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第1章 異世界に!

27話 ギルドの依頼をこなしに行こう!⑤

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 ケンジ達は、部屋に入りギルスレイン達と、今後の生活のルールを決めていた。

「ご主人様……話しって何ですか?」

「うん……これから、ここを拠点として暮らしていくだろ。だから、1週間の流れというか……生活のリズムをたてようと思ってな。」

「生活のリズムですか?」

「うん。そうだ!ギルスレイン達は、これからの生活リズムはどうしたいと思っていた?」

「えーっと、いざ言われると困るのですが……朝起きて、主と一緒にギルドの仕事をこなし、美味しいご飯をいただき、主の護衛をする為戦闘スキルを成長させる事で一日が終わり、それが毎日続くと思ってました」

 そのようにギルスレインが答えると、システィナとプリムは首を縦に勢いよく振りそれに付け加えた。

「「わたし達は、それに夜の奉仕が加わる事となりますね」」

「いや……システィナ達の、夜は毎日じゃなくてもいいぞ……」

「「ご主人様は、1回やっただけなのに、もうわたし達に飽きてしまったのですか⁉」」


「飽きるわけないだろ……」

 ケンジは、真っ赤になり小さな声で言った……それを聞き2人は、ホッとしたような顔になり安心するのだった。

「じゃあ、なんで毎日寝てくれないんですか?」

「あのなぁ、俺の体力も考えてくれ。毎日、昼はギルドの依頼をこなし、夜は君達を抱いて、そんな生活してたら過労死してしまうんだぞ。いいのか?それでも……」

「主・・・そんな若い内から、そんな考えだとは情けないです・・・もっとガンガンいかないと!」

「そうですよ!ご主人様!若いのにそんなんじゃこれからどうすんですか?ご主人様はこれから活躍していくんでしょ?」

「活躍までとはいかないと思うが、それなりに贅沢な暮らしができるように、頑張るつもりでいるけどな。それと、夜の生活が関係してるとは思わないよ。」

「それが間違ってるんですよ。ご主人様が、ちょっとでも頑張ればこの世界では活躍出来ると思いますよ。そうなると、どうなると思います?」

「どうなるんだ?」

 ケンジは、今までの行動を思い出し、ゴクリと喉を鳴らす……

「たぶん、ご主人様のまわりには、数多くの女性が集まってきますよ!」

「えぇ!なんでそうなるんだよ!」

「この世界は、一夫多妻制だと言いましたよね?活躍する男性には種を残す義務があるんですよ」

「それはわかったけど、それは俺が交際をOKした場合だろ?しなければ、そんなに女性が増えるとは思わないけど違うのか?」

「そう思うなら、そうだと思っていたらいいですよ。この世界の、独身女性はそんな甘くないと思いますよ」

「まあ、2人の言う事は気に留めておこう。だが、今はそんな事を言ってるんじゃないんだ。1週間の流れの話しなんだよ」
 
 ケンジは、ギルスレイン達に1週間の流れ、ギルドの仕事と生活のリズムを説明した。
 
 その内容は、1日事に仕事内容を変える事であり、変化を持たせる事にしたのだ。ガイアースの、一週間は地球と同じで7日間。次のようになっていて、属性魔法が当てられているのだ。

月曜日⇒光の日
火曜日⇒火の日
水曜日⇒水の日
木曜日⇒木の日
金曜日⇒風の日
土曜日⇒土の日
日曜日⇒聖の日

「このように、光・水・風の日は当分の間、初心者採掘場で採掘の依頼をやり、火・木の日は町でFランクの依頼をやって、平民から出ている依頼をこなして行こうと思っている。これが一週間の流れだ」

「ご主人様、採掘はわかるのですが……何で低料金のFランクの依頼を、率先してやるのですか?」

「それはな、今日掲示板を見てわかったんだが、Fランクの依頼が誰も取っていなくて、ほこり被ってたんだ」

「それは、誰も好きで低価格で家の溝掃除や資材の運搬をしたくないですから、誰も取らないのは当たり前ですよ」

「うん……それはわかってる。特に生産ギルドは、新人もいないし他の人達は雑用やるより、自分の職人技術をやった方がスキルあがるし、お金も儲かるからな」

「だったら、主もスキル育てて、採掘に行った方がいいのではありませんか?」

「ギルスレイン、俺達はとりあえず、これからここで暮らしていくんだ。たぶん、町の人達の協力が必要になってくると思うんだよ。だから、俺達が今低ランクの依頼を率先してやる事で、名前を売っておいた方が、後々意味が出てくるんだと思うんだよ。ただし……安請け合いはせず、俺たちが有利に働けるようにだ!」

「「「なるほど!」」」「さすがご主人様です!」

「その、主の考えはわかりました。で、土と聖の日はどうするのですか?」

「良いとこに気づいたな。まずは、土の日は個人的にスキルを伸ばす日だ」

「「「どういうことですか?」」」

「例えば、プリムなら裁縫と料理ができるだろ?採掘の日で、集めた綿花や羊毛、ワームの糸も入るかもしれないだろ?その素材を使って、戦闘職じゃない、別のスキルを伸ばすんだ」

