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第76話 闇夜のペルソナで一番の危険人物ってだーれだ?
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「信くんに血の提供を断られたよー!」
本気で断られたイリスは膝をついて落ち込む。
「ちょ…待ってくれ、状況がカオスすぎる。一旦ちゃんと話しをさせてくれ。」
「わかった!」
流石のイリスもこのままでは話が進まないとわかったのか、ちょこんと座った。
信之は、おかめがちょこんと座っている姿も恐ろしいような気がすると思ったが、そこは無視して話を進める。
「ソフィアさん、あなたはヴァンパイアになっている。それはわかるな?」
「…ええ。自身のステータスを確認して種族が下級ヴァンパイアになっていることを確認したわ。血を吸う方法も本能でわかったし、あなたの血は凄く良い匂いで美味しかった…。どうやら私は完全にヴァンパイアになってしまっているようね。」
落ち込んだ表情で話すソフィア。
「それにしても、俺が良い匂いというのはなぜだ?他の三人はどうなんだ?」
「なぜかはわからないわ。他の三人は特に匂いを感じないわね。」
「…どういう理屈かはわからないが、俺の血が良いというわけか…。」
「むぅ…!これはライバルの予感ッ!。」
「信にぃは渡さない~。」
ソフィアを危険視するイリス。
そしてさりげなく誰にも聞こえないほどの声量で呟く奏。
「だからお願い。もう一度あなたの血を飲ませて。もう少し飲めばこの飢えがおさまると思うの。」
ソフィアの頼みに信之は、顎をつまんで考える。
(…痛みは感じないわけだし、絶世の美女と言っても過言ではない女性に抱き着かれるわけだからこれは役得なのでは?)
と信之は思考を巡らせていると、とてつもない悪寒を感じた。
「変なこと…考えていないよねぇ?」
イリスだ。
おかめの仮面はいつも以上に不気味さが増し、イリスの後ろからは何かどす黒いオーラが見えた。
「もももっもちろんです!う、腕を少し切って血を垂らすから、それを飲んでくれ。」
これは帰ったら超絶ミイラコースになるかもしれないと恐怖する信之に既に下心は無く、単に血を提供するだけの考えとなっていた。
「あら、私は首から血をもらいたかったのだけれど…」
「ソフィアさぁああぁあん?」
イリスはゆっくりとソフィアの方に顔を向ける。
ギギギギギ…という擬音がぴったりの動きだ。
「…お、恐ろしいわね。闇夜のペルソナで一番危険なのはどうやらあの娘のようね…。」
ソフィアはすぐに信之のパーティの中で一番危険な人物が誰かを察した。
「とりあえず、もう少し飲んだら落ち着くんだろ?ほら、飲んでくれ。」
信之は魔装召喚で武器を出し、自身の腕を浅く切る。
「あぁ…なんて良い香り…頂くわね。」
そう言ってソフィアは滴れる血を一滴、さらに一滴と飲む。
しかし、すぐに滴れる血の量は減っていきソフィアは痺れを切らせる。
「無理!もう傷口を舐めさせて!!」
ソフィアは信之の腕を取り一心不乱に傷口を舐める。
「なななっ!?ぐぬぬぬぬぬ…。」
必死でこらえるイリスを見た信之は冷や汗が止まらない。
(た、頼む早く終わってくれ…。でないと、俺のマイサンの命が…!)
信之の祈りは通じた。
イリスが爆発する前に、ソフィアに変化が起きたのだ。
「ごくっ…え、進化?何の事かしら。…なんだか、凄く眠いわね…。」
ソフィアが血を飲んだ後、どうやらシステム音が進化に関する何かしらの案内をしたようだ。
その後すぐにソフィアは睡魔に襲われ倒れた。
そして倒れた瞬間、ソフィアの体は強い光で覆われる。
「な!?このタイミングで進化?」
「え?え?信くんの血を飲んだからかな?」
「…進化の理由が謎ですね。」
「目が~!目がぁ~!」
「わふ?」
皆が疑問を持つ中、一人だけ悶絶していた人物がいたのだが捨て置かれた。
ソフィアの進化を待っていると、徐々に光は弱くなっていきソフィアの姿がわかるようになった。
「…?特に変わったような点は無いな?」
信之は倒れたソフィアを見るが、特に変わった様子は見受けられなかった。
「う…私、眠っていたの…?」
意識を失っていたソフィアが目を覚ます。
「あ!」
イリスはソフィアの変化に気付いた。
初めに気付いたのはイリスだが、すぐに皆もソフィアの変化に気付く。
…未だに悶絶している人物を除いて。
「角膜の色と瞳孔の形が変わっている…。」
角膜とは黒目の部分だ。
ソフィアは茶色い角膜であったが、進化したことにより黄色くなっていた。
瞳孔については、猫のように縦長の瞳孔となっていた。
「そうなの?…私から見た感覚は何も変わらないわね…。今は気付かないだけで、何かあるのかしら?」
どうやらソフィア自身は視界について今のところ特段大きな変化はないようだ。
「現状目については何もわからずか…。進化したようだが、種族は何か変わったのか?」
