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第79話 ナイナイしないで!?
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「ここが私達が拠点として使っている町よ。」
「わぁ!とっても綺麗な町!」
「綺麗~!」
信之達は、ソフィア達が活動している町へと着いた。
そこは、オレンジや、青、白、灰色等々色とりどりの建物が建っていた。
また、建物の外観は中世時代のようなロマネスク様式で造られており荘厳な風景であった。
が…。
「うん、俺ら場違いだな…。」
「…とても見られています…。」
「わふぅ…。」
黒ローブに怪しげな仮面を付けている信之達は町の人から注目を浴びる。
「大丈夫よ。私たちがいるから!」
「そうだよ。こう見えて僕たちは名の知れた探索者パーティだからね。」
ソフィアとエドワードは自慢げに伝えてくるが、傍から見るとそのパーティに捕まった怪しい宗徒のような図となっていた。
「私たちは、魔石と十階層の情報を売ってくるわね。あなたたちは、あそこの赤い家に向かってちょうだい。あれは私の家なの…これは家の鍵よ。」
ソフィアは信之に家の鍵を渡す。
「さっきも言った通り長居はしないからな。」
「ええ。じゃあ、またあとでね!」
「いい酒持っていくからな!」
信之達は、ソフィア達と別れて家へと向かう。
「それにしても相変わらずめっちゃ見られているな。」
見られることに流石の信之も辟易する。
「信にぃ、言ってくれれば仮装曲《パレード》でみんなをなんちゃって外人にしたのに~。」
「え?奏、そんなことできたの?」
「できるよ~。」
それならやってもらえばよかったと後悔した信之は、きちんと奏と蒼汰のスキルを把握しておこうと誓った。
「着いたな、ここだ。」
信之達はソフィアの家に着いた。
「他人の家に勝手に入るのは気が引けるが、鍵ももらっていることだし遠慮なく入らせてもらおうか。」
信之は鍵を開けてソフィアの家に入った。
「わ~。かわいいね~!」
「おしゃれー!」
家の中は特段中世感は無く、テレビやエアコン、冷蔵庫等現代の物がそろっている。かわいらしいぬいぐるみ等が多いのは恐らくソフィアの趣味だろう。
「あ…あれは…。」
信之は家に入った瞬間に気付いてしまった。
恐らくこの察知の速さは信之だけであろう。
なんと…窓際に赤い下着が部屋干しされていたのだ!
信之は無意識に神々しい光を放つ (幻覚)その下着の元へと一歩、また一歩と足を進める。
「…信くん、今日の夜はそんな欲が出ないようにナイナイしちゃおうかぁ?」
イリスは信之の背後に立ち、瞳のハイライトを消して、口は笑っているが目は全く笑っていない恐ろしい笑顔で信之に問いかける。
「はっ!ち、違うぞイリス、これは違うんだ!あの窓の向こうに見える景色が美し過ぎて見惚れてしまい、少しでも近くで見たくて…」
「ふーん、あの窓の手前に見える景色が美し過ぎて見惚れてしまって、少しでも近くて見たくなっちゃったんだぁ?」
「信にぃぎるてぃ。」
「…信之兄さん、それは流石に…。」
「くぅん…。」
「そんな…ばかな…。」
負け確の信之であった。
そんな会話をしながら、かれこれ一時間ほどソフィア達を待っているが一向に来る気配がない。
「遅いな、ソフィアさん達。」
「うーん流石に遅いよね?何かあったのかな?」
信之とイリスがソフィアが来ないことを気にかけていると、人が走ってくる気配がした。
「…信之兄さん、ソフィアさんが走ってきます。なんだか慌てていますね。」
窓からソフィアを確認した蒼汰が信之に伝える。
「慌てている?なにかあったのか?」
「なんでしょう…。かなり後ろに結構な数の人がこちらに来ていますね。」
「それが原因で慌てているのかもな。本人に聞いてみるか。」
ソフィアが家に到着する。
かなり慌てているようでドアを叩きつけて入ってきた。
「みんな!逃げて…。私のせいであなたたちも危ないの!」
「待ってくれ、状況がわからない。どういうことだ?」
信之はソフィアから何があったか聞こうとする。
「…私達が魔石や十階層の情報を売っている人物は、この国から派遣された公務員なの。その人に魔石や十階層の情報を売ろうと話しをしたのだけれど、その時に私の瞳の話になってしまったの。公務員だし流石に隠すのはまずい事だと思って、自分がヴァンパイアであることを話したら…。化け物呼ばわりされて警察に追われているのよ…。」
ソフィアはどうやら、この国の公務員にモンスターだと判断されてしまい、追われているようだ。
「ひどい…。」
「許せな~い!」
「ぐるるるるッ…!」
ソフィアへの仕打ちに女性陣は憤りを感じている。
「アドリアン達は町の警察達を食い止めてくれているわ。けれどここに来るのも時間の問題…。それにあなたたちも実はモンスターじゃないかと疑われているのよ。私のせいでこんなことに…ごめんなさい。」
ソフィアは悲痛な表情で信之達に謝る。
「なるほど、そう言う事だったのか…。そうなると、ソフィアさんはもうこの国に居られないんじゃないか?」
「えぇ、そうね…。もうこの国にはいられないわ…。カラーコンタクトでもして、バレないようにどこかでひっそりと暮らすしかないわね。私は…化け物なんだし…。」
自嘲気味に信之の問いに答えるソフィア。
「イリス…良いかな?」
「うん、もちろんいいよ!信くん!」
