上 下
37 / 107
暗雲

第35話 つい乗ってしまう

しおりを挟む
 射精した直後の旭陽に構わず、精液を絡めて滑りを良くさせながら互いのペニスをめちゃくちゃに扱いた。

「ッァ、ぁきっ、ッひぃ! まッ、はぅっ、っんああ! っ、ッ゛ま、だっ、むり、ッィあ……っ!」

 ずり上がろうとする腰に体重をかけて止め、どろどろになっているであろう鈴口に旭陽自身の掌を押し付けさせる。
 直接触れるのが一番楽しいが、その気がない相手自身に無理に扱かせるのも案外悪くない。
 絶頂直後で触れて欲しくない場所を、自分の手で刺激させられるのってどんな気分なんだろうな。

 想像してみると、俺もイきそうになるほど興奮が高まる。
 一緒に扱いている俺のモノも旭陽と同じくらい震えて、その動きを感じた男がまたどろりと指を濡らした。

「ッあ、ああっ! はっ、ぁ、き、ッあきらぁ……っ!」
「っは、ッ旭、陽、……っ!」

 俺の腰から旭陽の腕が離れて、首筋に回ってくる。

 辛そうに涙を溢れさせているのに、強引に扱かせている手を引き剥がそうとはしてこない。
 震える唇が口端に押し付けられて、力が入っていない歯を立てられた。

 ――嫌がって噛み付いてきたというよりは、誘われているような。
 褒美、という旭陽の声がふと脳裏に甦った。

「ッア、ぁ゛ああっ!? ひっぃんッ! ァッ、あっ、ッゃ゛、~~~っッ……!!」

 陰嚢から手を離して、俺と旭陽の先走りが伝っている秘口へ指を押し込んだ。
 まだ掻き出していなかった俺の精液が、ごぼりと重たい音を立ててナカから溢れ出す。
 悲鳴を迸らせた唇に噛み付き、舌に吸い付きながら精を零す鈴口を旭陽の手で擦り続けた。

「ッあ゛きっらッァアッ! ヒぐっ、ぅ゛ぅーっ!」
「っあさ、ひ、きもちいっ? もっと、イけよ、っ! 褒美ッ、くれるんだろ……っ」

 旭陽が目を見開いて体を跳ねさせる度に、一気に三本押し込んだ指で前立腺を押し潰す。

「ッち、がっ、ッぁヒっ! イ、っァぐ! ッぁ、あっあ゛! ッも゛、ずっ、とイ、――~~っひァあアアあッッ!!」

 何かを否定しかけた旭陽が、小刻みに頭を振って俺の首に強く抱き縋ってきた。
 がくがくと褐色の体が大きく痙攣して、透明の液体を自分の掌に噴き出す。
 さらさらとした感触が、俺の指も大量に濡らした。

 構わずにまだ手を動かそうとする。
 だが、首筋に微かな啜り泣きが触れれば咄嗟に動きが止まってしまった。
 指も止めたことで、ずっと下から響き続けていた水音が止まる。

「っか……ッひ、ぅ゛、ゥッ、っぁ……、ら……ッぁ、……」

 そこでやっと、旭陽の呼吸が途切れがちになっていたことに気付いた。

 …………しまった。今日、合計何時間ヤってるんだ。

 いつもみたいに強制的に発情させられてるならともかく、普通の状態でこれは流石に苦痛のほうが勝るか。
 旭陽から仕掛けられたとはいえ、俺のペースだと負担が大きすぎる。
 ついさっき、反応が消える寸前まで追い込んだばかりの体だということが頭から抜けていた。

 朝まで抱き潰して、昼も散々抱いて。さっき転寝した以外、今日は睡眠すら碌に取ってないんだった。
 魔王の体を持つ俺は平気でも、人間である上に抱かれる側の旭陽は別だろう。
 というか、よく自分から仕掛けてくるだけの元気があったな……?

 反省して、旭陽の中から指を抜く。びくりと震えた頭をそっと撫でた。

「っぁ゛、ぅ、ぁ゛、っ……き……ぃ……」

 ゆっくりと頭が持ち上がって、震える唇で名前を呼ばれる。
 開いた口腔の中で、真っ赤な舌がぶるぶると痙攣しているのが見えた。
 僅かに後頭部がソファから離れ、濡れた頬が手に押し付けられる。

「悪い……調子に乗った」

 素直に謝ると、目を赤くした旭陽が眉を寄せた。

「ッ゛……、……ば……ぁか……」

 シンプルに罵倒された。

 でもまた擦り寄ってくる頬からして、怒っているわけではなさそうだ。
 手を添えて口付ければ、旭陽の側から舌が絡まってきた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【本編完結済】悪役令息に転生したので死なないよう立ち回り始めたが何故か攻略対象達に執着されるように

なつさ
BL
前世でプレイしていたBLゲーム世界に転生。よりによって残忍な殺され方をする悪役令息『エヴァ・ヴィリエ』になってしまった!逃げようとするが突然現れた妖精に物語をねじ曲げると殺されると脅されてしまう。当初の悪役令息を演じつつも上手いこと逃げる準備をしていたのだが段々攻略対象達の様子がおかしくなってきて・・・あれ、もしかして逃げられない? 表紙の文字のレイアウト&デザインは66様(@YSuDddQacltKeyA)ありがたきです...!

