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最終章2
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「レオン」
「伯父上」
会場には着飾った多くの貴族が集まっていた。夫人同伴を許された家と当主のみ参席の家、高位貴族家のみならず関わりのある下位貴族家当主も参席している。
「すまんな」
ディーゼルは申し訳ない顔でレオンに謝る。
「エリクタル侯爵が勝手に動きましたか」
「ああ。今さら追い返すのもな」
レオンにとって伯母にあたるユアンがエリクタル侯爵と共に会場に現れた。貴族家のなかでユアンの存在は有名だった。有力家ディーターに嫁いだ身であり、離縁はしていなくても婚家から出されたユアンのその理由は知られていた。若い男に目がなく奔放な母親は子の側に置けないとディーター侯爵家が苦渋の決断をして生家に戻したとレオンが知れ渡るよう噂を流した。実際、エリクタル侯爵家に戻ったユアンの周りには見目麗しい男達が侍り、時には夫人らを集めていかがわしい茶会を開いていることもレオンは知っている。
「ディーター侯爵家と共に座るのか」
ディーゼルの呟きにレオンは首を振る。
「エリクタル侯爵には俺から話します。伯母上にはエリクタル侯爵家に椅子を足します」
ディーター侯爵家の座る場にはジュノがソルマノに寄り添っている。常に気丈だったソルマノはマイケルを亡くしたことで精神的に不安定になってしまった。穏やかさのなかに厳しさを持っていたソルマノが伴侶の死に崩れ、支える者を必要とした。 マイケルの悲報を聞いたゾルダーク公爵一家がディーター侯爵邸を訪れた際、ソルマノは懐かしいジュノの姿にすがった。弱ったソルマノを見たジュノはかつての主を支え側に寄り添おうとディーター侯爵邸にいる。
「俺も行くか?」
心配そうなディーゼルにレオンは首を振り、エリクタル侯爵とユアンのいる場へ向かった。
「エリクタル侯爵」
レオンはカイランほどの年齢のエリクタル侯爵を見つめる。
「ゾルダーク小公爵様」
レオンはエリクタル侯爵から隣に立つユアンへ視線を移す。
「お久しぶりです、伯母上」
扇情的なドレスを身に纏ったユアンはレオンの体を舐めるように見つめる。
「本当に久しぶりだわぁ」
「お祖父様の葬儀式には体調が悪くて参席できなかったと聞いております。快復されましたか?」
ユアンはディーター侯爵領へ行くことを嫌がり仮病を使い王都に残ったことをレオンは知っている。
「んふ…ええ。久しぶりに息子に会えますし、姪のクレア様の晴れの日ですもの参席せずにはいられませんわ」
周りの夫人らにゾルダーク公爵家と繋がりがあると自慢するように話しているユアンはクレアと会話などしたことはない。
「ははっ妹はハインス公爵夫人になりこれからは社交に励むでしょう、ですが伯母上の招待は断ります」
ユアンの顔が歪む。
「なにを…」
「いかがわしい茶会に参加する夫人は把握しています」
レオンは微笑んで伝える。ユアンの隣に立つエリクタル侯爵は顔色を悪くした。
「アムレから褐色の男を買うなど…」
「小公爵!クレア様の婚姻、おめでとうございます」
エリクタル侯爵は大きな声でレオンの言葉を遮る。
「ははっありがとうございます。伯母上の参席は予想外でしたからエリクタル侯爵家と共に座ってください。僕からの願いですが…お祖母様はまだ立ち直っていません。無理をして参席してくれました…エリクタル侯爵」
レオンはエリクタル侯爵にユアンをディーターに近づけるなと伝える。
「承知しました」
エリクタル侯爵はユアンの腕を掴み、案内をする使用人のあとに続いた。
