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5章 コトナとコトノ編

コトナのやり過ぎ冒険譚 その10

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前回までのコトナ編あらすじ
色々儲かってきたらマコトの親がちょっかいをかけてきたので無理やり改心させた。



ある日、商業ギルドから相談を持ちかけられた。
「良質な小麦粉を卸して欲しい」そうだ。
私達は既に安価で販売されている品目は売り出していなかった。まともな商人さんを苦しめたく無いからね。

しかし商業ギルドの職員さんが言うには、品質の低い小麦粉しか無く、貴族や王族用の高級な小麦粉が欲しいそうだ。

さらに言えばウチの商品は引くほど高品質なので品目が違うとは言え、他の商人さんが扱う品と差がありすぎてお客さんの眼や舌が肥えて来たせいかクレームがあると言う。なので値段を上げて欲しいと言われた。

そうか、ある程度は周りの商人達に合わせないとダメだね。
ケンカ売りたいわけでは無いから。


と言うわけで「小麦粉の木」を作った。
小麦粉は量がある方が良いと思い、20キロくらいの大きさで頑丈な紙袋に入った状態で木に成っている。
自分で作っておきながら、業務用の小麦粉がぶら下がっている木はシュールだと思う。

土の栄養が足りなくなるかもと思って、植物用の栄養剤を作った。
名前が神水とかついてたけど気にせず使う。
途端に木達が一回り太くなった。

翌日には収穫出来た、どうやら収穫出来るほど育つと地面にゆっくり着地する仕様らしい。
孤児達が4人がかりでリアカーに乗せていく。
そしてマコトと孤児達は商業ギルドへ向かった。
交渉はマコトに丸投げだ。
私はあくまでサポートだからね。
少しやり過ぎている気もするけど気にしない。

私は畑に残り、他に何か作ろうと考える。
そう言えばこの世界は油も貴重だった、油はオークから取れる脂、ラードみたいなものだが綺麗な油に精製する技術も無いので獣臭い油なのが不満だった。

よし、植物油を作ろう。
菜種油かオリーブオイルかグレープシードオイルとかもあったな。
どれを作ろうか迷う、迷ったら全部だ!



また変な木を作ってしまった。
木の幹が樽のようにまん丸太った大木で、丁度いい高さに蛇口が付いている。
コレを捻れば油が出るよ!やったね!

うん、この木たち、よその人には絶対に見せられないな。
植物学者が見たらショック死するかもしれない。

しかし蛇口付きの木は面白いな、液体調味料とかジュースとか液体全般このタイプにしようかな?

色々作ってたら廃教会の庭では足りなくなったのでマコトが買った周りの土地も使うことにした。
見られたら困るので30メートルの壁も作った、結界も貼ってあるよ。

まぁまぁ大きい学校の敷地くらいあるな、スラム街だからかなり安かったみたいだけどね。

マコト達が商業ギルドから帰ってくるまでに、あらゆる食糧類の畑と倉庫が出来た。
しかしこの規模だと孤児が足りないな、国中の孤児を集めてみようかな。
呼ぶのは無理だろうけど、こっちから迎えに行けば簡単に雇えそうだ。
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