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第3章 ダンジョンへ!

20話 やっぱ物騒な世界だな・・・③

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 ケンジはマイを部屋の中に手を引いて一緒に入るのだった。

「ケンちゃんどうしたの?」

「いや、その・・・もうちょっと早く渡したかったんだけどこれ・・・」

 ケンジは服屋の雑貨コーナーで買った袋を見せるのだった。

「ん?なにこれ?」

「いや・・・マイに似合うかなと思って買ったんだ。」

 マイは袋から物を出した瞬間ニッコリと笑顔になりケンジに抱きつき頬にキスをするのだった。

「ケンちゃんありがと~~~」

「そんなに気に入ってくれてうれしいよ。」

「いつ買ったのこれ?」
 マイの手の中には赤い宝石がついたミスリルの指輪があり、さっそく薬指に付けて上に腕を伸ばし手を広げて満面の笑顔で指輪を見るのだった。

「マイが服を選んでた時雑貨コーナーで見つけたんだよ。」

「ケンちゃん、ホントありがとね。」

 ケンジとマイは晩御飯まで今日のあったことを楽しくしゃべりながら時間を潰していたのだった。






 そのころ一方では人気のお店で兵士にひっ捕らえられ連行されたストームとムーアはさすがはBランク冒険者というべきか怪我を負わせたボブに賠償金を一括で支払うことが出来、釈放されていたのだった。
 冒険者ギルドではストームとムーアにペナルティーとしてランクをBからEにまで降格することがきまったのだった。二人にとってこのペナルティーは散々なものとなりこの数年で頑張って上げたランクが無駄となってしまったのだ。
 それに加え賠償金を払った事で貯金も殆どなくなってしまい装備品のメンテナンスも出来なくなってしまったのだ。

「くっそ~~~!あいつ等のせいで俺の輝かしい経歴に泥がついた!」

「そうよ!おかげで一緒にパーティーが出来なくなって追い出されたしむかつくわね!」

「あいつらは絶対ぇ~俺が殺してやる!今に覚えてろ!」


 そう、二人は今まで所属していた仲間からも追い出されていたのである。理由は2人のランクがあまりに下がってしまい、一緒に活動するとパーティーランクが下がってしまいAランク依頼が受けれなくなってしまったのである。そうなってしまうとAランクの依頼からCランクの依頼を中心として活動しないといけなくなり赤字になってしまうのである。

 それゆえにパーティー【ウィンドウウルフ】のリーダーは苦渋の選択をし、二人をパーティーから追放しないと行けなくなってしまったのだった。
 そのことからどのみちこの【ウィンドーウルフ】は人数が少なくなり依頼ランクを落とさなければいけなくなりBランクの依頼を中心に活動していくことになるのだった。

 このことからケンジとマイはストーム2人と【ウィンドーウルフ】から逆恨みを受けることになるのだった。






 次の日ケンジはプリムに裁縫のスキルを上げるようにと買ってきた魔道機器をみせるのだった。これに驚きプリムは立ち尽くすのだった・・・

「ご主人様!わたしの為にこの魔道機器を買ってきたのですか?」

「いや、だってプリムこの間何をしたらいいかって俺に聞いてきただろ?」

「だからってこんな立派なものをわたしの為に買うのは幾らなんでもやりすぎです!」

「あのな!プリムよく聞いてくれよ。たしかにこの魔道機器は高価なものだ。だけど、これを使いスキルを伸ばせば結果的に俺の役に立てると思わないか?俺はいつも言ってると思うんだがこれは先行投資だよ。」

「それはそうなのかもしれないですが・・・」

「それに、この魔道機器はなにもプリムだけの物じゃないよ。いずれ俺も裁縫を上げたいとも思ってるしな。」

「え?ご主人様も裁縫上げるのですか?」

「前から言ってるだろ。裁縫だけじゃなく大工、細工等いずれは生産職を極めるって!だから、この魔道機器はプリムだけの物じゃないよ。」

「まあ、それならかまいませんが・・・」

「ああ、だから好きなときにこれを使って布を製作し服を縫ってみんなの普段着を作ってくれたらいいからな。綿花とか依頼をこなしに町の外に出たときに集めればいいからな!」

