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プロローグ 出会い!

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「・・・んじ・・・けん・・・じ けんじさん」誰かに呼ばれている感じがする。
「賢治さん!」
「起きてください!」

 綺麗な澄んだ声に賢治は心地よい気分でいた。

「もうあと5分・・・寝かせてくれ・・・」
「まだ眠いんだ・・・母さん・・・」


「誰がお母さんですか!!」
「山道賢治君!いい加減目を覚ましなさい!」

 そう言って女性は賢治の頭を叩きあきれた顔をしたのであった・・・

「ったくもう・・・」

 賢治は頭をおさえてのた打ち回るのだった。

「痛ったあぁ~~~!母さん酷いじゃないか!なにも殴らなくても・・・」
「????・・・・・・・・・・・・・????」

 そこにはこの世とも思えない美しい女性が立っていて、賢治はおもわず見惚れてしまっていた。

 その女性は、銀髪でロングのストレートで碧眼の美人で顔のパーツも絶妙なバランスで、スタイルも出る所は出てウェストは引っ込みモデル体型である。

(こんな美人見たことも会ったこともないや・・・・)

 女性はケンジの思っていることがわかっているかのようにだんだん顔を赤らめ目線をそらすのであった。
 
「そんなに見つめられて美人だなんて言われたらはずかしいです・・・」

(えっ・・・俺、声に出てた!?)

「声に出さなくても私にはわかりますよ。」

(えっ・・・どうゆう事!?)

「自己紹介が遅れましたが、私は地球の女神をしています。クローティア=プルーン=ファナスといいます。ティアと呼んでくれて結構ですよw」 

「はああぁぁぁ~~~???女神!?確かに美人だと思うけど自分で女神って!あははははは!」

「ぷぷぷ・・・」

「何が可笑しいんですか!」

「だって・・・真面目な顔で女神だなんて・・・ってここはどこだ???」

「今ごろ気づいたんですか?賢治さんは意外と天然なんですね・・・」
(はあ・・・)

 クローティアと名のった女性はため息をついたのだった。

「クローティアさんでしたっけ?なんで俺の名前を知ってるんだ?」

「ティアでいいですよ。だって女神ですし、それぐらいはわかりますよ。」

「もういいって・・・で、ここはどこなんだ?」

「賢治さん落ち着いてよく聞いてくださいね。あなたは一週間前にお亡くなりになりました。そしてここは天界と現世をつなぐ空間になります。」

(この何もない真っ白な空間は天界と現世をつなぐ空間???俺が一週間前に死んだ?・・・じゃあ今ここにいる俺は???)

「賢治さん落ち着いてよく思い出してください。あなたは一週間前学校のトイレで・・・」

 クローティアはケンジの顔を見て悲しそうな目をして俯いてしまったのである。賢治はクローティアが何を言っているのか分からずにいて呆けていたのである。

 賢治はクローティアの言う通り目をつむり記憶を呼び起こし少し考えていた。







 そうだ俺は旧校舎の3階のトイレで虐めにあっていた神薙守(かんなぎまもる)を助けようとして・・・


「もう・・・やめて・・・くだ・・・さい・・・「僕が何をしたって・・・いうんですか?・・・」

 そこは旧校舎で、普段は人が立ち入らない感じで、不良のたまり場である。昔は子供の数も、いっぱいいて旧校舎も使っていたのだが、近年少子化で旧校舎はもう使っていなくて、教員も滅多に近づかなくなっていた。つまり、大きな声を出したところで人はこないのである。

「あああ!お前、なに口答えしてんだ!!」
 
「自分の立場が、まだよくわかってないみたいだな!口答えしたから、今日はサンドバック役をやらせてやるよ!」
 
「ひっ・・・やめ・・・やめてください・・・」

 神薙守を虐めているのは、後藤和弘(ごとうかずひろ)高木康彦(たかぎやすひこ)の2名である。この2名は、神薙だけでなく日頃ボッチで気弱そうな生徒をみつけては、遊んでやってると称して気晴らしで殴る蹴るの暴行をして、教員ももう手の付けれない生徒で見て見ぬふりをしている教員も大勢いるのである。そのような感じだから、この二人は調子に乗りやりたい放題なのだ。

「オラァ!!」

      バキッ!ドコッ!!

