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決戦の舞踏会
16.アルヴィン8
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アルヴィン視点です。時系列的には49話妖精の道2からになります。
********************************
妖精の道を通り、南部にたどり着いたアルヴィンは空を見上げ、ニヤリと笑った。
既に秋の気配が濃厚で朝晩は冷え込み始めたゴーランと比べ、南部は秋が始まったばかりのように暖かい。季節は一ヶ月は違うように感じた。
アルヴィンは心地よい風を頬に受け、呟いた。
「間に合いそうだな」
側近はその顔を見て、「あ、儲け話を見つけたな」とアルヴィンのご機嫌を察した。
ダンジョン経営はとびきり儲かるが、南部にはそれより良い物がある。
小麦栽培に適した肥沃な農地である。
ここ、南部ルミノーは国一番の穀物地帯である。
ゴーランでは二週間前に終わった秋の小麦の種まきだが、ルミノーの秋まきは通常なら今が最盛期だ。
だが農民が戦争にかり出され、多くの農地は放棄されている。
アルヴィンは昨日のうちに大急ぎで近隣の農民に助力を願った。
今種をまけば、秋まきに間に合うかもしれない。
小麦は不思議な植物で、ある程度寒くないと穂を出さない。だから秋が種まきのシーズンである。
そして翌年の晩春に収穫となる。
ゴーランは森林が多く、小麦の生産に向く農地が少ないので、自領の生産ではまかないきれず、小麦を買う立場だった。
南部から購入出来れば、ゴーランとしても大変助かるのだ。
また、時期が良かった。
ゴーランでは農繁期が終わった直後で農民達も余裕がある。協力を仰ぐと皆、快く農具片手に南部へ向かった。
冬に向けてやらねばならないことは多いが、農民にとっては種まきが出来ない以上に悲しいことはない。
農民達は妖精の道を通ることもいとわなかった。
ゴーランでは妖精の手助けをすると、良いことが起こると語り継がれている。
義理堅く善良な妖精達は恩には必ず報いてくれるのだ。
その言い伝え通りに、その年、妖精の道を通った馬や牛達は病気一つせずに春を迎えた。
***
その後のアルヴィンはかなり忙しく過ごした。
ロママイ国から戻ったと思えば、すぐにフィリップ王太子と共にゴーラン軍を率い、王都に向かうことになった。
ここで王太子を放り出すわけにはいかないので、もちろんそれに異論はない。
運が良ければ、吠え面をかく王妃と宰相を特等席で見ることが出来る。
ゴーランへの帰還は、ギール家の終焉を見届けてからになるだろう。
だが、アルヴィン、二十八歳。
つい数年前まで平気だったことが出来なくなる年齢である。
王太子軍は道中、土地の領主の屋敷に泊まる。
二千人の軍隊が泊まれる場所を用意出来るのは領主だけで、王太子をもてなすのは領主にとって大変な名誉だからだ。
今夜の宿となるさる男爵の屋敷にたどり着いて、とりあえずの仕事を片付けたアルヴィンは強い疲労を感じた。
「デニス、少し外す。三十分したら戻る」
そうデニスに告げて、アルヴィンは姿を消した。
十五分だけ寝たいと、アルヴィンは男爵の屋敷の裏側で見つけた倉庫の中に潜り込んだ。
座るのにちょうどいいサイズの大きな木箱を見つけたので、その上に這い上がり、壁に背を預け、うつらうつらと眠り込む。
一人になりたいのと、短時間ならこうした場所の方がよく眠れるのでアルヴィンは好んで人気のないどこかの片隅で仮眠をとる。
「ん……?」
小さな話し声でアルヴィンは目を覚ました。
「だから王子様は夜のえーと、ばんさいかい?に来ないで欲しいの」
王子?
