32 / 57
レイモンドとエルマリア
しおりを挟む
「レイモンド様と庭で茶会をはじめて…ずいぶん親しくなったらしいよ」
「ええ…そうらしいわ。毎日違うドレスを着て…気に入らないものは捨てるとか…フェリシア様なら下級使用人に下げ渡しているのにねぇ…生地だけでも上等だもの」
「貴族様もお金がなくちゃなにもできないってこと」
「カイナ…って覚えてる?貧民街から引っ越したとか…本当に上級使用人と同等の給金?」
「どこでカイナに目をつけたのかしらね?あと…あの男」
「ああ…買ったことある?」
「ないよ…あんな大きな男の…無理だわ…裂ける」
「あんたのはガバガバでしょ」
「何本も入れてきたから仕方ないって、ひどいこと言う…ぶふふ」
「しかし…ケリーも馬鹿だねぇ…お貴族様に抱かれたからって本気になったの?レイモンド様は見目麗しいから…仕方ないか」
「仕方ないよ…レイモンド様の美しさは…はぁ…遊びでも抱かれたい…アレも美しいのかねぇ」
「そうよね!私を使ってください!って言ってみたいわ」
「フェリシア様は月の物が始まっているね…そういえば子爵令嬢は月の物の汚れを出さないね?」
「汚れた布は焼却炉へ…って…洗いもせずに使い捨て…カイナにちょろっと聞いたよ」
「子爵家でもそうしてたんだろうねぇ…羨ましいねぇ」
「カイナを見たかい?痩せっぽっちが肌艶良くなってさ…身長も伸びてたよ…胸はペタンのままだったけど…子爵令嬢に出される食事を貰っているってさ。あの令嬢は食が細そうだろう?余り物が多いんだろうねぇ…羨ましいや」
「ああ…そうだ…下級使用人に聞いたんだけどさ、子爵令嬢はあの男に抱かれているって…本当かね?」
「…だからカイナは洗濯物を焼却炉へ?証拠を消すため?」
「でも焼却炉に行くのは月の物の時だけだろう?それ以外は洗濯に回されているじゃない」
「香油の匂いだけよねぇ…男の子種の匂いならすぐにわかる…最近は奥様の部屋から…来ないね?」
「そうなのよ。旦那様が通っていないってこと。だからイライラしているのよ…いつまでもお姫様ね」
「最近は茶会にも行かないらしいわ」
「あら、そうなの?夫人たちに媚びられるの好きなのにねぇ…やっぱり…お金が?」
「だって…レイモンド様は子爵令嬢を拒絶したんだろ?旦那様は持参金を返せと言われることを恐れて手を出せない…らしいわ」
「まったく…レイモンド様とフェリシア様のままごとのせいで…シモンズ子爵が援助するならフローレンは安泰だっていうのにね」
「シモンズ子爵はすごいわ…シモンズ領地を知ってる?子爵位なのに広大なんですって!…隣領の領主に金を貸して返せなければ土地をってどんどん広げて…どれだけ金を持っているのかねぇ」
「シモンズ子爵家の使用人の給金は相当らしいよ。でも…契約書を下人まで書かせて…邸内のことを少しでも話したら…」
「解雇…?え?罰金?へぇ…こんな話はできないってことか…」
夜の間降っていた雨は朝にはあがり、地面の乾いた昼過ぎにフローレン侯爵邸の庭園のいつもの場所でレイモンドとエルマリアが歩み寄りを目的とした茶会を開いている。二人の背後にはザザとトラッカーが少し離れて立っていた。
「レイモンド様、お疲れのように見えますけど」
「そうか?」
微笑みながら頷くエルマリアの金色の髪が流れる。
「髪は…結わないのか?」
うなじが綺麗だったとレイモンドは思い出していた。
「…結える使用人がいません」
カイナとザザでは無理なことだった。
「そうか…」
できる者をそばに置けばいいとレイモンドは言わなかった。
「やっぱり疲れているように見えます。終わりにします?」
「いや…話さなくていい…いてくれ」
エルマリアはレイモンドに向けていた顔を庭園に傾ける。
その場には穏やかな時が流れ、レイモンドはなにも考えない時間に荒れた心を癒された。
「…愛する人に嘘を吐かれていたらどうする?」
レイモンドから突然投げられた問いにエルマリアは花を眺めながら考えて答える。
「どんな嘘かによりますわね。私のためを思って吐いたのか…自分のために吐いたのか…そこに悪意があったのか…」
「…自分のためだったら?」
「相手のことを考えずに自分のために嘘を……それは悲しいですわね。私には経験がありませんが想像したら…胸が痛くなるほど悲しくて…相手に対して失望してしまう…ですが…やむを得ない事情があったらと考えると……難しいですわ。申し訳ありません…上手な答えになっていなくて」
「自分の欲望のために嘘を…」
エルマリアはレイモンドに視線を移す。濃緑の瞳から涙が落ちていた。
「…許せないものですか?」
「許す…など簡単なことではない…なにか根本的な部分が消えたような感じだ」
「信頼が消えた?」
「…ああ…彼女の言葉が全て…嘘に聞こえる」
エルマリアは懐からハンカチを取り出しテーブルに置いた。
「友情から同情に…そして愛情に変わったが…そこに嘘があった…」
「愛情が揺らいだ?」
エルマリアの言葉にレイモンドは胸の痛みを覚えた。
「…ああ」
「大体は察しますけど…それを私に相談する神経には驚きます」
「悪い」
「…それほど打ちのめされている…のですね?」
「ああ…苦しい…エルマリア…すまない…俺は君に酷い仕打ちを…した」
エルマリアは微笑みを保ったまま頷く。
「愛することは覚悟が必要だと思います」
「覚悟…?」
「レイモンド様、男爵令嬢を愛しているなら私との婚約話に頷かない…その選択をするべきでした。地位も欲しい金も欲しい…愛する人も欲しい…それを全て叶える人は限りなく少ない」
エルマリアはアイザック・シモンズを思い浮かべる。
「覚悟とは強靭な精神を必要とします」
愛する人を害そうと動いた正妻と加担した者を皆殺しにするという冷酷な精神。
愛する人に恨まれようと自由を奪い大切なものを脅しの材料に使うような精神。
「揺れ動いている時点で俺の愛は覚悟がないか…」
「揺れ動いても愛することはあります。疑いを持っても愛した過去があるなら…辛いですわね」
レイモンドはエルマリアの微笑みのなかに慈愛を見つけ、胸に込み上げる激情をなんとか抑えてハンカチを掴んで握り締める。
「エルマリア…俺と夫婦に…大切にすると…一度目の誓いは破ったが…もう一度誓う。許してくれ」
「ええ…そうらしいわ。毎日違うドレスを着て…気に入らないものは捨てるとか…フェリシア様なら下級使用人に下げ渡しているのにねぇ…生地だけでも上等だもの」
「貴族様もお金がなくちゃなにもできないってこと」
「カイナ…って覚えてる?貧民街から引っ越したとか…本当に上級使用人と同等の給金?」
「どこでカイナに目をつけたのかしらね?あと…あの男」
「ああ…買ったことある?」
「ないよ…あんな大きな男の…無理だわ…裂ける」
「あんたのはガバガバでしょ」
「何本も入れてきたから仕方ないって、ひどいこと言う…ぶふふ」
「しかし…ケリーも馬鹿だねぇ…お貴族様に抱かれたからって本気になったの?レイモンド様は見目麗しいから…仕方ないか」
「仕方ないよ…レイモンド様の美しさは…はぁ…遊びでも抱かれたい…アレも美しいのかねぇ」
「そうよね!私を使ってください!って言ってみたいわ」
「フェリシア様は月の物が始まっているね…そういえば子爵令嬢は月の物の汚れを出さないね?」
「汚れた布は焼却炉へ…って…洗いもせずに使い捨て…カイナにちょろっと聞いたよ」
「子爵家でもそうしてたんだろうねぇ…羨ましいねぇ」
「カイナを見たかい?痩せっぽっちが肌艶良くなってさ…身長も伸びてたよ…胸はペタンのままだったけど…子爵令嬢に出される食事を貰っているってさ。あの令嬢は食が細そうだろう?余り物が多いんだろうねぇ…羨ましいや」
「ああ…そうだ…下級使用人に聞いたんだけどさ、子爵令嬢はあの男に抱かれているって…本当かね?」
