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第1章 異世界に!
38話 そして・・・⑥
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ケンジは、朝早く目を覚ますのだった。結局、昨日は添い寝だけだと言っていたのに、プリムが誘惑をしてきて、ケンジは我慢ができず、プリムを抱いていたのだった。当然、プリムは生も痕も尽き、まだ泥のように眠っていたのだった。
「だから、誘惑をやめろと言ってたのに……今日も起こすのが大変だな……」
「主……何を他人事のように言ってるんですか……もう少し、女性の体力というものを考えてあげてください」
「いや……なんでかな?なんか、夢中になってしまって……」
「主は、まだ若いからわからないではないですが、なんか特別なスキルが付いてるんじゃないかと疑いますよ」
「いや……それも含めて慣れてくれたらいいかな」
ケンジが、そんな事をギルスレインと言っているのを、システィナ達は側で聞いていたが顔を青くして心の中で、それは絶対無理という感じで、首を勢いよく横に振っていた。
「じゃ、俺は顔を洗ってくるよ。プリムを起こしておいてくれ」
「プリム、プリム」
システィナは、プリムの肩をゆすって起こすのだが、システィナはどんな感じか経験をしているので、これは無理だと諦めるしかなかった。
「ご主人様が戻ってきたら、ヒールを掛けてもらわないと無理かな……」
システィナは、プリムを横目で見て、苦笑いをするのだった。
ケンジが顔を洗って戻ってきたが、やはりプリムは起きていなかったのでケンジはしょうがないといった感じで、プリムにヒールをかけるのだった。すると、プリムは動かなかった身体を、無理やり動かす感じで起きる事ができたのだった。
「ご主人様……一ついいですか?できたら、わたしがもう無理と叫んだら、チョット腰止めてください!あれではホントに死んじゃいます……」
「いやあ、なんかごめん……プリムを抱いてると、なんかすごく気持ちよくて俺も意識が跳んでるというか、なんというか……ホントごめん」
「ったく、もう……」
ケンジは、プリムに何回も頭を下げるのだった。プリムも、ケンジが気持ちよくての言葉に、顔を赤らめてそっぽを向き、照れくさくなったのだった。
ケンジ達は、朝食を済ませ宿屋の主人達にお礼を言い、親父さんにはまたこの町に寄ったら来てくれと言われて、お昼のお弁当も用意してくれていたのだった。ケンジは、何回もお礼を言い町を出る為、まだ人の少ないであろう早朝の城門に向かうのだった。
城門につくと、これから町の外に冒険に向かう冒険者や、商人について護衛をする冒険者で、結構賑わっていたのだ。
町の外に行く時は、門番の人はチェックしなくて、笑顔で見送ってくれるのだった。それでも、まだ新人の冒険者には無事帰ってこいよと等、兵士達は声を掛けたりしていた。
「ご主人様、ちょっとよろしいですか?」
「システィナ、何かあったか?」
「いえ……これから、どこに向かうのですか?アテはあるのかと思って」
「どこかというのはわからないけど、ここから北東にでかい湖が、あるはずだから、そこに向かおうと思ってるよ」
ケンジは、今いる場所が地球でいう神戸辺りなので、北東にある琵琶湖を目指そうとしていたのだった。湖があるって事は、そこには大きく発展した町があると、ケンジは思っていたのだった。
それを聞き、ギルスレインはこの方向に、そんな大きな湖の事を知らなかったので聞き直すのだが、ケンジは日本と同じなので、必ずあると言い切ったのだった。
「主、大体どのくらいで着くのですか?」
「そうだな……このまま歩きだと1週間くらいかな?」
「そんな、大きな町があるのですか?」
「確証はないけど、水辺のまわりは便利だからな。必ずあると思うぞ」
「え?確証ないんですか?」
「まあ、いいからいいから、たぶん大丈夫だ!」
「「「「多分ですか……」」」」