「うげえ・・・ぐは!」

 神薙守は、腹を殴られ倒れてしまい、そこに蹴りを入れられ胃液が逆流しそうになる。

「おいおい!倒れるのが早すぎるぞ。」
「次は俺の番だから気絶するんじゃねーぞ!」
「「ぎゃはははは!」」
「こいつ汚ねぇ~~~!胃液吐きまくりだあ!」

「寄るんじゃねぇよ!おらあ!」

「グハッ!もう・・・やめて・・・おねがいします・・・」

「何言ってんだ!まだ始まったばかりじゃねえか!」 

 そして、俺はトイレの入り口を蹴り、大きな音をたてて開けたんだった・・・そして・・・

「お前等、いいかげんにしろ!!」

「山道くん・・・助け・・・助けて!」

 神薙守は、胃液を戻しながらケンジに助けを求めてきた。その姿をあざ笑うように、後藤がニヤニヤしながら賢治に近づいてきたのだった。

「山道ぃ!何熱くなっちゃってるの?神薙はいつもボッチだから、相手して遊んでやってるだけだろ。それともお前が、代わりに遊んでくれるのか?」

 高木は、ケンジの肩に手を置き、反対の手でケンジの頬をぺチぺチ叩きながら、ニヤニヤしているのだった。その行動に、賢治はムカつき、高木の手を振りほどき怒鳴るのだった。

「何が遊びだ!これは立派な犯罪だ!遊びじゃすまされない虐めだよ!」
「高木!お前らがいるせいで、学校生活が楽しくないんだよ!もう学校から出ていけ!!」

 このセリフにカーっとなり、真っ赤な顔をして高木は腕をふりあげ逆上し、いきなり殴りかかってきた。 

「うるせぇ~~~!!俺のやることは正しいんだ!」
「俺に命令すんじゃねぇ!!」

 そして、高木のパンチをまともに受けてしまい、後方に無防備に倒れることになった。ここはタイルが濡れてすべりやすいトイレの中、高木に殴られてそのまま縺れて、賢治は後頭部をタイルに強打し、ブラックアウトしたのだ。

 だが、そのあとのことが全く思い出せなかったのだ。そのあとの事を思い出そうと、必死に頭を叩いたり腕を組んでもなにも・・・

「あ・・・思い出した・・・」

 クローティアは、眉をひそめ悲しそうに、ケンジの顔を見つめていたのだった。
 
「思い出しましたか?」

「俺、殴られてそれで・・・でもそれからの記憶が、全然ない・・・」

「それはそうですよ・・・賢治さんは、そのあと打ち所が悪くて、そのままご臨終になられましたから、記憶がないのは当然です・・・」

「じゃ、俺はホントに死んだのか?ここはホントにあの世の狭間なのか?」
「クローティアさんはホントに神様なのか?」
「俺はこれからどうなるんだ?」
「まだ・・・」


「賢治さん、ちょ、ちょっと落ち着いて!そんなにいっぺんに質問されても答えれないです・・・」
「気持ちはわかりますが落ち着いて下さい。これからのことをちゃんと説明しますから、まずはこの何もない所ではなんなんですし、私に後をちゃんとついてきてください。それからゆっくり説明しますから。」


 そう言うと、クローティアはこの真っ白な空間を前に5歩、右に10歩そして左に5歩歩きだした。
 真っ白な何もない所を、律儀に直角に歩くのは滑稽に見えてくるなと思いながら、俺は後に続いた。最後左に6歩目を歩いた瞬間に、目の前が開け大きなお城のような建物がみえた。
 その大きなお城の庭には、本当に綺麗な色とりどりの花が植えられていて、癒しの空間になっていたのだ。その一角に、大きな一枚板の立派なテーブルにイス、素人目に見ても高そうなテーブルにお茶やクッキーが並んであった。

 そして、クローティアはケンジに手招きをして、椅子に腰かけるようにすすめたのだった。

「ここは?」

「ここは、貴方達が思い描く天界。神の世界です。ゆっくりしていってくださいね。」

「ゆっくりって……」

「これからの事を、ケンジさんに説明しなければいけないし、それにここは下界とは少し時間の流れが違うから、いつまでいてくれても問題ないですよ。」

 クローティアは、賢治に微笑みかけるのだった。

「さて、賢治さんだいぶんと落ち着いてきたようですし、今の状況は理解できましたか?」
「まず、私があなたをこの天界にお呼びしたのは、お願い事を聞いてほしくてお呼びしました。その内容を聞いてからでもいいので、お決めになって判断してください。」