「…だからカイナは洗濯物を焼却炉へ?証拠を消すため?」
「でも焼却炉に行くのは月の物の時だけだろう?それ以外は洗濯に回されているじゃない」
「香油の匂いだけよねぇ…男の子種の匂いならすぐにわかる…最近は奥様の部屋から…来ないね?」
「そうなのよ。旦那様が通っていないってこと。だからイライラしているのよ…いつまでもお姫様ね」
「最近は茶会にも行かないらしいわ」
「あら、そうなの?夫人たちに媚びられるの好きなのにねぇ…やっぱり…お金が?」
「だって…レイモンド様は子爵令嬢を拒絶したんだろ?旦那様は持参金を返せと言われることを恐れて手を出せない…らしいわ」
「まったく…レイモンド様とフェリシア様のままごとのせいで…シモンズ子爵が援助するならフローレンは安泰だっていうのにね」
「シモンズ子爵はすごいわ…シモンズ領地を知ってる?子爵位なのに広大なんですって!…隣領の領主に金を貸して返せなければ土地をってどんどん広げて…どれだけ金を持っているのかねぇ」
「シモンズ子爵家の使用人の給金は相当らしいよ。でも…契約書を下人まで書かせて…邸内のことを少しでも話したら…」
「解雇…?え?罰金?へぇ…こんな話はできないってことか…」
夜の間降っていた雨は朝にはあがり、地面の乾いた昼過ぎにフローレン侯爵邸の庭園のいつもの場所でレイモンドとエルマリアが歩み寄りを目的とした茶会を開いている。二人の背後にはザザとトラッカーが少し離れて立っていた。
「レイモンド様、お疲れのように見えますけど」
「そうか?」
微笑みながら頷くエルマリアの金色の髪が流れる。
「髪は…結わないのか?」
うなじが綺麗だったとレイモンドは思い出していた。
「…結える使用人がいません」
カイナとザザでは無理なことだった。
「そうか…」
できる者をそばに置けばいいとレイモンドは言わなかった。
「やっぱり疲れているように見えます。終わりにします?」
「いや…話さなくていい…いてくれ」
エルマリアはレイモンドに向けていた顔を庭園に傾ける。
その場には穏やかな時が流れ、レイモンドはなにも考えない時間に荒れた心を癒された。
「…愛する人に嘘を吐かれていたらどうする?」
レイモンドから突然投げられた問いにエルマリアは花を眺めながら考えて答える。
「どんな嘘かによりますわね。私のためを思って吐いたのか…自分のために吐いたのか…そこに悪意があったのか…」
「…自分のためだったら?」
「相手のことを考えずに自分のために嘘を……それは悲しいですわね。私には経験がありませんが想像したら…胸が痛くなるほど悲しくて…相手に対して失望してしまう…ですが…やむを得ない事情があったらと考えると……難しいですわ。申し訳ありません…上手な答えになっていなくて」
「自分の欲望のために嘘を…」
エルマリアはレイモンドに視線を移す。濃緑の瞳から涙が落ちていた。
「…許せないものですか?」
「許す…など簡単なことではない…なにか根本的な部分が消えたような感じだ」
「信頼が消えた?」
「…ああ…彼女の言葉が全て…嘘に聞こえる」
エルマリアは懐からハンカチを取り出しテーブルに置いた。
「友情から同情に…そして愛情に変わったが…そこに嘘があった…」
「愛情が揺らいだ?」
エルマリアの言葉にレイモンドは胸の痛みを覚えた。
「…ああ」
「大体は察しますけど…それを私に相談する神経には驚きます」
「悪い」
「…それほど打ちのめされている…のですね?」
「ああ…苦しい…エルマリア…すまない…俺は君に酷い仕打ちを…した」
エルマリアは微笑みを保ったまま頷く。
「愛することは覚悟が必要だと思います」
「覚悟…?」
「レイモンド様、男爵令嬢を愛しているなら私との婚約話に頷かない…その選択をするべきでした。地位も欲しい金も欲しい…愛する人も欲しい…それを全て叶える人は限りなく少ない」
エルマリアはアイザック・シモンズを思い浮かべる。
