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白衣の治癒師7
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後のことはサイモンに任せ、香織はアレクシスと共に朝市に買い物に出かけた。
「ここは午前中だけ開かれる市場だそうだ。食料品が豊富だと聞いた。」
「なるほど。色々売ってますね~。」
朝市は大通りを一つ外れた路地で開かれていた。通路の両脇には露店が連なり、活気に満ち溢れている。
「カオリは調味料が見たいのだったな。それならこっちだ。」
「ありがとうございます!」
向かった先には、大きな壺がいくつも並んだ露店があった。鉢巻きを巻いた店員が香織達を歓迎する。
「らっしゃい!塩胡椒から、隣国の醤油までなんでも揃ってるよ!」
「醤油!?」
「おう、嬢ちゃん隣国の調味料に興味があるのか?醤油の他にも味噌があるぜ!隣国のヤポネは大豆の生産が盛んでな、こいつらはみんな大豆でできてるんだぜ。製法はいっさい秘密!だが塩より深みがあって美味いんだ。他の街では中々売ってないよ!」
「味噌と醤油ください!」
「まいど!味噌はこの小壺、醤油はこの瓶でどっちも銀貨一枚だ!」
「あるだけ下さい!」
「じ、嬢ちゃん、こいつらは結構味が濃いからよ、そのまま食べたりは出来ねえんだ。料理にちまちま使うのにそんなに量はいらねえよ?使い切る前にだめになっちまう!」
「大丈夫です、収納魔法がありますから。使い方もよく知ってます。しばらくしたらこの街を離れるんです、次どこで買えるか分からないしたくさん欲しいんです!」
「まあそこまで言うなら…正直あんまり売れねえしな、よし、持ってけ泥棒!大壺ひとつで金貨2枚だ!」
「ありがとうございます!」
香織は金貨4枚を支払い、味噌と醤油を収納した。
「嬢ちゃん、金を持ってるなら気を付けろよ、この辺にはスリも多い。裏路地には行くなよ!兄ちゃんも気を付けてやれよ。」
「ありがとうございます、気を付けます。」
「ああ、承知した。」
「その調味料は経費で落ちるぞ、後でサイモンに言うといい。」
「え、そうなんですか?旅の間では使い切れないほど買っちゃったんですけど…」
「そういうのも多めに見てくれる。旅の間に修理や新調した武器なんかも経費で落ちるからな。」
「ホワイトですねえ…」
「ホワイト?」
「な、なんでもないです。」
「他に見るものはあるか?」
「そうですね…あとは特に思いつかないので、見てまわっても良いですか?」
「わかった。」
香織とアレクシスはのんびり朝市の通りを歩きはじめた。今日の香織の服装はいつものゆるワンピースだ。顔もすっぴんで、どこからどう見ても子供だ。アレクシスの強面も相まって、変な男に声をかけられることもなく平和に買い物を楽しんだ。
「小麦粉が安いよー!」
「穀物屋さんかな?」
「らっしゃい、なんでも揃ってるよ!」
「じゃあお米ってあります?」
「米?米なら米粉があるよ!」
「お米そのものはないんですか?」
「米はあんまり売れねえからな…そのままを売ってるのは卸業者くらいだぞ。」
「なるほど…お米って隣国の主食だったりします?」
「お、よく知ってるな!あっちではパンより米を良く食うって話だ!」
「おじさん、ありがとうございます。お米を売ってるとこを探してみます。」
「おうよ!でかい商会なら売ってるかもな!」
(ふむ…話を聞く限り、どうやら隣国ヤポネはアジア的国みたいね…)
『ここは比較的国境に近い街ですので、輸入品も安く手に入ります。』
(え、ここ国境に近いの?)
『近いと言っても、ラダ山脈を越えいくつかの村や街を挟んだところですね。』
(そうなんだ。)
『ヤポネの食材を手に入れたいのならこの街で買うのが一番低価格です。』
(わかった、探してみるよ!)
