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第88話 人外パーティ
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その後はモルが狩りに飽きたり、ソフィアがゲームに興味を持ったりと、すんなりレベル上げとは行かなかったが、ある程度ソフィアとモルのレベルも上がったため、三階層へと来た。
「信の言っていた通り、本当に森と川の広大な場所ね。」
「あぁ。ここには遺跡のような場所があったり、洞窟があってな。かなり良いお宝も手に入るんだ。奏のフルートや、蒼汰の腕輪、俺の刀等だな。」
「腕輪…ハエの腕輪よね。」
「…ぐっ、蠅王の腕輪です。一応、悪魔の最上位なので凄い…はずです…。」
少し自信なさげに反論する蒼汰。
「そうね、ハエと蠅王は全く違うわね。」
「そういえば、ソフィアとモルも、レベル上げるとそのうち試練の間へ行けるようになるのかな?」
「あ!そういえばそうだね!ソフィアさんはあり得ると思うけど、モルちゃんはどうなんだろう?」
「わふぅ?」
「試練の間?そんなところがあるの?」
「ステータスが9999になるとカンストとなってしまって、能力が上がらなくなるんだ。だが、上限の解除が出来てな。その方法が、試練の間で待ち受けるボスを倒す事なんだよ。」
「そうなのね…。信たちは試練の間へ行ったの?」
「あぁ。四人で行ってボスを倒してきた。」
「信くんと二人で行った時は勝てなかったけど、奏ちゃんと蒼汰くんの四人で行ったら簡単に勝てたよね!」
「奏と蒼太がチートすぎるんだよなぁ…。」
呆れたように目で奏と蒼汰を見る信之。
「えへへ~!信にぃは、奏のこと頼っていいんだよ~?」
「…これこそが蠅王の力ですっ。」
「二人ともそんなに強いのね…。ルーマニアでの奏ちゃんの強さには驚いたのだけれど、まだまだ本気じゃなかったということかしら?」
「全く本気じゃないな。奏は人やモノを操るスキルを持っていて、そのスキルは正直ソフィアの誘惑以上だな…。」
「その気になればフルートの音で敵を爆発させることもできるよ~?新しいスキル!」
「やめてくれ…そんなグロテスクシーン見たくない…。そのスキルは封印だ。」
「え~?お披露目したかった~…。」
「…奏ちゃん…私よりも人外じゃないかしら…?」
奏の強さに本当に人間なのか疑うソフィアであった。
「この辺りは既にマッピング済みで、アイテムも落ちていないし、進みながらレベル上げをしていこう。」
「わかったわ。どんなスライムが出てくるか楽しみね。」
「わふっ!」
ソフィアはどのようなスライムに会えるのかをわくわくしながら進んでいき、モルはいろいろなところにマーキングをつけながら尻尾を振って先に進む。
「ちなみにスライムは、期待を裏切る形と名前だぞ。」
「名前?何か期待するような名前なんてあったの?」
「あぁ。メタルキ…」
「…それは僕と信之兄さんくらいしか期待していないような気がします…。」
「そ、そうか。ソフィアに言ってもわからないもんな。」
「?」
と、その時。
―――――ガサッ。
「出たぞ!メタルキ…クイーン!」
「OK!あのスライム、メタルキクイーンっていうのね!倒してくるわね。」
「あ、いや…メタルクイーンです…。それと、メタルクイーンは二階層のメタルヒュージスライムと比べて攻撃のバリエーションが増えているから気を付けろ。モルもだぞ!」
「わかったわ!」
「わふっ!!」
メタルクイーンに向かって走るソフィアとモル。
メタルクイーンはソフィアたちに触手のようなものを作り出し、伸ばしてソフィアたちを攻撃する。
ソフィアたちは避けることに成功するが、触手は曲がってソフィアたちを追い続ける。
さらにその触手は攻撃力も高く、ソフィアたちが避けた先にあった木を簡単に貫通する。
「…ッ!危ないわね。触手だからまっすぐの攻撃じゃないし、あの攻撃力…当たったらひとたまりもないわね。」
「わふっ!わふっ!」
モルは自分が先に行くと言わんばかりに、速度を上げてメタルクイーンに肉薄する。
メタルクイーンの目の前まで迫ったモルは、咥えているメタルハントショートソードで核を破壊しようとするが、スライムを全身を棘のように形を変えて、モルに襲い掛かる!
「ッ!」
「危ない!血盾!」
ソフィアは咄嗟に血のように赤い盾をモルの目の前に召喚した。
ソフィアが召喚した血盾は、実際には血でできた盾ではなく、ソフィアの魔力によって赤く染まった魔力の盾である。
ただし、ソフィアの血を利用して血盾を作成することも可能で、その場合は通常の魔力のみで作成した血盾よりも硬度のある盾となる。
血盾によって攻撃を防いだモルはメタルハントショートソードを振って棘を切り裂く。
棘を切り裂いたことによりヘイトがモルに向いたため、ソフィアは回り込んでメタルハントソードでメタルクイーンを薙ぎ払い、核の破壊に成功する。
「ふぅ…。思ったよりも強いのね。…わぁ!一気に数レベルもレベルが上がったわよ!メタルヒュージスライムとは効率が違うわね!」
「わふっ!」
思った以上の経験値に喜ぶソフィアと、ソフィアの喜んでいる様子を見て喜ぶモル。
「二人ともお疲れ。ちょっと危ないところはあったが大丈夫そうだな。戦ってくればなれるだろうし、今後もソフィアとモルだけで戦っていこうか。」
「わかったわ!」
「わふん!」
「あ!二人とも終わったんだね!お疲れさま!」
イリスが森の奥から戻ってきた。
「イリスちゃん、どこか行っていたの?」
「ん?メタルクイーンを倒してレベル上げだよ!10体くらい倒したかな?」
「…イリスちゃんも私を超える人外ね…。」
「信の言っていた通り、本当に森と川の広大な場所ね。」
「あぁ。ここには遺跡のような場所があったり、洞窟があってな。かなり良いお宝も手に入るんだ。奏のフルートや、蒼汰の腕輪、俺の刀等だな。」
「腕輪…ハエの腕輪よね。」
「…ぐっ、蠅王の腕輪です。一応、悪魔の最上位なので凄い…はずです…。」
少し自信なさげに反論する蒼汰。
「そうね、ハエと蠅王は全く違うわね。」
「そういえば、ソフィアとモルも、レベル上げるとそのうち試練の間へ行けるようになるのかな?」
「あ!そういえばそうだね!ソフィアさんはあり得ると思うけど、モルちゃんはどうなんだろう?」
「わふぅ?」
「試練の間?そんなところがあるの?」
「ステータスが9999になるとカンストとなってしまって、能力が上がらなくなるんだ。だが、上限の解除が出来てな。その方法が、試練の間で待ち受けるボスを倒す事なんだよ。」
「そうなのね…。信たちは試練の間へ行ったの?」
「あぁ。四人で行ってボスを倒してきた。」
「信くんと二人で行った時は勝てなかったけど、奏ちゃんと蒼汰くんの四人で行ったら簡単に勝てたよね!」
「奏と蒼太がチートすぎるんだよなぁ…。」
呆れたように目で奏と蒼汰を見る信之。
「えへへ~!信にぃは、奏のこと頼っていいんだよ~?」
「…これこそが蠅王の力ですっ。」
「二人ともそんなに強いのね…。ルーマニアでの奏ちゃんの強さには驚いたのだけれど、まだまだ本気じゃなかったということかしら?」
「全く本気じゃないな。奏は人やモノを操るスキルを持っていて、そのスキルは正直ソフィアの誘惑以上だな…。」
「その気になればフルートの音で敵を爆発させることもできるよ~?新しいスキル!」
「やめてくれ…そんなグロテスクシーン見たくない…。そのスキルは封印だ。」
「え~?お披露目したかった~…。」
「…奏ちゃん…私よりも人外じゃないかしら…?」
奏の強さに本当に人間なのか疑うソフィアであった。
「この辺りは既にマッピング済みで、アイテムも落ちていないし、進みながらレベル上げをしていこう。」
「わかったわ。どんなスライムが出てくるか楽しみね。」
「わふっ!」
ソフィアはどのようなスライムに会えるのかをわくわくしながら進んでいき、モルはいろいろなところにマーキングをつけながら尻尾を振って先に進む。
「ちなみにスライムは、期待を裏切る形と名前だぞ。」
「名前?何か期待するような名前なんてあったの?」
「あぁ。メタルキ…」
「…それは僕と信之兄さんくらいしか期待していないような気がします…。」
「そ、そうか。ソフィアに言ってもわからないもんな。」
「?」
と、その時。
―――――ガサッ。
「出たぞ!メタルキ…クイーン!」
「OK!あのスライム、メタルキクイーンっていうのね!倒してくるわね。」
「あ、いや…メタルクイーンです…。それと、メタルクイーンは二階層のメタルヒュージスライムと比べて攻撃のバリエーションが増えているから気を付けろ。モルもだぞ!」
「わかったわ!」
「わふっ!!」
メタルクイーンに向かって走るソフィアとモル。
メタルクイーンはソフィアたちに触手のようなものを作り出し、伸ばしてソフィアたちを攻撃する。
ソフィアたちは避けることに成功するが、触手は曲がってソフィアたちを追い続ける。
さらにその触手は攻撃力も高く、ソフィアたちが避けた先にあった木を簡単に貫通する。
「…ッ!危ないわね。触手だからまっすぐの攻撃じゃないし、あの攻撃力…当たったらひとたまりもないわね。」
「わふっ!わふっ!」
モルは自分が先に行くと言わんばかりに、速度を上げてメタルクイーンに肉薄する。
メタルクイーンの目の前まで迫ったモルは、咥えているメタルハントショートソードで核を破壊しようとするが、スライムを全身を棘のように形を変えて、モルに襲い掛かる!
「ッ!」
「危ない!血盾!」
ソフィアは咄嗟に血のように赤い盾をモルの目の前に召喚した。
ソフィアが召喚した血盾は、実際には血でできた盾ではなく、ソフィアの魔力によって赤く染まった魔力の盾である。
ただし、ソフィアの血を利用して血盾を作成することも可能で、その場合は通常の魔力のみで作成した血盾よりも硬度のある盾となる。
血盾によって攻撃を防いだモルはメタルハントショートソードを振って棘を切り裂く。
棘を切り裂いたことによりヘイトがモルに向いたため、ソフィアは回り込んでメタルハントソードでメタルクイーンを薙ぎ払い、核の破壊に成功する。
「ふぅ…。思ったよりも強いのね。…わぁ!一気に数レベルもレベルが上がったわよ!メタルヒュージスライムとは効率が違うわね!」
「わふっ!」
思った以上の経験値に喜ぶソフィアと、ソフィアの喜んでいる様子を見て喜ぶモル。
「二人ともお疲れ。ちょっと危ないところはあったが大丈夫そうだな。戦ってくればなれるだろうし、今後もソフィアとモルだけで戦っていこうか。」
「わかったわ!」
「わふん!」
「あ!二人とも終わったんだね!お疲れさま!」
イリスが森の奥から戻ってきた。
「イリスちゃん、どこか行っていたの?」
「ん?メタルクイーンを倒してレベル上げだよ!10体くらい倒したかな?」
「…イリスちゃんも私を超える人外ね…。」
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