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はじまり はじまり

プロローグ

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中央大陸のちょうど真ん中、遥か昔、神話の時代に出来たと言われる超巨大なクレーターがあった。
そのクレーターのふちは酷く盛り上がり断崖絶壁、とても人が登れる場所では無かった。「飛んで行けないのか?」だって?無理だ。なにせ淵には古代竜エンシェントドラゴンの巣があるから。

そんな人が認知出来ない領域に、少女がひとり住んでいた。

「今日は良い鉱石が手に入ったよ!これでを作ろうね!」

少女は足元に転がる玉、いや、ミニスライムに話しかけていた。

《ピキー!》

ミニスライムは少女の声に反応してコロコロ転がっている。どうやら喜びを表現しているようだ。

少女は手に持った鉱石に魔力を通すと、鉱石が発光し始めた。すると鉱石は余分な不純物がボロボロと出て純粋な金属へと変わった。

「少し量が足りないかも!まぁいいか!」

少女はそのまま更に魔力を込めると、今度は形が変わっていく。何度も織り混ざりながら形を変えていき、発光が止む頃にはひとつの武器が出来ていた。この世界には無い形の、刀と呼ばれるものだ。

「うん!上手く作れたね!流石わたし!って言ってもこれで10本目だもんね!」

《ピキー!》

「うんうん!そうだね、今度は折れないと良いね!」

少女は「早速試し斬りにいくよ!」と言い、ミニスライムと共にのダンジョンへ入って行った。

少女が何者なのか、それを話すには時を少しばかり戻す必要があるようです。



「はっ!?ここどこ?」

少女、相沢 琴葉あいざわ ことは(中学2年生14歳)は気が付いたら綺麗なお花畑に居た。そしてすぐそばに綺麗な真っ白い石で作られたような円形の台に、これまた真っ白なテーブルと椅子が並べられていた。
椅子にはひとりの幼女が居た。テーブルにはティーセットとお菓子がある。

「どうぞ座ってください。お茶はアールグレイですけど大丈夫ですか?」

(幼女が勧めてきたので着席してお茶を一口飲み、スコーンを食べた。美味しいです!)

「いや、そうじゃなくて!ここは?貴女は?」

「まぁまぁ、落ち着いて。ゆっくり説明しますから。」

幼女は自身がである事、琴葉が死んでしまった事、転生出来る事を話した。

「あ!もしかして、わたしが死んだのって神様のせいだったり、そのお詫びでチート能力いっぱいくれたりするヤツですか?」

「違います。貴女の死因は[変な体制でゲームしながら大量のお菓子を食べ、喉を詰まらせ窒息死]です。私は貴女の死に関与してません。」

「うわー!何ですかその恥ずかしい死に方!そんなの残された家族や友達が、泣いて良いのか笑ったら良いのかわからないですよね!!?」

「それは置いといて。」

「置いとかないで!!」

「チート付き転生に興味はありますか?ちょうどチート転生の実けn・・・実験をしようと思っている世界が有りましてね?」

「なんで言い直そうとして言い直さないの?!さては良い言い方が思いつかなかったんだね!?」

「正解です!やりますね。ご褒美にチートを更にオマケしてあげます。」

「うん、もうチート転生するの決定してるよね!その言い方!わたしだって未練があるんだよ?」

「えー?でも、貴女の遺体、もう火葬されてますよ?」

「はやっ!え?もう既に何日も経ってるの?」

「えぇ、此処での1秒が地球での1日です。」

「光陰矢の如し!!早いっ!早すぎるよ神様ぁ!!」



「落ち着きました?」

「・・・はい」

琴葉が落ち着いたので、転生の話を詳しく話し出す神様。

神様が琴葉を異世界へ送り出す目的は[転生者が及ぼす影響&文化の広がり方の観察]だった。なので琴葉は好きな事をして構わない、強者として世界征服してもいいし、現代日本レベルの文明を作り上げてもいい。ただしニートはダメらしい。せっかく送り込んだのに何もしないのは意味が無いからだ。もしダラダラニートしていたら、速攻で命を刈り取り、代わりの転生者を用意すると言われた。
チート特典は、送り込んだのにアッサリ死なれても困るので付いているそうだ。

チートを授ける前に、異世界の知識を勉強する事になった。
貨幣の種類と価値、物価。異世界言語と読み書き。一般的に知られている動物、魔物、聖獣、神獣、食料や日用品。などなど。
これらの知識は琴葉の頭に直接、神の御技で叩き込まれたので、ちょっとおバカな琴葉でも覚えられた。

そんなおバカな琴葉でも混乱しないように、例えば異世界のトマトの名称が[トゥナシュ]と言うのだけれど、琴葉の耳には[トマト]と聞こえるし、琴葉が[トマト]と言うと異世界人には[トゥナシュ]と聞こえるようになっている。

知識を授けたので、いよいよチートを授ける事になった。
まずは基本的な必須スキルからだ。
[鑑定アナライズ]見たひとアイテムモノ魔物の詳細を鑑定出来る。固有能力ユニークスキル。下位互換に物品確認アイテムチェックがある。
[無限収納アイテムボックス]人や動物、魔物以外は何でも収納出来る。唯一能力オンリースキル。下位互換の収納ケースは収納量が魔力依存な為小さい。
[無属性魔法]着火や流水、送風などの攻撃能力を持たない、所謂生活魔法が使えるようになる。誰でも持っているスキル。

ユニークスキルは使える人は凄く少ない、例えば、鑑定スキル持ちだと知られたら拉致されて王宮専属鑑定士にされる程だ。

オンリースキルはその名の通り世界にひとりしか所持出来ないスキル。神がただひとりに許したスキルだ。これは今から行く異世界には他の転生者がいない事、次このスキルを誰かが授けられた時、琴葉は死んでいるという事だ。

必須スキルは以上で、これからが本当のチートスキルだ。

[農耕神ゴッドファーマー]どんな環境でも植物、家畜を育てられる。その効果は神レベルである。
[鍛治神ゴッドスミス]鍛治を極めし者は道具を頼らずとも武具を作成出来る。その効果は神レベルである。
[錬金神ゴッドアルケミスト]錬金術を極めし者は無から有を生み出せる。その効果は神レベルである。
[勇者神ゴッドブレイバー]勇者の中の勇者、驚異的な成長力と剣術はもはや神の領域。
[賢者神ゴッドウィズ]賢者の中の賢者、無尽蔵の魔力と万を超える魔法はもはや神の領域。
[獣使神ゴッドテイマー]獣使の中の獣使、神獣でさえもテイム出来、最弱モンスターさえも神獣クラスまで育てる様はもはや神の領域。

「途中であっちが良かった!となっても大丈夫なように全部入りにしました。本来なら[神]は付かないんですが、さっき言ってたオマケで[神]付けときました。」

「全部入り・・・」

「はい、次は転生地点ですね。はい、これをあちらの世界地図に投げてください。」

神様は琴葉にダーツを渡し、地図に投げろと言います。

「えぇ~!ダーツで決めるの?本当に?」

「そうです。あ、転生と言っても産まれる所からスタートとかではないので安心してください。容姿は異世界に合うように調整した肉体なのでちゃんと生まれ変わってますよ。悪人の親のもとに産まれたりしたら嫌でしょ?さぁ、はやく投げて。」

「う、うん。わかったよ!投げるよ。」

琴葉は世界地図のど真ん中を狙って放った。
きっと世界の真ん中なら大きな国の大きな都市があると思って。
しかし、投げた後で神様から刷り込まれた知識に、世界の真ん中は巨大クレーターがあり前人未到の地だと言うことを思い出していた。

「ああああー!!間違えた!!!」

こうして琴葉は誰も居ない彼の地へと転生をしたのであった。
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