上 下
18 / 619
第1章 異世界に!

17話 宿屋に行こう!②

しおりを挟む
 満腹になったケンジ達は部屋に入り、部屋の感想を言いはじめたのだ。

 そして、ケンジはこれからの事をみんなに話し始めるのだった。

「おお!良い部屋だな。」

「さすが、大部屋ですね。ゆったりできそうですね。」

「ベットも綺麗ですし、ゆっくり寝れそうです!」

 ケンジは部屋の感想をやめて、みんなに席についてくれと言ったのだった。

「これからの事なんだけど、みんな席についてくれるかな?」

「「「はい!」」」

「これからの事なんだけど、皆には戦闘職でスキルを上げてもらおうと思ってるんだけど、実際のところ皆の気持ちはどう?自信はある?正直に教えてくれるか?」

「私は、ローグなので前衛職は無理かもしれないです。ですが、斥候として役に立ってみせます。」

「わたしは槍戦士として前衛職として役に立てます。」

 システィナは下を向き言いにくそうにして黙っていた。

「あたしは・・・」

「システィナ?どうした?もし自信がなければはっきり言ってくれ。別の方法を考えるから。」

「別の方法⁉あたし頑張ります!頑張るのでどうか奴隷商人に売るのは・・・売る事だけは許してください!」

 その言葉を聞きケンジは席を立ち、システィナの側に行きシスティナの肩に手を置くのだった。

「ひっ・・・」

「システィナ・・・俺は何回も言うけどみんなが役に立たないからといって廃棄処分みたいな事はしないよ。」

「それに今は役に立つ立たないの確認じゃない。これから俺達は一緒に生きていくんだ!その為に適材適所を把握しないといけないんだよ。」

「主、そんな事をしなくても命令してくれれば奴隷は皆がんばると思うのですが・・・」

「ギルスレイン・・・そんな考えは早く捨てろ。仮にそんな考えで動いてみろ。どうなるかわからないのか?」
「もし、そんな考え方でシスティナを前衛職にしたらどうなると思ってんだ?すぐに死んでしまうんだぞ。そんな事は絶対認めないからな!」
「だから、ギルスレインも自分の命を大事にして無理をしたらだめだ!分かったな?」

「でも、ご主人様・・・あたしなにも役に立てることが・・・魔法は使えますが、ご主人様のように使うことができないし、唯一、高いスキルは歌と音楽で娯楽を与えるしかないです。」
「職業も※①吟遊詩人ですし・・・なにも・・・戦闘の役には・・・」

「なんだちゃんと得意分野があるじゃないか!」

「でも吟遊詩人なんて戦闘には何の役にも・・・」

「だから、何でそうやってシスティナは決めつけるんだ?俺に任せろって!」

「でも、吟遊詩人じゃ・・・」

「システィナ、よく聞くんだ。吟遊詩人には隠された才能があるんだぞ。まだシスティナはレベルとスキルの値が低いだけなんだ。」

「どうゆうことですか?」

「吟遊詩人のレベルが上がれば※②バードという上級職になれるんだぞ。」

 システィナはケンジの言葉に固まってしまうのだった。

「「「えぇ!」」」

「何でご主人様はそんな事知っているのですか?」

「それもこれから話すけど、まずは聞いてくれ。もし、バードになれたら戦闘にとっても役に立つアクティブスキルが使えるようになるんだ。」
「代表的なのがまず、※③【沈静化】・※④【揺動】これが強力なスキルだな。」

「そんな職業があるなんて・・・」
「わたしも初めて聞きます!」
「本当なのですか?」

「まあ、よく考えてみなよ。吟遊詩人が積極的にレベルなんか上げないだろ?だから、世間では知られていないんだよ。」

「確かに・・・主の言う通り吟遊詩人が戦闘なんかしてもすぐに死亡してしまいますものね・・・」

 ケンジは説明を続け、バードは吟遊詩人の職業レベルが20そして、楽器か歌のパッシブスキルが50.00以上になると派生する職業なのだ。
 バードの強い所はMPを使わずにスキルが使える事である。つまり、楽器さえ壊れなければ何回も掛け直すことができ、魔物の動きを封じ込める事ができるのである。