「ティアさんちょっと待って!その前にいろいろ聞きたいんだけどいいかな?」

「いいですよ。先ほども言った通り時間はいくらでもありますから問題ありませんよ。それでなにがききたいのですか?」

「ティアさんは本当に神様なのか?」

「ええ!先ほどから言っているように私は地球の女神で地球の創造神です。」

「創造神って事は、神様で一番偉い神様なの?」

「いえ、私は地球だけの創造神であって下のほうですよ。私より、偉い上級神はまだまだいっぱいおられますよ。」

「へえ……そうなんだ。」
「それから……一番重要なのは、俺が死んで母さんは、どうしてるか聞きたいんだが?」





 そう尋ねた瞬間、クローティアは下を向き、小さな声で呟く様に教えてくれた。

「賢治さんのお母様も、賢治さんが亡くなって……四日後にお亡くなりになりました……」

 自分の母親も亡くなったと聞き、賢治は目の前が真っ暗になり、膝をつき手を地面につき目から涙が溢れてくるのがわかったのだ。そして、高校生とは思えないほど、大声で泣き叫ぶのだった。

「えええ!!なんでだぁ!!なんで母さんも死んだんだ!?」

「それは賢治さんのお葬式を出した後、お母様は抜け殻のようになり三日間何も口にせず、ただ涙を流して過ごしていました・・・」
「四日目の時、あまりの出来事で精神が不安定になっていたため、フラフラと外を出歩いていて信号のむこうに賢治さんの幻覚をみてしまい、信号無視した形となってトラックに轢かれ即死状態に……」

 その話を聞き、賢治はまた発狂状態になり泣き続けた。落ち着くまでに丸三日経った後だった。
 そして、泣きつかれた賢治はそのまま眠りにつき、24時間まるまる熟睡してしまったのだ。その間、クローティアは賢治を膝枕をして、賢治の頭を撫で続けていたのだった。

 そして4日目の朝?正気を取り戻した賢治は目を覚ました。そして、賢治にはもう一人どうしても気になる人物のことを、クローティアに聞くことにした。

「クローティアさん、長い事待たせてしまってごめん……」

「いえ、構いませんよ。それよりもう大丈夫ですか?辛そうなら、もう少し休んでてもいいですよ」

「いや、もう大丈夫とは言えないが、話するぐらいは大丈夫だ。それでもう一人気になってるんだが……」

「幼馴染の立花舞(たちばなまい)さんのことですね?」

「ああ!あいつは今どうしている?」

「舞さんは、今は引き篭もってしまって大丈夫とは言えませんが、舞さんのお友達がなんとか立ち直らせようと頑張ってくれているので、時間が解決してくれるのを待つしかなさそうです……」

「そっか……なら大丈夫かな?それがわかっただけでも安心だ……じゃあ、クローティアさんのお願いってのを聞きたいんだがいいか?」

「それじゃ改めてお願いなのですが、賢治さんには私が創ったもう一つの地球、ガイアースに転移して頂けないでしょうか?当然ガイアースに行くにあたって特典をあたえますので!」

(きたあぁ~~~!!ラノベの異世界転移もの!!それも特典ってチートももらえるのか!!)

「はい。その通りです。賢治さんには向こうの世界で第2の人生を送ってほしいのです。」
 
「いや、ちょっと待てよ・・・ガイアースってとこはどんなところなんだ?」
 
「賢治さんが今思っているところでほとんど合ってますよ。剣と魔法のファンタジーな世界です。」

 どうやら、クローティアは賢治をなんとかして異世界に送りたいようだ。クローティアはケンジの顔を見て、ニコニコ笑っているだけであったが、それがケンジには不穏な予感を掻き立てるのだが、クローティアは、ただ安心する様に笑っていただけであったのだ。 

*-----*-----*-----*-----*

 申し訳ありません。自分で読み返しあまりにも読みずらい点があったので
書き直ししました。少しでも読みやすくなっていたらいいのですが
これからもどうぞよろしくお願いいたします<m(__)m>

            
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