「覚悟とは強靭な精神を必要とします」
愛する人を害そうと動いた正妻と加担した者を皆殺しにするという冷酷な精神。
愛する人に恨まれようと自由を奪い大切なものを脅しの材料に使うような精神。
「揺れ動いている時点で俺の愛は覚悟がないか…」
「揺れ動いても愛することはあります。疑いを持っても愛した過去があるなら…辛いですわね」
レイモンドはエルマリアの微笑みのなかに慈愛を見つけ、胸に込み上げる激情をなんとか抑えてハンカチを掴んで握り締める。
「エルマリア…俺と夫婦に…大切にすると…一度目の誓いは破ったが…もう一度誓う。許してくれ」
1,462
お気に入りに追加
2,132
あなたにおすすめの小説
【掌編集】今までお世話になりました旦那様もお元気で〜妻の残していった離婚受理証明書を握りしめイケメン公爵は涙と鼻水を垂らす
まほりろ
恋愛
新婚初夜に「君を愛してないし、これからも愛するつもりはない」と言ってしまった公爵。
彼は今まで、天才、美男子、完璧な貴公子、ポーカーフェイスが似合う氷の公爵などと言われもてはやされてきた。
しかし新婚初夜に暴言を吐いた女性が、初恋の人で、命の恩人で、伝説の聖女で、妖精の愛し子であったことを知り意気消沈している。
彼の手には元妻が置いていった「離婚受理証明書」が握られていた……。
他掌編七作品収録。
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します
「Copyright(C)2023-まほりろ/若松咲良」
某小説サイトに投稿した掌編八作品をこちらに転載しました。
【収録作品】
①「今までお世話になりました旦那様もお元気で〜ポーカーフェイスの似合う天才貴公子と称された公爵は、妻の残していった離婚受理証明書を握りしめ涙と鼻水を垂らす」
②「何をされてもやり返せない臆病な公爵令嬢は、王太子に竜の生贄にされ壊れる。能ある鷹と天才美少女は爪を隠す」
③「運命的な出会いからの即日プロポーズ。婚約破棄された天才錬金術師は新しい恋に生きる!」
④「4月1日10時30分喫茶店ルナ、婚約者は遅れてやってきた〜新聞は星座占いを見る為だけにある訳ではない」
⑤「『お姉様はズルい!』が口癖の双子の弟が現世の婚約者! 前世では弟を立てる事を親に強要され馬鹿の振りをしていましたが、現世では奴とは他人なので天才として実力を充分に発揮したいと思います!」
⑥「婚約破棄をしたいと彼は言った。契約書とおふだにご用心」
⑦「伯爵家に半世紀仕えた老メイドは伯爵親子の罠にハマり無一文で追放される。老メイドを助けたのはポーカーフェイスの美女でした」
⑧「お客様の中に褒め褒めの感想を書ける方はいらっしゃいませんか? 天才美文感想書きVS普通の少女がえんぴつで書いた感想!」
婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました
Karamimi
恋愛
9歳の時お互いの両親が仲良しという理由から、幼馴染で同じ年の侯爵令息、オスカーと婚約した伯爵令嬢のアメリア。容姿端麗、強くて優しいオスカーが大好きなアメリアは、この婚約を心から喜んだ。
順風満帆に見えた2人だったが、婚約から5年後、貴族学院に入学してから状況は少しずつ変化する。元々容姿端麗、騎士団でも一目置かれ勉学にも優れたオスカーを他の令嬢たちが放っておく訳もなく、毎日たくさんの令嬢に囲まれるオスカー。
特に最近は、侯爵令嬢のミアと一緒に居る事も多くなった。自分より身分が高く美しいミアと幸せそうに微笑むオスカーの姿を見たアメリアは、ある決意をする。
そんなアメリアに対し、オスカーは…
とても残念なヒーローと、行動派だが周りに流されやすいヒロインのお話です。
多産を見込まれて嫁いだ辺境伯家でしたが旦那様が閨に来ません。どうしたらいいのでしょう?
あとさん♪
恋愛
「俺の愛は、期待しないでくれ」
結婚式当日の晩、つまり初夜に、旦那様は私にそう言いました。
それはそれは苦渋に満ち満ちたお顔で。そして呆然とする私を残して、部屋を出て行った旦那様は、私が寝た後に私の上に伸し掛かって来まして。
不器用な年上旦那さまと割と飄々とした年下妻のじれじれラブ(を、目指しました)
※序盤、主人公が大切にされていない表現が続きます。ご気分を害された場合、速やかにブラウザバックして下さい。ご自分のメンタルはご自分で守って下さい。
※小説家になろうにも掲載しております
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
【完結】裏切られたあなたにもう二度と恋はしない
たろ
恋愛
優しい王子様。あなたに恋をした。
あなたに相応しくあろうと努力をした。
あなたの婚約者に選ばれてわたしは幸せでした。
なのにあなたは美しい聖女様に恋をした。
そして聖女様はわたしを嵌めた。
わたしは地下牢に入れられて殿下の命令で騎士達に犯されて死んでしまう。
大好きだったお父様にも見捨てられ、愛する殿下にも嫌われ酷い仕打ちを受けて身と心もボロボロになり死んでいった。
その時の記憶を忘れてわたしは生まれ変わった。
知らずにわたしはまた王子様に恋をする。
愛する殿下の為に身を引いたのに…なぜかヤンデレ化した殿下に囚われてしまいました
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のレティシアは、愛する婚約者で王太子のリアムとの結婚を約1年後に控え、毎日幸せな生活を送っていた。
そんな幸せ絶頂の中、両親が馬車の事故で命を落としてしまう。大好きな両親を失い、悲しみに暮れるレティシアを心配したリアムによって、王宮で生活する事になる。
相変わらず自分を大切にしてくれるリアムによって、少しずつ元気を取り戻していくレティシア。そんな中、たまたま王宮で貴族たちが話をしているのを聞いてしまう。その内容と言うのが、そもそもリアムはレティシアの父からの結婚の申し出を断る事が出来ず、仕方なくレティシアと婚約したという事。
トンプソン公爵がいなくなった今、本来婚約する予定だったガルシア侯爵家の、ミランダとの婚約を考えていると言う事。でも心優しいリアムは、その事をレティシアに言い出せずに悩んでいると言う、レティシアにとって衝撃的な内容だった。
あまりのショックに、フラフラと歩くレティシアの目に飛び込んできたのは、楽しそうにお茶をする、リアムとミランダの姿だった。ミランダの髪を優しく撫でるリアムを見た瞬間、先ほど貴族が話していた事が本当だったと理解する。
ずっと自分を支えてくれたリアム。大好きなリアムの為、身を引く事を決意。それと同時に、国を出る準備を始めるレティシア。
そして1ヶ月後、大好きなリアムの為、自ら王宮を後にしたレティシアだったが…
追記:ヒーローが物凄く気持ち悪いです。
今更ですが、閲覧の際はご注意ください。
悪役令嬢なのに王子の慰み者になってしまい、断罪が行われません
青の雀
恋愛
公爵令嬢エリーゼは、王立学園の3年生、あるとき不注意からか階段から転落してしまい、前世やりこんでいた乙女ゲームの中に転生してしまったことに気づく
でも、実際はヒロインから突き落とされてしまったのだ。その現場をたまたま見ていた婚約者の王子から溺愛されるようになり、ついにはカラダの関係にまで発展してしまう
この乙女ゲームは、悪役令嬢はバッドエンドの道しかなく、最後は必ずギロチンで絶命するのだが、王子様の慰み者になってから、どんどんストーリーが変わっていくのは、いいことなはずなのに、エリーゼは、いつか処刑される運命だと諦めて……、その表情が王子の心を煽り、王子はますますエリーゼに執着して、溺愛していく
そしてなぜかヒロインも姿を消していく
ほとんどエッチシーンばかりになるかも?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる