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3月15日水曜 図書委員会17

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保川は、そこでうずくまった。「おいおい、どうしたの。」僕はその保川の姿を見て、慌ててカウンターから出てきた。

「いや、どうして、私、こんなんだろうって思って。」
「だから気にはしてないから。」僕はちょっと困ってしまった。奥寺も、心配そうな顔をしている。
「…私も、転校するの。津山くんと同じ日に」
僕は言葉を失った。というか、だからどうだと言うのだ。僕には、もうこれ以上他ごとを抱える余裕はない。

「だから、私も、津山くんに気持ちを伝えたくって。」
奥寺は、まずいと感じた。ここで告白などされたら、私が証人になってしまう。私が、満川&保川の二股を黙認していることになってしまう。

「やめて!!!」

奥寺は、小柄な体に力を込めて、ありったけの大声を出した。その声は、図書室全体に響いた。

「…ごめんなさい。」保川は、その大声で我に返ったようだ。彼女は、とぼとぼと図書室を出て行った。

その日の仕事が終わった後は、奥寺をちょっと注意したが、「私、ゆっこちゃんの味方しか出来ないから。」と彼女は聞く耳を持たなかった。「津山くんも、ゆっこちゃんが好きなんでしょう。だったら、もう、よそ見しちゃダメ。」
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