4人は苦笑いをして、ケンジを見つめるのだった。
今までいた町、ブリュンガスが見えなくなった時、ケンジは皆を呼び止めるのだった。
「みんな、ちょっと待って!」
ギルスレイン達は、何事かと思い、周りを警戒するのだった。
「ご主人様……なにかあったのですか?」
「いや、もう町も遠くになって、人通りも無くなったからさ!馬車で行こうと思ってな」
4人は、ケンジが何を言っているのか分からなくて、呆れた感じでため息をつくのだった。
「主……乗合馬車なら、城門の近くで手配しないと、今からでは無理ですよ。それにこの方面の乗合馬車は無かったはずですよ」
「いや、そうじゃなくて、ギルスレイン達が襲われた時、奴隷商人の馬車があったろ?あれを昨日修理しておいたんだよ」
ケンジは、インベントリから馬車を出すのだった。それを見た4人は驚き、また初めて見たセイラは、パニックを起こし思考が停止するのだった。
「いったい……どこから馬車が!」
「主……馬車はありますが、これを引く馬はどうするのですか?」
ギルスレインは、落ち着いた様子でケンジに質問をして呆れる仕草をしたのである。
「それも、考えがあるから大丈夫だ。安心して任せろ」
ケンジは、そう言って※①【ファントムカーチュリ】と言って魔法を使ったのだ。
ケンジは、ファントムカーチュリを召還し、ファントムは馬の形を形成したのだった。
「ご主人様!これはいったい?」
「これは魔法生物で、こいつに馬車を引かせるつもりだったんだ」
ケンジは、ファントムに命令をし、馬車の前方部分の引かせる所に誘導するのだった。
「そういえば、ギルスレインって馭者ってできる?」
「あんまり、経験はないですが……やった事はあります。ですが、この魔法生物で操縦はやった事がありません」
「やった事あるなら良かったよ。こいつには、大体の行き先は命令できるから、馬車や人にすれ違う時だけ、出来たら問題ないよ」
「に、しても……主はなんでもできるんですね。馬車も元どおり……屋根の天幕はそのままなんですね……」
「ああ、革製品は修理できなかったから、旅の途中魔物の皮が取れたら補修しようと思って、そのままにするしかなかったんだよ」
「裁縫での修理なら、わたしに任せておいてください。」
プリムが、皮が手に入るように張り切っていたのだった。
「さあ、みんな乗った乗った。ギルスレインは馭者を頼む」
「はい!わかりました」
馬車に乗ったケンジは、セイラを近くに座らせて謝罪したのだった。
「遅くなってごめんな」
「主様、何をいきなり謝っているのですか?」
「セイラの、その顔を治そうと思ってな。街中にいる時じゃ、魔法の効果が効きすぎて、目を付けられるから出来なかったんだよ」
その言葉を聞き、セイラは呆然として、ケンジが何を言っているのかわからなかったのだ。
「え?どういう事ですか?」
「うん……セイラ、その顔当然治したいよね?」
「はい……治したいですが、この顔を治すのは無理です。治せるとしたら、エリクサーというポーションでしか、絶対無理だと思いますよ……」
それを、見ていたシスティナとプリムは、暖かい笑顔で見守っていたのだった。
「大丈夫!俺に任せておけ。」
ケンジは、※②【パーフェクトヒール】を唱えるのだった。セイラは、光に包まれて暖かい魔法力に、自分の中にあるどす黒い何かが、自分をこんな目に合わせた貴族への、闇の部分の気持ちが洗い流されるような気持ちになるのだった。
光が収まると、そこには前髪に隠れて見えずらいが、瞳がクリッとして唇はプリッと艶やかな、アイドル以上の可愛い女の子がいたのだった。それを見た、システィナとプリムは涙を流して喜び、町で買ってもらった手鏡をセイラに渡すのだった。
セイラは、どういう事か分からない様子だったが、システィナに手鏡を渡されて、困惑している様子だった。拷問にかけられ、自分の顔が醜くされて以来、セイラは自分の顔を確認した事がなかったからである。