アルヴィンはハッと耳をそばだてる。
『ばんさいかい』は、夕刻に予定している男爵との晩餐会のことだろう。
アルヴィンのいる場所からは姿は見えず、声しか聞こえないが、小さな女の子のようだ。
「あなたって王子様と一緒に来たのでしょう?彼の友達でしょう?」
「王子様は友達じゃないぞ。友達の友達だ」
アルヴィンは答えた声に聞き覚えがあった。
リーディアの家のブラウニーだ。
死を予言する妖精バンシーが心配なのか、王都までは行かないが近くまでは一緒に行くと言い張って同行している。
「それってようするに友達よね。お願い、助けてよ。このままだと奥方様が王子様を殺しちゃう!」
女の子は悲鳴のような声を上げた。
「どういうことだ?」
アルヴィンは二匹の妖精の前に姿を現した。
見慣れたブラウニーと、リーディアの家のブラウニーより二回り小さい少女のようなブラウニーがそこに立っていた。
小さなブラウニーは突然現れたアルヴィンに飛び上がるくらい驚いた。
「えっ、人間がいる!気づかなかった!」
「こいつ、気配を消すのが上手いんだよ」
とブラウニーが説明した。
「それより君、この家のブラウニーか?奥方がなんだって?」
小さなブラウニーはアルヴィンの問いかけにためらった。
彼らはとても警戒心が強いのだ。
だが意を決したように顔を上げ、アルヴィンに訴えた。
「奥方様と領主様は脅されてるの。お子様が誘拐され、無事に返す代わりに王子様のスープに毒を入れろって」
そう聞くとアルヴィンには心当たりがあった。
出迎えた男爵の顔色はとても悪かった。そういえば、奥方の姿を見ていない。
「領主様は『たとえ子供が殺されてもそんなことは出来ない』って言ってるわ。反対した奥方様は今、屋敷の奥に閉じ込められている。でも召使いがきっと奥方様を出しちゃうわ。だってそいつがお子様を誘拐したんだもの!お願い、お子様を助けて!」
アルヴィンは一も二もなく頷いた。
「よし、分かった。君、領主の子供の行方に心当たりは?」
小さなブラウニーは目を輝かしてアルヴィンを見つめる。
「助けてくれるの?ええ、分かるわ。仲間が後を追っているのよ。お願い!赤ちゃんはとても小さくて早く助けないと死んでしまうわ」
「赤ん坊なのか……」
そりゃ、奥方も半狂乱になるだろう。とアルヴィンは思った。
王妃派の仕業だろう。
相変わらず、人の弱みを突くのが上手い。
「必ず助ける。居所を教えてくれ」
アルヴィンはブラウニー達の助けを得て、デニス達に指示を出し、無事に男爵家の赤ん坊を取り戻した。
奥方と男爵が泣いて喜んだのは言うまでもない。
一番の功労者である妖精達にはたくさんのご馳走が振る舞われ、そしてこれからも窓辺に一杯のミルクが贈られ続ける。
多分、赤ん坊が大人になった後もそれは、ずっと。
一件が無事に済んで、アルヴィンはチラリとブラウニーを見る。
こいつ、分かっていて、俺の前で話をしたな。
さっと姿を消そうとしたブラウニーにアルヴィンはあわてて呼びかけた。
「おい、さっきみたいなことがあれば、また知らせてくれ」
アルヴィンはそうブラウニーに頼んだ。
「王妃達は人の弱みにつけ込むのが上手い。罪を犯す奴らが悪いのは確かだが、皆あいつらにはめられている。あいつらは犯さなくてもいい罪を作っている」
アルヴィンはそれが我慢ならない。
元から王妃達には嫌悪しかないアルヴィンだったが、さらに嫌いになった。
アルヴィンは猛烈に怒っている。
あいつら、人をなんだと思っている?
