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治療薬 2 (* (/ω\))
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急にフレデリクの足の間に座らされたミシェルは戸惑った。
「な、何にするの?」
フレデリクはミシェルを背後から抱きしめるようにしながら、耳元に口を寄せてキスをしてくる。
すでに敏感になっているミシェルは気が付かれまいとフルフル我慢して涙目になる。
するとフレデリクが後ろから回してきた手でミシェルのズボンの前を寛げようとボタンを外す。
「や、やめて」
フレデリクは二人羽織のように後ろからミシェルの手を取ると、中心に導く。
「ほら、自分で触ってごらん」
「や、兄様の前でそんなこと……無理」
もう恥ずかしくて、逃げ出したくてたまらないのに、何かを期待するかのように自分の中心はどんどんたち上がってくる。それがまた恥ずかしすぎて、ミシェルはソファーから逃げ出そうと立ち上がりかけた。
それをすとんと引き戻されて、フレデリクの手に操られるように自分の物を手に取ってしまった。
フレデリクはミシェルの手の上からそれを握りこみ、ゆっくりと動かし始める。
「あっ……んんっ!」
こらえきれない声漏れてしまう。
「これなら、ミシェルが自分でしているのと同じだから。父上のとの約束は守っているだろう」
「う……ん。あっあっ、兄様それダメっ……」
ミシェルが自分でしているなんて詭弁だった。主導権はフレデリクが握り、ミシェルはあっという間に達してしまった。
自分だけ恥ずかしい姿をさらした羞恥に顔を赤くするミシェルに、フレデリクは僕も同じだよと自分の中心部を指さして笑った。
「でもミシェルにそんな不埒なことをさせたらそれこそ父上に殺されちゃいそうだからちょっと処理してくる」
ミシェルをきれいに清めてくれた後、フレデリクは頬にキスするとそそくさと部屋を出ていった。
「またかっこ悪いところを見せちゃったな」
バツが悪そうに、しかしすっきりとした顔でフレデリクは戻ってきた。
「僕の方こそ……」
真っ赤になった顔を隠すようにミシェルはうつむいた。
「ミシェルのことになると堪えきれなくて……情けないな。結婚まで我慢できるかどうか心配だ」
フレデリクは照れ笑いした。
「……兄様。僕すぐ結婚したい」
「え?」
フレデリクがまじまじとミシェルを見る。
「ち、違っ……すぐ、だ、抱いてほしいということじゃなくて……」
あわあわとミシェルが顔を赤くして焦る様子を見てフレデリクは自分の手で口を覆って天を仰ぐ。
「……僕ね、本当に苦しかった。一生立ち直れないと思ってた」
真面目な響きを帯びたミシェルの声にフレデリクは神妙な顔をして、顔を戻した。
「でも兄様が僕に優しくしてくれて手をつないでくれて……みじめで悲しくてぐちゃぐちゃの胸の中にあった真っ黒い重みが少しずつ軽くなってた。それであの日、愛してるって言ってくれて……その……あれを思い出すたびに兄様の事ばかり考えるようになって……気が付いたら少し立ち直ってた。まだ完全じゃないけど……兄様は僕のお薬みたいなの。だから早く一緒になりたい」
ミシェルが一生懸命考えながら紡ぐ言葉にフレデリクの胸が締め付けられる。
「僕も同じ気持ちだ。少しだけ待ってくれ」
フレデリクはミシェルを抱きしめた。
フレデリクは父のジルベールにミシェルとの婚姻を早めたいと願い出た。
婚約して最低一年は様子を見るのが常である。幼少期から婚約した者は十年以上という婚約期間も珍しくない。
「駄目だ。婚約期間というものはお互いの人となりや相性、今後生活を共にできるかなど確認するためにも大事なものだ。レオンという例もある」
「僕はそんなことしませんよ。だからこそ早く結婚したいのです」
「一緒に暮らしているのだから構わないだろう」
「ミシェルも望んでくれてます」
「……いやだ」
『駄目だ』じゃなく、『嫌だ』。
ただ、可愛いミシェルをフレデリクに取られたくないだけだとまるわかりだ。
「お願いします、父上。レオンと結婚していたらミシェルは王都に出て離れなければいけないところだったんですよ。それをこれからもずっと一緒に暮らせるのです。僕の手柄だと思いませんか? ミシェルは可愛いから、他にも声を掛けられるかもしれない、そうすれば一緒に暮らせなくなりますよ」
「……お前の口車に乗せられるようで非常に腹が立つが、仕方がない」
ジルベールは眉間にしわを寄せたまま許可を出した。
「ありがとうございます! 式はまた後日させていただきますので先に婚姻届け出して名実ともに夫婦になります!」
「名……実だと?」
「ええ! では書類をもらってきますので、今日中に記入をお願いします!」
