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第81話 ホイッてやってビュンッ!
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「信、あなたの誘いに乗るわ!私を日本へ連れて行って。」
「日本だって!?」
アドリアンが驚く。
「えぇ。この国にはもういられないし、このピエロさんに私はついていくわ。悪い人じゃなさそうだしね。だから…みんなとは…ここでお別れ。」
ソフィアは三人に笑顔を向けるが、その表情は悲し気であった。
「…ふっ、死に別れってわけじゃねえんだ!生きていればまた会えるだろう!そん時までに腕を磨いとけ!」
「そうだね、もちろん僕たちも腕を磨いて、次にソフィアに会うときにはこの国だけじゃなく、世界で有名な探索者になっておくよ。」
「ソフィア…元気でね。あと、アドリアンもエドワードも、連絡先さえ教えておけば、アプリを使っていつでも連絡とれるんじゃない?今は、テレビ通話だってあるのだから。」
「「あ…。」」
「ふふっ。最後まで笑わせてくれるわね。連絡先は今のスマホに入っているし問題ないわよ。じゃあ、みんな…またね!」
ソフィアは後ろを向き、信之達のもとへ向かう。
「もういいのか?」
「えぇ。これ以上話してても後ろ髪を引かれるだけだから。」
「わかった。それじゃあ日本へ行こうか。」
「ええ。どこの空港に…え!?」
ソフィアがどこの空港へと向かうのかを聞くと同時に、信之はテレポートを発動する。
「ん?空港なんて行かないぞ。テレポートを使って日本へ行く。」
「テ、テレポートってなに?」
ソフィアの疑問が解決しないまま信之達はテレポートで自宅へと戻ったのであった。
「え?い、家の中?」
信之達は、信之の自宅へと戻った。
「今いるところが玄関だ。ここで靴を脱いでくれ。」
「と、とりあえず、一瞬で自宅に戻れる魔法だという事は理解したわ。ここで靴を脱ぐのね。わかったわ。」
ソフィアは、信之の言う通りに靴を脱ぐ。
「よし、じゃあただいま。」
信之の後に続いて皆もただいまと言いながら部屋に入っていく。
「た、ただいま…?」
ソフィアもとりあえず、皆の真似をしてから部屋へ入った。
「じゃあみんな変装を解くか。」
信之達は変装を解き、姿を見せる。
「お、驚いたわね…。みんな若いし美男美女じゃない…。あ、信はそんなに若くないわね。」
「誰がおっさんだ!誰がッ!」
「そこまでは言ってないわよ。そう思ってしまったのは自分がおじさんだと心の底で思っているからじゃない?」
「ぐう…。ぐうの音も出ないとはこのことか!」
「…信之兄さん、しっかり出てます。」
冗談を言える程度にはソフィアが落ち着いたことを確認した信之は、本題へと移る。
「こほん…。さて、そろそろ本題へと入ろうか。今更だが、自己紹介をしようと思う。俺の名前は平信之、性が平、名前が信之だ。」
信之の後に続いてイリスたちも自己紹介していき…。
「わふっ!わふ!」
「最後にこの子はモル、女の子だ。」
信之はモルの頭を撫でながらソフィアに紹介する。
モルがうっとりしている表情を見たソフィアもうっとりしている。
よほど犬が好きなようだ。
「私はソフィア・モルモリュケよ。みんな、よろしくね。」
「よろしく。それでソフィアさん…」
「ソフィアでいいわ。私も信と呼ばせてもらっているのだから。」
「わかった。それでソフィア、俺らは普段は一般市民だが…」
「どこが一般市民よ…。」
ソフィアが鋭い突っ込みを入れる。
「い、いやいや、本当に普段はしがない一般市民だよ。力も隠している。だが、何かあった時には先ほどのように変装して動いているんだ。素顔を見られて有名になるのも面倒だからな。」
「確かにそうね。素顔が割れてしまったらメディアもうるさいでしょうし、そこまでの力、国はあなた達を放っておかないわね。ところであなた達はどうやってそんなにも強くなったの?」
「そこが本題だ。それを話すには条件がある。」
信之はソフィアを日本に連れて行くと決めた段階で、コントラクトを行うつもりであった。
それはソフィアが裏切らないようにというわけでは無く、話していてソフィアに好感を持ったからだ。
イリスも想定通りという顔で話を聞いているので問題ないと信之は考え、コントラクトについてソフィアに説明を行った。
「誘いの門鍵、それに経験値の間…そこでレベルを上げていたのね。」
「うんうん!すっごく強くなれるよ!例えば、奏ちゃんみたいに腕をホイッてやるとビュンッってなってみんな飛んでいっちゃうよ!」
イリスは興奮気味に答える。
レベル上げオタクが表に現れ始めているようだ。
「あ、あの子ほど強くなりたいとは思わないのだけれど、…そうね、私はヴァンパイアになってしまった。もしかすると私を狙う人が今後出るかもしれないし、強くなっておくことに越したことは無いわね。」
奏の話をされて少し引き気味のソフィアであったが、先ほどのように追われたとしても、自分の力で撃退できるような強さは持っておきたいと心を固めた。
「なら、コントラクトするか?」
「ええ、お願い。私は強くなりたいわ。」
「わかった。始めるぞ。」