セイラは、目をつむり手鏡を自分の目の前に持っていき、そっと目を開けていくのだった。目を開けた瞬間、そこには拷問前の自分の顔が映っていて、少しの間何が起こったのかセイラの思考回路が止まっていたのだが、手鏡に映った顔が元に戻っていると思ったら、自然と瞳から涙が止めどなく流れだしたのだった。
「セイラ、もうこれで前髪で、顔を隠す事もないな」
「主様ぁ~~~~!」
座っていたセイラは、ケンジに抱きつき胸めがけて跳びこんできたのだった。セイラは、何度も泣きながら、ケンジにお礼を言って、しばらくしたら泣き疲れて眠ってしまったのだった。ケンジは抱きつかれている間、セイラの頭を撫でてあげていたのだった。
「よく一人で頑張ったな!辛かっただろ?もう我慢しなくてもいいよ」
「主様……ぐすっ……」
「泣きつかれて、眠っちゃいましたね」
「ああ、セイラは今まで一人で頑張っていた分、顔が治って緊張が解けたのかもしれないな。これから、違う町で一緒に楽しく暮らせていけたらいいんだけどな」
「「ご主人様だから、その辺は大丈夫ですよ」」
「だったらいいんだけどな」
「主!これで3人目!夜の方もがんばってくださいね。」
ギルスレインがにやけながら、ケンジに耳打ちをしてくるのだった。
「余計な事は言うな!」
ケンジは、いきなりギルスレインの後頭部を殴るのだった。
「痛ぁ~~~~~‼主、いきなり殴らないでくださいよ!操縦をミスったらどうするんですか?」
「いらん事言うから殴られるんだ!」
システィナとプリムは、なんでギルスレインが、頭を殴られるのかわからず頭をかしげるのだった。
「ご主人様?なんでギルを殴ったのですか?」
「いや、システィナ達は知らなくていいよ。たいした事じゃないから……」
「「えぇ~~~!なんか気になります!教えてください」」
ギルスレインが、変な事を言ったので馬車の中はドタバタし、ケンジは照れているが、ギルスレイン達と知り会う事が出来、嬉しく思っていたのだった。
ケンジ達は、次の町に向けてゆっくりとした速度で旅を続け、ケンジは次起こる事には、色々と注意して行動するつもりだった。
そして、せっかくこのガイアースに女神クローティアに転移させて貰ったので、人生を謳歌しようと笑っていたのだった
*-----*-----*-----*-----*
第1章、終わりました。次の2話ぐらいは閑話を書きますが、次回から
第2章のはじまりです。
ケンジ達は、どのように成長していくのか……書いている本人も
楽しんで書いていて、第1章は説明が多くて退屈だったかもしれませんが、
第2章からは、戦闘も多くしていきたいなぁと思っています。
ケンジ自身も、生産系を伸ばし、早く権力者達をはねのけるように
生産無双していくようなストーリーにしたいと思います。
いつも、この話を読んでくれている皆さま本当にありがとうございます
<m(__)m>
この話で出てきた魔法一覧
※①【ファントムカーチュリ】
闇属性魔法 5レベル
消費MP 45
詠唱速度 6秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 レベル×1時間
効果対象 なし
効果範囲 なし
必要秘薬 アビスの葉・紫水晶各2個
備考
魔法生物を一体召還をする。形は術者のイメージで決定し、
大抵は馬など、馬車を引く動物に成形し、馬車を引いたり騎乗したりする
単純な命令を聞き、戦闘などはできない。
この魔法生物のステータスは、術者のステータスの3分の1を保有し、
又物理ダメージは10分の1しか通らないが、魔法ダメージは1.5倍
になる。
魔道師レベル50、魔法スキル55.00で使用可能
※②【パーフェクトヒール】
【パーフェクトヒール】
聖属性魔法 8階位
消費MP 56
詠唱速度 90秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 一瞬
効果対象 一人
効果範囲 なし
必要秘薬 紫水晶・高麗人参・黒大蒜、各5個
備考欄
聖属性魔法の回復魔法としては最高峰の魔法。この上には回復魔法は