信之はイリスに内容を言わずに尋ね、内容を聞かずとも理解しているイリスは承諾をする。
「ソフィアさん、日本に…うちに来ないか?」
「わぁ!とっても綺麗な町!」
「綺麗~!」
信之達は、ソフィア達が活動している町へと着いた。
そこは、オレンジや、青、白、灰色等々色とりどりの建物が建っていた。
また、建物の外観は中世時代のようなロマネスク様式で造られており荘厳な風景であった。
が…。
「うん、俺ら場違いだな…。」
「…とても見られています…。」
「わふぅ…。」
黒ローブに怪しげな仮面を付けている信之達は町の人から注目を浴びる。
「大丈夫よ。私たちがいるから!」
「そうだよ。こう見えて僕たちは名の知れた探索者パーティだからね。」
ソフィアとエドワードは自慢げに伝えてくるが、傍から見るとそのパーティに捕まった怪しい宗徒のような図となっていた。
「私たちは、魔石と十階層の情報を売ってくるわね。あなたたちは、あそこの赤い家に向かってちょうだい。あれは私の家なの…これは家の鍵よ。」
ソフィアは信之に家の鍵を渡す。
「さっきも言った通り長居はしないからな。」
「ええ。じゃあ、またあとでね!」
「いい酒持っていくからな!」
信之達は、ソフィア達と別れて家へと向かう。
「それにしても相変わらずめっちゃ見られているな。」
見られることに流石の信之も辟易する。
「信にぃ、言ってくれれば仮装曲《パレード》でみんなをなんちゃって外人にしたのに~。」
「え?奏、そんなことできたの?」
「できるよ~。」
それならやってもらえばよかったと後悔した信之は、きちんと奏と蒼汰のスキルを把握しておこうと誓った。
「着いたな、ここだ。」
信之達はソフィアの家に着いた。
「他人の家に勝手に入るのは気が引けるが、鍵ももらっていることだし遠慮なく入らせてもらおうか。」
信之は鍵を開けてソフィアの家に入った。
「わ~。かわいいね~!」
「おしゃれー!」
家の中は特段中世感は無く、テレビやエアコン、冷蔵庫等現代の物がそろっている。かわいらしいぬいぐるみ等が多いのは恐らくソフィアの趣味だろう。
「あ…あれは…。」
信之は家に入った瞬間に気付いてしまった。
恐らくこの察知の速さは信之だけであろう。
なんと…窓際に赤い下着が部屋干しされていたのだ!
信之は無意識に神々しい光を放つ (幻覚)その下着の元へと一歩、また一歩と足を進める。
「…信くん、今日の夜はそんな欲が出ないようにナイナイしちゃおうかぁ?」
イリスは信之の背後に立ち、瞳のハイライトを消して、口は笑っているが目は全く笑っていない恐ろしい笑顔で信之に問いかける。
「はっ!ち、違うぞイリス、これは違うんだ!あの窓の向こうに見える景色が美し過ぎて見惚れてしまい、少しでも近くで見たくて…」
「ふーん、あの窓の手前に見える景色が美し過ぎて見惚れてしまって、少しでも近くて見たくなっちゃったんだぁ?」
「信にぃぎるてぃ。」
「…信之兄さん、それは流石に…。」
「くぅん…。」
「そんな…ばかな…。」
負け確の信之であった。
そんな会話をしながら、かれこれ一時間ほどソフィア達を待っているが一向に来る気配がない。
「遅いな、ソフィアさん達。」
「うーん流石に遅いよね?何かあったのかな?」
信之とイリスがソフィアが来ないことを気にかけていると、人が走ってくる気配がした。
「…信之兄さん、ソフィアさんが走ってきます。なんだか慌てていますね。」
窓からソフィアを確認した蒼汰が信之に伝える。
「慌てている?なにかあったのか?」
「なんでしょう…。かなり後ろに結構な数の人がこちらに来ていますね。」
「それが原因で慌てているのかもな。本人に聞いてみるか。」
ソフィアが家に到着する。
かなり慌てているようでドアを叩きつけて入ってきた。
「みんな!逃げて…。私のせいであなたたちも危ないの!」
「待ってくれ、状況がわからない。どういうことだ?」
信之はソフィアから何があったか聞こうとする。
「…私達が魔石や十階層の情報を売っている人物は、この国から派遣された公務員なの。その人に魔石や十階層の情報を売ろうと話しをしたのだけれど、その時に私の瞳の話になってしまったの。公務員だし流石に隠すのはまずい事だと思って、自分がヴァンパイアであることを話したら…。化け物呼ばわりされて警察に追われているのよ…。」
ソフィアはどうやら、この国の公務員にモンスターだと判断されてしまい、追われているようだ。
「ひどい…。」
「許せな~い!」
「ぐるるるるッ…!」
ソフィアへの仕打ちに女性陣は憤りを感じている。
「アドリアン達は町の警察達を食い止めてくれているわ。けれどここに来るのも時間の問題…。それにあなたたちも実はモンスターじゃないかと疑われているのよ。私のせいでこんなことに…ごめんなさい。」
ソフィアは悲痛な表情で信之達に謝る。
「なるほど、そう言う事だったのか…。そうなると、ソフィアさんはもうこの国に居られないんじゃないか?」
「えぇ、そうね…。もうこの国にはいられないわ…。カラーコンタクトでもして、バレないようにどこかでひっそりと暮らすしかないわね。私は…化け物なんだし…。」
自嘲気味に信之の問いに答えるソフィア。
「イリス…良いかな?」
「うん、もちろんいいよ!信くん!」
信之はイリスに内容を言わずに尋ね、内容を聞かずとも理解しているイリスは承諾をする。
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