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3月19日日曜 その13
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結局、母には、夕食後に帰ると話をした。
その後は、満川家で、ゆっこのエレクトーンを聴いたり、孝太くんとファミコンをやったりしていた。夕飯はエビフライだった。ゆっこのお母さんの味付けはやや洋食風だった。そして満川母の自慢のゴムの木を見せてもらったり…楽しい時はあっという間に過ぎていった。
「今日は本当にありがとうございました、ゆっこちゃん、おじさん、おばさん、孝太くん、いつまでもお元気で。」
「…今日ウチで撮った写真は、終業式の日に、侑子に持たせるから、受け取ってな。」おじさんの声は僕に念を押すようだった。
「ほら、侑子、津山くんになんか言わないの?」
「…また明日。」
侑子のとぼけた回答に、一同どっと笑いが起きた。「お姉ちゃん、しっかりしてよ。」孝太くんが姉を注意した。それにも笑いが起きた。孝太くんを一瞬突っついた後、侑子は、思いを込めて、僕に言った。
「さよならは言わないから。また、きっとツー君と楽しく過ごせる時が来る。」
「もちろん。3月24日は、ちょっとの間、お別れするだけだよ。」
…これはこないだゆっこが電話口で行った事だが、あえて僕からも言い直した。
「忘れないでね。その言葉。」ゆっこはその言葉をきっちりと受け止めた。
「うん、じゃ、お邪魔しました。皆さま、ありがとうございました。」
その後は、満川家で、ゆっこのエレクトーンを聴いたり、孝太くんとファミコンをやったりしていた。夕飯はエビフライだった。ゆっこのお母さんの味付けはやや洋食風だった。そして満川母の自慢のゴムの木を見せてもらったり…楽しい時はあっという間に過ぎていった。
「今日は本当にありがとうございました、ゆっこちゃん、おじさん、おばさん、孝太くん、いつまでもお元気で。」
「…今日ウチで撮った写真は、終業式の日に、侑子に持たせるから、受け取ってな。」おじさんの声は僕に念を押すようだった。
「ほら、侑子、津山くんになんか言わないの?」
「…また明日。」
侑子のとぼけた回答に、一同どっと笑いが起きた。「お姉ちゃん、しっかりしてよ。」孝太くんが姉を注意した。それにも笑いが起きた。孝太くんを一瞬突っついた後、侑子は、思いを込めて、僕に言った。
「さよならは言わないから。また、きっとツー君と楽しく過ごせる時が来る。」
「もちろん。3月24日は、ちょっとの間、お別れするだけだよ。」
…これはこないだゆっこが電話口で行った事だが、あえて僕からも言い直した。
「忘れないでね。その言葉。」ゆっこはその言葉をきっちりと受け止めた。
「うん、じゃ、お邪魔しました。皆さま、ありがとうございました。」
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