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外伝:悪戯神コトノのイタズラ編

配信開始です

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お待たせしました!
まだ毎日更新は厳しいですが、更新再開致します。

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さっそく配信サイトに登録し、配信機材を通販で買いました。
配信スタイルはカメラモードとキャプチャモードが切り替わるタイプです。

・カメラモード
部屋に設置したカメラで取るモード。VRを起動するとキャプチャモードに切り替わる。設定次第ではカメラの画面をワイプ表示出来る。

・キャプチャモード
VR空間内をキャプチャするモード。
自撮りカメラに切り替えることで配信用に出来る。

このスタイルは海外ゲーマーなどが使っている配信スタイルで、素顔を晒したくない日本人ではあまりやる人は居ないです。ゲーマーアイドルくらいですね。

それから1週間かけて、悪戦苦闘しながらキャプチャソフトやら生配信ツールの設定を終わらせました。何度かテスト配信の生放送をしていたら親切な人がコメントで色々教えてくれました。
始めて配信画面に僕の顔が映った時は、コメントが凄い盛り上がりを見せていました。みんな良い人ですね。

いよいよ本配信開始です!
まずはカメラモードで30分自己紹介やこれからやっていく事を説明&リスナーとの雑談をします。
なので可愛い服を選びました。
ピンクのワンピースに白いフリルが付いていて可愛らしいです。
通販で買いました。もちろん可愛い下着も通販で買いました。
ワンピの下にボクサーパンツとか似合わないですからね!

画面には僕の部屋が写っています。VR機器がある方向を映してあります。
ちなみにカメラの後ろには僕のベッド、左側はパソコンがあります。

放送開始から1分間はBGMを流しながらカウントダウンが始まる設定です。
なぜそんな設定にしているかと言うと、開始させたりするのにカメラの前をウロウロするのは何だかカッコ悪いと思ったからです。
更にVRを起動すれば自動的にキャプチャモードに切り替わるのでスマートに配信出来ます!配信終了時は画面からフェードアウトして手動で終わらせれば良いので問題無いです。

ちらほらコメントで『配信はよ』とか『wktk』とか『全裸待機中』とかあります。wktkってなんですか?

あ、切り替わりましたね。

「どうもみなさんスミレです!今日は本放送の第1回目となります。まずは自己紹介と何をして行くかの大まかな方針をお話するです!」

『美少女!』『美幼女!』『チャンネル登録しました』『ktkr』などなどコメントが目に止まりました。僕美少女!ふへへ~



配信の内容説明は主に「タラントラ・オンライン」のプレイ配信をやっていく事。それ以外にも要望があれば別の企画もやっていきます。

現在タラントラ・オンラインは最初の町マースで留めているので、新規に始めた視聴者さん達とも共にプレイできます。

タラントラはパーティーやクランと言うチームを組めるシステムがあります。パーティーは一時的な仲間でクランが同盟を組むみたいな感じです。
パーティーは6人まで。クランはクランレベルによるけどLv×10の人数まで入れます。

沢山の人数で組めるのでクランの方が色々便利ですが、デメリットもあります。
カルマ値というものが設定されていて、プラス値が善。マイナスが悪です。
カルマ値は個人レベルのステータスですが、クランにも反映されていて、クランメンバーの一人が悪いことをするとクラン加入者全体のカルマ値がさがってしまうのです。
それでカルマ値がマイナスになると、数値にもよりますが色々不便なことになります。

例えば、軽いマイナス値-1~-10ならお店から入店拒否されたりします。
もっとマイナスを重ねると町に入れなくなります。
逆にカルママイナスの人しか入れない犯罪者の町とかもあるそうです。


という訳で僕は開始早々カルマ値マイナスになりたくないので、今回はパーティーにします。
参加者の人数が多かったらタイミングを見てパーティーメンバーを入れ替えて行く感じですね。
信頼できそうな人たちが集まればクランを結成しても良いかもしれません。



視聴者からの参加者は30人程になりました。
その中から5人をパーティーに誘いました。

双剣使いのツインテール少女ちゃん、長剣金髪イケメンさん、死神みたいな真っ黒ローブに骸骨お面の大鎌さん、エルフっぽい金髪美女の弓矢さん、怖い顔の投げナイフピエロさん。

ちなみに全員中身は男性だそうです。
ツインテちゃんとかは美少女なのに仕草と話し方が完全にオッサンでした。
エルフさんは頑張ってますがやり過ぎてオネェっぽくなってます。

「スミレちゃんはもうギルドカード取った?」
死神さんが見た目とは全くあわない爽やかな感じで聞いてきました。

「はい!直ぐに依頼を受けられるように先にGETしておきました!」
僕は首に掛けていたストラップを引っ張り、胸元にあったギルドカードを手にとって死神さんに見せました。

「ほっほう!人肌で温いね、このゲームこういうところまで再現してるの凄いよね。」

へーそうだったんですね。匂いと味が実装されてるのは知ってましたけど、温度まで実装されてたんですね!

「検証者が調べた結果、強い痛みと死以外はリアルと同じらしいぞ。」
長剣さんが言っている検証者とは、まるでデバッガーの如く検証をする人たちの総称です。ネットにマトメの記事を書いたりしてくれるので殆どのプレイヤーが尊敬をしていると思います。

あ、ちなみにエッチな事は出来ませんよ。


「そんなことより依頼受けようぜ。スミレちゃんの初依頼なんだぞ?」
なんだぞ?が何なのか意味がわかりませんが、喋り方が完全に男なツインテちゃんです。

「ですね!やはり初依頼は薬草採取かゴブリン退治?いえ、最近だとツノウサギですかね?」
僕は冒険者物の作品の定番を引き合いに出してみました。
事前の雑談で視聴者さんもこの手の話が好きなのはわかったのでドンドン会話に入れていきますよ!というかそういうの入れないと会話が続かなさそうです。

「討伐系の最弱だとスライムかツノウサギだけどぉ、パーティー組んでるからゴブリンでもいけるわよぉ」
オネェ、じゃなくてエルフさんの言う通りパーティーならばツノウサギは弱すぎますね。採用です!

「ではゴブリン退治と薬草採取の同時進行で行きましょう!」

『ゴブリンは稀に特殊イベントが起こるので注意しましょう』『あ~あれな!』『え?なになに?』
配信の方のコメントが何やら盛り上がってます。ゴブリンにイベントなんかありましたっけ?

「ゴブリンイベントは本当に極稀にしか起こらないから気にしなくて良いっすよ。」
極悪ピエロさんも見た目に反して普通でした。

「俺もそれ知らないな。でも極稀が生配信中に起きたらミラクルだなっ!」
ツインテちゃんがカラカラ笑ってる。うーん。ボイチェンで声まで女の子なのに完全に男なんだよな~

こうして僕たちはゴブリン退治と薬草採取の依頼を受けたのでした。

この後あんなことになるとは知らずに・・・



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