ブラウニーは「分かった」と答えた。
「でも、妖精はよそ者には冷たいんだ。俺には何も話さない奴の方が多いぞ。それに人間に協力したい妖精も少ない」
ブラウニーは素っ気なくそう言った。
アルヴィンは頷いた。
「それでいい」
アルヴィンだって、世の中出来ないことの方が多いのは分かっている。
ブラウニーの協力で半分くらいの事件は未然に防ぎ、翌日には王都に着くという夜、ブラウニーがアルヴィンの前にひょっこり顔を出した。
「先に帰る」
彼は帰還の挨拶に来た。
「おう、ウル達によろしく」
とアルヴィンが伝言を頼むと、
「いいか、リーディアとノアと青いののことは絶対守れよ」
そうブラウニーは言い残して、姿を消した。
「責任重大だな」
アルヴィンが一人、そうごちると、消えたと思ったブラウニーが姿を見せる。
「それからお前も無事に帰ってこい」
それだけ言うとブラウニーは本当に姿を消した。
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妖精の道を通り、南部にたどり着いたアルヴィンは空を見上げ、ニヤリと笑った。
既に秋の気配が濃厚で朝晩は冷え込み始めたゴーランと比べ、南部は秋が始まったばかりのように暖かい。季節は一ヶ月は違うように感じた。
アルヴィンは心地よい風を頬に受け、呟いた。
「間に合いそうだな」
側近はその顔を見て、「あ、儲け話を見つけたな」とアルヴィンのご機嫌を察した。
ダンジョン経営はとびきり儲かるが、南部にはそれより良い物がある。
小麦栽培に適した肥沃な農地である。
ここ、南部ルミノーは国一番の穀物地帯である。
ゴーランでは二週間前に終わった秋の小麦の種まきだが、ルミノーの秋まきは通常なら今が最盛期だ。
だが農民が戦争にかり出され、多くの農地は放棄されている。
アルヴィンは昨日のうちに大急ぎで近隣の農民に助力を願った。
今種をまけば、秋まきに間に合うかもしれない。
小麦は不思議な植物で、ある程度寒くないと穂を出さない。だから秋が種まきのシーズンである。
そして翌年の晩春に収穫となる。
ゴーランは森林が多く、小麦の生産に向く農地が少ないので、自領の生産ではまかないきれず、小麦を買う立場だった。
南部から購入出来れば、ゴーランとしても大変助かるのだ。
また、時期が良かった。
ゴーランでは農繁期が終わった直後で農民達も余裕がある。協力を仰ぐと皆、快く農具片手に南部へ向かった。
冬に向けてやらねばならないことは多いが、農民にとっては種まきが出来ない以上に悲しいことはない。
農民達は妖精の道を通ることもいとわなかった。
ゴーランでは妖精の手助けをすると、良いことが起こると語り継がれている。
義理堅く善良な妖精達は恩には必ず報いてくれるのだ。
その言い伝え通りに、その年、妖精の道を通った馬や牛達は病気一つせずに春を迎えた。
***
その後のアルヴィンはかなり忙しく過ごした。
ロママイ国から戻ったと思えば、すぐにフィリップ王太子と共にゴーラン軍を率い、王都に向かうことになった。
ここで王太子を放り出すわけにはいかないので、もちろんそれに異論はない。
運が良ければ、吠え面をかく王妃と宰相を特等席で見ることが出来る。
ゴーランへの帰還は、ギール家の終焉を見届けてからになるだろう。
だが、アルヴィン、二十八歳。
つい数年前まで平気だったことが出来なくなる年齢である。
王太子軍は道中、土地の領主の屋敷に泊まる。
二千人の軍隊が泊まれる場所を用意出来るのは領主だけで、王太子をもてなすのは領主にとって大変な名誉だからだ。
今夜の宿となるさる男爵の屋敷にたどり着いて、とりあえずの仕事を片付けたアルヴィンは強い疲労を感じた。
「デニス、少し外す。三十分したら戻る」
そうデニスに告げて、アルヴィンは姿を消した。
十五分だけ寝たいと、アルヴィンは男爵の屋敷の裏側で見つけた倉庫の中に潜り込んだ。
座るのにちょうどいいサイズの大きな木箱を見つけたので、その上に這い上がり、壁に背を預け、うつらうつらと眠り込む。
一人になりたいのと、短時間ならこうした場所の方がよく眠れるのでアルヴィンは好んで人気のないどこかの片隅で仮眠をとる。
「ん……?」
小さな話し声でアルヴィンは目を覚ました。
「だから王子様は夜のえーと、ばんさいかい?に来ないで欲しいの」
王子?
