お前の辞書に自重って文字を加えてくれないかな！？

番外編

４

　腰が持ち上げられて、熱い切っ先を擦り付けられる。

「旭陽……っ」
「ッァ、あァうっ！」

　白い喉におれの歯形を刻んだ男が、顎先を持ち上げて喉元へ噛み付いてきた。
　晃の指に上向かされた以上に顎が跳ね上がり、全身が大きく震える。

「ぁっ、は、ッンんあ……ッ」
　強く肌を吸い上げられ、どろりと精が零れ落ちる。

「ッぁ、きっ……っひあ！」

　震える舌を動かせば、俺に呼ばれるのが何よりも好きな男が吸い付く力を強めた。
　弱く歯を立てては、何度も朱痕を散らしていく。

「ッゃ、っンあ、ぁ、っはあア……ッ！」

　肌を吸い上げながら顎の下を擽られて、腰が何度も大きく揺れた。
　その度に咥え込ませている指が奥へ押し込まれ、快感に息が詰まる。

　おれの触れ方をなぞってくる晃はかわいいが、もう腹んナカが疼いて堪んねえ……

「ッんぁ……っ」
「っ、旭陽？」

　指を引き抜き、体液を擦り付けてきている逸物に五指を絡める。
　驚きの声を上げた男が指の力を弱め、その分支えられていた腰も沈んだ。

「ッヒ、ぁうっ！」

　指とは比べ物にならない太さの先端が、ずぶりとめり込んできた。
　あ、つい…………っ。
　欲していた熱に、自分の口元が緩むのを感じた。

「……あさひ」

　丁子染がとろりと甘く綻ぶ。
　晃のペニスに触れている指へ、自分でも指を絡めてきた。

「全部、受け入れて……っん、……ッ」
「ッひ、ぁ、んぁっ……ッャ、っンぁあ！　ッァ、んんぅうー……っ」

　おれの指を擽りながら、自ら受け入れることを求めてくる。
　ゆっくりと腰を下ろしていけば、太すぎる質量に抉じ開けられていくのをいつもよりもはっきりと全身に思い知らされた。

　口が閉じられない。
　顎まで伝った唾液がぽたぽたと胸元に落ちてくる。

　涙で霞む視界の中で、微笑む晃がふと顔を沈めた。
　胸元に舌を押し付けられて、ビクリと腰が跳ねる。
　乳首に鋭い牙が押し当てられ、貫かれてもいないのに視界が小さく弾けた。

　体が跳ねた分、自重でずるずると熱を飲み込んでいく。
　悶えるおれの背中を抱いた晃は、引きずり下ろさない代わりに刺激を緩めることもない。
　硬くなった乳首を何度も舌で押し潰しながら、おれが自ら飲み込み切るのを嬉しそうに待っている。

「ッァ、ぁっあクっ……ーーっンぁアあ゛ッ！」

　外もナカも、ゆっくりと押し拡げられていく。
　膨大なのに焦れったい、おかしな快感と絶頂。
　どろどろと精を零しながら浸っていた意識が、突然の激しい絶頂感で一気に引き戻された。

「ッハ、っぁ、ぁ゛ァあ……ッ！」
「ん……っ、全部、挿ったな」
「ッヒぃあっ！」

　奥の行き止まりに、熱い先端が届いている。
　壁を押されているだけで、強い快感が全身を震わせた。
　強く吸い上げてから胸元から顔を上げた晃が、弾んだ声音で囁いておれの唇を舌で拭う。

　正確には、根元までは挿ってねえ。
　だがおれが自力で受け入れられるだけの場所までは咥え込んでいる。

「っぁ、きッら、っふ、ンんぁ……っ！」
「ッあ、さひ、っ？」

　下衣に覆われたままの太腿へ手を突き、ゆっくりと腰を持ち上げていく。
　うまく力が入んねえ。今にも肘が折れそうだ。
　のろのろと腰を上げるおれに、晃が声を上擦らせた。

「ッヒ、っぁ、ぁ゛ッ、ひぅう……っ！」

　答える余裕は流石にねえ。
　緩慢な動きで晃を引き抜いていき、半分近く抜けたところでぐっと唇を噛み締める。
　持ち上げるよりもずっと容易く、また腰を落として怒張を飲み込んでいった。

「ッぁアううっ！　ひッィ゛ああー……っ！」
「ッく……！」

　っあ、出されたら動けなくなるだろ……！
　どくどくと注ぎ込まれてくる精の熱さに、全身が大きく跳ねた。
　仰け反った背中を抱き戻され、脇腹にがぶりと噛み付かれる。

「ッぃ゛アああっ！」
　晃の射精につられてまた吐き出していた体が、メスの絶頂にも陥る。

「んぁっ……！　はぅッ、ァッ、あひっ！」
　深く突き立っている熱にぐるりとナカを掻き混ぜられて、ぼたぼたと涙が零れ落ちた。

「あさひ……」
「ッぁ、きッぃ……ッひャぅッっぁア゛ーーっ！」

　はあ、と晃が熱い吐息を肌に吹きかける。
　限界まで広がりきっているアナルへ、晃の体温が更にめり込んできた。

　内側からぐっと縁を抉じ開けられ、飲み込めていなかった根元まで強引に捩じ込まれる。
　思わぬ刺激に全身がガクンガクンと激しく跳ね上がり、高く潮が吹き上がって頬に数滴飛び散った。

「ッヒ、っィ、ぁ゛、あッ」
「ッ……は、……旭陽、大丈夫か？　痛くないか？」
「ッっひぃ゛いイッ！　っぁ、ああ゛っ！？　ひゃ、ぅうっ！　な、にッ、ぁ゛にして……っ！」

　とんでもない質量だけでいつもイき狂わされてんのに、今は外と中からアナルの縁をぐにぐにと揉まれている。
　何度も視界がばちばちと弾けて、精液も潮も交互に吹き溢れた。

　こッ、れ、晃の指か……！
　結腸抉じ開けられたまま爪で肉襞を引っ掻かれんの、悦すぎて止まんねえ……！

「ッ゛ひゃっ、ァッ、ぁうう！　っぁ゛、ッら、っぁあーッ！」
「っは……良かった、気持ちいいんだな」

　ぐちゃぐちゃに穿って乱してやりたいって目をした晃が、突き上げるのを堪えながら嬉しそうに笑う。

「ッぁぐうう゛っ！」

　跳ね回る腰を引き戻されて、僅かな動きでも胎の奥に響いたおれはまた泣きながらメスの絶頂に陥った。
　どろどろのペニスが互いの腹部で押し潰され、薄くなってきた白濁が噴き出す。

「ッあ゛アーーッッ！！」

　自分の跳ねる動きで、自ら刺激し続けてしまう。
　絶頂し続ける胎にまた熱い奔流が注ぎ込まれ、鋭い爪が肉壁に食い込んだ。