「え?裁縫ですか?」

「システィナなら、ガーデニングとかだな」

「あたしは、ガーデニングですか?」

「ギルスレインは、町で売っている鍵付きの箱を買ってきて、宝箱の罠発見や解除で、室内で伸ばせる自分特有のスキルを育てる日だ」

「な、なるほど!」

「そして、聖の日は完全に休みの日だ。日がな一日寝ててもいいし、買い物に行ってリフレッシュしたり、自由にすごしてくれたらいい」

 それを聞き3人は驚き、システィナとプリムは大きな悲鳴を出して喜んだのだった。システィナとプリムはだいぶんと今の立場に慣れてきたようで、手放しに喜ぶのである。

「主、奴隷の我々にも、休みの日をいただけるのですか?」

「そりゃ当然だろ。俺だって休みなしで働きたくないし、ホントなら土の日も休みにしたいぐらいなんだぞ」

「いえ、そうじゃなくて……主が、土の日も休んで頂けるのは何も問題はないのですが、我々奴隷も一緒に休むなんて聞いた事なくて……」

「あっそういう事か……ギルスレインは奴隷って立場だが、俺は仲間だと言っているだろ?他人の奴隷にはどうこう言えないし言うつもりもないが、何回も言っているが他所は他所、内は内だ。だけど、俺も無理を言う時はあるからそれは協力してほしい!」

「はい!ありがとうございます!」

「それに、休みなしで働くなんて俺は認めないからな。働く時は働いて休む時は休む!これが俺が考える一週間のリズムだ!」

 そう言って、ケンジは3人を説得し、明日はFランクの仕事をすると言って、ケンジは部屋を出て行こうとした。






「あれ、ご主人様どこ行くのですか?まだ寝ないのですか?」

「ああ、ちょっと宿屋の女将さんに用事があってな。ちょっと行ってくるが、みんなは部屋で休んでていいよ。」




 ケンジは、下に降りて受付にいた女将さんに話しかけたのだった。

「あら、ケンジさんこんな時間にどうしたんだい?」

「いえ、今日は町の外に出て仕事してきたんですけど」
 
 それを聞き、女将さんはニッコリ笑いながら、ケンジの顔を見て背中をバシバシ叩き気合を入れるのだった。

「そうかい!そうかい!若い人はやっぱり、バリバリ働かなきゃねぇ」

「それで、これからここで、ただで宿屋に泊まらせてくれる事になってありがたいんですが、やっぱり申し訳ないと思いまして……」

「なんだい!そんなこと気にしなくてもいいんだよ。ケンジさんは、孫の命の恩人なんだからさ。それにこっちはご飯代は頂いてるし、それだけでもわたし達は悪いと思ってんだよ」

「だけどやっぱり……俺としては、これからお世話になる身として悪いと思うんで、別の事で協力させていたけませんか?宿代を、ただにしてもらうのは、俺としては凄く有り難いので、受け取らせていただきます」

「なんだい協力って?」

「今日、町の外に出た時、フォレストボアを倒したんで、その肉を貰ってくれないかなぁと思いまして」

「え?フォレストボアを肉をかい?わたし達は、食堂の材料がただで手に入るのは、凄く有り難いけど本当にいいのかい?」

「えぇ!大量にあるし、俺達だけでは処理できないし良いですよ」

「いや、そうじゃなくて……生産ギルドに売ったらお金になるよ。売ったらいいじゃないか!」

「ああ、それは別にいいですよ。これから外に出る機会は多くなるし、今回は貰ってもらおうと思ってたんで!」

「そうかい?じゃあ、ありがたくいただくよ。ありがとねぇ」

「いえいえ。じゃあ、どこに出したらいいですか?」

「ちょっと待っておくれよ。あんた!ケンジさんがボアの肉を差し入れしてくれたよ。倉庫に案内しておくれよ。」

「ほんとか?ボアの肉かありがてぇ!在庫が少なくなってて注文するとこだったんだ。ケンジさんありがとなぁ。こっちの倉庫に出してくれ」

 ケンジは、倉庫についていきマジックバックから出すようにしてフォレストボアの肉を出した。自分達が、野営で使う分は残していたが、出したボアの肉はあまりに巨体で倉庫の3分の1ぐらい埋まったのだった。

 それを見た親父さんは驚いて口が開いたまま固まった。

「親父さんこれでいいですか?お~~~い!親父さん⁉何、固まってるんですか?」

 親父さんは、ケンジにゆすられて正気にもどり、ケンジの肩をゆすって大きな声を出した。

「ケンジさん、こいつはフォレストボアじゃねえよ。こいつはジャイアントフォレストボアの高級肉で、なかなか手に入らねえ高級品だよ。こんなのタダで貰うわけにゃいかねえよ」

 そこに、女将さんとマリアさんが、何事かと思い倉庫に入ってきた。

「なんだい大きな声をだして!」
「そうよ。父さん!もう夜なんだから、もうちょっと声を落として!」

「いやな……ケンジさんがくれた肉、ジャイアントフォレストボアだったんだよ!こんな高級品タダで貰うわけいかねえからさぁ……」

「「えええ!ジャイアントフォレストボア⁉」」

「おめえ達も五月蠅せぇよ!」

 女将さん達もいたが、すぐに両手で口をふさいだ。

「ケンジさん、材料をタダでもらうのはありがてぇが、こいつは貰う訳いかねぇな……ちゃんと、金を払うからうちに売ってくれ。この肉があれば、金を払ってもうちは大儲けできるから問題ねぇしよ」

「いえ、この肉はタダで良いですよ。俺達の分は、半分以上別にあるし、最初からここでお世話になるからと思い、俺からの気持ちだったし!」

 ケンジの、言い分はわかるが親父さん達も宿屋をタダにしても、何か月もタダで泊まれるくらいの肉が手に入るのだ。親父さん達もなかなかひかないのであったが、ケンジがそれならこの宿を出ると言ったので、親父さん達は渋々受け取るのであった。

 その1か月間、ジャイアントボアのステーキが食えるという事で、宿屋の食堂は大賑わいで従業員も2人増え、親父さん達は笑顔であった。



  
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