「レオ」
「テオ」
テオの黒い瞳は逃げるように去るエリクタル侯爵とユアンにある。
「邪魔だな」
ユアンのことだとレオンは理解する。
「今のところ関係ないからな。放っておくが、ハインス公爵夫人となったクレアに近づくようなら容赦はしない」
「ああ。ギ…ガブリエル様が来た」
レオンはテオの言葉に入り口に視線を移す。
「ガブリエル様」
レオンとテオはガブリエルに近づく。ガブリエルはレオンの用意した濃い銀色を多用した衣装を身に纏っている。
「レオン、テオ。俺が最後か?」
「はい」
「堅苦しいのは久しぶりだ。マイラは離れた場所だろうな?俺はとっとと帰る」
「前国王同士で食事を楽しめばいい。ギィの座る場所にはカヌオーレを置いてある。秘密にね」
レオンの小さな声をガブリエルは確かに聞いた。銀眼を見開いたガブリエルは口角を上げる。
「レオン、俺は消えたカヌオーレを邸中探したんだぞ」
レオンは婚姻式にカヌオーレを出すためにガブリエルから隠した。見つけたら飲んでいいと言うレオンにガブリエルは必死に探したが見つけることができなかった。
「レヴとボーマにも協力させてな…鶏小屋まで…な…」
「ギィ、クレアの姿を見てやってよ」
ガブリエルがこういう場に出向くことを厭うとわかっていたレオンはカヌオーレを餌にしたが、そうしてでも参席してほしかった。
「ドイルと同じ場所か。まあいい」
レオンはガブリエルを案内するよう使用人に声をかける。 会場にはジェイドとマイラ、ジョセフとセドリックまで参席している。
「さて、座るか」
レオンとテオは共にゾルダーク公爵家の場所へ向かう。
「エイヴァ」
「レオン」
黒い衣装で着飾ったエイヴァがカイランと待っていた。
「おしごとおわった?」
「ああ」
レオンはカイランを見つめながら席に座る。招待客の出迎えは当主であるカイランの役目だったが朝から泣きそうな顔のカイランにレオンが役を買って出た。 ドイルとルシルが会場に入りガブリエルと同じ場へ案内され座ったことを確認したレオンはカイランをつついて揺らす。
「父上、揃った」
無言のカイランに怒りを表したのはテオだった。テオは足を伸ばしカイランの椅子の脚を蹴りずらした。哀しげに揺れていたカイランの黒い瞳は驚き、そして皆の視線を集めたことに気づいてゆっくりと立ち上がった。
「…高貴なる王族方の参席に感謝いたします」
カイランはジェイド一家に向かい頭を下げる。
「そして、我が娘…と…ハインス公爵の…婚姻の場へ多くの方が来てくださいました。二人は…準備を終え次第、会場に入ります。皆様、食事と酒を楽しみながらお待ちください」
カイランの挨拶のあと、使用人が動き机に食事と酒、飲み物を並べていく。
「座っていいよ」
レオンは立ったままのカイランの袖を引く。
「とうさまはもうないたのよ。めがあかいわ」
レオンはエイヴァのため息混じりの言葉に笑いそうになるが耐える。
「エイヴァは昨日泣いたよな?クレアと寝るんだと駄々をこねて…くく」
エイヴァは皿に広がる野菜を口に運ぶ。
「クレアはなんどももどってくるし、わたしもあいにいくのよ」
「ははっ明日は止せよ」
レオンの言葉にカイランの瞳が潤んだ。
「とうさま、がまんよ」
エイヴァの言葉にテオは鼻をならし口角を上げた。
「そろそろ入る。父上、控え室で泣いたんだろう?次は笑顔を見せてやらなければ」
レオンは出された食事を口に運ぶ。
「わかっているが…勝手に出るんだ」
弱々しい声が三人に届いた。
「わかるわ。わたしもきのうかってにでたもの。クレアにだきついてなでてもらったわ。とうさまもなでてもらった?」
エイヴァの言葉にカイランは深くうなだれる。
「エイヴァ、さすがにそれはしないだろ」
