蝶々桜

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「ねえ私ね、好きな人ができたの。
上手くいくかわからないけどね、好きなの..話、聞いてくれる?」

目を輝かせて話す私を横目にユキはコーヒーを飲みながら頷いた。

「いいよ、聞く聞く。どうしたのさ?」

私はいつも何かあると一番にユキに話をする。
いいことも、もちろん悪いことも。

「好きな人ができたの!けどさぁ、凄いモテる人なの!なんかさぁ、自信なくしちゃうよ。そーゆー人ってさ、好きになったらダメかな?傷つくかな?」

私は思うままに話した。

「傷つかない恋愛はないでしょ、いいじゃん。好きならさ。」

「うーん…けどさ彼女いるかどうかも分からないんだよね…」

「それはさ、聞いてみれば?」

「無理だよ!!」

「まあ、聞いて傷つくの嫌だもんね、怖いよね。けどさぁ、仮にだよ?彼女いたとしてだよ?あんたの気持ちは変わるの?嫌いになるの?」

ユキはいつも率直な意見をくれる。
ほしい言葉をくれるのがユキだ。

「嫌いには…ならないけど、寂しくはなるかなぁ」

不思議だ、小さい頃は知りたいことがあるから質問していたのに、大きくなってからは傷つくくらいならいいや…て思うと聞けないことが沢山ある。
答えを受け入れる自信もない。

「彼女いるって知ってさ、好きじゃなくなるならその程度なんでしょ?」と耳の痛いことを言われてしまった。

「好きなら信じたら?傷付くことばっか考えないでさ、ミオはその人に何してあげたい?」

何してあげたい…か、何ができるんだろう
私は答えに悩んだ。

「…笑った顔が見たい」

その回答にユキが吹いた。

「それ、して欲しいことじゃん?けどまぁ、分かるよ。そーゆー気持ちは。笑った顔がみたいならさ、まずはあんたが笑顔見せなきゃね」

そう言ってユキはまたコーヒーを口に含んだ。

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