「おい!」
ジルベールの声を無視して、嬉々としてフレデリクは部屋を出ていった。
「な、何にするの?」
フレデリクはミシェルを背後から抱きしめるようにしながら、耳元に口を寄せてキスをしてくる。
すでに敏感になっているミシェルは気が付かれまいとフルフル我慢して涙目になる。
するとフレデリクが後ろから回してきた手でミシェルのズボンの前を寛げようとボタンを外す。
「や、やめて」
フレデリクは二人羽織のように後ろからミシェルの手を取ると、中心に導く。
「ほら、自分で触ってごらん」
「や、兄様の前でそんなこと……無理」
もう恥ずかしくて、逃げ出したくてたまらないのに、何かを期待するかのように自分の中心はどんどんたち上がってくる。それがまた恥ずかしすぎて、ミシェルはソファーから逃げ出そうと立ち上がりかけた。
それをすとんと引き戻されて、フレデリクの手に操られるように自分の物を手に取ってしまった。
フレデリクはミシェルの手の上からそれを握りこみ、ゆっくりと動かし始める。
「あっ……んんっ!」
こらえきれない声漏れてしまう。
「これなら、ミシェルが自分でしているのと同じだから。父上のとの約束は守っているだろう」
「う……ん。あっあっ、兄様それダメっ……」
ミシェルが自分でしているなんて詭弁だった。主導権はフレデリクが握り、ミシェルはあっという間に達してしまった。
自分だけ恥ずかしい姿をさらした羞恥に顔を赤くするミシェルに、フレデリクは僕も同じだよと自分の中心部を指さして笑った。
「でもミシェルにそんな不埒なことをさせたらそれこそ父上に殺されちゃいそうだからちょっと処理してくる」
ミシェルをきれいに清めてくれた後、フレデリクは頬にキスするとそそくさと部屋を出ていった。
「またかっこ悪いところを見せちゃったな」
バツが悪そうに、しかしすっきりとした顔でフレデリクは戻ってきた。
「僕の方こそ……」
真っ赤になった顔を隠すようにミシェルはうつむいた。
「ミシェルのことになると堪えきれなくて……情けないな。結婚まで我慢できるかどうか心配だ」
フレデリクは照れ笑いした。
「……兄様。僕すぐ結婚したい」
「え?」
フレデリクがまじまじとミシェルを見る。
「ち、違っ……すぐ、だ、抱いてほしいということじゃなくて……」
あわあわとミシェルが顔を赤くして焦る様子を見てフレデリクは自分の手で口を覆って天を仰ぐ。
「……僕ね、本当に苦しかった。一生立ち直れないと思ってた」
真面目な響きを帯びたミシェルの声にフレデリクは神妙な顔をして、顔を戻した。
「でも兄様が僕に優しくしてくれて手をつないでくれて……みじめで悲しくてぐちゃぐちゃの胸の中にあった真っ黒い重みが少しずつ軽くなってた。それであの日、愛してるって言ってくれて……その……あれを思い出すたびに兄様の事ばかり考えるようになって……気が付いたら少し立ち直ってた。まだ完全じゃないけど……兄様は僕のお薬みたいなの。だから早く一緒になりたい」
ミシェルが一生懸命考えながら紡ぐ言葉にフレデリクの胸が締め付けられる。
「僕も同じ気持ちだ。少しだけ待ってくれ」
フレデリクはミシェルを抱きしめた。
フレデリクは父のジルベールにミシェルとの婚姻を早めたいと願い出た。
婚約して最低一年は様子を見るのが常である。幼少期から婚約した者は十年以上という婚約期間も珍しくない。
「駄目だ。婚約期間というものはお互いの人となりや相性、今後生活を共にできるかなど確認するためにも大事なものだ。レオンという例もある」
「僕はそんなことしませんよ。だからこそ早く結婚したいのです」
「一緒に暮らしているのだから構わないだろう」
「ミシェルも望んでくれてます」
「……いやだ」
『駄目だ』じゃなく、『嫌だ』。
ただ、可愛いミシェルをフレデリクに取られたくないだけだとまるわかりだ。
「お願いします、父上。レオンと結婚していたらミシェルは王都に出て離れなければいけないところだったんですよ。それをこれからもずっと一緒に暮らせるのです。僕の手柄だと思いませんか? ミシェルは可愛いから、他にも声を掛けられるかもしれない、そうすれば一緒に暮らせなくなりますよ」
「……お前の口車に乗せられるようで非常に腹が立つが、仕方がない」
ジルベールは眉間にしわを寄せたまま許可を出した。
「ありがとうございます! 式はまた後日させていただきますので先に婚姻届け出して名実ともに夫婦になります!」
「名……実だと?」
「ええ! では書類をもらってきますので、今日中に記入をお願いします!」
「おい!」
ジルベールの声を無視して、嬉々としてフレデリクは部屋を出ていった。
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