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師走の風景2

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「昨日、どうだった。」

まみが開口一番、聞いてきた。「うん、何とか、隠れ通した。満川さんが、準備室に動いた隙に、逃げて来た。バレなかったと思う。」僕は不自然に親指を立てた。サムズアップのポーズはこの当時、あまり流行っていない。まみはその不自然なガッツポーズに変な顔をしていた。その後2人して満川の方を見たが、満川は何だか満ち足りた表情で、石坂ますみと話をしていた。

    終業式まであと3日ー。

   まみは、終業式の日の後、僕とアッコと高野には、直接まみの家に来るように言った。まみの家は、第三小学校のすぐ近くだった。社宅組はみんな第三小学校から遠かった。第一・第二小学校のみんなは一旦家に荷物を置いてからやって来る。第三小学校組は後から合流する第一・第二組を第三小学校で待つ。

   まみの表情はとても晴れやかだった。根岸先生も呼ぼうという話も出たが、先生からは丁重に断られたようだ。「ツーが、一生、忘れられない、クリスマス会にするから。」それは、僕の転校を、同窓会仲間で唯一知っているまみだから言えたことだろう。
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