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新章 皐月編

現世でチート カラオケ編

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ゲーセンでたっぷり景品をGET出来たので、次の予定であるカラオケに向かった。

あかりがゲーセンにいる間に予約してくれていたみたいで着いてからすぐ入ることが出来た。
二人なので結構狭い個室だった。

「カラオケ久しぶりー!異世界行ってたもんね~!」

異世界にいたのは2ヶ月くらいだろうか。
確かにあの世界にはカラオケは普及していなかったもんね。
インフィニティの中には遊戯施設内にあるけど、外に出してないから当然である。

「あっちから帰ってきてから行ってなかったんだね。」

「うん。遊ぶより2ヶ月も勉強から離れていたから必死に勉強してたんだよ。」

コトナが召喚された日時に送り届けたから行方不明扱いとかは無かったけど、2ヶ月のブランクは中々大きかったようだ。

「そんな事より早く歌おう!3時間しかないよ!」

まずはあかりが流行りの曲を歌う。
歌姫と呼ばれる「NATANE」の歌だね。明るいポップな曲調なので私も好きだ。

いつの間にか採点を入れていたようで、あかりの歌は74点だった。

「くぅ!80点台届かなかったかぁ~!!」

私はゲームのOP曲を入れた。
多分有名なアーティストの曲だと思うんだけど、私的にはコレはゲームのOPだ。

元々歌は嫌いじゃないけど上手くは無かったので【歌唱】と言うスキルを【創造】してみた。折角日本に帰ってきたんだからチートしたいじゃん?



結果、あかりが号泣した。
歌唱スキルの効果で魂を揺さぶる歌声になってしまったようだ。
このスキルの凄い所は、音程や息使い等のテクニックも補正してくれるところだ。使用者の私はいつもどおり歌ってるつもりなのに無意識に高度な事が自然に出来てしまうのだ。

それ以降はあかりがスマホで録音してリクエストを私が歌うだけの時間になった。
カラオケ屋でお昼ごはん食べようと思ってたのに、次々リクエストが来るから空腹だ。

10分前のコールが鳴り、やっとあかりから開放された。
いくつか私の知らない曲があり、次行くときまでに覚えてくることを約束させられた。まぁ親友からのお願いは断れないよね。

次は雑貨屋巡り。これはチート使う機会は来ないだろうね。

おや?チンピラっぽいのが後ろから付けてきてるね。
異世界ではあんまり無かったテンプレがこっちに来てから起こるのか。

「君たちぃ暇っしょ?俺らとデートしない?良い感じのタピオカ屋知ってんだっ!」

あぁナンパか、そっか日本だもんね。てっきり強盗とかカツアゲかと思ったよ。あとタピオカ屋って何?専門店?

「ちょっ!片方まだガキじゃねーか!お前ロリコンかよ!ひくわー!」

もう片方のチャラ男が軽いノリでタピオカ男に突っ込む。

「バッカおめぇよく見ろ!ちっちゃいけどデカイだろ!ガキじゃねーよ!」

タピオカ男は私の胸に指を指し説明している。鬱陶しいな。叩きのめしていいかな?

「ねぇ、あかり。こいつら叩きのめして良い?」

「良いよ!」

いい笑顔であかりが親指を立てた。

「え?ちっちゃい子の方が俺らを倒すの?ぷははっ良いよ良いよ!お兄さんにパンチしてみな!もしかしたら倒せるかもよっ!」

ゲラゲラ笑いながら許可を出してきたので遠慮なく殴ることにした。
マップを使い海が近くにあることを把握出来たので、そこまで飛ばすことにした。運が良かったら死なないはずだ。

出来るだけ打撃のダメージが入らない様にふんわり押し出す感じでタピオカ男をふっとばした。ついでにチャラ男も。

「海に落ちるようにしたから多分生きてるよ。」

「もっとスプラッタになると思ってたよ!」

あかりも無効の世界で多少魔物刈りや山賊刈りをやっているので。
生き死にの概念が向こうに染まりつつあるね。
魂は濁ってないから問題ないけど。

「所で町中であんな派手な事してよかったの?」

「うん。【隠密】を付与した結界で覆ってたから誰にも気が付かれてないよ。飛ばされた男共も海に着水するまで誰にも認知されない。」

「うわぁ、チートだねぇ。完全犯罪いけるんじゃない?しないと思うけど。」

そんな話をしながら雑貨屋巡りをして私達は帰路に着いた。
異世界も楽しいけど親友がいるこっちも楽しいね。
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