、セバスとミナレス、ミイナが大広間に入ってくるのだった。
「ご主人様どうぞ。」
「セバスありがと。ん?二人はどうしたんだ?」
「ご主人様少しお話があります。よろしいですか?」
「なんだ?あらたまって・・・」
「「「ご主人様!申し訳ありません!」」」
セバスたち3人がケンジに謝ってくるのだった。それを見たケンジとマイはびっくりして目を見開くのだった。
「どうした3人そろって・・・なにかあったのか?」
「実はユリアの事なのですが・・・」
セバスはケンジにあれほど新人の二人を頼むと言われていたのに、ユリアとアイリの話を聞き怒りをあらわにしてしまい、ご主人様の言いつけを守ることが出来ませんでしたと、謝罪してきたのだった。
それを聞き、ケンジは黙ってユリアをここに呼んできてくれないかとセバスに頼んだ。セバスはケンジから怒られるのを覚悟し、ユリアを呼びにいったのだった。
「ケンちゃん・・・」
「あ、今日は依頼の清算に行けないかもしれないけどごめんな。」
「それはまだ納期期限があるから別にいいけどユリアの事どうすんの?」
「それはユリア次第かな。俺としては信用してくれない人と一緒に暮らせないからなあ。」
少しするとセバスがユリアを連れてくるのだった。
「ご主人様おまたせしました。」ユリアはゆっくりお辞儀をするのだった。
「ユリア呼び出して悪いね。セバスたちから話は聞いたよ。単刀直入に聞くがユリアはこれからどうしたい?」
「ご主人様?言っている意味がわかりかねます。私は奴隷です主の言う事に逆らう事は出来ないのでご主人様の思う通りにしてください。」
「いや・・・そうじゃないんだ。ここでの暮らしを3週間暮らしてみてユリア自体はどうおもった?」
「そうですね・・・奴隷の暮らしとは思えないくらい優雅な暮らしだと思いました。」
「うん。その暮らしはユリアは居心地は悪かったかな?」
「そんな事は絶対ないです!普通の平民より良い暮らしで不満など絶対に出ませんでした。」
「ふむふむ、じゃあわかると思うけど俺は奴隷だからと言って理不尽な事や権力を主張するつもりはないよ。みんな一緒に楽しく自由に暮らせていければいいと思っているんだ。」
「その事とわたしがどうしたいと聞くのはなぜですか?」
「わからないかい?君達の立場は奴隷だけど俺は奴隷と思ってないんだよ。だから、ユリアのやりたいことやどうしたいのかを聞いているんだよ。」
「俺も人間だから間違いを起こす事もあるし信じる事が出来ないと言うならそれも構わないが、俺も信じる事が出来ない人間と楽しく暮らしていく自信が無いんだ。」
「俺はユリアの事をみてエルフって偏屈だよなあとか最初から偏見の目で見るつもりはないよ。まあ、そうゆうエルフもいるかもしれないけどね。」
「ご主人様がそうゆう風に私をあつかってくれるのは有り難く思います。だけど、わたしは人間が怖い・・・」
「じゃあ俺も怖くて信じられないかい?」
「セバスさん達と言い争った時よりは緩和されています。ご主人様という人間は怖くなくなっています。ただ、ご主人様とこの屋敷に住む人たち以外の人間は怖くて仕方ないです。」
「そっか・・・俺はユリアとこれからも一緒に暮らしていきたいと思うのだがユリアは俺の事を信じるように努力はできないかな?」
「わたしはご主人様の事を信じる信じないとかではなく何かあれば命令してくださってくれたら結構です。前の主と同じような事をしてくださっても抵抗は致しません・・・」
「そっか・・・ユリアの言い分はわかった。そのように扱う事を約束するよ。」
「ケンちゃん本気?」
「ああ、ユリアがそうして欲しいと言っているんだ。俺は手加減するつもりはないよ。」
「ちょ、ちょっと!ユリアはそれでほんとにいいの?」
「良いも何もご主人様の命令は絶対ですし、わたしが何か反論をすることなんてできません。」
「もう下がっていいよ。忙しい所悪かったね。」
「それでは失礼します。」そう言ってユリアは静かにお辞儀をして大広間を出ていくのだった。
大部屋に残っていたマイとセバス、ミナレス、ミイナはケンジが本当にユリアをこの世界での奴隷のあつかいを本当にするのかと目を見合わせオロオロするのだった。
「ご主人様・・・本当にユリアだけ私達が知っているような奴隷のあつかいをなさるのですか?」
「え?なんで?今までと一緒でいいよ。寝床の今まで通り、ご飯も服も用意してあげて。」
「「「え?」」」
「え?ってなんでだよ。」
「だって、ケンちゃんさっき奴隷のように扱うって・・・」
「ちゃんと聞いてなかったのか?ユリアは俺の言う事をどんなことも聞くって言ったんだぞ。だから俺はそう扱うと言ったんだ!」
「「「え?」」」「どういうことでございますか?」
「なんだセバスもわからないのか?」
「ユリアは何でも俺の言う事には反抗せずに言う事を聞くと言ったんだぞ。だったら俺はちゃんと飯食べなさい。綺麗な服を着なさい。このベットで寝なさいと命令するだけだろ。今までと何が違うんだ?」
「それにな・・・ユリアはああゆう性格というより世界に絶望しているんだと思うぞ。だから時間が必要で焦ってもしょうがないんだよ。」
ケンジの言っていることがやっと理解できた3人は口を開けたまま呆けていたのだった。
「だってケンちゃん・・・ユリアは前の主人のように扱っても文句はないっていってたじゃない・・・」
「なんでそんなユリアの言ったことを俺がしないといけないんだよ。ユリアは俺の命令を何でも聞くと言ったんだぞ。そんな理不尽な事俺がするわけないだろ。」
マイはやっぱりケンちゃんだったと安心するのだった。
「そしてセバス、ミナレス、ミイナお前達は少し考えが固すぎる。そんなすぐにユリアやアイリがここの環境になれるわけないだろ!」
「はい・・・おっしゃる通りでございます・・・」
「それじゃあ覚悟はいいな?」
「「ええ・・・覚悟ってなんですか?!」
「え?そりゃ!お前達3人に罰をあたえるに決まってるじゃないか!」
「「えええ・・・」」「・・・・・」
「えええ!ってなんでだよ。さっき俺に3人そろって謝罪しただろ?ちゃんとけじめはつけなきゃな!」
ケンジはニヤリと悪い笑みを浮かべて何を考えているのか解らなくて3人は身震いをするのだった。
「あの・・・ご主人様・・・なにを考えているのですか?・・・・」
「3人にはこれらの服を作ってもらう!」
ケンジは空のスクロールに服のデザインを描いた物を3人に見せるのだった。その服のデザインは結構きわどいデザインで着るには恥ずかしい物ばかりであった。
「あの・・・ひょっとしてこれを自分達で作ってわたし達が着るのでしょうか?・・・」
「ケンちゃんこれって・・・コスプレ?・・・」
「ああ、そうだよ!この世界に来てコスプレ見たかったんだよなあ。」
「あの・・・ご主人様・・・これらを着るのはちょっと恥ずかしいのですが・・・」
セバスはこのデザインを見て顔を青くして膝を落として落ち込むのだった。
「私が罰とはいえこの服を着て・・・だが、ご主人様の命令には逆らえないし・・・・」
「いやいやいやいや・・・セバス!何でお前がこの服を着るんだよ!そんな事したら俺の精神が疑われるだろ!」
セバスにセーラー服やスリットの入ったチャイナ服やビキニの水着を着せるなんてどんな趣味だよとケンジはツッコミをいれるのだった。
「ってことは・・・わたし達がこれを?・・・」
「いや、これは二人に来てもらう訳じゃないよ。3人には作ってもらうだけだ。」
「「え?」」「じゃあ、誰が着るのですか?」
「ああ~~~!わかった!ユリアに着せるつもりでしょ!ケンちゃんたらやらしい・・・」マイはジト目でケンジを見つめるのだった。
マイを見て何を言っているんだコイツは!とケンジは思った。
「マイ何を言ってんだ?これらの服はマイに着て1週間すごしてもらう服だぞ。」
「ええええ!なんでぇ~~~~あたしなの?絶対着ないから!」
「3人には作ってもらうだけで良い。それが罰だ!ユリアやアイリを責めたんだからな。」
それを聞き3人はホッとしたのだった。
「今ホッとしただろ!罰になってないなら着せちゃおうかな・・・」
「ご主人様充分罰になります!寝ないで作りますからそれだけはご勘弁を!」
「「わたし達も寝ないで作ります!」」
「ちょっと勝手に話を進めないでよ!あたしも絶対着ないから!」
「いやマイ!お前にはこれらを着て1週間すごさなきゃいけない。そうゆう約束のはずだからな!」
「ケンちゃんあたしそんな・・・やく・・・そ・・・く・・・まさか!」
「ようやく気づいたようだな!」
ケンジはクックックッと笑い、さも当然のように勝ち誇るのだった。
「そんな冗談でしょ・・・」
「マイお前はダンジョンに行く前に大岩を壊し何でも言う事を聞くと俺と約束したはずだ。だからこれを着て1週間生活してもらう事にした。」