日乃本 義(ひのもと ただし)に手を出すな ―第二皇子の婚約者選定会―

ういの
BL
日乃本帝国。日本によく似たこの国には爵位制度があり、同性婚が認められている。 ある日、片田舎の男爵華族・柊(ひいらぎ)家は、一通の手紙が原因で揉めに揉めていた。 それは、間もなく成人を迎える第二皇子・日乃本 義(ひのもと ただし)の、婚約者選定に係る招待状だった。 参加資格は十五歳から十九歳までの健康な子女、一名。 日乃本家で最も才貌両全と名高い第二皇子からのプラチナチケットを前に、十七歳の長女・木綿子(ゆうこ)は哀しみに暮れていた。木綿子には、幼い頃から恋い慕う、平民の想い人が居た。 「子女の『子』は、息子って意味だろ。ならば、俺が行っても問題ないよな?」 常識的に考えて、木綿子に宛てられたその招待状を片手に声を挙げたのは、彼女の心情を慮った十九歳の次男・柾彦(まさひこ)だった。 現代日本風ローファンタジーです。 ※9/17 少し改題&完結致しました。 当初の予定通り3万字程度で終われました。 ※ 小説初心者です。設定ふわふわですが、細かい事は気にせずお読み頂けるとうれしいです。 ※続きの構想はありますが、漫画の読み切りみたいな感じで短めに終わる予定です。 ※ハート、お気に入り登録ありがとうございます。誤字脱字、感想等ございましたらぜひコメント頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。

【R18】ファンタジー陵辱エロゲ世界にTS転生してしまった狐娘の冒険譚

みやび
ファンタジー
エロゲの世界に転生してしまった狐娘ちゃんが犯されたり犯されたりする話。

【完結】水と夢の中の太陽

エウラ
BL
何の前触れもなく異世界の神という存在に異世界転移された、遠藤虹妃。 神が言うには、本来ならこちらの世界で生きるはずが、まれに起こる時空の歪みに巻き込まれて、生まれて間もなく地球に飛ばされたそう。 この世界に戻ったからといって特に使命はなく、神曰く運命を正しただけと。 生まれ持った能力とお詫びの加護を貰って。剣と魔法の世界で目指せスローライフ。 ヤマなしオチなし意味なしで、ほのぼの系を予定。(しかし予定は未定) 長くなりそうなので長編に切り替えます。 今後ややR18な場面が出るかも。どこら辺の描写からアウトなのかちょっと微妙なので、念の為。 読んで下さってありがとうございます。 お気に入り登録嬉しいです。 行き当たりばったり、不定期更新。 一応完結。後日談的なのを何話か投稿予定なのでまだ「連載中」です。 後日譚終わり、完結にしました。 読んで下さってありがとうございます。

自称ヒロインに「あなたはモブよ!」と言われましたが、私はモブで構いません!!

ゆずこしょう
恋愛
ティアナ・ノヴァ(15)には1人の変わった友人がいる。 ニーナ・ルルー同じ年で小さい頃からわたしの後ろばかり追ってくる、少しめんどくさい赤毛の少女だ。 そしていつも去り際に一言。 「私はヒロインなの!あなたはモブよ!」 ティアナは思う。 別に物語じゃないのだし、モブでいいのではないだろうか… そんな一言を言われるのにも飽きてきたので私は学院生活の3年間ニーナから隠れ切ることに決めた。

婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた

cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。 お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。 婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。 過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。 ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。 婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。 明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。 「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。 そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。 茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。 幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。 「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?! ★↑例の如く恐ろしく省略してます。 ★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。 ★コメントの返信は遅いです。 ★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。 ♡注意事項~この話を読む前に~♡ ※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。 ※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。 ※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。 ※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります) ※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。 ※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません

幸せにするので俺の○○になってください!

田舎
BL
異世界転生で盗賊団の頭になっちゃった主人公(攻)が 自分の部下に捕まった猫科の獣人君に一目惚れ! 無傷で彼を助けるため(もとい嫁にしたくて)奴隷にしてしまった…!? 一目惚れ執着攻め×強気受け(猫科獣人※ほぼヒト) 基本攻め目線です。 ※無理矢理(複数×受け含む)の性交有り。 受けが攻めに一目惚れされてから不憫に拍車がかかりますが愛はあります。(一方的な)

悪役令息上等です。悪の華は可憐に咲き誇る

竜鳴躍
BL
異性間でも子どもが産まれにくくなった世界。 子どもは魔法の力を借りて同性間でも産めるようになったため、性別に関係なく結婚するようになった世界。 ファーマ王国のアレン=ファーメット公爵令息は、白銀に近い髪に真っ赤な瞳、真っ白な肌を持つ。 神秘的で美しい姿に王子に見初められた彼は公爵家の長男でありながら唯一の王子の婚約者に選ばれてしまった。どこに行くにも欠かせない大きな日傘。日に焼けると爛れてしまいかねない皮膚。 公爵家は両親とも黒髪黒目であるが、彼一人が色が違う。 それは彼が全てアルビノだったからなのに、成長した教養のない王子は、アレンを魔女扱いした上、聖女らしき男爵令嬢に現を抜かして婚約破棄の上スラム街に追放してしまう。 だが、王子は知らない。 アレンにも王位継承権があることを。 従者を一人連れてスラムに行ったアレンは、イケメンでスパダリな従者に溺愛されながらスラムを改革していって……!? *誤字報告ありがとうございます! *カエサル=プレート 修正しました。

処理中です...