上 下
36 / 280
2章 コトナ、世界を作る編

フェニックスタロウ

しおりを挟む
ドラゴニック公爵のアンディさんに呼ばれたので公爵邸へやって来た。
どうやら王妃様の呪いを解いた褒美を受取る日の調整が済んだようだ。

「と言うわけで明後日の午後2時迄にここへ来てくれ、ウチから馬車を出す。」
服装は普段どおりで構わないそうだ。
つまりジャージである。

冒険者ギルドへ行く時以外は基本的にジャージ上下である。
ギルドだと絡まれそうなので地味なマントを羽織っている。

ジャージに付与魔法で適温、清潔、自己再生付けたら、ただでさえ快適なジャージが神の服になった。


アンディさんと別れ、私は孤児院へ向かう。
料理を教えに行くのだ。

前回ホワイトシチューを食べさせた所、大半の孤児と院長さんが料理に興味を持ってくれた。

今回はオムライスだ、材料は私が提供する。
私の牧場のニワトリ達は今日もぽこぽこ卵を産んでくれているから、卵は沢山あるよ。


私のオムライスはとろふわのオムにケチャップとマヨネーズを格子状に細かくかけるタイプだ。
ライスはチキンライスである。
このチキンは市場で買った鶏肉っぽいカエルの肉らしい。
虫は無理だがカエルはオッケーだ。

孤児達に教えながら作り、材料も置いておく。
そんな難しくないから自分達で作れるよね。

院長さんとの会話の9割が感謝の言葉なので割愛する。だって内容が無いんだもの。

今後私の部下にしたい候補が2人いる。
2人とも14歳で来年には成人してここを出ていくから、私の所へ就職してくれないかな。

それとなくアピールしておいた。
「労働時間厳守」「三食おやつ付き」「月給制、日当でも可」「明るい職場です」「未経験可」

ブラックじゃないよ。


雑務の仕事だからね、リッチさんへの納品とか、私への連絡窓口とかね。
私がファーストの観光したりするとその辺が滞っちゃうから是非とも欲しいのだ。


 のんびり物作りしながら約束の日まで過ごした。作ったものは後日紹介する。


褒美の授与式はとても長かった。
前の謁見より臣下が沢山いた、こんなに貴族居るんだな。
何人か人を見下したような顔のヤツがいるけど無視した。

そんなこんなで褒美である[不死鳥の卵]をゲットした。


不死鳥の卵は魔力に晒すことで孵化するらしいので、帰りの馬車の中で魔力をたっぷり送っていた。

ピシッと音がして、できた穴を覗き込むと、向こうからもこちらを見ていた。

「ピヨピヨ!」

嘴で穴をこじ開け顔を出した中身は完全にヒヨコだった。

「ピヨピヨ!」

ヒヨコは私をみて眼をキラキラさせている。
あれか、刷り込みってやつで私を親だと思ってるのか。
私は残りの殻を取り除いていく。
私の向かいにはグースカ寝ているアンディさんが居る。寝ているなら説明しなくて良いね。

ヒヨコの全身を見ると、尾羽だけ炎で出来たリボンのような長いメラメラしたものが生えている。それ以外はヒヨコである。

そうだ名前どうしようかな、不死鳥、フェニックス・・・フェニックス太郎でいいや。
略してフェニ太、決定!

「お前の名前は【フェニックス太郎】だよフェニ太って呼ぶね!」

「ピヨピヨ!!」

名前をつけられて嬉しそうである。

あ、フェニ太、雌だ。まぁいいか。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

チート生産魔法使いによる復讐譚 ~国に散々尽くしてきたのに処分されました。今後は敵対国で存分に腕を振るいます~

クロン
ファンタジー
俺は異世界の一般兵であるリーズという少年に転生した。 だが元々の身体の持ち主の心が生きていたので、俺はずっと彼の視点から世界を見続けることしかできなかった。 リーズは俺の転生特典である生産魔術【クラフター】のチートを持っていて、かつ聖人のような人間だった。 だが……その性格を逆手にとられて、同僚や上司に散々利用された。 あげく罠にはめられて精神が壊れて死んでしまった。 そして身体の所有権が俺に移る。 リーズをはめた者たちは盗んだ手柄で昇進し、そいつらのせいで帝国は暴虐非道で最低な存在となった。 よくも俺と一心同体だったリーズをやってくれたな。 お前たちがリーズを絞って得た繁栄は全部ぶっ壊してやるよ。 お前らが歯牙にもかけないような小国の配下になって、クラフターの力を存分に使わせてもらう! 味方の物資を万全にして、更にドーピングや全兵士にプレートアーマーの配布など……。 絶望的な国力差をチート生産魔術で全てを覆すのだ! そして俺を利用した奴らに復讐を遂げる!

