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5章 コトナとコトノ編

コトナのやり過ぎ冒険譚 その6

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休日
マコトが「まずは料理で革命をおこす!」といってマヨネーズを作り始めた。

「卵って高いのね、これじゃあマヨを普及させるの難しいわ。」

この世界での食用卵は四つ足のニワトリの卵だ、大きさは地球のニワトリと同じくらいだが四つ足な為か足が速い。
更に空も飛ぶ。
なので飼育するなら屋根付きの小屋が必要である。

しかしこの世界では家畜は外で飼うものという認識が強く、空を飛ぶニワトリは飼育の難しい生き物となっているようだ。
家畜を室内で飼わないと言うか、室内はヒトにだけ許された空間という考えが根付いているようだ。
他にもヒト至上主義な所が見て取れる。
例えば、ペットを家族と言うヒトは居ないし、ヒト以外の生物は知性が無いと思っているようだ。

「それだとニワトリの飼育から始めるのも無理かしら?」

「どうかな、そんなこの世界の常識を知らない孤児とかならば飼育を教える事は出来るんじゃ無いかな?」

「孤児!孤児を使った生産はテンプレよね!早速スラムに行きましょう!!」

と言うわけでスラム街に来ました、孤児院は無かった。
どうやら孤児やスラムの住人はヒト扱いされてないらしい。
平民の間でも格差みたいな物があるんだね。

マコトは孤児が身を寄せ合って暮らしている廃墟の教会を見つけて、土属性魔法で修復したり食事をあげたりして孤児の警戒心を和らげた。

私はそれだけでは不十分だと思い密かに結界を張った。孤児達に悪意がある者が入れなくなるヤツだ。

孤児達のリーダーと話し合いこの廃教会の庭でニワトリ飼育の仕事をさせる事になった。
マコトは一人でニワトリを捕獲しにいった。
あれだけ強ければ大丈夫だ。

待っている間、私は孤児達と遊ぶことにした。
魔導具モニターと魔導具ゲーム機を出した。
これはゲームパッドからMPを吸い起動する為電気要らずで遊べる、省エネ仕様なのでMPが少なくても大丈夫だ、大体1時間のプレイでMP1消費だ。
テレビゲームを知らない孤児達に最新ゲームは刺激が強すぎるので、遊ばせたのはレトロなやつにした。
横スクロールアクション、シューティング、RPG、パズル、スポーツと各ジャンル一つずつだ。

孤児達は物凄い盛り上がった。
流石子供、簡単にやり方を教えただけですぐゲーム操作を覚えた。
やり過ぎ防止の為午後5時から9時までしか起動出来なくしてある、仕事を頼むのにゲームに夢中になり過ぎると困るし、遅くまでゲームするのもダメだからね。

他にも身体を動かす遊びも教えた。
フリスビーやバトミントン、サッカーボールを作ってあげた。
遊び方は簡単に教えた。
スポーツのルール詳しく知らないからね。

「あー!勝手に色々やってる!私が広めようと思ったのにー!」
帰ってきたマコトはプリプリ怒っていたが、直ぐに機嫌をなおした。

捕まえてきたニワトリは10羽で、更に増やす事も考えて大きめのニワトリ小屋を作るマコト。
出入り口は二重構造でニワトリの脱走を防止している。四方がアミで屋根はトタンのような物。
アミの強度が心配らしく付与魔法で強化している。
私は廃教会の結果に追加で浄化も付ける。
鶏糞から病気になるかもと思ったからだ。

ニワトリの飼育方法を教え、初期の餌代はマコトのポケットマネーから出した。卵が取れたらマコトが買い取り、その代金から餌を買うと言う流れだ。
ちなみにこの廃教会は不動産からタダ同然の値段でマコトが買った。
後々ニワトリ小屋を増やす事も考えて廃教会の周りの土地もいくつか買ったようだ。
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