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「リナ様、そろそろお昼の時間ですがお食事はいかがなさいますか?」
おっと、もうそんな時間か。本に集中しすぎてあっという間だったな。確かに私のポッコリお腹からキュルルルと可愛らしい虫の音が聞こえる。
「お腹すいた。」
「こちらで召し上がるようでしたら持って参りますが。」
「ここで?うーん、落ち着かないかも。別の部屋で食べたい。」
「では魔王様に聞いてみましょうね。」
「うん。」
私は本を読むのをやめ、レオに向き直った。謁見が終わったタイミングで話しかけてみよう。
「リナ。」
「はい。」
「こっちに来い。」
タイミングを見計らうためレオを見つめていたからか、謁見の合間にレオから声をかけてくれた。
「何か用か。」
「お腹が空いた。」
「餌を食べろ。」
「他の部屋に行っていい?ここじゃ落ち着かなくて食べられないよ。」
「…ふむ。」
レオは私の首元をじっと見ると、パチンと指を鳴らした。心なしか首輪が熱を持ったような気がするが、すぐにおさまった。首輪に何か魔法をかけたんだろうか。
「隣に休憩室がある。そこで食べろ。」
「ありがとう!」
私はミーアに抱っこされ、謁見室を後にした。知らない人達からの好奇や嫌悪の視線を受け続けて、私の精神力はもう底をついている。のんびり時間をかけてご飯を食べて、そのまましばらく休憩しよう。
「お食事を持って参りますね。こちらで少々お待ちください。お部屋の外に出てはなりませんよ。」
「分かった。」
ミーアは私をソファに座らせると、部屋を出て行った。10分くらいで戻ってくるだろう。私は背もたれに寄りかかり、ふうと大きく息を吐いた。あまり一人になる事もないから、こういう時間は貴重だ。私は久方ぶりのお一人さまを満喫した。
ミーアが部屋を出て数分経っただろうか。部屋の扉がガチャリと開いた。ミーア早い、短い一人時間だった。そう思って扉の方を向くと、そこに立っていたのはミーアではなかった。
「あら、人間臭いと思ったらお前でしたの。」
「えっと…」
部屋にズカズカと入ってきたのは、キール侯爵の娘だった。謁見一人目にして早々に私に殺気を飛ばしてきた、人間踏み潰す系魔族だ。ここにはレオもミーアもいない。か弱い私一人だ。これはまずいんじゃないかな。
「お前のような劣等種族が魔王様のお膝に座るだなんて身の程を弁えなさい!」
「…」
「お前がいなければ今頃魔王様は私の美しさに夢中になっていたはずなのに!」
いや、それはないと思うけど。でも怖いから余計なことは言わない。さっきから殺気がすごいんだよ。一言でも喋ったら殺されそう。あ、洒落じゃないよ。ミーア早く帰ってきて。
「聞いてますの!?」
「あ、あの…」
「その汚い口を開くな!」
「…」
じゃあどうしろと?ヒステリーは魔族にもあるらしい。こういう時は黙って神妙な顔をして、嵐が過ぎ去るのを待つしかない。
「生意気な人間ね。魔王様に可愛がられているなんて勘違いしていい気になって。あのお方は何にも興味を示さないの。お前を飼い始めたのもただの気紛れよ。お前が死ねば、すぐに興味を失うわ。」
「…」
「何か言ったらどうなの!」
「…」
さっき口を開くなって言ったじゃん!これ私このまま殺されそうだな…短いニート生活だった。どうせこのまま死ぬのなら、なんの未練もないように、やってみたかったことをやってみよう。
そう、魔法だ。さっきの本が正しければ、私には魔力があるはずだ。そして光魔法が使える。狼に襲われた時に使おうとした魔法は四大属性を意識したものだったから発動しなかったんだ。光属性の魔法はいくつか本に書いてあってミーアが読み上げてくれたから名前だけは知っている。あとは私のイメージ力次第だ、多分。
丁度良いタイミングで女が手を振り上げた。私は呪文を唱えてみた。
「『ライトシールド』!」
すると目の前に光の盾が現れ、女のビンタを防いで砕け散った。え?ビンタ一発で砕けるの?ビンタ強すぎない?それとも私の魔法が弱すぎるの?でも魔法は発動した。これで私は本当に異世界から来た勇者系だったことが判明したんだ。まあ、その発見は死を目前になんの意味も持たないけど。ほら見てよあのリアル般若みたいな顔を。南無。アーメン。
「お、お前…!勇者の末裔か…!?忌々しい、今すぐ捻り殺してくれる!」
女の手がビキビキと変形して、鋭い爪が伸びてきた。わあ、魔族っぽい。殺すならせめて一思いに、痛さを感じる間もなくやってください。私はもう諦めの境地にいた。
女が爪を一纏めにして私に向かって突き出す。引き裂くんじゃなくて貫く感じか。私は覚悟を決めて、でも直視するのは怖いので目を瞑った。
ガキィン
硬い金属音がしたと思ったら、フワリと誰かに抱きかかえられた。何が起こったんだろうと、そろりと片目を開けてみると、目の前にはレオの姿が。キョロキョロと周りを見渡してみると、どうやらここは謁見の間のようだった。いつの間に?
レオは黒いシールドで女の攻撃を防いだようだ。女は突然場所が変わったこと、魔王に攻撃をしてしまった事で頭がパンクしたようで攻撃を弾かれた姿勢から動けないでいた。
「ふむ…やはり何か起きたか。」
「えっ」
「いつか誰かが手を出すだろうなと思っていたが、まさか一人にした途端に起きるとは。」
「えっ」
「さて…俺のペットに牙を剥いた罪、どう償ってもらおうか。」
「あ、ああ…ま、魔法様。」
レオがパチンと指を鳴らすと、女が来ていたセクシーでゴージャスなドレスがパァンと弾け散った。
「キ、キャアア!!」
おっと、もうそんな時間か。本に集中しすぎてあっという間だったな。確かに私のポッコリお腹からキュルルルと可愛らしい虫の音が聞こえる。
「お腹すいた。」
「こちらで召し上がるようでしたら持って参りますが。」
「ここで?うーん、落ち着かないかも。別の部屋で食べたい。」
「では魔王様に聞いてみましょうね。」
「うん。」
私は本を読むのをやめ、レオに向き直った。謁見が終わったタイミングで話しかけてみよう。
「リナ。」
「はい。」
「こっちに来い。」
タイミングを見計らうためレオを見つめていたからか、謁見の合間にレオから声をかけてくれた。
「何か用か。」
「お腹が空いた。」
「餌を食べろ。」
「他の部屋に行っていい?ここじゃ落ち着かなくて食べられないよ。」
「…ふむ。」
レオは私の首元をじっと見ると、パチンと指を鳴らした。心なしか首輪が熱を持ったような気がするが、すぐにおさまった。首輪に何か魔法をかけたんだろうか。
「隣に休憩室がある。そこで食べろ。」
「ありがとう!」
私はミーアに抱っこされ、謁見室を後にした。知らない人達からの好奇や嫌悪の視線を受け続けて、私の精神力はもう底をついている。のんびり時間をかけてご飯を食べて、そのまましばらく休憩しよう。
「お食事を持って参りますね。こちらで少々お待ちください。お部屋の外に出てはなりませんよ。」
「分かった。」
ミーアは私をソファに座らせると、部屋を出て行った。10分くらいで戻ってくるだろう。私は背もたれに寄りかかり、ふうと大きく息を吐いた。あまり一人になる事もないから、こういう時間は貴重だ。私は久方ぶりのお一人さまを満喫した。
ミーアが部屋を出て数分経っただろうか。部屋の扉がガチャリと開いた。ミーア早い、短い一人時間だった。そう思って扉の方を向くと、そこに立っていたのはミーアではなかった。