国から見限られた王子が手に入れたのは万能無敵のS級魔法〜使えるのは鉱石魔法のみだけど悠々自適に旅をします〜

登龍乃月
ファンタジー
「どうしてこうなった」  十歳のある日、この日僕は死ぬ事が決定した。  地水火風四つの属性を神とする四元教、そのトップであり、四元教を母体とする神法国家エレメンタリオの法皇を父とする僕と三人の子供。  法皇の子供は必ず四ツ子であり、それぞれが四つの元素に対応した魔法の適性があり、その適性ランクはSクラスというのが、代々続く絶対不変の決まり事だった。  しかし、その決まり事はこの日破られた。  破ったのは僕、第四子である僕に出るはずだった地の適性ランクSが出なかった。  代わりに出たのは鉱石魔法という、人権の無い地の派生魔法のランクS。  王家の四子は地でなければ認められず、下位互換である派生魔法なんて以ての外。  僕は王族としてのレールを思い切り踏み外し、絶対不変のルールを逸脱した者として、この世に存在してはならない存在となった。  その時の僕の心境が冒頭のセリフである。  こうした経緯があり、僕としての存在の抹消、僕は死亡したということになった。  そしてガイアスという新しい名前を授けられた上で、僕は王族から、王宮から放逐されたのだった。  しかしながら、派生魔法と言えど、ランクSともなればとんでもない魔法だというのが分かった。  生成、複製、精錬、創造なども可能で、鉱石が含まれていればそれを操る事も出来てしまうという規格外な力を持っていた。    この話はそんな力を持ちつつも、平々凡々、のどかに生きていきたいと思いながら旅をして、片手間に女の子を助けたり、街を救ったり世界を救ったりする。  そんなありふれたお話である。 --------------------- カクヨムと小説家になろうで投稿したものを引っ張ってきました! モチベに繋がりますので、感想や誤字報告、エールもお待ちしています〜

平凡冒険者のスローライフ

上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。 平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。 果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか…… ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。

天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生

西洋司
ファンタジー
妙齢の薬学者 聖徳晴子(せいとく・はるこ)は、絶世の美貌の持ち主だ。 彼女は思考の並列化作業を得意とする、いわゆる天才。 精力的にフィールドワークをこなし、ついにエリクサーの開発間際というところで、放火で殺されてしまった。 晴子は、権力者達から、その地位を脅かす存在、「敵」と見做されてしまったのだ。 死後、晴子は天界で女神様からこう提案された。 「あなたは生前7人分の活躍をしましたので、異世界行きのチケットが7枚もあるんですよ。もしよろしければ、一度に使い切ってみては如何ですか?」 晴子はその提案を受け容れ、異世界へと旅立った。

転生前のチュートリアルで異世界最強になりました。 準備し過ぎて第二の人生はイージーモードです!

小川悟
ファンタジー
いじめやパワハラなどの理不尽な人生から、現実逃避するように寝る間を惜しんでゲーム三昧に明け暮れた33歳の男がある日死んでしまう。 しかし異世界転生の候補に選ばれたが、チートはくれないと転生の案内女性に言われる。 チートの代わりに異世界転生の為の研修施設で3ヶ月の研修が受けられるという。 研修施設はスキルの取得が比較的簡単に取得できると言われるが、3ヶ月という短期間で何が出来るのか……。 ボーナススキルで鑑定とアイテムボックスを貰い、適性の設定を始めると時間がないと、研修施設に放り込まれてしまう。 新たな人生を生き残るため、3ヶ月必死に研修施設で訓練に明け暮れる。 しかし3ヶ月を過ぎても、1年が過ぎても、10年過ぎても転生されない。 もしかしてゲームやりすぎで死んだ為の無間地獄かもと不安になりながらも、必死に訓練に励んでいた。 実は案内女性の手違いで、転生手続きがされていないとは思いもしなかった。 結局、研修が15年過ぎた頃、不意に転生の案内が来る。 すでにエンシェントドラゴンを倒すほどのチート野郎になっていた男は、異世界を普通に楽しむことに全力を尽くす。 主人公は優柔不断で出て来るキャラは問題児が多いです。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移

龍央
ファンタジー
高校生紺野陸はある日の登校中、車に轢かれそうな女の子を助ける。 え?助けた女の子が神様? しかもその神様に俺が助けられたの? 助かったのはいいけど、異世界に行く事になったって? これが話に聞く異世界転移ってやつなの? 異世界生活……なんとか、なるのかなあ……? なんとか異世界で生活してたら、今度は犬を助けたと思ったらドラゴン? 契約したらチート能力? 異世界で俺は何かをしたいとは思っていたけど、色々と盛り過ぎじゃないかな? ちょっと待って、このドラゴン凄いモフモフじゃない? 平凡で何となく生きていたモフモフ好きな学生が異世界転移でドラゴンや神様とあれやこれやしていくお話し。 基本シリアス少な目、モフモフ成分有りで書いていこうと思います。 女性キャラが多いため、様々なご指摘があったので念のため、タグに【ハーレム?】を追加致しました。 9/18よりエルフの出るお話になりましたのでタグにエルフを追加致しました。 1話2800文字~3500文字以内で投稿させていただきます。 ※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載させて頂いております。

美醜逆転異世界に転移したおっさんは気付かない

仙道
ファンタジー
柴田宏(しばたひろし)は学生時代から不細工といじめられ、ニートになった。 トラックにはねられ転移した先は美醜が逆転した異世界だったが、柴田はそれに気付かない。 美人の奴隷が安かったから買ったが、いつか刺されるのではないかという妄想に取りつかれてしまう。 そんな哀れなおっさんの勘違いの話。

処理中です...