 ケンジはシスティナにバードの説明をすると、システィナはいきなりやる気を出して笑顔になるのだった。

「あたしバードになります!ならせてください。」

「上級職になるのは辛いぞ。今日みたいにすぐ弱音を吐いてると絶対になれないけど大丈夫か?」

「はい。もう弱音を吐いたりしません!ご主人様を信じて強くなりたいです。」

 システィナがそう言うとプリムは嬉しそうにシスティナの肩を持ち笑顔になった。

「システィナ良かったね。一緒にがんばろ。」

「うんうん。」

 システィナは自分もケンジの役に立てることがわかり目に光るものがあった。

「プリム、何を人事のように言ってるんだ?ギルスレインとプリムは自信持ってさっき頑張るって言ってたんだからちゃんと頑張れよ。」

「まさか、我々にも発見されていない上級職があるのですか?」

「ああ当然あるよ。ギルにはローグの上級職にあたる※⑤トレジャーハンターを目指してもらう!そしてプリム、君には槍士の上※⑥ウォーリアになって貰い、その上級職の※⑦バルキリーになるのがとりあえずの目標だからな。」

 ケンジはとりあえずの目標を言い、今の世界の冒険者は弱く、殆どが基本職なんだということを聞かせた。

 それに驚くギルスレイン達はケンジの事が不思議に思えるのだった。ケンジは普通の常識がわからないと言っているのに何故そんな皆が知らない事を知っているのか。そのギルスレイン達の疑問にケンジは絶対内緒だといい説明を続けた。

「先ほど教会に行った時、ギルスレインは俺が神像に照らされていたと言ってただろう?」

「「「はい。あれはすごかったですよ。」」」

「実は俺はこの世界ガイアースの人間じゃなく、元の世界で死んだ俺を女神クローティア様がこのガイアースに転移させた人間なんだ。」
「もう元の世界には戻れないし、この世界で楽しく自由にすごす為、ティアさんの願いを聞き、この世界ガイアースに来たんだよ。」
「その時に俺がすぐに死ななように色々レベルアップしてもらって、ティアさんと友達になったんだ。今まで黙っててごめんな。」

「「「‼」」」

「そして、教会に行った時、ティアさんにもう一回会うことが出来て、色々この世界の常識を頭の中に入れられたんだけど、その記憶を思い出す作業じゃなく、引っ張り出す事になるので知識はあるんだが行動が伴わないんだ。」

「主は女神クローティア様の使途だったんですね・・・」

「いや、そんな大それた者じゃないしティアさんには自由に生きてくださいって言われてるしな。ティアさんに何か言われたって事もないし、使命みたいなものも言われてないんだよ。」

「だから、そんなにかしこまらなくていいよ。で、その時にこの世界の知識の中にある職業の事を引っ張り出した訳だ。」

「それにしても、この上級職になれたら世界は驚くでしょうね。」

「それは内緒にしてほしい。」

「「「はい!わかりました。」」」
「でも、主なぜですか?この知識を公開したらギルドや国から情報料として多額の金がもらえると思いますよ。」

 ケンジは理由を説明した。ケンジはそんな多額のお金を貰ったとしても国やギルドから監視され自由が無くなるのは拒否したいと言う。
 それよりもこの力は、自分達や信用のおける仲間で共有し、王族や貴族の権力に対抗する力にしたほうがマシだとギルスレイン達に伝えた。

 そのケンジの意見にギルスレイン達はうなずき賛成したのだった。

 この時にケンジは自分の本当のステータスを教え、自分は魔法使いの上級職の※⑧魔道士よりさらに上の3次職にあたる※⑨【大魔導士】だと伝え、ギルスレイン達はさらに驚くのであった。

