第三王子に転生したけど、その国は滅亡直後だった

【第十五章、生徒会】

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　生徒会の開催は、緊急の議題がなければ、三日に一度程度の頻度だ。せいぜい十人程度の決まった顔ぶれで、話題もそうそうないのだろう。
　風紀係の仕事はといえば、今のところ、壁を背にして、貴族たちの談笑をただ聞くだけだ。
　残りの日で、仕事のない時間は、図書館で過ごすことが増えた。
　ヘンドリカの母の治療のための、何か手立てがないかを調べるためだ。
　何度か通い、いくつか有益な情報を得た。
　朗報は、特殊様式には、ルノアが持っているような、原石に作用させる種類がいくつかあるということだ。
　ただ、その詳細を調べることはほとんど無意味で、理由は、努力して新たにスタイルを身につけることができないから。世界のどこにいるかわからない、未知のスタイルを持つ人間を当てにするのはあまりに非効率だ。
　今時点での現実的な解は、治癒のソーサラーを連れ、脚を切開する、という手段か。
　ただ、その際に頼るべき人物の筆頭格である皇女との関係は、良好とは言えなかった。
　生徒会でのレーヴに対する態度は、親しげにすることもときにあったが、多くは無視しているか、話すときも、きつい口調で作業を指示するということがほとんどだった。
　何より、アンナリーズに対する仕打ちが何一つ改善される気配がなかったのだ。