「種族は…変わったわね。下級ヴァンパイアに括弧書きが付いたわね…。」
気になった信之は、魔纏の瞳を使用した。
本気で断られたイリスは膝をついて落ち込む。
「ちょ…待ってくれ、状況がカオスすぎる。一旦ちゃんと話しをさせてくれ。」
「わかった!」
流石のイリスもこのままでは話が進まないとわかったのか、ちょこんと座った。
信之は、おかめがちょこんと座っている姿も恐ろしいような気がすると思ったが、そこは無視して話を進める。
「ソフィアさん、あなたはヴァンパイアになっている。それはわかるな?」
「…ええ。自身のステータスを確認して種族が下級ヴァンパイアになっていることを確認したわ。血を吸う方法も本能でわかったし、あなたの血は凄く良い匂いで美味しかった…。どうやら私は完全にヴァンパイアになってしまっているようね。」
落ち込んだ表情で話すソフィア。
「それにしても、俺が良い匂いというのはなぜだ?他の三人はどうなんだ?」
「なぜかはわからないわ。他の三人は特に匂いを感じないわね。」
「…どういう理屈かはわからないが、俺の血が良いというわけか…。」
「むぅ…!これはライバルの予感ッ!。」
「信にぃは渡さない~。」
ソフィアを危険視するイリス。
そしてさりげなく誰にも聞こえないほどの声量で呟く奏。
「だからお願い。もう一度あなたの血を飲ませて。もう少し飲めばこの飢えがおさまると思うの。」
ソフィアの頼みに信之は、顎をつまんで考える。
(…痛みは感じないわけだし、絶世の美女と言っても過言ではない女性に抱き着かれるわけだからこれは役得なのでは?)
と信之は思考を巡らせていると、とてつもない悪寒を感じた。
「変なこと…考えていないよねぇ?」
イリスだ。
おかめの仮面はいつも以上に不気味さが増し、イリスの後ろからは何かどす黒いオーラが見えた。
「もももっもちろんです!う、腕を少し切って血を垂らすから、それを飲んでくれ。」
これは帰ったら超絶ミイラコースになるかもしれないと恐怖する信之に既に下心は無く、単に血を提供するだけの考えとなっていた。
「あら、私は首から血をもらいたかったのだけれど…」
「ソフィアさぁああぁあん?」
イリスはゆっくりとソフィアの方に顔を向ける。
ギギギギギ…という擬音がぴったりの動きだ。
「…お、恐ろしいわね。闇夜のペルソナで一番危険なのはどうやらあの娘のようね…。」
ソフィアはすぐに信之のパーティの中で一番危険な人物が誰かを察した。
「とりあえず、もう少し飲んだら落ち着くんだろ?ほら、飲んでくれ。」
信之は魔装召喚で武器を出し、自身の腕を浅く切る。
「あぁ…なんて良い香り…頂くわね。」
そう言ってソフィアは滴れる血を一滴、さらに一滴と飲む。
しかし、すぐに滴れる血の量は減っていきソフィアは痺れを切らせる。
「無理!もう傷口を舐めさせて!!」
ソフィアは信之の腕を取り一心不乱に傷口を舐める。
「なななっ!?ぐぬぬぬぬぬ…。」
必死でこらえるイリスを見た信之は冷や汗が止まらない。
(た、頼む早く終わってくれ…。でないと、俺のマイサンの命が…!)
信之の祈りは通じた。
イリスが爆発する前に、ソフィアに変化が起きたのだ。
「ごくっ…え、進化?何の事かしら。…なんだか、凄く眠いわね…。」
ソフィアが血を飲んだ後、どうやらシステム音が進化に関する何かしらの案内をしたようだ。
その後すぐにソフィアは睡魔に襲われ倒れた。
そして倒れた瞬間、ソフィアの体は強い光で覆われる。
「な!?このタイミングで進化?」
「え?え?信くんの血を飲んだからかな?」
「…進化の理由が謎ですね。」
「目が~!目がぁ~!」
「わふ?」
皆が疑問を持つ中、一人だけ悶絶していた人物がいたのだが捨て置かれた。
ソフィアの進化を待っていると、徐々に光は弱くなっていきソフィアの姿がわかるようになった。
「…?特に変わったような点は無いな?」
信之は倒れたソフィアを見るが、特に変わった様子は見受けられなかった。
「う…私、眠っていたの…?」
意識を失っていたソフィアが目を覚ます。
「あ!」
イリスはソフィアの変化に気付いた。
初めに気付いたのはイリスだが、すぐに皆もソフィアの変化に気付く。
…未だに悶絶している人物を除いて。
「角膜の色と瞳孔の形が変わっている…。」
角膜とは黒目の部分だ。
ソフィアは茶色い角膜であったが、進化したことにより黄色くなっていた。
瞳孔については、猫のように縦長の瞳孔となっていた。
「そうなの?…私から見た感覚は何も変わらないわね…。今は気付かないだけで、何かあるのかしら?」
どうやらソフィア自身は視界について今のところ特段大きな変化はないようだ。
「現状目については何もわからずか…。進化したようだが、種族は何か変わったのか?」
「種族は…変わったわね。下級ヴァンパイアに括弧書きが付いたわね…。」
気になった信之は、魔纏の瞳を使用した。
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