「そうなの?おちつくのに」
エイヴァは果実水を口に含み、美味しいと微笑みながらレオンを見上げる。
「伯父上」
会場には着飾った多くの貴族が集まっていた。夫人同伴を許された家と当主のみ参席の家、高位貴族家のみならず関わりのある下位貴族家当主も参席している。
「すまんな」
ディーゼルは申し訳ない顔でレオンに謝る。
「エリクタル侯爵が勝手に動きましたか」
「ああ。今さら追い返すのもな」
レオンにとって伯母にあたるユアンがエリクタル侯爵と共に会場に現れた。貴族家のなかでユアンの存在は有名だった。有力家ディーターに嫁いだ身であり、離縁はしていなくても婚家から出されたユアンのその理由は知られていた。若い男に目がなく奔放な母親は子の側に置けないとディーター侯爵家が苦渋の決断をして生家に戻したとレオンが知れ渡るよう噂を流した。実際、エリクタル侯爵家に戻ったユアンの周りには見目麗しい男達が侍り、時には夫人らを集めていかがわしい茶会を開いていることもレオンは知っている。
「ディーター侯爵家と共に座るのか」
ディーゼルの呟きにレオンは首を振る。
「エリクタル侯爵には俺から話します。伯母上にはエリクタル侯爵家に椅子を足します」
ディーター侯爵家の座る場にはジュノがソルマノに寄り添っている。常に気丈だったソルマノはマイケルを亡くしたことで精神的に不安定になってしまった。穏やかさのなかに厳しさを持っていたソルマノが伴侶の死に崩れ、支える者を必要とした。 マイケルの悲報を聞いたゾルダーク公爵一家がディーター侯爵邸を訪れた際、ソルマノは懐かしいジュノの姿にすがった。弱ったソルマノを見たジュノはかつての主を支え側に寄り添おうとディーター侯爵邸にいる。
「俺も行くか?」
心配そうなディーゼルにレオンは首を振り、エリクタル侯爵とユアンのいる場へ向かった。
「エリクタル侯爵」
レオンはカイランほどの年齢のエリクタル侯爵を見つめる。
「ゾルダーク小公爵様」
レオンはエリクタル侯爵から隣に立つユアンへ視線を移す。
「お久しぶりです、伯母上」
扇情的なドレスを身に纏ったユアンはレオンの体を舐めるように見つめる。
「本当に久しぶりだわぁ」
「お祖父様の葬儀式には体調が悪くて参席できなかったと聞いております。快復されましたか?」
ユアンはディーター侯爵領へ行くことを嫌がり仮病を使い王都に残ったことをレオンは知っている。
「んふ…ええ。久しぶりに息子に会えますし、姪のクレア様の晴れの日ですもの参席せずにはいられませんわ」
周りの夫人らにゾルダーク公爵家と繋がりがあると自慢するように話しているユアンはクレアと会話などしたことはない。
「ははっ妹はハインス公爵夫人になりこれからは社交に励むでしょう、ですが伯母上の招待は断ります」
ユアンの顔が歪む。
「なにを…」
「いかがわしい茶会に参加する夫人は把握しています」
レオンは微笑んで伝える。ユアンの隣に立つエリクタル侯爵は顔色を悪くした。
「アムレから褐色の男を買うなど…」
「小公爵!クレア様の婚姻、おめでとうございます」
エリクタル侯爵は大きな声でレオンの言葉を遮る。
「ははっありがとうございます。伯母上の参席は予想外でしたからエリクタル侯爵家と共に座ってください。僕からの願いですが…お祖母様はまだ立ち直っていません。無理をして参席してくれました…エリクタル侯爵」
レオンはエリクタル侯爵にユアンをディーターに近づけるなと伝える。
「承知しました」
エリクタル侯爵はユアンの腕を掴み、案内をする使用人のあとに続いた。
「レオ」
「テオ」
テオの黒い瞳は逃げるように去るエリクタル侯爵とユアンにある。
「邪魔だな」
ユアンのことだとレオンは理解する。