存在しない。この魔法を使うと命さえ無事ならば部位欠損さえも元通りに
してしまう。この上位になると蘇生魔法になるがそれらの魔法は禁忌になる。
大魔道士職業レベル150以上魔法スキル120.00で使える。
「だから、誘惑をやめろと言ってたのに……今日も起こすのが大変だな……」
「主……何を他人事のように言ってるんですか……もう少し、女性の体力というものを考えてあげてください」
「いや……なんでかな?なんか、夢中になってしまって……」
「主は、まだ若いからわからないではないですが、なんか特別なスキルが付いてるんじゃないかと疑いますよ」
「いや……それも含めて慣れてくれたらいいかな」
ケンジが、そんな事をギルスレインと言っているのを、システィナ達は側で聞いていたが顔を青くして心の中で、それは絶対無理という感じで、首を勢いよく横に振っていた。
「じゃ、俺は顔を洗ってくるよ。プリムを起こしておいてくれ」
「プリム、プリム」
システィナは、プリムの肩をゆすって起こすのだが、システィナはどんな感じか経験をしているので、これは無理だと諦めるしかなかった。
「ご主人様が戻ってきたら、ヒールを掛けてもらわないと無理かな……」
システィナは、プリムを横目で見て、苦笑いをするのだった。
ケンジが顔を洗って戻ってきたが、やはりプリムは起きていなかったのでケンジはしょうがないといった感じで、プリムにヒールをかけるのだった。すると、プリムは動かなかった身体を、無理やり動かす感じで起きる事ができたのだった。
「ご主人様……一ついいですか?できたら、わたしがもう無理と叫んだら、チョット腰止めてください!あれではホントに死んじゃいます……」
「いやあ、なんかごめん……プリムを抱いてると、なんかすごく気持ちよくて俺も意識が跳んでるというか、なんというか……ホントごめん」
「ったく、もう……」
ケンジは、プリムに何回も頭を下げるのだった。プリムも、ケンジが気持ちよくての言葉に、顔を赤らめてそっぽを向き、照れくさくなったのだった。
ケンジ達は、朝食を済ませ宿屋の主人達にお礼を言い、親父さんにはまたこの町に寄ったら来てくれと言われて、お昼のお弁当も用意してくれていたのだった。ケンジは、何回もお礼を言い町を出る為、まだ人の少ないであろう早朝の城門に向かうのだった。
城門につくと、これから町の外に冒険に向かう冒険者や、商人について護衛をする冒険者で、結構賑わっていたのだ。
町の外に行く時は、門番の人はチェックしなくて、笑顔で見送ってくれるのだった。それでも、まだ新人の冒険者には無事帰ってこいよと等、兵士達は声を掛けたりしていた。
「ご主人様、ちょっとよろしいですか?」
「システィナ、何かあったか?」
「いえ……これから、どこに向かうのですか?アテはあるのかと思って」
「どこかというのはわからないけど、ここから北東にでかい湖が、あるはずだから、そこに向かおうと思ってるよ」
ケンジは、今いる場所が地球でいう神戸辺りなので、北東にある琵琶湖を目指そうとしていたのだった。湖があるって事は、そこには大きく発展した町があると、ケンジは思っていたのだった。
それを聞き、ギルスレインはこの方向に、そんな大きな湖の事を知らなかったので聞き直すのだが、ケンジは日本と同じなので、必ずあると言い切ったのだった。
「主、大体どのくらいで着くのですか?」
「そうだな……このまま歩きだと1週間くらいかな?」
「そんな、大きな町があるのですか?」
「確証はないけど、水辺のまわりは便利だからな。必ずあると思うぞ」
「え?確証ないんですか?」
「まあ、いいからいいから、たぶん大丈夫だ!」
「「「「多分ですか……」」」」
4人は苦笑いをして、ケンジを見つめるのだった。
今までいた町、ブリュンガスが見えなくなった時、ケンジは皆を呼び止めるのだった。
「みんな、ちょっと待って!」
ギルスレイン達は、何事かと思い、周りを警戒するのだった。
「ご主人様……なにかあったのですか?」
