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1章 コトナ、ワーランドに降り立つ編

私のチチウシ

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「見えてきましたよ、あれがチチウシの村です。」
小山を越えた先は地平線が見えそうなほど広い盆地の草原だった。
だだっ広い草原の奥の方に豆粒みたいに見えるのが村だそうだ。【解析】しとくか。

【解析】[チチウシの村]
(元々この地にいた牛と共存しようとして出来た村。村人は牛乳を水のように飲んでいる。10年前くらいから闘牛用の牛を輩出している。ちなみに食肉にはしていない。)

なるほど、水のように飲めるほど牛乳が取れるのか。味はどうなのかな?


村に着いた、うん大きな牧場だ。

「ではワタシは商品を卸して来ますので、ここでお別れいたしましょう。王都にワタシの店があるので、もし王都に来た際にはお越しください、歓迎致しますよ。」
すっかり仲良くなったマネーさんと、私に怯える護衛さん達とお別れした。王都か、いつか行こう。

この村に来るまでに、マネーさんにモンスター素材や作ったポーションを買い取って貰ったので、牛を買うお金は大丈夫。

どこで牛を買えるのか、わからないから牛の世話をしている人に聞いてみた。

「牛を買いたいっべか?それならあっちでセリしてるっべ」
この村は「っべ」なのか。
まぁいいや。セリね、テレビでしか見たことないや。

競市は熱気がすごかった、特に貴族らしき人が二人いて値段をガンガン上げていっている。
現在のお値段120万ラウンド、日本円だと約1200万円くらい。
商品は闘牛用の牛、強そう。

しかし私が欲しいのは乳牛だ。乳牛のセリはいつ始まるのだ?
近くに市のひとが居たから聞いてみた。

乳牛はセリじゃなくて普通に売ってた。

お値段8万ラウンド、日本円で約80万。
高いのか安いのか分からん。

販売用の乳牛を選ぶこと30分、やっと買う牛を決めた。
ブチがない真っ白な牛、命名ユキちゃん。

牛の世話の仕方講習まであった、必要機材も買わされた。結局お値段合計10万ラウンドになった。

餌は乾草と穀物類なので、【無限世界】農場で作ろう、植えれば一晩で収穫できるし、翌日にはまた育ってる。どうなってんだ【無限世界】農場。

人目がつかないところで、そっとユキちゃんを収納。入った瞬間にくつろぎ始めた!居心地良いのだろうか?自分で入った限りだと私の魔力満ちてんなーとしか感じなかったが。

ああ、講習で知ったんだけど、この世界の乳牛は成体になってから死ぬまで毎日一定量の乳を出すみたい。随分と人間に都合のいい家畜だな。


その後私はプライベートルームに籠り、卵と牛乳を使いあまーいパンケーキを焼いて食べました。

ハチミツが欲しい。
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