5 / 54
1章 異世界トラバース
1章ー5 ギルドへ
しおりを挟む
このような拙い作品をお気に入り登録してくださる方が何人かいらっしゃいました。
これを励みに頑張っていきたいです。
***************************************
ひと段落してこれから。そしてギルドへ
宿につき自室で横になる。
この世界は師匠が言った通り中世の世界に似ていると感じた。もちろん、魔法があるおかげでそれよりも便利だったり、逆に発達していない分野もある。
発達してない分野として例を挙げるなら医療だ。けがをしても、病気になっても魔法で治せてしまうので医療が深く研究されることはなかった。
簡易的なベッドに横になり、今までのことを思い返す。
これからどうしよう?
特に明確な理由もないので、自由気ままに過ごす。これは確定しているけれど、目標というものがないと生活は充実しない。
と、僕は師匠の言葉にあった”因縁のあるやつ”とやらを思い出す。
ものすごく気になるというわけではないけど、気にならないというのも嘘だ。
よし、当面の目標はこれを調べることにしよう。そのために【神威】を極めて師匠に会いに行かないとね。
師匠に教えてもらった【神威】を鍛える方法は制御力を高めるために常に多めの神気を纏い、生活すること。こうすることで自然と制御力が上がっていくのだ。
淀みなく、自然体に、ごく当たり前にある一定以上の神気を纏えれば、極めたと言ってもいいらしい。そのものさしが神界への転移とのこと。
よし、方針も決まってきたし(?) 次は冒険者ギルドだな。
ぐぅぅぅ。
僕のお腹はまずは食堂と言っているのでしかたなくまずは宿にある食堂に向かう。いろいろあって時間感覚がおかしくなってたけど、時刻は昼を結構過ぎた頃らしい。
この世界は1日24時間。1年365日と地球とほぼ同じだ。時刻を知るための時計は貴重らしく、皆が皆もっているとは限らないとのこと。
「おばさん、お昼まだ大丈夫?」
「ギリギリだけど、大丈夫よ。それで何にします?」
気さくなおばさん、という失礼かもしれない年のころの女性に声をかける。僕はとりあえずお勧めをお願いした。
「はい、どうぞ。銅貨13枚になるわよ」
お金はすべて硬貨で上から王金貨・白金貨、金貨・銀貨・銅貨、鉄貨とある。それぞれ10枚で1つ上の貨幣と同じ価値となる。例えば銀貨1枚=銅貨10枚。
師匠の話から推測すると、銅貨が約100円ほどの価値となる。もちろん、文化が違うので全くその通りになるとは限らないが。ちなみに、この世界の一般人が1カ月生活するのに必要なお金が金貨10枚とのこと。日本で月10万円では家族は暮らせないと思うからやっぱり文化が違う。
「ありがとう。そうだ、冒険者ギルドってこれから行っても問題ないかな?」
「えぇ、大丈夫よ。基本的にあそこは24時間対応してるからね。でも、登録だったり依頼を受けたりといった通常業務は9時の鐘がなると終わってしまうから気を付けてね」
僕は少し高めのランチを食べ、寄り道をしつつ冒険者ギルドへ向かう。
「すみません、登録をしたいんですけど」
「はーい。新人ちゃんかな」
「はぁ、あっ。そうです」
「それじゃぁ、これに必要事項記入してね。文字は書ける?」
「ええ、大丈夫です」
「偉いね~」
なにがそんなにうれしいのか、ものすごいニコニコしながら作業を進めるお姉さん。これがガチムチのお兄さんだった僕は精神的に死んでいたはず。
「はい、最後に注意事項がいくつかあるけど聞く?」
僕は神界での勉強で知識はすでに学んでいたので首を振った。そして、銀貨5枚を渡す。
「あら、本当に必要ないようね。最後にランク試験をうけてく?」
登録料を渡すと、すぐに試験の案内をされた。このあたりは、神界では学んでないので流れに身を流すとする。
「ええ、お願いします」
僕は、下の修練上に行くように指示を受けたので、ギルドの地下一階にある修練上へと行く。修練場は書いて字のごとく冒険者たちが訓練をする場所だ。とは言え、主な使用目的はランクアップ試験や決闘のが多いのかもしれない。
「おまえさんがランクアップ試験の希望者か?」
しばらく木刀で打ち合う冒険者たちを見ていると不意に声をかけられた。
「はい、そうですが」
「俺が、その試験官になるブレードだ。紅い牙のパーティーで俺自身はBランクだ。文句あるか」
「いえ、特には」
「よし、じゃぁ早速やるぞ」
クマのようなごっつい体をしたブレードさんはあまり話をするつもりがないみたいだ。僕の言葉を待たずに、木刀を構える。
「よし、こい」
「えっと、僕は何で攻撃したらいいですか?」
