ジャージ女子高生による異世界無双

7章 姫のお茶会編

新薬騒動

私がプラチラランク級の威圧をした後、ファット君が大人しくなったので並んでいた人達が戻ってきて列を作った。人々の顔は「スカッとした！」と言うような感じだった。

ファット君は私から一番遠い列に並び、顔を背けている。ちなみにセバヌチャンは列が戻る時にこっそり逃げ出した。何するのか気になるので列で待つ間観察してみた。

セバヌは馬車を走らせとある屋敷に着くと、金庫から金貨や金塊を鞄に詰め込み始めた。多分ファット君のお金だ。そして馬車に乗って行ったのでファット君は帰れないだろう。あの脂肪であの距離を歩けるとは思えない。

ファット君の家の使用人達が主人を放置して一人で帰って来るのは何故なのか、セバヌに問い詰めるが、焦っているセバヌは使用人達を斬りつけ(かわいそうなので遠隔回復魔法してあげたので死んでない)た後、逃走する。

元ゴールドランクなだけあって身体能力が高いね、このままだと今向かっている西門を突破出来そう。ファット君も今は反省しているし、悪人を見逃すのも癪なので、セバヌの体内に麻痺毒を直接出してみた。
ちょうど西門前にいる門番が発見できる辺りで倒れるようにしてみたら、うまく行った。
セバヌは大金を持って返り血を浴びているので速攻捕まった。

ここでギルドの受付が私のばんになったので、新薬の登録をする。
私の新薬は「虫歯治療薬」だ。
この世界には歯医者が無いので作ってみたのだ。ちなみにこの世界の虫歯の治し方はペンチで虫歯を抜くのだ。痛そう。
歯ブラシと歯磨き粉は一応ある。
動物だか魔物だかの毛を付けた棒と泡の出る葉っぱだけど。
私達は私が作った地球タイプの歯ブラシと歯磨き粉を使っている。

そういえばラノベとかだと、そのへんは「洗浄クリーン」とかの魔法で何とかしてるけど、この世界に無いんだよね。

それで、ギルド職員に説明すると、半信半疑(新商品を持ってくる人の大半がくだらない物の為だと思う)だったけど、ちょうど虫歯で苦しんでいるギルドマスターがいたので試してみる事に。

「本当に効くんだろうな？」

ギルマスのおっさん(ハゲている)が瓶に入った治療薬を１つ取りジロジロ見ている。
鑑定をしているようだ。しかしスキルレベルが低いのか鑑定しきれていないようだ。ギルマスなのになー

「薬は飲んですぐ効くから早く飲んで」

一向に薬を飲もうとしないので、一言言ったら、やっと飲んだ。

「むっ？！い、痛みが消えた？消えたぞ！！頭痛まで消えてやがる！」

虫歯から来る頭痛ならこの治療薬で治るからね。

ギルマスは鏡を取り出し自身の歯を確認し出した。

「おぉ！！虫歯で穴の空いていた歯が！まるで初めから何も無かったかのように治っているではないか！！」

もちろん治ります創造神わたしが作った薬だからね。

「素晴らしい！！神の薬だ！！是非商品登録をして世界中に売り出そう！！君は億万長者になれるぞ！」

「すぐに書類を作成します！！」

はしゃぐギルマスと受付のお兄さん。

販売はギルドに任せて、商品治療薬はウチに毎日買い取りにくるということになった。
他の薬もまとめて朝一で取りに来るそうだ。

ちなみに値段はひと瓶金貨１枚になった。
ひと瓶に丸薬で30粒。予防薬では無いので、歯磨きを怠るとまた虫歯になる。その度に飲めば良いのだ。
歯茎にも作用するので、歯茎の衰えで歯が抜ける事もない。
抜けてもこの薬飲めば生えるけどな。
全部歯が無い人でも丸薬１つで生え揃うのでちょっと気持ち悪いくらい効く。

ギルドに金貨１枚(ギルドからしたら原価)で売り、輸送代や小売りのマージンなど上乗せされるので、この国での市場しじょう価格では金貨１枚と銀貨２５枚とかかな？
遠い国へ行くほど輸送代が雪だるま式に増えると思うけど。

そもそも輸送が馬車による陸路が大半で、騎鳥や騎竜による空路は数が少ない上に少量の荷物しか運べないからね。
魔法の袋、普及させようかな？