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番外編
キスでイってるとこ、もっと見せて?1
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「晃……」
整った形の眉がいつもよりも少し垂れ、戸惑いを乗せて俺を見る。
鋭い眼光ばかりだった昔からは想像も付かない表情。
でも今では、度々見るようになった顔だ。
「できるだろ?」
頬を包み込み、伸ばした指で目尻をなぞりながら囁いた。
黄金の瞳が俺を見下ろして、目元に力を込める。
一気に険しくなった眦は、いかにも不機嫌といった様子だ。
でもそれが少し拗ねているだけだと、いつも旭陽を見ている俺には分かる。
「お前……どんどん趣味悪くなってきてねえか」
「だってキスだけでとろとろになってる旭陽、えっちで可愛いから。もっと見たい」
耳元で囁いて、耳殻に唇を押し付ける。
ぐっと言葉に詰まった男の顔を覗き込めば、反射的にか唇が引き締められた。
柔らかな唇を舌でなぞる。
何度か繰り返せば、頑なさはすぐに緩んだ。
固く引き結ばれていた場所が、薄らと綻ぶ。
また閉ざされてしまわない内に、舌で強引に唇を割った。
奥へ逃げようとする舌を追い掛け、強引に付け根から絡め取る。
旭陽の舌は、俺のそれよりもざらつきが強めだ。
擦り合わせれば、項に微弱な電流が走った。
ざらざらとした舌腹を擦り付け合いながら、軽く舌全体を吸い上げる。
男の腰が微かに震えた。
「んっ……」
唇の隙間から、微かな吐息が溢れた。
何処か期待が覗いて聞こえるのは、俺の勘違いではないはずだ。
舌の先に僅かな時間だけ吸い付き、根元に歯を押し当てた。
傷付けるつもりはない。淡い刺激となるように、そっと優しく掠めさせるだけだ。
他の場所には触れない。繰り返し、舌の先端と根元だけを刺激する。
「ッん、ぅ……ッ、ふ、……ん……っ」
最初は大人しかった呼吸が、徐々に訝しげな色へと変わっていく。
それでも何度も同じ行為を繰り返していると、焦れた男が角度を変えようとした。
先に顎を掴んで顔を固定し、さっきより少しだけ強く舌先に吸い付く。
「んンっ!」
期待を色濃くした声が、普段よりも高い声となって跳ねた。
それも、俺がまた力を弱めるまでだ。
弱い力で先端だけを吸うと、本格的に焦らされることを悟った旭陽が大きく眉を歪めた。
塞いだ口が、音にならない言葉を発しようと動く。
名前を呼ばれたのだと察しながら、気付かなかったことにして舌腹に歯を当てた。
「ッんぅ!」
離れようとする顔を引き寄せ、自分の舌ごと中央にやわやわと歯を当てていく。
甘く歯を立てる度に、密着した腰がびくびくと震える動きが伝わってきた。
「っぅ、ぅッ、んぅう……っ」
舌を吸うよりも、優しく歯を立てた瞬間のほうが旭陽の口腔に溢れ出す唾液の量が多い。
焦れていた黄金も、噛む回数が重なってくればとろりと甘く解けてきた。
もっと広く噛んで欲しいのか、俺が引き寄せなくても自分から舌を伸ばしてきている。
届く限りの奥まで舌を絡め取り、引き抜こうとしているかのような力で強く吸い上げた。
「ンッんぅぅーっ!」
先端と奥以外の感覚が麻痺してきていた男が、不意に舌全体に刺激を与えられて嬉しそうな声で啼いた。
じゅうじゅうと付け根から吸い上げながら、柔らかな射干玉の中に指を差し入れる。
頭皮に指を擦り付けるようにして撫で、ぐっと力を加えた。
背面から押された頭が顎先を上向かせ、自然と顔の角度が変わる。
キスしやすくなった男の口を、今までよりも更に深く塞いでいった。
「っン゛、ん! ぁっ、まっ……ッく、ぅし……っ」
積極的だった旭陽が、初めて制止を口にしようとした。
はっきりとした言葉が聞こえるよりも先に唇の隙間を埋め、口蓋のでこぼこした部分を舌先でつつく。
「っふ、ぅッ」
嫌がるように跳ねた呼吸が愛らしくて、何度も口蓋に舌を這わせた。
「ふぅっ、ぁっ、ふぁっあンッ……!」
ざらりとした舌は解放しておらず、まだ絡め取ったままだ。
俺と舌を擦り合わせながら、無理矢理自分の口腔を舐め回させられている。
今にも閉じそうに眇められた瞳から、ぼろりと雫が溢れ出した。