「あぁん、ひよっこが名に使っても俺に傷つけるとか無理だろ? 好きなもの使え」
僕はギルドに来る前に買った手甲を装着する。
「それじゃ、お前さんからきな。俺が終わりっというまで模擬戦だ。合否は攻撃・防御・状況判断など総合能力を見る」
ブレードさんの言葉が終わると同時に僕は距離を詰めるべく全力で走る。とりあえず腹を狙って拳を振るうが手甲を木刀で打たれる。フェイクを交え両手両足を駆使して攻撃をあてに行くが、ブレードさんはことごとく木刀で撃ち落とすかステップを踏んで簡単に避けてしまう。
「どうした、もう終わりか?」
さすがにステータス通りの能力では文字通り手も足もでない。
「それ、次はうまく防いで見せな」
ブレードさんの木刀が襲い来る。もちろん、普通のLv1なら防御不可能な、魔物と戦う力があるかを見極める程度の威力でだが。
僕は、木刀を受け流すように回避行動をとる。何回かブレードさんの攻撃を防いでいると、彼がニヤッとしたように見えた。そしてそのあと攻撃の速度が何回かごとに増していった。
そろそろ頃合いかな。
「まいりました。これ以上は限界です」
僕は方で息をするようにしてブレードさんへ降参の意志を示す。するとブレードさんは面白そうな顔して僕のそばへと近づいてきた。
これを励みに頑張っていきたいです。
***************************************
ひと段落してこれから。そしてギルドへ
宿につき自室で横になる。
この世界は師匠が言った通り中世の世界に似ていると感じた。もちろん、魔法があるおかげでそれよりも便利だったり、逆に発達していない分野もある。
発達してない分野として例を挙げるなら医療だ。けがをしても、病気になっても魔法で治せてしまうので医療が深く研究されることはなかった。
簡易的なベッドに横になり、今までのことを思い返す。
これからどうしよう?
特に明確な理由もないので、自由気ままに過ごす。これは確定しているけれど、目標というものがないと生活は充実しない。
と、僕は師匠の言葉にあった”因縁のあるやつ”とやらを思い出す。
ものすごく気になるというわけではないけど、気にならないというのも嘘だ。
よし、当面の目標はこれを調べることにしよう。そのために【神威】を極めて師匠に会いに行かないとね。
師匠に教えてもらった【神威】を鍛える方法は制御力を高めるために常に多めの神気を纏い、生活すること。こうすることで自然と制御力が上がっていくのだ。
淀みなく、自然体に、ごく当たり前にある一定以上の神気を纏えれば、極めたと言ってもいいらしい。そのものさしが神界への転移とのこと。
よし、方針も決まってきたし(?) 次は冒険者ギルドだな。
ぐぅぅぅ。
僕のお腹はまずは食堂と言っているのでしかたなくまずは宿にある食堂に向かう。いろいろあって時間感覚がおかしくなってたけど、時刻は昼を結構過ぎた頃らしい。
この世界は1日24時間。1年365日と地球とほぼ同じだ。時刻を知るための時計は貴重らしく、皆が皆もっているとは限らないとのこと。
「おばさん、お昼まだ大丈夫?」
「ギリギリだけど、大丈夫よ。それで何にします?」
気さくなおばさん、という失礼かもしれない年のころの女性に声をかける。僕はとりあえずお勧めをお願いした。
「はい、どうぞ。銅貨13枚になるわよ」
お金はすべて硬貨で上から王金貨・白金貨、金貨・銀貨・銅貨、鉄貨とある。それぞれ10枚で1つ上の貨幣と同じ価値となる。例えば銀貨1枚=銅貨10枚。
師匠の話から推測すると、銅貨が約100円ほどの価値となる。もちろん、文化が違うので全くその通りになるとは限らないが。ちなみに、この世界の一般人が1カ月生活するのに必要なお金が金貨10枚とのこと。日本で月10万円では家族は暮らせないと思うからやっぱり文化が違う。
「ありがとう。そうだ、冒険者ギルドってこれから行っても問題ないかな?」
「えぇ、大丈夫よ。基本的にあそこは24時間対応してるからね。でも、登録だったり依頼を受けたりといった通常業務は9時の鐘がなると終わってしまうから気を付けてね」
僕は少し高めのランチを食べ、寄り道をしつつ冒険者ギルドへ向かう。
「すみません、登録をしたいんですけど」
「はーい。新人ちゃんかな」
「はぁ、あっ。そうです」
「それじゃぁ、これに必要事項記入してね。文字は書ける?」
「ええ、大丈夫です」
「偉いね~」
なにがそんなにうれしいのか、ものすごいニコニコしながら作業を進めるお姉さん。これがガチムチのお兄さんだった僕は精神的に死んでいたはず。
「はい、最後に注意事項がいくつかあるけど聞く?」
僕は神界での勉強で知識はすでに学んでいたので首を振った。そして、銀貨5枚を渡す。