「今のところ関係ないからな。放っておくが、ハインス公爵夫人となったクレアに近づくようなら容赦はしない」
「ああ。ギ…ガブリエル様が来た」
レオンはテオの言葉に入り口に視線を移す。
「ガブリエル様」
レオンとテオはガブリエルに近づく。ガブリエルはレオンの用意した濃い銀色を多用した衣装を身に纏っている。
「レオン、テオ。俺が最後か?」
「はい」
「堅苦しいのは久しぶりだ。マイラは離れた場所だろうな?俺はとっとと帰る」
「前国王同士で食事を楽しめばいい。ギィの座る場所にはカヌオーレを置いてある。秘密にね」
レオンの小さな声をガブリエルは確かに聞いた。銀眼を見開いたガブリエルは口角を上げる。
「レオン、俺は消えたカヌオーレを邸中探したんだぞ」
レオンは婚姻式にカヌオーレを出すためにガブリエルから隠した。見つけたら飲んでいいと言うレオンにガブリエルは必死に探したが見つけることができなかった。
「レヴとボーマにも協力させてな…鶏小屋まで…な…」
「ギィ、クレアの姿を見てやってよ」
ガブリエルがこういう場に出向くことを厭うとわかっていたレオンはカヌオーレを餌にしたが、そうしてでも参席してほしかった。
「ドイルと同じ場所か。まあいい」
レオンはガブリエルを案内するよう使用人に声をかける。 会場にはジェイドとマイラ、ジョセフとセドリックまで参席している。
「さて、座るか」
レオンとテオは共にゾルダーク公爵家の場所へ向かう。
「エイヴァ」
「レオン」
黒い衣装で着飾ったエイヴァがカイランと待っていた。
「おしごとおわった?」
「ああ」
レオンはカイランを見つめながら席に座る。招待客の出迎えは当主であるカイランの役目だったが朝から泣きそうな顔のカイランにレオンが役を買って出た。 ドイルとルシルが会場に入りガブリエルと同じ場へ案内され座ったことを確認したレオンはカイランをつついて揺らす。
「父上、揃った」
無言のカイランに怒りを表したのはテオだった。テオは足を伸ばしカイランの椅子の脚を蹴りずらした。哀しげに揺れていたカイランの黒い瞳は驚き、そして皆の視線を集めたことに気づいてゆっくりと立ち上がった。
「…高貴なる王族方の参席に感謝いたします」
カイランはジェイド一家に向かい頭を下げる。
「そして、我が娘…と…ハインス公爵の…婚姻の場へ多くの方が来てくださいました。二人は…準備を終え次第、会場に入ります。皆様、食事と酒を楽しみながらお待ちください」
カイランの挨拶のあと、使用人が動き机に食事と酒、飲み物を並べていく。
「座っていいよ」
レオンは立ったままのカイランの袖を引く。
「とうさまはもうないたのよ。めがあかいわ」
レオンはエイヴァのため息混じりの言葉に笑いそうになるが耐える。
「エイヴァは昨日泣いたよな?クレアと寝るんだと駄々をこねて…くく」
エイヴァは皿に広がる野菜を口に運ぶ。
「クレアはなんどももどってくるし、わたしもあいにいくのよ」
「ははっ明日は止せよ」
レオンの言葉にカイランの瞳が潤んだ。
「とうさま、がまんよ」
エイヴァの言葉にテオは鼻をならし口角を上げた。
「そろそろ入る。父上、控え室で泣いたんだろう?次は笑顔を見せてやらなければ」
レオンは出された食事を口に運ぶ。
「わかっているが…勝手に出るんだ」
弱々しい声が三人に届いた。
「わかるわ。わたしもきのうかってにでたもの。クレアにだきついてなでてもらったわ。とうさまもなでてもらった?」
エイヴァの言葉にカイランは深くうなだれる。
「エイヴァ、さすがにそれはしないだろ」
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