その後、香織は隣国ヤポネの食材を探して回った。
「干し魚だよー!干し肉よりも美味しいよ!」
「ん?」
(干し魚?干物かな、それとも…)
「おばさん、見せてください。」
「あいよ!色々あるよ。こっちは小さいのを開いて干したもの、こっちはでかいのを捌いて干したものだよ!小さい方は焼いて食べとくれ。大きいのは薄く切って干し肉みたいにそのまま齧るんだ。干し肉より柔らかくて女性や年寄りも簡単に噛み切れるよ。」
「この大きいのって天日干しですか?」
「こう分厚いと天日干しじゃあなかなか乾かないからね、これは煙で燻して作るんだよ。」
(かつお節、かな?見た目はかつお節より生っぽいけど…)
「こっちの大きい方10本下さい。」
「銀貨5枚だよ!」
「干し肉より高いな。」
「この辺は海がないからね、仕方ないさ。」
その後は干し野菜の店で乾燥した昆布とワカメを買い、時刻も昼近くとなったのでアレクシスとの朝市巡りは終了した。
「何か食べるか。」
「あの辺に並んでる屋台が美味しそうですね。」
「む、そんなのでいいのか?店に入らなくてもいいのか?」
「はい、食べ歩きとか楽しそうですし。」
「ふむ、ではそうしよう。」
香織はオークの串焼きを、アレクシスは肉がたっぷり挟まれた巨大サンドイッチをそれぞれ買い、広場にあったベンチに座ってのんびりと昼食を楽しんだ。
(あ、ミスリルの人。)
香織がボーッと道ゆく人を眺めていると、昨日香織が治療した冒険者の男が家族連れで歩いているのを見つけた。妻らしき女性と男の間には5歳くらいの娘がニコニコと二人と手を繋いで歩いている。
「パパ、はやくはやく!」
「転ぶぞ。」
「ふふ、慌てなくてもぬいぐるみは逃げないわよ。」
昨日まで末期癌と闘っていたとは思えない穏やかな表情。鎧を脱いだ男は、どこにでもいる優しい父親の姿をしていた。
(こういうの見ると、治せて良かったって思うんだよね。もっと頑張ろう。)
「そろそろ帰りましょうか。」
「そうだな。」
「ギルドに行く時にまた声かけますね。」
「ああ。」
「ここは午前中だけ開かれる市場だそうだ。食料品が豊富だと聞いた。」
「なるほど。色々売ってますね~。」
朝市は大通りを一つ外れた路地で開かれていた。通路の両脇には露店が連なり、活気に満ち溢れている。
「カオリは調味料が見たいのだったな。それならこっちだ。」
「ありがとうございます!」
向かった先には、大きな壺がいくつも並んだ露店があった。鉢巻きを巻いた店員が香織達を歓迎する。
「らっしゃい!塩胡椒から、隣国の醤油までなんでも揃ってるよ!」
「醤油!?」
「おう、嬢ちゃん隣国の調味料に興味があるのか?醤油の他にも味噌があるぜ!隣国のヤポネは大豆の生産が盛んでな、こいつらはみんな大豆でできてるんだぜ。製法はいっさい秘密!だが塩より深みがあって美味いんだ。他の街では中々売ってないよ!」
「味噌と醤油ください!」
「まいど!味噌はこの小壺、醤油はこの瓶でどっちも銀貨一枚だ!」
「あるだけ下さい!」
「じ、嬢ちゃん、こいつらは結構味が濃いからよ、そのまま食べたりは出来ねえんだ。料理にちまちま使うのにそんなに量はいらねえよ?使い切る前にだめになっちまう!」
「大丈夫です、収納魔法がありますから。使い方もよく知ってます。しばらくしたらこの街を離れるんです、次どこで買えるか分からないしたくさん欲しいんです!」
「まあそこまで言うなら…正直あんまり売れねえしな、よし、持ってけ泥棒!大壺ひとつで金貨2枚だ!」
「ありがとうございます!」
香織は金貨4枚を支払い、味噌と醤油を収納した。
「嬢ちゃん、金を持ってるなら気を付けろよ、この辺にはスリも多い。裏路地には行くなよ!兄ちゃんも気を付けてやれよ。」
「ありがとうございます、気を付けます。」
「ああ、承知した。」
「その調味料は経費で落ちるぞ、後でサイモンに言うといい。」
「え、そうなんですか?旅の間では使い切れないほど買っちゃったんですけど…」
「そういうのも多めに見てくれる。旅の間に修理や新調した武器なんかも経費で落ちるからな。」
「ホワイトですねえ…」
「ホワイト?」
「な、なんでもないです。」
「他に見るものはあるか?」
「そうですね…あとは特に思いつかないので、見てまわっても良いですか?」
「わかった。」
香織とアレクシスはのんびり朝市の通りを歩きはじめた。今日の香織の服装はいつものゆるワンピースだ。顔もすっぴんで、どこからどう見ても子供だ。アレクシスの強面も相まって、変な男に声をかけられることもなく平和に買い物を楽しんだ。
「小麦粉が安いよー!」
「穀物屋さんかな?」
「らっしゃい、なんでも揃ってるよ!」
「じゃあお米ってあります?」
「米?米なら米粉があるよ!」
「お米そのものはないんですか?」
「米はあんまり売れねえからな…そのままを売ってるのは卸業者くらいだぞ。」
「なるほど…お米って隣国の主食だったりします?」
「お、よく知ってるな!あっちではパンより米を良く食うって話だ!」
「おじさん、ありがとうございます。お米を売ってるとこを探してみます。」
「おうよ!でかい商会なら売ってるかもな!」
(ふむ…話を聞く限り、どうやら隣国ヤポネはアジア的国みたいね…)
『ここは比較的国境に近い街ですので、輸入品も安く手に入ります。』
(え、ここ国境に近いの?)
『近いと言っても、ラダ山脈を越えいくつかの村や街を挟んだところですね。』
(そうなんだ。)
『ヤポネの食材を手に入れたいのならこの街で買うのが一番低価格です。』
(わかった、探してみるよ!)
その後、香織は隣国ヤポネの食材を探して回った。
「干し魚だよー!干し肉よりも美味しいよ!」
「ん?」
(干し魚?干物かな、それとも…)
「おばさん、見せてください。」
「あいよ!色々あるよ。こっちは小さいのを開いて干したもの、こっちはでかいのを捌いて干したものだよ!小さい方は焼いて食べとくれ。大きいのは薄く切って干し肉みたいにそのまま齧るんだ。干し肉より柔らかくて女性や年寄りも簡単に噛み切れるよ。」
「この大きいのって天日干しですか?」
「こう分厚いと天日干しじゃあなかなか乾かないからね、これは煙で燻して作るんだよ。」
(かつお節、かな?見た目はかつお節より生っぽいけど…)
「こっちの大きい方10本下さい。」
「銀貨5枚だよ!」
「干し肉より高いな。」
「この辺は海がないからね、仕方ないさ。」
その後は干し野菜の店で乾燥した昆布とワカメを買い、時刻も昼近くとなったのでアレクシスとの朝市巡りは終了した。
「何か食べるか。」
「あの辺に並んでる屋台が美味しそうですね。」
「む、そんなのでいいのか?店に入らなくてもいいのか?」
「はい、食べ歩きとか楽しそうですし。」
「ふむ、ではそうしよう。」
香織はオークの串焼きを、アレクシスは肉がたっぷり挟まれた巨大サンドイッチをそれぞれ買い、広場にあったベンチに座ってのんびりと昼食を楽しんだ。
(あ、ミスリルの人。)
香織がボーッと道ゆく人を眺めていると、昨日香織が治療した冒険者の男が家族連れで歩いているのを見つけた。妻らしき女性と男の間には5歳くらいの娘がニコニコと二人と手を繋いで歩いている。
「パパ、はやくはやく!」
「転ぶぞ。」
「ふふ、慌てなくてもぬいぐるみは逃げないわよ。」
昨日まで末期癌と闘っていたとは思えない穏やかな表情。鎧を脱いだ男は、どこにでもいる優しい父親の姿をしていた。
(こういうの見ると、治せて良かったって思うんだよね。もっと頑張ろう。)
「そろそろ帰りましょうか。」
「そうだな。」
「ギルドに行く時にまた声かけますね。」
「ああ。」
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