「あら、本当に必要ないようね。最後にランク試験をうけてく?」
登録料を渡すと、すぐに試験の案内をされた。このあたりは、神界では学んでないので流れに身を流すとする。
「ええ、お願いします」
僕は、下の修練上に行くように指示を受けたので、ギルドの地下一階にある修練上へと行く。修練場は書いて字のごとく冒険者たちが訓練をする場所だ。とは言え、主な使用目的はランクアップ試験や決闘のが多いのかもしれない。
「おまえさんがランクアップ試験の希望者か?」
しばらく木刀で打ち合う冒険者たちを見ていると不意に声をかけられた。
「はい、そうですが」
「俺が、その試験官になるブレードだ。紅い牙のパーティーで俺自身はBランクだ。文句あるか」
「いえ、特には」
「よし、じゃぁ早速やるぞ」
クマのようなごっつい体をしたブレードさんはあまり話をするつもりがないみたいだ。僕の言葉を待たずに、木刀を構える。
「よし、こい」
「えっと、僕は何で攻撃したらいいですか?」
「あぁん、ひよっこが名に使っても俺に傷つけるとか無理だろ? 好きなもの使え」
僕はギルドに来る前に買った手甲を装着する。
「それじゃ、お前さんからきな。俺が終わりっというまで模擬戦だ。合否は攻撃・防御・状況判断など総合能力を見る」
ブレードさんの言葉が終わると同時に僕は距離を詰めるべく全力で走る。とりあえず腹を狙って拳を振るうが手甲を木刀で打たれる。フェイクを交え両手両足を駆使して攻撃をあてに行くが、ブレードさんはことごとく木刀で撃ち落とすかステップを踏んで簡単に避けてしまう。
「どうした、もう終わりか?」
さすがにステータス通りの能力では文字通り手も足もでない。
「それ、次はうまく防いで見せな」
ブレードさんの木刀が襲い来る。もちろん、普通のLv1なら防御不可能な、魔物と戦う力があるかを見極める程度の威力でだが。
僕は、木刀を受け流すように回避行動をとる。何回かブレードさんの攻撃を防いでいると、彼がニヤッとしたように見えた。そしてそのあと攻撃の速度が何回かごとに増していった。
そろそろ頃合いかな。
「まいりました。これ以上は限界です」
僕は方で息をするようにしてブレードさんへ降参の意志を示す。するとブレードさんは面白そうな顔して僕のそばへと近づいてきた。
0
お気に入りに追加
991
あなたにおすすめの小説
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
王子は婚約破棄をし、令嬢は自害したそうです。
七辻ゆゆ
ファンタジー
「アリシア・レッドライア! おまえとの婚約を破棄する!」
公爵令嬢アリシアは王子の言葉に微笑んだ。「殿下、美しい夢をありがとうございました」そして己の胸にナイフを突き立てた。
血に染まったパーティ会場は、王子にとって一生忘れられない景色となった。冤罪によって婚約者を自害させた愚王として生きていくことになる。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
婚約破棄……そちらの方が新しい聖女……ですか。ところで殿下、その方は聖女検定をお持ちで?
Ryo-k
ファンタジー
「アイリス・フローリア! 貴様との婚約を破棄する!」
私の婚約者のレオナルド・シュワルツ王太子殿下から、突然婚約破棄されてしまいました。
さらには隣の男爵令嬢が新しい聖女……ですか。
ところでその男爵令嬢……聖女検定はお持ちで?
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。
だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。
十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。
ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。
元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。
そして更に二年、とうとうその日が来た……
もういらないと言われたので隣国で聖女やります。
ゆーぞー
ファンタジー
孤児院出身のアリスは5歳の時に天女様の加護があることがわかり、王都で聖女をしていた。
しかし国王が崩御したため、国外追放されてしまう。
しかし隣国で聖女をやることになり、アリスは幸せを掴んでいく。
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる