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二階級特進

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    夏休みが終わった。

    9月の、最初の席替えで、満川とは席が離れてしまった。そして、まみと席が前後になった。9月の最初の同窓会定例は、スイミングスクールの記録会と重なってしまった。同窓会定例を休む口実としてはこれ以上ない理由だった。
    
   「まみ、ごめん、スイミングの記録会と重なった」
   「…。夏の特訓の成果が出るといいね。」

   まみは、言葉少なく、それでも、僕の幸運を祈ってくれた。なんとなく悲しそうな顔をしていたのが気にかかった。そうは言っても、10級から昇級するチャンスでもあった。スイミングの記録会では、25メートルを泳ぎ切り、なんと2級飛び級して「7級」のワッペンをスイミングスクールの水泳帽に付けられるようになった。
   母に伝えたら、大いに喜んでくれた。「良かったね。頑張っていたもんね。おめでとう」さっそく7級のワッペンを水泳帽に縫い付けてくれた。

    でも、まみや満川には伝えられなかった。満川から見たら、7級なんてまだまだ序の口であった。まみも、水泳はかなり出来たはずだ。スイミングこそやっていなかったものの、彼女もまた朝礼で賞状をいくつももらう優等生だったからだ。

     まみは、結果のはっきりしない他人のイベントには、口を挟まないところもあった。結果は、本人の口から聞けばいい。お節介な少女ではあったが、そういう気遣いもできる子であった。
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