信之はソフィアにコントラクトを行った。
「目指せ!ホイッてやってビュンッ!!」
「そ、それは目指さないわよ…?」
「日本だって!?」
アドリアンが驚く。
「えぇ。この国にはもういられないし、このピエロさんに私はついていくわ。悪い人じゃなさそうだしね。だから…みんなとは…ここでお別れ。」
ソフィアは三人に笑顔を向けるが、その表情は悲し気であった。
「…ふっ、死に別れってわけじゃねえんだ!生きていればまた会えるだろう!そん時までに腕を磨いとけ!」
「そうだね、もちろん僕たちも腕を磨いて、次にソフィアに会うときにはこの国だけじゃなく、世界で有名な探索者になっておくよ。」
「ソフィア…元気でね。あと、アドリアンもエドワードも、連絡先さえ教えておけば、アプリを使っていつでも連絡とれるんじゃない?今は、テレビ通話だってあるのだから。」
「「あ…。」」
「ふふっ。最後まで笑わせてくれるわね。連絡先は今のスマホに入っているし問題ないわよ。じゃあ、みんな…またね!」
ソフィアは後ろを向き、信之達のもとへ向かう。
「もういいのか?」
「えぇ。これ以上話してても後ろ髪を引かれるだけだから。」
「わかった。それじゃあ日本へ行こうか。」
「ええ。どこの空港に…え!?」
ソフィアがどこの空港へと向かうのかを聞くと同時に、信之はテレポートを発動する。
「ん?空港なんて行かないぞ。テレポートを使って日本へ行く。」
「テ、テレポートってなに?」
ソフィアの疑問が解決しないまま信之達はテレポートで自宅へと戻ったのであった。
「え?い、家の中?」
信之達は、信之の自宅へと戻った。
「今いるところが玄関だ。ここで靴を脱いでくれ。」
「と、とりあえず、一瞬で自宅に戻れる魔法だという事は理解したわ。ここで靴を脱ぐのね。わかったわ。」
ソフィアは、信之の言う通りに靴を脱ぐ。
「よし、じゃあただいま。」
信之の後に続いて皆もただいまと言いながら部屋に入っていく。
「た、ただいま…?」
ソフィアもとりあえず、皆の真似をしてから部屋へ入った。
「じゃあみんな変装を解くか。」
信之達は変装を解き、姿を見せる。
「お、驚いたわね…。みんな若いし美男美女じゃない…。あ、信はそんなに若くないわね。」
「誰がおっさんだ!誰がッ!」
「そこまでは言ってないわよ。そう思ってしまったのは自分がおじさんだと心の底で思っているからじゃない?」
「ぐう…。ぐうの音も出ないとはこのことか!」
「…信之兄さん、しっかり出てます。」
冗談を言える程度にはソフィアが落ち着いたことを確認した信之は、本題へと移る。
「こほん…。さて、そろそろ本題へと入ろうか。今更だが、自己紹介をしようと思う。俺の名前は平信之、性が平、名前が信之だ。」
信之の後に続いてイリスたちも自己紹介していき…。
「わふっ!わふ!」
「最後にこの子はモル、女の子だ。」
信之はモルの頭を撫でながらソフィアに紹介する。
モルがうっとりしている表情を見たソフィアもうっとりしている。
よほど犬が好きなようだ。
「私はソフィア・モルモリュケよ。みんな、よろしくね。」
「よろしく。それでソフィアさん…」
「ソフィアでいいわ。私も信と呼ばせてもらっているのだから。」
「わかった。それでソフィア、俺らは普段は一般市民だが…」
「どこが一般市民よ…。」
ソフィアが鋭い突っ込みを入れる。
「い、いやいや、本当に普段はしがない一般市民だよ。力も隠している。だが、何かあった時には先ほどのように変装して動いているんだ。素顔を見られて有名になるのも面倒だからな。」
「確かにそうね。素顔が割れてしまったらメディアもうるさいでしょうし、そこまでの力、国はあなた達を放っておかないわね。ところであなた達はどうやってそんなにも強くなったの?」
「そこが本題だ。それを話すには条件がある。」
信之はソフィアを日本に連れて行くと決めた段階で、コントラクトを行うつもりであった。
それはソフィアが裏切らないようにというわけでは無く、話していてソフィアに好感を持ったからだ。
イリスも想定通りという顔で話を聞いているので問題ないと信之は考え、コントラクトについてソフィアに説明を行った。
「誘いの門鍵、それに経験値の間…そこでレベルを上げていたのね。」
「うんうん!すっごく強くなれるよ!例えば、奏ちゃんみたいに腕をホイッてやるとビュンッってなってみんな飛んでいっちゃうよ!」
イリスは興奮気味に答える。
レベル上げオタクが表に現れ始めているようだ。
「あ、あの子ほど強くなりたいとは思わないのだけれど、…そうね、私はヴァンパイアになってしまった。もしかすると私を狙う人が今後出るかもしれないし、強くなっておくことに越したことは無いわね。」
奏の話をされて少し引き気味のソフィアであったが、先ほどのように追われたとしても、自分の力で撃退できるような強さは持っておきたいと心を固めた。
「なら、コントラクトするか?」
「ええ、お願い。私は強くなりたいわ。」
「わかった。始めるぞ。」
信之はソフィアにコントラクトを行った。
「目指せ!ホイッてやってビュンッ!!」
「そ、それは目指さないわよ…?」
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