「あら、人間臭いと思ったらお前でしたの。」
「えっと…」
部屋にズカズカと入ってきたのは、キール侯爵の娘だった。謁見一人目にして早々に私に殺気を飛ばしてきた、人間踏み潰す系魔族だ。ここにはレオもミーアもいない。か弱い私一人だ。これはまずいんじゃないかな。
「お前のような劣等種族が魔王様のお膝に座るだなんて身の程を弁えなさい!」
「…」
「お前がいなければ今頃魔王様は私の美しさに夢中になっていたはずなのに!」
いや、それはないと思うけど。でも怖いから余計なことは言わない。さっきから殺気がすごいんだよ。一言でも喋ったら殺されそう。あ、洒落じゃないよ。ミーア早く帰ってきて。
「聞いてますの!?」
「あ、あの…」
「その汚い口を開くな!」
「…」
じゃあどうしろと?ヒステリーは魔族にもあるらしい。こういう時は黙って神妙な顔をして、嵐が過ぎ去るのを待つしかない。
「生意気な人間ね。魔王様に可愛がられているなんて勘違いしていい気になって。あのお方は何にも興味を示さないの。お前を飼い始めたのもただの気紛れよ。お前が死ねば、すぐに興味を失うわ。」
「…」
「何か言ったらどうなの!」
「…」
さっき口を開くなって言ったじゃん!これ私このまま殺されそうだな…短いニート生活だった。どうせこのまま死ぬのなら、なんの未練もないように、やってみたかったことをやってみよう。
そう、魔法だ。さっきの本が正しければ、私には魔力があるはずだ。そして光魔法が使える。狼に襲われた時に使おうとした魔法は四大属性を意識したものだったから発動しなかったんだ。光属性の魔法はいくつか本に書いてあってミーアが読み上げてくれたから名前だけは知っている。あとは私のイメージ力次第だ、多分。
丁度良いタイミングで女が手を振り上げた。私は呪文を唱えてみた。
「『ライトシールド』!」
すると目の前に光の盾が現れ、女のビンタを防いで砕け散った。え?ビンタ一発で砕けるの?ビンタ強すぎない?それとも私の魔法が弱すぎるの?でも魔法は発動した。これで私は本当に異世界から来た勇者系だったことが判明したんだ。まあ、その発見は死を目前になんの意味も持たないけど。ほら見てよあのリアル般若みたいな顔を。南無。アーメン。
「お、お前…!勇者の末裔か…!?忌々しい、今すぐ捻り殺してくれる!」
女の手がビキビキと変形して、鋭い爪が伸びてきた。わあ、魔族っぽい。殺すならせめて一思いに、痛さを感じる間もなくやってください。私はもう諦めの境地にいた。
女が爪を一纏めにして私に向かって突き出す。引き裂くんじゃなくて貫く感じか。私は覚悟を決めて、でも直視するのは怖いので目を瞑った。
ガキィン
硬い金属音がしたと思ったら、フワリと誰かに抱きかかえられた。何が起こったんだろうと、そろりと片目を開けてみると、目の前にはレオの姿が。キョロキョロと周りを見渡してみると、どうやらここは謁見の間のようだった。いつの間に?
レオは黒いシールドで女の攻撃を防いだようだ。女は突然場所が変わったこと、魔王に攻撃をしてしまった事で頭がパンクしたようで攻撃を弾かれた姿勢から動けないでいた。
「ふむ…やはり何か起きたか。」
「えっ」
「いつか誰かが手を出すだろうなと思っていたが、まさか一人にした途端に起きるとは。」
「えっ」
「さて…俺のペットに牙を剥いた罪、どう償ってもらおうか。」
「あ、ああ…ま、魔法様。」
レオがパチンと指を鳴らすと、女が来ていたセクシーでゴージャスなドレスがパァンと弾け散った。
「キ、キャアア!!」
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