第三王子に転生したけど、その国は滅亡直後だった

【第十八章、露見】

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　ユスティナが動けるようになるまで、今しばらくの時間がかかりそうだ。
「隊長は、娘に責任を持って送り届けさせるから」
　どうやら大公は蜂蜜の生産方法についてすぐにでも知りたいらしく、クラリサと二人、そうそうに送り返されることになった。
　帰りの馬車で、御者は、レネゲードの事実を、フェリシアに明かすよう何度も確認した。
「少佐殿の救援をためらってしまった自分にこんなことを言う資格はないと思うが――。殿下に隠し事などできないんだ。だから必ずお前自身の口から直接伝えてほしい」
　今後、王国に向かうとなれば、獣鬼との遭遇も増えるだろう。遠からずレネゲードだと露見することは避けられそうにない。
　であれば、少なくとも皇女と秘密を共有しておくことは、将来の禍根を取り払うことにはなるのだろう。
　もっとも、その事実を知った彼女がどんな態度を取るのか、不安は残るし、アンナリーズが同意してくれるかも未知数だが。
　帝都に到着したのは、気の強い女子二人の反応をいくつか想像し、最後はひたすら平身低頭に徹することを決めた日の夜だった。