頬を伝い落ちていく涙を見つめ、旭陽の舌を巻き添えにして咥内を掻き回していった。
整った形の眉がいつもよりも少し垂れ、戸惑いを乗せて俺を見る。
鋭い眼光ばかりだった昔からは想像も付かない表情。
でも今では、度々見るようになった顔だ。
「できるだろ?」
頬を包み込み、伸ばした指で目尻をなぞりながら囁いた。
黄金の瞳が俺を見下ろして、目元に力を込める。
一気に険しくなった眦は、いかにも不機嫌といった様子だ。
でもそれが少し拗ねているだけだと、いつも旭陽を見ている俺には分かる。
「お前……どんどん趣味悪くなってきてねえか」
「だってキスだけでとろとろになってる旭陽、えっちで可愛いから。もっと見たい」
耳元で囁いて、耳殻に唇を押し付ける。
ぐっと言葉に詰まった男の顔を覗き込めば、反射的にか唇が引き締められた。
柔らかな唇を舌でなぞる。
何度か繰り返せば、頑なさはすぐに緩んだ。
固く引き結ばれていた場所が、薄らと綻ぶ。
また閉ざされてしまわない内に、舌で強引に唇を割った。
奥へ逃げようとする舌を追い掛け、強引に付け根から絡め取る。
旭陽の舌は、俺のそれよりもざらつきが強めだ。
擦り合わせれば、項に微弱な電流が走った。
ざらざらとした舌腹を擦り付け合いながら、軽く舌全体を吸い上げる。
男の腰が微かに震えた。
「んっ……」
唇の隙間から、微かな吐息が溢れた。
何処か期待が覗いて聞こえるのは、俺の勘違いではないはずだ。
舌の先に僅かな時間だけ吸い付き、根元に歯を押し当てた。
傷付けるつもりはない。淡い刺激となるように、そっと優しく掠めさせるだけだ。
他の場所には触れない。繰り返し、舌の先端と根元だけを刺激する。
「ッん、ぅ……ッ、ふ、……ん……っ」
最初は大人しかった呼吸が、徐々に訝しげな色へと変わっていく。
それでも何度も同じ行為を繰り返していると、焦れた男が角度を変えようとした。
先に顎を掴んで顔を固定し、さっきより少しだけ強く舌先に吸い付く。
「んンっ!」
期待を色濃くした声が、普段よりも高い声となって跳ねた。
それも、俺がまた力を弱めるまでだ。
弱い力で先端だけを吸うと、本格的に焦らされることを悟った旭陽が大きく眉を歪めた。
塞いだ口が、音にならない言葉を発しようと動く。
名前を呼ばれたのだと察しながら、気付かなかったことにして舌腹に歯を当てた。
「ッんぅ!」
離れようとする顔を引き寄せ、自分の舌ごと中央にやわやわと歯を当てていく。
甘く歯を立てる度に、密着した腰がびくびくと震える動きが伝わってきた。
「っぅ、ぅッ、んぅう……っ」
舌を吸うよりも、優しく歯を立てた瞬間のほうが旭陽の口腔に溢れ出す唾液の量が多い。
焦れていた黄金も、噛む回数が重なってくればとろりと甘く解けてきた。
もっと広く噛んで欲しいのか、俺が引き寄せなくても自分から舌を伸ばしてきている。
届く限りの奥まで舌を絡め取り、引き抜こうとしているかのような力で強く吸い上げた。
「ンッんぅぅーっ!」
先端と奥以外の感覚が麻痺してきていた男が、不意に舌全体に刺激を与えられて嬉しそうな声で啼いた。
じゅうじゅうと付け根から吸い上げながら、柔らかな射干玉の中に指を差し入れる。
頭皮に指を擦り付けるようにして撫で、ぐっと力を加えた。
背面から押された頭が顎先を上向かせ、自然と顔の角度が変わる。
キスしやすくなった男の口を、今までよりも更に深く塞いでいった。
「っン゛、ん! ぁっ、まっ……ッく、ぅし……っ」
積極的だった旭陽が、初めて制止を口にしようとした。
はっきりとした言葉が聞こえるよりも先に唇の隙間を埋め、口蓋のでこぼこした部分を舌先でつつく。
「っふ、ぅッ」
嫌がるように跳ねた呼吸が愛らしくて、何度も口蓋に舌を這わせた。
「ふぅっ、ぁっ、ふぁっあンッ……!」
ざらりとした舌は解放しておらず、まだ絡め取ったままだ。
俺と舌を擦り合わせながら、無理矢理自分の口腔を舐め回させられている。
今にも閉じそうに眇められた瞳から、ぼろりと雫が溢れ出した。
頬を伝い落ちていく涙を見つめ、旭陽の舌を巻き添えにして咥内を掻き回していった。
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