「いやぁ~~~~!ケンちゃんお願い!これだけは勘弁して!ダンジョンで取れた素材分全部ケンちゃんの取り分でいいから!」
そうなのだ!マイは地球にいた時にもコスプレを恥ずかしくて絶対にしなかったのだ。セーラー服や水着とかは必要な時に着るだけでコスプレとして着る事は絶対しなかったのである。
「いいや、ダメだ!マイは何でも言う事を聞くと言ったんだから絶対してもらうからな!」
マイは腰から砕け落ちカクッと項垂れてしまうのだった。
「あのご主人様・・・マイさんがこんなに落ち込んで嫌がっているのですから別の罰でもいいんじゃ・・・」
マイはミナレスの援護射撃に嬉しくなって心の中でいいぞ!もっと言って!と望みをつなぐのだった。
「え?そうか?そんなにひどいんじゃしょうがないな・・・」
「ケンちゃん!」マイはケンジのやさしさにやらなくていいと言ってくれる望みをかけるのだった。
「ほう・・・それじゃあしょうがない・・・このコスプレ衣装は3人に来てもらう事にするか・・・」
それを聞いた3人はビクッとなり背筋が伸びるのであった。
「ご主人様!許してください!すぐにマイさんの体のサイズを測り製作にかかります!」
3人はマイの腕を持ち大広間から出ていくのだった。
「ケンちゃん!いやあぁぁぁ~~~~!ごめんなさ~~~~い~~~!!」
マイの叫び声がドップラー効果のように遠くの方で聞こえるのだった。
「あ、マイ様おかえりなさいませ。」
「セバスただいま~~~。」
「ん?何か疲れてる様子ですね。どうかなさいましたか?」
「ええ、ギルドでちょっとね・・・」
「ギルドで何かあったのですか?」
「さっきね、あたしの受けた依頼を清算してきたんだけどね・・・」
マイは先ほどあった出来事を事細かくセバスに愚痴ったのだった。
「それは大変でしたね。紅茶でも飲まれてリラックスいたしますか?」
「そうね。淹れてもらえる?」
「わかりました。少々お待ちくださいね。」
セバスは大広間を出てクッキーと紅茶を用意してマイにお茶を出すのだった。
「やっぱりセバスの淹れた紅茶はおいしいね。」
「お褒めに預かりありがとうございます。」
「そういえば今回のダンジョンではマイ様も大分とレベルアップしたみたいですね。」
「うん、ケンちゃんからパワースクロールを貰ったの。」
「ほう!それはようございましたね。」セバスはマイの話を聞きにこやかに話しの相手をするのだった。
「次はいつ出発するのかなあ・・・この実力を今度は上級ダンジョンで試したいわ。」
「え?次は上級ダンジョンにお行きになるのですか?」
「うん!ケンちゃんは今回で中級ダンジョンには用が無くなったって言ってたから多分そうなると思うよ。」
「それは真でございますか!?」
セバスは凄く驚き、冷静沈着をもっとうとしているのに大きな声を出してしまうのだった。
「ケンちゃんもこの中級ダンジョン攻略した時に採掘のパワースクロールを手に入れて新たな素材を手に入れるんだって息巻いていたよ。」
「え?ご主人様の採掘って120.00でとっくにレジェンダリーでございましたよね?」
「それが聞いてよ今回大発見でパワースクロール150.00が出たんだよ!」
「なっ!それは本当でございますか?」
「ホントびっくりだよね!120が最大値だと思っていたのにその先があるなんて!」
「マイ様!ひょっとしてそれをギルドで言いましたか?」
「え?言ってないよ。」
「それはようございました・・・言ってたら大変な事になってましたよ。」
「そうだよね・・・」
「特にご主人様は目立つのが嫌いなお方ですからそのことはくれぐれもご内密にしておいてくださいね。」
「目立つのが嫌いなのはわかるんだけど、ケンちゃん普通に行動しても目立つから無理だと自覚してくれた方が楽なんだけどね・・・」
マイの言葉にセバスとマイは苦笑いをうかべるのだった。するとそこに工房でインゴットを作っていたケンジが大広間に入ってきた。
「お!良い香りだな。」
「ご主人様もお飲みになられますか?」
「ああ、いいね!淹れてくれるか?」
セバスはそういわれてすぐにお茶をいれに出ていくのだった。
「ケンちゃん、これ・・・」マイは依頼のお金をケンジに差し出すのだった。
「もう清算しに行ったのか?」
「うん・・・さっきいってきたの・・・ケンちゃん庭石ごめんなさい・・・」
「ああ、これで弁償してくれたしもういいよ。許すよ。」
ケンジはニッコリ笑うのだった。
「このあと俺も生産に行くから素材のお金後で渡すから。」
「うん。」マイもその言葉を聞いて安心するのだった。
「あ・・・ケンちゃん、ギルドに清算する時気をつけてね。」
「ん?いつも通りだから問題ないぞ。もうギルドとは深く付き合うつもりないしな。」
「そうじゃなくて、さっき行ってきたんだけど・・・」
マイはケンジにもセバスと同じ説明をするのだった。
「なっ!そんなことがあったのか?」
「うん・・・今までギルドはあたしの事、口では有望とかなんだの言ってたけど実質ほったらかしだったのにね・・・中級ダンジョンの最深部の素材は売ってくれるものとばかり思ってたらしいのよね。」
「それでマイはギルドにはなんて言ったんだ?」
「あたしは素材の売却はケンちゃんに任せてるし、生産ギルドで売っても値段は一緒だし冒険者ギルドで売らないと思うよって言っておいたよ。」
「そっか。それならよかったよ。」
「ただ、話の流れ上、中級ダンジョン攻略してきたと言っちゃったけどね・・・」
「ってことは、ギルドボスの素材売ってくれとうるさい事になりそうだな。」
「ケンちゃんごめんね・・・」
「あ、マイが悪いんじゃないし謝ることないよ。」
そこにお茶を淹れた、セバスとミナレス、ミイナが大広間に入ってくるのだった。
「ご主人様どうぞ。」
「セバスありがと。ん?二人はどうしたんだ?」
「ご主人様少しお話があります。よろしいですか?」
「なんだ?あらたまって・・・」
「「「ご主人様!申し訳ありません!」」」
セバスたち3人がケンジに謝ってくるのだった。それを見たケンジとマイはびっくりして目を見開くのだった。
「どうした3人そろって・・・なにかあったのか?」
「実はユリアの事なのですが・・・」
セバスはケンジにあれほど新人の二人を頼むと言われていたのに、ユリアとアイリの話を聞き怒りをあらわにしてしまい、ご主人様の言いつけを守ることが出来ませんでしたと、謝罪してきたのだった。
それを聞き、ケンジは黙ってユリアをここに呼んできてくれないかとセバスに頼んだ。セバスはケンジから怒られるのを覚悟し、ユリアを呼びにいったのだった。
「ケンちゃん・・・」
「あ、今日は依頼の清算に行けないかもしれないけどごめんな。」
「それはまだ納期期限があるから別にいいけどユリアの事どうすんの?」
「それはユリア次第かな。俺としては信用してくれない人と一緒に暮らせないからなあ。」
少しするとセバスがユリアを連れてくるのだった。
「ご主人様おまたせしました。」ユリアはゆっくりお辞儀をするのだった。
「ユリア呼び出して悪いね。セバスたちから話は聞いたよ。単刀直入に聞くがユリアはこれからどうしたい?」
「ご主人様?言っている意味がわかりかねます。私は奴隷です主の言う事に逆らう事は出来ないのでご主人様の思う通りにしてください。」
「いや・・・そうじゃないんだ。ここでの暮らしを3週間暮らしてみてユリア自体はどうおもった?」
「そうですね・・・奴隷の暮らしとは思えないくらい優雅な暮らしだと思いました。」
「うん。その暮らしはユリアは居心地は悪かったかな?」
「そんな事は絶対ないです!普通の平民より良い暮らしで不満など絶対に出ませんでした。」
「ふむふむ、じゃあわかると思うけど俺は奴隷だからと言って理不尽な事や権力を主張するつもりはないよ。みんな一緒に楽しく自由に暮らせていければいいと思っているんだ。」
「その事とわたしがどうしたいと聞くのはなぜですか?」
「わからないかい?君達の立場は奴隷だけど俺は奴隷と思ってないんだよ。だから、ユリアのやりたいことやどうしたいのかを聞いているんだよ。」
「俺も人間だから間違いを起こす事もあるし信じる事が出来ないと言うならそれも構わないが、俺も信じる事が出来ない人間と楽しく暮らしていく自信が無いんだ。」
「俺はユリアの事をみてエルフって偏屈だよなあとか最初から偏見の目で見るつもりはないよ。まあ、そうゆうエルフもいるかもしれないけどね。」
「ご主人様がそうゆう風に私をあつかってくれるのは有り難く思います。だけど、わたしは人間が怖い・・・」
「じゃあ俺も怖くて信じられないかい?」
「セバスさん達と言い争った時よりは緩和されています。ご主人様という人間は怖くなくなっています。ただ、ご主人様とこの屋敷に住む人たち以外の人間は怖くて仕方ないです。」
「そっか・・・俺はユリアとこれからも一緒に暮らしていきたいと思うのだがユリアは俺の事を信じるように努力はできないかな?」
「わたしはご主人様の事を信じる信じないとかではなく何かあれば命令してくださってくれたら結構です。前の主と同じような事をしてくださっても抵抗は致しません・・・」
「そっか・・・ユリアの言い分はわかった。そのように扱う事を約束するよ。」
「ケンちゃん本気?」
「ああ、ユリアがそうして欲しいと言っているんだ。俺は手加減するつもりはないよ。」
「ちょ、ちょっと!ユリアはそれでほんとにいいの?」
「良いも何もご主人様の命令は絶対ですし、わたしが何か反論をすることなんてできません。」
「もう下がっていいよ。忙しい所悪かったね。」
「それでは失礼します。」そう言ってユリアは静かにお辞儀をして大広間を出ていくのだった。
大部屋に残っていたマイとセバス、ミナレス、ミイナはケンジが本当にユリアをこの世界での奴隷のあつかいを本当にするのかと目を見合わせオロオロするのだった。
「ご主人様・・・本当にユリアだけ私達が知っているような奴隷のあつかいをなさるのですか?」
「え?なんで?今までと一緒でいいよ。寝床の今まで通り、ご飯も服も用意してあげて。」
「「「え?」」」
「え?ってなんでだよ。」
「だって、ケンちゃんさっき奴隷のように扱うって・・・」
「ちゃんと聞いてなかったのか?ユリアは俺の言う事をどんなことも聞くって言ったんだぞ。だから俺はそう扱うと言ったんだ!」
「「「え?」」」「どういうことでございますか?」
「なんだセバスもわからないのか?」
「ユリアは何でも俺の言う事には反抗せずに言う事を聞くと言ったんだぞ。だったら俺はちゃんと飯食べなさい。綺麗な服を着なさい。このベットで寝なさいと命令するだけだろ。今までと何が違うんだ?」
「それにな・・・ユリアはああゆう性格というより世界に絶望しているんだと思うぞ。だから時間が必要で焦ってもしょうがないんだよ。」
ケンジの言っていることがやっと理解できた3人は口を開けたまま呆けていたのだった。
「だってケンちゃん・・・ユリアは前の主人のように扱っても文句はないっていってたじゃない・・・」
「なんでそんなユリアの言ったことを俺がしないといけないんだよ。ユリアは俺の命令を何でも聞くと言ったんだぞ。そんな理不尽な事俺がするわけないだろ。」
マイはやっぱりケンちゃんだったと安心するのだった。
「そしてセバス、ミナレス、ミイナお前達は少し考えが固すぎる。そんなすぐにユリアやアイリがここの環境になれるわけないだろ!」
「はい・・・おっしゃる通りでございます・・・」
「それじゃあ覚悟はいいな?」
「「ええ・・・覚悟ってなんですか?!」
「え?そりゃ!お前達3人に罰をあたえるに決まってるじゃないか!」
「「えええ・・・」」「・・・・・」
「えええ!ってなんでだよ。さっき俺に3人そろって謝罪しただろ?ちゃんとけじめはつけなきゃな!」
ケンジはニヤリと悪い笑みを浮かべて何を考えているのか解らなくて3人は身震いをするのだった。
「あの・・・ご主人様・・・なにを考えているのですか?・・・・」
「3人にはこれらの服を作ってもらう!」
ケンジは空のスクロールに服のデザインを描いた物を3人に見せるのだった。その服のデザインは結構きわどいデザインで着るには恥ずかしい物ばかりであった。
「あの・・・ひょっとしてこれを自分達で作ってわたし達が着るのでしょうか?・・・」
「ケンちゃんこれって・・・コスプレ?・・・」
「ああ、そうだよ!この世界に来てコスプレ見たかったんだよなあ。」
「あの・・・ご主人様・・・これらを着るのはちょっと恥ずかしいのですが・・・」
セバスはこのデザインを見て顔を青くして膝を落として落ち込むのだった。
「私が罰とはいえこの服を着て・・・だが、ご主人様の命令には逆らえないし・・・・」
「いやいやいやいや・・・セバス!何でお前がこの服を着るんだよ!そんな事したら俺の精神が疑われるだろ!」
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「ってことは・・・わたし達がこれを?・・・」
「いや、これは二人に来てもらう訳じゃないよ。3人には作ってもらうだけだ。」
「「え?」」「じゃあ、誰が着るのですか?」
「ああ~~~!わかった!ユリアに着せるつもりでしょ!ケンちゃんたらやらしい・・・」マイはジト目でケンジを見つめるのだった。
マイを見て何を言っているんだコイツは!とケンジは思った。
「マイ何を言ってんだ?これらの服はマイに着て1週間すごしてもらう服だぞ。」
「ええええ!なんでぇ~~~~あたしなの?絶対着ないから!」
「3人には作ってもらうだけで良い。それが罰だ!ユリアやアイリを責めたんだからな。」
それを聞き3人はホッとしたのだった。
「今ホッとしただろ!罰になってないなら着せちゃおうかな・・・」
「ご主人様充分罰になります!寝ないで作りますからそれだけはご勘弁を!」
「「わたし達も寝ないで作ります!」」
「ちょっと勝手に話を進めないでよ!あたしも絶対着ないから!」
「いやマイ!お前にはこれらを着て1週間すごさなきゃいけない。そうゆう約束のはずだからな!」
「ケンちゃんあたしそんな・・・やく・・・そ・・・く・・・まさか!」
「ようやく気づいたようだな!」
ケンジはクックックッと笑い、さも当然のように勝ち誇るのだった。
「そんな冗談でしょ・・・」
「マイお前はダンジョンに行く前に大岩を壊し何でも言う事を聞くと俺と約束したはずだ。だからこれを着て1週間生活してもらう事にした。」
「いやぁ~~~~!ケンちゃんお願い!これだけは勘弁して!ダンジョンで取れた素材分全部ケンちゃんの取り分でいいから!」
そうなのだ!マイは地球にいた時にもコスプレを恥ずかしくて絶対にしなかったのだ。セーラー服や水着とかは必要な時に着るだけでコスプレとして着る事は絶対しなかったのである。
「いいや、ダメだ!マイは何でも言う事を聞くと言ったんだから絶対してもらうからな!」
マイは腰から砕け落ちカクッと項垂れてしまうのだった。
「あのご主人様・・・マイさんがこんなに落ち込んで嫌がっているのですから別の罰でもいいんじゃ・・・」
マイはミナレスの援護射撃に嬉しくなって心の中でいいぞ!もっと言って!と望みをつなぐのだった。
「え?そうか?そんなにひどいんじゃしょうがないな・・・」
「ケンちゃん!」マイはケンジのやさしさにやらなくていいと言ってくれる望みをかけるのだった。
「ほう・・・それじゃあしょうがない・・・このコスプレ衣装は3人に来てもらう事にするか・・・」
それを聞いた3人はビクッとなり背筋が伸びるのであった。
「ご主人様!許してください!すぐにマイさんの体のサイズを測り製作にかかります!」
3人はマイの腕を持ち大広間から出ていくのだった。
「ケンちゃん!いやあぁぁぁ~~~~!ごめんなさ~~~~い~~~!!」
マイの叫び声がドップラー効果のように遠くの方で聞こえるのだった。
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父親からの無常な一言にファラは愕然としてしまう。彼女は幼少の頃から自分の願いが聞き届けられた
ことなど1つもなかった。努力はきっと報われる……そう信じて頑張って来たが、今回の件で心が折れそうになっていた。
だが、ファラの努力を知っていた幼馴染の公爵令息に助けられることになる。妹のシェリーは侯爵との婚約が思っていたのと違うということで、返したいと言って来るが……はあ? もう遅いわよ。
拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら
みおな
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公爵家を継ぐ予定の婚約者がいながら、だ。
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クライヴは、ずっと義妹のファンティーヌを優先するからだ。
「ファンティーヌが熱を出したから、出かけられない」
「ファンティーヌが行きたいと言っているから、エスコートは出来ない」
「ファンティーヌが」
「ファンティーヌが」
だからクロエは、学園卒業式のパーティーで顔を合わせたクライヴに、にっこりと微笑んで伝える。
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ましゅぺちーの
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