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5章 コトナとコトノ編

コトナのやり過ぎ冒険譚 その8

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マコトと孤児達による荒稼ぎのせいか一部の商人達から反感を買ってしまったようだ。

とある商会の会社内にある会議室にて秘密の会合をしている。

「下位貴族の小娘め!我らが牛耳っている市場しじょうに食い込んできおってからに!!」
でっぷりとしていて脂ギトギトなおっさんが喚いている。

「だが品質は極上だ、小娘が何処から仕入れているのか聞き出し奪おうぞ。」
吊り上がった細い眼のキツネ顔の男がニヤつきながら提案している。

「ワシは既に情報を掴んでおるよ、スラムのガキ供を使って生産している。つまりガキ供を拐ってワシらの所で作らせれば良いのだ。」
タヌキ顔のジジイがすきっ歯を見せながら笑った。


と、そんな悪巧みなんぞ私には筒抜けなんだよね。
マコトが買った土地は全て私の結界が張ってあるので安全だ。
マコトはレベル、ステータスカンストなので何が起こっても大丈夫だ。
問題は孤児達だ、結界内にいれば問題ないけど、うっかり出ちゃうと捕まるね。

と言うわけで、お守りを作って装備させました。
悪意あるモノが装備者に触れると幻覚魔法で悪夢を見ると言う魔導具だ。
その魔導具は糸の形をしていて孤児達の服に仕込んである。廃教会にある服全部に付けたから失敗は無いだろう。
素っ裸で結界の外に出ない限りは。

ちなみに幻覚魔法で見せる悪夢は、Gのワサワサプールに放り込まれると言うものだ。
我ながら恐ろしい悪夢を考えたものだ。



翌日の深夜、黒服の男達が廃教会の周りに集まって来た。
男達は30人居て、リーダーらしき男が指示を出している。
ハンドサインで指示しているところがプロっぽいね。

正面からでは無く、わざわざ高い塀を登って侵入するようだ。
一人が壁際で腰を落とし両手を組んで上へ上がる補佐をするようだ。
残りの29人が次々と補佐の男に向かって走り出しぴょんぴょん飛んでいく。

そして塀の上にある不可視の結界に弾かれて次々と落ちて行く。あ、頭から落ちて悶絶してる人がいる。痛そう。

変な落ち方をして足を引きずるリーダーが慌ててハンドサインをして撤退して行った。



翌日の深夜、また昨日の男達が来た。
今度は正面から入るようだ。

もちろん入口にも結界の壁はあるので入れない。
男達はハンマーで結界を叩き割るつもりらしい。
勢いよく振りかぶり結界を叩いたところ、ゴーン!と言う鐘の音のような音がなりハンマーが砕け散った。
更に叩かれた場所にスポットライトが煌々と照らされる。
光に驚いた男達は逃げ出した。



そんな事を一月も続けたら黒服の男達は来なくなった。諦めたのかな?

途中で追加した結界を攻撃すると失禁する効果あたりから来る人数が減ったんだよね。
もっと色々考えたんだけどな。

あの悪巧み商人達は、それぞれ塩、卵、胡椒を扱っていて希少性を上げて王族や高位貴族達にぼったくり価格で売っていたみたいで、マコトが安価で卸す事で商売が出来なくなり、この一月で倒産したようだ。
市場で見なかったのはそのせいだ。

黒服の男達への依頼料がとても高かったのが倒産の原因らしい。
彼らは一晩でひと財産になる程の凄腕のプロだったんだって。

今回の件で心が折れて廃業したらしいけどね!!
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