「つまりだ、ギルスレイン達も最終的には3次職のさらに上をめざして貰うつもりでいろよ。」

「「「3次職のさらに上?!」」」

「ああ、そうだ。俺もまだなっていない職業がある。それほどの強力な力を持った職業があり、それらになることが出来たら上級以上のダンジョンも行けるようになり、またそこで採取できる、未知の素材が手に入るかもしれないんだぞ。」
「そして、ギルスレイン達が3次職になれたら一国の兵士団を一人で相手ができるようになるし、S級と言われる魔物にも一人で討伐できると思うぞ。」

「そんなことが可能になるんですか?」

「ああ、そうだ!だからみんなは俺を信じてついてきてほしい。」

「「「わかりました!」」」
「それに我々は最初から主(ご主人様)から離れるつもりはありません。」

 ギルスレイン達はそう言って、ケンジの為これから役に立つ事を誓い、また、ケンジは明日から生産職として生きていこうと思い眠りにつくのであった。

*-----*-----*-----*-----*

 やっとケンジが生産職につくところまで話が書けました。
職業やスキルの事を考えるのは本当にたのしいです。
 一部職業の設定を直しました。申し訳ありません・・・

 この話で出てきた職業・スキル一覧

※①吟遊詩人
 楽器を使い町で歌を歌い生活をしている。楽器と歌が歌えればなれる
職業。

※②バード
 吟遊詩人が職業レベルを20まで上げ、歌と楽器のスキルが50.00に
なった時派生する職業でとても強力な職業。アクティブスキルも沈静化、
揺動なども覚える。

※③【沈静化】
バードのアクティブスキルの1つで敵対するものを動けなくする。
消費MP    なし
詠唱時間    なし
効果時間    レベル×1分
効果対象    レベル×1匹(任意の対象が決めれる)
効果範囲    楽器の音が聞こえる範囲全域
必要秘薬    なし
バード職業レベル20楽器・歌スキル50.00以上で使用可能。

※④【揺動】
バードのアクティブスキルの1つで2匹以上の敵対するものを仲違いさせ
同士討ちにさせる。
消費MP    なし
詠唱時間    なし
効果時間    レベル×30秒
効果対象    レベル×2匹
効果範囲    楽器の音が聞こえる範囲全域
必要秘薬    なし
バード職業レベル20楽器・歌スキル50.00以上で使用可能。

※⑤トレジャーハンター
 ローグの2次職にあたる職業で職業レベル40と主要スキルの短剣術か
罠発見解除が100.00になると派生する職業。

※⑥ウォーリア
 槍士の少し強力になった職業で2次職ではない。職業レベル20と槍術の
スキルが50.00になった時に派生する職業。

※⑦バルキリー
 この職業はレア職業であり有翔族、天翔族の女性で風属性の魔法が使える
者だけがなれる職業。職業レベルが40以上主要スキルの槍術が100.00
になった時派生する。

※⑧魔道士
 魔法使いの上級職で職業レベルが40以上、主要スキルの魔法が100.00
になった時、派生する職業。この職業になった時に初めて4階位から6階位の
魔法が使えるようになる。

※⑨大魔導士
 魔道師の上級職で魔法使いの3次職にあたる職業。職業レベルが80以上
主要スキルの魔法が120.00になった時に派生する職業。
 スキルは通常100.00までだが、ダンジョンのボスクラスの魔物を
討伐した時に出る宝の中に、パワースクロールというパッシブスキルの上限
を上げるスクロールを使う事で初めてなれる可能性が出てくる。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

月が導く異世界道中extra

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  こちらは月が導く異世界道中番外編になります。

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

異世界召喚されたら無能と言われ追い出されました。~この世界は俺にとってイージーモードでした~

WING/空埼 裕@書籍発売中
ファンタジー
 1~8巻好評発売中です!  ※2022年7月12日に本編は完結しました。  ◇ ◇ ◇  ある日突然、クラスまるごと異世界に勇者召喚された高校生、結城晴人。  ステータスを確認したところ、勇者に与えられる特典のギフトどころか、勇者の称号すらも無いことが判明する。  晴人たちを召喚した王女は「無能がいては足手纏いになる」と、彼のことを追い出してしまった。  しかも街を出て早々、王女が差し向けた騎士によって、晴人は殺されかける。  胸を刺され意識を失った彼は、気がつくと神様の前にいた。  そしてギフトを与え忘れたお詫びとして、望むスキルを作れるスキルをはじめとしたチート能力を手に入れるのであった──  ハードモードな異世界生活も、やりすぎなくらいスキルを作って一発逆転イージーモード!?  前代未聞の難易度激甘ファンタジー、開幕!

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第二章シャーカ王国編

エラーから始まる異世界生活

KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。 本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。 高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。 冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。 その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。 某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。 実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。 勇者として活躍するのかしないのか? 能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。 多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。 初めての作品にお付き合い下さい。

Rich&Lich ~不死の王になれなかった僕は『英霊使役』と『金運』でスローライフを満喫する~

八神 凪
ファンタジー
 僕は残念ながら十六歳という若さでこの世を去ることになった。  もともと小さいころから身体が弱かったので入院していることが多く、その延長で負担がかかった心臓病の手術に耐えられなかったから仕方ない。  両親は酷く悲しんでくれたし、愛されている自覚もあった。  後は弟にその愛情を全部注いでくれたらと、思う。  この話はここで終わり。僕の人生に幕が下りただけ……そう思っていたんだけど――  『抽選の結果あなたを別世界へ移送します♪』  ――ゆるふわ系の女神と名乗る女性によりどうやら僕はラノベやアニメでよくある異世界転生をすることになるらしい。    今度の人生は簡単に死なない身体が欲しいと僕はひとつだけ叶えてくれる願いを決める。  「僕をリッチにして欲しい」  『はあい、わかりましたぁ♪』  そして僕は異世界へ降り立つのだった――

無限魔力のゴーレム使い ~無力な奴隷から最強への一歩は逆転の発想から~

喰寝丸太
ファンタジー
この世界の魔力は見えない。 だから、その為に魔力を使うスキルの取得は完全に運任せ。 フィルは十歳の頃にスキルがゴーレム使役の一つしかなく奴隷に売られた。 成人までなんとかやってきたんだけど、今日でお終いのようだ。 魔獣の群れに馬車は囲まれ、風前の灯。 俺に取り憑いていた幽霊の提案を呑んでみたんだが、禁忌を踏んで自爆しやがった。 魔力が見えるという力を得られたのが不幸中の幸いだ。 見えるのなら、魔力を材料にしなくてどうすると、ゴーレムを作り出した。 魔力の着ぐるみゴーレムを身に纏い、普通ならゴーレムに魔力を送るところを逆転の発想で吸い出してやった。 無限魔力の完成だ。 規格外の万能ゴーレムを使い成り上がりを目指す物語です。

公国の後継者として有望視されていたが無能者と烙印を押され、追放されたが、とんでもない隠れスキルで成り上がっていく。公国に戻る?いやだね!

秋田ノ介
ファンタジー
 主人公のロスティは公国家の次男として生まれ、品行方正、学問や剣術が優秀で、非の打ち所がなく、後継者となることを有望視されていた。  『スキル無し』……それによりロスティは無能者としての烙印を押され、後継者どころか公国から追放されることとなった。ロスティはなんとかなけなしの金でスキルを買うのだが、ゴミスキルと呼ばれるものだった。何の役にも立たないスキルだったが、ロスティのとんでもない隠れスキルでゴミスキルが成長し、レアスキル級に大化けしてしまう。  ロスティは次々とスキルを替えては成長させ、より凄いスキルを手にしていき、徐々に成り上がっていく。一方、ロスティを追放した公国は衰退を始めた。成り上がったロスティを呼び戻そうとするが……絶対にお断りだ!!!! 小説家になろうにも掲載しています。  

処理中です...