 そういってケンジは店舗の2階の部屋から出ていくのだった。






「マードックとオリヴィアはいないか?」

「主、どうしたんだ?」「はい、ここにいますよ。」

「ああ、悪いがギルドに行こうと思うから付き合ってくれないか?」

「「はい!」」

「主!ギルドには何しに行くんだ?」

「ああ、青鉱石で装備品を作れるようになったからさ、2個ゴッドオーダーに吸収させたものがあるからそれをやろうと思ってな。」
「この間一人でギルドに行ったらみんなに心配をかけたからな・・・一緒についてきてくれ。」

「「わかりました。」」マードックとオリヴィアはすぐに支度をして、ケンジについていくのだった。その際、セバスにはマードック達とギルドに行ってくると報告しみんなは安心して見送るのであった。




「あーいずれ、ゴッドオーダーの魔道具もダンジョンで手に入れたいな。」

「え、なんですか?」

「だっていちいちギルドに行かなきゃゴッドオーダーの納品が出来ないんだぞ。依頼とは関係ないのに足を運ぶのがめんどくさい・・・」

「主は色々先のこと考えてるけど、基本的にはぐうたらなんだな・・・」

「俺は基本的にはインドアだからな。あまり外には出たくないんだよ?」

「ご主人様、そのインドアってなんですか?」

「ああ、この言葉はないのか・・・インドアとは部屋の中ですごすってことが好きな人でその反対がアウトドアって言うんだよ。」

「ってことは、ご主人様は家の中ですごすのが好きってことでいいのですか?」

「ああ、そうだな!生活の為仕事はしないといけないが、休みの日はダラダラと家の中で閉じこもっていたいかな。」

「ただ、この世界は家の中での娯楽が少なすぎるから外には出るけどな・・・」

「主の元の世界ってどんなとこかホント興味深いな。」

「まあ、娯楽というものは数えきれない程あったと言っておこうか。」

「例えばどんなのがあったんだ?」

「例えばわかりやすいとこで言えば音楽なんかもその一つだな。この世界で音楽を聞こうと思えば、どこかの劇場にお金を払って楽器の演奏だろ?」

「ええ、そうですね。」

「俺のいた世界ではそうゆうのもあるが、家の中で個人個人だけで楽しめたり、耳にイヤホンという機械を耳にはめて楽しんだりできるんだよ。機械っていうのはわかりやすく言えば魔道具みたいなものだな。」

「家の中で個人個人でたのしめるのですか?!」

「想像が追いつかね・・・・そんな事が可能なのか?」

「わかりにくいかもしれないがテレビとゆう名の家電製品で楽しむんだよ。」

「なんかよくわからないけど凄い世界なんですね・・・」

「ああ、俺もその生活が当たり前だと思っていたけど、この世界にやってきてホント便利な世の中だったと思うよ。まあ、でもこの世界はこの世界で魔法文明で楽しい事は幾らでもあるから俺は満足してるけどな。」

 ケンジはこのガイアースの魔法とゆうところや色んなことに楽しさを見出しておりマードックとオリヴィアに楽しそうに話すのだった。

 ケンジ達がギルドの門をくぐるとゴッドオーダーの前には珍しい現象が起こっていたのだった。今まではほこりを被っていて誰も見向きもしなかったのだが、ケンジの事が噂になってやり始める人間が続出していたのだった。

 ケンジもその列に並んで順番を待っていたのだが前の人達の内容を見ていると青鉱石や金鉱石製のアイテムを吸収したゴッドオーダーを納品しているにもかかわらず出る報酬アイテムが前と同じようなスコップやツルハシばかりなのである。

「くっそ~~~~!こんな事ならやるんじゃなかった!」
「真面目に依頼をこなしてればよかった!」
「あの噂は嘘だったのか?」など不満が続出していたのだった。


 そんなことを聞きながら待っていたらケンジの順番が回ってくるのだった。

「ご主人様今回は何個やるのですか?」

「今回はこの青鉱石製のオーダー2個だけだよ。」

 すると周りで見ていた生産者達が「あ、あいつだ!この間凄いお宝を連続出だした奴だ!」とざわつき始めた。
 昨日今日と他の人たちがやっていたのに結果は今まで通りスコップやツルハシばかりで惨敗になっていたので周りの人たちも今回はケンジもゴミが出るだろうとおもっていたのだった。
 ギルドの職員達もこれでやっとこのゴッドオーダーの魔道具が役に立つと思っていただけに惨敗続きにガックリしていたのだった。この結果だと報告はもちろんの事ギルド上層部にはできないでいて、もしあのままゴッドオーダーが使えると報告していたら大変な事になっていたのだった。


 ケンジはオリヴィアの問いにオーダーを見せながら、良い物が出るといいねと言いながら今日の分のオーダー1枚を受け取ってからその見せた2枚をゴッドオーダーの魔道具に納品したのだった。そして周りの人達も固唾をのんで結果をまった。

 するとガコンと音が鳴りながら出たアイテムは【マジカルスミスハンマー(ミスリル)20回分】と【パワースクロール鍛冶120.00】が出たのだった。

 その結果に周りからは歓声が上がったり、何でアイツばかりいい物が出るんだよとか、羨んだり妬んだり囃されたり様々な感情がケンジにぶつけられるのだった。

【パワースクロール鍛冶120.00】
 鍛冶のスキルがグランドマスターの者が使う事で
鍛冶のスキルの上限が120まで上がるスクロール。
120.00になるとオリハルコンや、アダマンタイト
等の製品が作れるようになる。


【マジカルスミスハンマー(ミスリル)20回分】
 このスミスハンマーで武器や防具を作った場合
マジカルアイテムになり武器の能力が格段と上がり
マジックプロパティーがランダムで1個から5個つく。



 この結果を見た時、ギルドの受付嬢のウランがケンジに素早く駆寄り驚きの声を上げるのだった。

「ケンジ様すごいです!」

「うわ!なんなんだよ!いきなりびっくりするだろ・・・」

「あ・・・興奮してしまいすいません・・・」

「で、なにかあったのか?」

 ウランが言うには前回ケンジがこのゴッドオーダーをやってから今まで他の人が色んな素材の製品を納品したらしく、ケンジ以外の人すべてゴミしか出なかった(ただし全体の1%ぐらいはスコップやツルハシ以外の報奨がでた)らしいのだった。

「その結果を踏まえ、もうこのゴッドオーダーは今まで通り役に立たないと結論付けようとしていたのですよ。」

「まだあれから2日しかたってないのにもう結論付けようとしていたのか?」

「だってしょうがないですよ。他の人がやってもゴミしか出ないしやった人はみんなもうこんなギャンブルやらないと言ってるんですよ。」

「あの・・・聞きたいんだが、それがどうしたんだ?」

「・・・どうしたと言われても・・・このゴッドオーダーは生産者のスキルがないと利用が出来ないんですよ!その人達がもうやらないと言ってるんで困ってるんですよ。」

「いや・・・俺が言っているのはそうゆう事じゃないよ。この事案はギルドを上げて検証を上げていくんじゃなかったのか?」

「ええ、いいましたよ。だから困ってるんじゃないんですよ。」

 ケンジはため息をつきながら呆れてしまうのだった。

「もう一度聞くぞ。それがどうかしたのか?ギ・ル・ド・を・あ・げ・て・やるんじゃなかったのか?」

 ウランはケンジの言いたいことがわからなかったのである。

「だから言ってるじゃないですか。生産者の人たちがもうやらないと多数言ってきてるんですよ。」

「そうじゃない!それに対してギルドは何をやっているんだと言っている!」

「何をやっているって・・・」

「じゃあ言い方を変えてやるよ。もし検証がうまくいき誰でも良い物が出るようになった時、ギルドは良いとこ取りをするつもりか?」

「そ、それは・・・・」

「検証は生産者が頑張ってギルドは何もしないのか?と言っているんだ。」

「ですが生産者の皆さんに頼らないとギルドとしては何もできないのが実状だとおもうのですが・・・」

 ケンジは更にため息をつきながら呆れ果てるしかなかった。

「まあ、そう思うのだったらこのままにしたらいいさ!また元に戻りこの魔道具は埃にかぶり只の飾りになるだけだしな。」

 ウランは今さっきケンジが出したアイテムを見てそんなはずはないと思いケンジにしがみつき、ケンジが何を言いたいのか聞き直そうとした。

「ケンジ様!わたくしにはケンジ様が何を言っているのかわからないのです・・・」

 ケンジはため息をつきながらウランに話し始めるのだった。

「あのな・・・本来ならギルドの中の事は俺には関係ないしどうでもいい事だけど、この企画はギルドをあげて検証すると俺と約束したよね。」

「ええ、しましたよ。だからわたくし達職員は昨日からゴッドオーダーを利用した人が何を出したのか統計を取ってました。」

「俺が言いたいのはそれしかやってないとしたら10歳の子供でもできるだろといいたいんだ。それともギルドはそんな役に立たない組織なのか?」

 それを聞きウランや職員達はケンジの言いたいことが何となく解って来たのと同時にギルド職員のプライドがズタズタにされるのだった。

「では、どうしたらいいのですか?わたし達に製品を作ることはできないんですよ。」

「なんで、自分たちで製品を作ろうと思っているんだよ・・・そんなの無理に決まってるだろ。そこは協力し合えよ。」

「だから、協力を募ってゴッドオーダーをやってもらっているんじゃないですか!」

「俺が言っているのはそこなんだよ!ギルドは口だけ出してやっている気になってるとおもわないのか?協力を募って製品を納品をしてゴミしか出なかった生産者はそりゃもうやりたくないとおもうだろ!」
「だから、協力を募ったのならギルドはその生産者の使った素材の一部でもいいから保証をしろと言ってるんだ。」

「そんな事できるわけないじゃないですか・・・」

「何でできるわけがないんだ?企画書もあげず、やる前から無理というならギルドを上げてと言うのはやめておきな。」
「今まで通りゴッドオーダーは置いておくだけだしゴミしか出ない置物としてギルドに飾って置けばいいよ。ギルドは損はしないだろ。」

「ですが、ケンジ様はこれで5回連続で凄いアイテムを出したじゃないですか!」

「だからそれを調べて統計を取るのがギルドを上げてやるんだろ?ただ、出た物を見てるだけじゃ、ギルドの意味はないだろ?ちがうか?」

「ですが、そんな生産者に保証を出すこと今まで判例がないです・・・」

「今までは今までだろ。ゴッドオーダーの検証は今までやってこなかった事でより多くの検証をしようと思うならギルドもお金を出してやったらどうだ?」
「何も全額出せとは言ってないだろ?それがだめなら何か違う方法を考えて、より多くの検証をしたいならギルドも何か企画書あげて協力すべきだ。」

 ここでオリヴィアが話に割って入ってきたのだった。

「あの・・・ウランさん、わたしとマードックはご主人様の奴隷なんですが、ご主人様は今までにない事をわたし達に武器や服、ご飯を与えてくれてます。」

「それとこのゴッドオーダーと何の関係があるのですか?」

「今までこの世界の奴隷のあつかいと全然違うのですよ。初めては勇気のいる事だと思いませんか?」

「それはそうだと思いますが奴隷のあつかいはその主人が決めることだと思います。一般的には奴隷のあつかいはご飯は1日一食と暗黙で決まっているだけでそうしていない主人はいますよ。」
「それにそのこととこのゴッドオーダーを一緒にするのは違うと思います。」

 ウランはオリヴィアを奴隷と思い侮り下に見ていたためオリヴィアが何を言いたいのかしっかり聞いていなかったのである。ケンジにはオリヴィアの方が為になることを考えていることがわかるのだった。
 
「まあ、ウランさん・・・オリヴィアがせっかくいい意見を言っているのに残念だよ・・・」

「なにが良い意見なのかわからないですが、ギルドは生産者に対して保証はできないといいます。」

「ならこのままこの検証?を続けていくと良いとおもうよ。俺からはもうゴッドオーダーに関して何も言うことないよ。」

 こうしてギルドはケンジだけが連続5回レアアイテムが出たと検証?し、段々と誰もゴッドオーダーをやらなくなってしまい、ケンジが利用した後日に俺も出るんじゃないかと欲望が出た人だけになっていったのだった。

*------*------*-------*-------*

 組織とゆうのはホント厄介で面倒なものですよね。
自分で書いててイライラしてきましたよ。><
 ただ、こうしてケンジ達だけが力をつけていき有利に
働くのは言うまでもなく物語は進んでいきます。

 次からは逆恨みをした冒険者などが出てくる話に移行
していきます。

 いつもこの話を読みに来てくれる人にはホント感謝しています。
やる気が出てきてモチベーションが上がっています。
本当にありがとうございます(^^♪
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