アルヴィンはハッと耳をそばだてる。
『ばんさいかい』は、夕刻に予定している男爵との晩餐会のことだろう。
アルヴィンのいる場所からは姿は見えず、声しか聞こえないが、小さな女の子のようだ。
「あなたって王子様と一緒に来たのでしょう?彼の友達でしょう?」
「王子様は友達じゃないぞ。友達の友達だ」
アルヴィンは答えた声に聞き覚えがあった。
リーディアの家のブラウニーだ。
死を予言する妖精バンシーが心配なのか、王都までは行かないが近くまでは一緒に行くと言い張って同行している。
「それってようするに友達よね。お願い、助けてよ。このままだと奥方様が王子様を殺しちゃう!」
女の子は悲鳴のような声を上げた。
「どういうことだ?」
アルヴィンは二匹の妖精の前に姿を現した。
見慣れたブラウニーと、リーディアの家のブラウニーより二回り小さい少女のようなブラウニーがそこに立っていた。
小さなブラウニーは突然現れたアルヴィンに飛び上がるくらい驚いた。
「えっ、人間がいる!気づかなかった!」
「こいつ、気配を消すのが上手いんだよ」
とブラウニーが説明した。
「それより君、この家のブラウニーか?奥方がなんだって?」
小さなブラウニーはアルヴィンの問いかけにためらった。
彼らはとても警戒心が強いのだ。
だが意を決したように顔を上げ、アルヴィンに訴えた。
「奥方様と領主様は脅されてるの。お子様が誘拐され、無事に返す代わりに王子様のスープに毒を入れろって」
そう聞くとアルヴィンには心当たりがあった。
出迎えた男爵の顔色はとても悪かった。そういえば、奥方の姿を見ていない。
「領主様は『たとえ子供が殺されてもそんなことは出来ない』って言ってるわ。反対した奥方様は今、屋敷の奥に閉じ込められている。でも召使いがきっと奥方様を出しちゃうわ。だってそいつがお子様を誘拐したんだもの!お願い、お子様を助けて!」
アルヴィンは一も二もなく頷いた。
「よし、分かった。君、領主の子供の行方に心当たりは?」
小さなブラウニーは目を輝かしてアルヴィンを見つめる。
「助けてくれるの?ええ、分かるわ。仲間が後を追っているのよ。お願い!赤ちゃんはとても小さくて早く助けないと死んでしまうわ」
「赤ん坊なのか……」
そりゃ、奥方も半狂乱になるだろう。とアルヴィンは思った。
王妃派の仕業だろう。
相変わらず、人の弱みを突くのが上手い。
「必ず助ける。居所を教えてくれ」
アルヴィンはブラウニー達の助けを得て、デニス達に指示を出し、無事に男爵家の赤ん坊を取り戻した。
奥方と男爵が泣いて喜んだのは言うまでもない。
一番の功労者である妖精達にはたくさんのご馳走が振る舞われ、そしてこれからも窓辺に一杯のミルクが贈られ続ける。
多分、赤ん坊が大人になった後もそれは、ずっと。
一件が無事に済んで、アルヴィンはチラリとブラウニーを見る。
こいつ、分かっていて、俺の前で話をしたな。
さっと姿を消そうとしたブラウニーにアルヴィンはあわてて呼びかけた。
「おい、さっきみたいなことがあれば、また知らせてくれ」
アルヴィンはそうブラウニーに頼んだ。
「王妃達は人の弱みにつけ込むのが上手い。罪を犯す奴らが悪いのは確かだが、皆あいつらにはめられている。あいつらは犯さなくてもいい罪を作っている」
アルヴィンはそれが我慢ならない。
元から王妃達には嫌悪しかないアルヴィンだったが、さらに嫌いになった。
アルヴィンは猛烈に怒っている。
あいつら、人をなんだと思っている?
ブラウニーは「分かった」と答えた。
「でも、妖精はよそ者には冷たいんだ。俺には何も話さない奴の方が多いぞ。それに人間に協力したい妖精も少ない」
ブラウニーは素っ気なくそう言った。
アルヴィンは頷いた。
「それでいい」
アルヴィンだって、世の中出来ないことの方が多いのは分かっている。
ブラウニーの協力で半分くらいの事件は未然に防ぎ、翌日には王都に着くという夜、ブラウニーがアルヴィンの前にひょっこり顔を出した。
「先に帰る」
彼は帰還の挨拶に来た。
「おう、ウル達によろしく」
とアルヴィンが伝言を頼むと、
「いいか、リーディアとノアと青いののことは絶対守れよ」
そうブラウニーは言い残して、姿を消した。
「責任重大だな」
アルヴィンが一人、そうごちると、消えたと思ったブラウニーが姿を見せる。
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