「いや、もう町も遠くになって、人通りも無くなったからさ!馬車で行こうと思ってな」
4人は、ケンジが何を言っているのか分からなくて、呆れた感じでため息をつくのだった。
「主……乗合馬車なら、城門の近くで手配しないと、今からでは無理ですよ。それにこの方面の乗合馬車は無かったはずですよ」
「いや、そうじゃなくて、ギルスレイン達が襲われた時、奴隷商人の馬車があったろ?あれを昨日修理しておいたんだよ」
ケンジは、インベントリから馬車を出すのだった。それを見た4人は驚き、また初めて見たセイラは、パニックを起こし思考が停止するのだった。
「いったい……どこから馬車が!」
「主……馬車はありますが、これを引く馬はどうするのですか?」
ギルスレインは、落ち着いた様子でケンジに質問をして呆れる仕草をしたのである。
「それも、考えがあるから大丈夫だ。安心して任せろ」
ケンジは、そう言って※①【ファントムカーチュリ】と言って魔法を使ったのだ。
ケンジは、ファントムカーチュリを召還し、ファントムは馬の形を形成したのだった。
「ご主人様!これはいったい?」
「これは魔法生物で、こいつに馬車を引かせるつもりだったんだ」
ケンジは、ファントムに命令をし、馬車の前方部分の引かせる所に誘導するのだった。
「そういえば、ギルスレインって馭者ってできる?」
「あんまり、経験はないですが……やった事はあります。ですが、この魔法生物で操縦はやった事がありません」
「やった事あるなら良かったよ。こいつには、大体の行き先は命令できるから、馬車や人にすれ違う時だけ、出来たら問題ないよ」
「に、しても……主はなんでもできるんですね。馬車も元どおり……屋根の天幕はそのままなんですね……」
「ああ、革製品は修理できなかったから、旅の途中魔物の皮が取れたら補修しようと思って、そのままにするしかなかったんだよ」
「裁縫での修理なら、わたしに任せておいてください。」
プリムが、皮が手に入るように張り切っていたのだった。
「さあ、みんな乗った乗った。ギルスレインは馭者を頼む」
「はい!わかりました」
馬車に乗ったケンジは、セイラを近くに座らせて謝罪したのだった。
「遅くなってごめんな」
「主様、何をいきなり謝っているのですか?」
「セイラの、その顔を治そうと思ってな。街中にいる時じゃ、魔法の効果が効きすぎて、目を付けられるから出来なかったんだよ」
その言葉を聞き、セイラは呆然として、ケンジが何を言っているのかわからなかったのだ。
「え?どういう事ですか?」
「うん……セイラ、その顔当然治したいよね?」
「はい……治したいですが、この顔を治すのは無理です。治せるとしたら、エリクサーというポーションでしか、絶対無理だと思いますよ……」
それを、見ていたシスティナとプリムは、暖かい笑顔で見守っていたのだった。
「大丈夫!俺に任せておけ。」
ケンジは、※②【パーフェクトヒール】を唱えるのだった。セイラは、光に包まれて暖かい魔法力に、自分の中にあるどす黒い何かが、自分をこんな目に合わせた貴族への、闇の部分の気持ちが洗い流されるような気持ちになるのだった。
光が収まると、そこには前髪に隠れて見えずらいが、瞳がクリッとして唇はプリッと艶やかな、アイドル以上の可愛い女の子がいたのだった。それを見た、システィナとプリムは涙を流して喜び、町で買ってもらった手鏡をセイラに渡すのだった。
セイラは、どういう事か分からない様子だったが、システィナに手鏡を渡されて、困惑している様子だった。拷問にかけられ、自分の顔が醜くされて以来、セイラは自分の顔を確認した事がなかったからである。
セイラは、目をつむり手鏡を自分の目の前に持っていき、そっと目を開けていくのだった。目を開けた瞬間、そこには拷問前の自分の顔が映っていて、少しの間何が起こったのかセイラの思考回路が止まっていたのだが、手鏡に映った顔が元に戻っていると思ったら、自然と瞳から涙が止めどなく流れだしたのだった。
「セイラ、もうこれで前髪で、顔を隠す事もないな」
「主様ぁ~~~~!」
座っていたセイラは、ケンジに抱きつき胸めがけて跳びこんできたのだった。セイラは、何度も泣きながら、ケンジにお礼を言って、しばらくしたら泣き疲れて眠ってしまったのだった。ケンジは抱きつかれている間、セイラの頭を撫でてあげていたのだった。
「よく一人で頑張ったな!辛かっただろ?もう我慢しなくてもいいよ」
「主様……ぐすっ……」
「泣きつかれて、眠っちゃいましたね」
「ああ、セイラは今まで一人で頑張っていた分、顔が治って緊張が解けたのかもしれないな。これから、違う町で一緒に楽しく暮らせていけたらいいんだけどな」
「「ご主人様だから、その辺は大丈夫ですよ」」
「だったらいいんだけどな」
「主!これで3人目!夜の方もがんばってくださいね。」
ギルスレインがにやけながら、ケンジに耳打ちをしてくるのだった。
「余計な事は言うな!」
ケンジは、いきなりギルスレインの後頭部を殴るのだった。
「痛ぁ~~~~~‼主、いきなり殴らないでくださいよ!操縦をミスったらどうするんですか?」
「いらん事言うから殴られるんだ!」
システィナとプリムは、なんでギルスレインが、頭を殴られるのかわからず頭をかしげるのだった。
「ご主人様?なんでギルを殴ったのですか?」
「いや、システィナ達は知らなくていいよ。たいした事じゃないから……」
「「えぇ~~~!なんか気になります!教えてください」」
ギルスレインが、変な事を言ったので馬車の中はドタバタし、ケンジは照れているが、ギルスレイン達と知り会う事が出来、嬉しく思っていたのだった。
ケンジ達は、次の町に向けてゆっくりとした速度で旅を続け、ケンジは次起こる事には、色々と注意して行動するつもりだった。
そして、せっかくこのガイアースに女神クローティアに転移させて貰ったので、人生を謳歌しようと笑っていたのだった
*-----*-----*-----*-----*
第1章、終わりました。次の2話ぐらいは閑話を書きますが、次回から
第2章のはじまりです。
ケンジ達は、どのように成長していくのか……書いている本人も
楽しんで書いていて、第1章は説明が多くて退屈だったかもしれませんが、
第2章からは、戦闘も多くしていきたいなぁと思っています。
ケンジ自身も、生産系を伸ばし、早く権力者達をはねのけるように
生産無双していくようなストーリーにしたいと思います。
いつも、この話を読んでくれている皆さま本当にありがとうございます
<m(__)m>
この話で出てきた魔法一覧
※①【ファントムカーチュリ】
闇属性魔法 5レベル
消費MP 45
詠唱速度 6秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 レベル×1時間
効果対象 なし
効果範囲 なし
必要秘薬 アビスの葉・紫水晶各2個
備考
魔法生物を一体召還をする。形は術者のイメージで決定し、
大抵は馬など、馬車を引く動物に成形し、馬車を引いたり騎乗したりする
単純な命令を聞き、戦闘などはできない。
この魔法生物のステータスは、術者のステータスの3分の1を保有し、
又物理ダメージは10分の1しか通らないが、魔法ダメージは1.5倍
になる。
魔道師レベル50、魔法スキル55.00で使用可能
※②【パーフェクトヒール】
【パーフェクトヒール】
聖属性魔法 8階位
消費MP 56
詠唱速度 90秒(詠唱スキルが無い場合)
効果時間 一瞬
効果対象 一人
効果範囲 なし
必要秘薬 紫水晶・高麗人参・黒大蒜、各5個
備考欄
聖属性魔法の回復魔法としては最高峰の魔法。この上には回復魔法は
存在しない。この魔法を使うと命さえ無事ならば部位欠損さえも元通りに
してしまう。この上位になると蘇生魔法になるがそれらの魔法は禁忌になる。
大魔道士職業レベル150以上魔法スキル120.00で使える。
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