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さぁ、はじめようか

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ドオオ ―――― ンッッ


 不意に地響きとともに地が揺れ動く。

「地震?」

 サディアスが慌てて机の書類を抑える。

「おい、見ろ」

 ジークヴァルトの指さす窓の外を見上げ大きく目を見開く。

「な‥‥」

 大量の魔物達が空を埋め尽くしていく。

「一体何が?!」
「方角はこの城の教会側の奥か‥‥いくぞ!」
「はいっ」

 抑えていた手を放し書類が机から落ちるのを背に部屋を飛び出した。






「きゃああ――――!!」

 あちこちで悲鳴が起こる。

「何だあれは?!」
「魔物だ!魔物の大群が襲ってきたぁ!!」

 逃げ惑う人々。

「これは‥‥?」

 リディアを探していたイザーク達も空を見上げ驚きに言葉を失う。
 まるでそれは地獄絵図だ。
 それが現実に起こっている事にただ唖然とする。

「方角は城の方?」
「聖女と敵対するのは魔物…もしやリディア様はあそこに?!」









「はぁ~~疲れた~~~」

 リディアは肩をトントンと叩く。
 目の前には自分の力を閉じ込めた大量のガラス玉が山を作る。

「全く、これじゃぐーたら生活の夢がまた夢じゃない!」

 お金はこれで稼ぐことは出来る。
 だけど、物価の上昇が激しく稼いでも湯水の如く金は出ていってしまう。
 お陰で量を作らなければならず、一日中お守り作りをしなくてはならない。
 なのでゆっくりする暇もない。

「まぁでも、普通に食べられるだけマシか‥‥」

 国の支給で餓死者はいなくなったが十分な食事を得られているわけでない。
 そんな中、このお守りは飛ぶように売れ、宿代と普通に食事は出来る分のお金は手に入れてはいた。

「このままじゃまた暴動、起きかねないわね」

 ジークヴァルト政権になり国は一旦落ち着いた。
 でも魔物問題は深刻化し、生活が苦しいのは変わりない。
 それどころかどんどん悪化を辿っていっている。

「魔物を退治しないと、やっぱりダメかなぁ~」

 大団円さえ迎えれば、後は何とかなると思っていたが甘かった。
 魔物を消さない限り、どう考えてもバッドエンドへと向かっている。
 どこへ逃げようと魔物の範囲は今ではほぼ全域に広がりつつある。
 とはいえ、あの時魔物を消すために残れば確実に聖女として警備が厳しくなり、逃亡も難しくなっただろうし、今魔物を消しても聖女として拘束される。

「はぁ~堅っ苦しい聖女生活なんて絶対ごめんだわ」

 国民のため世界平和のためこの身を一生聖女となって尽くすなんて絶対嫌だと、相変わらずのクズ志向を発揮していた。
 魔物を退治し、伝説の聖女のようにシールドを張ってしまえば、世界は安定するのは解る。
 だけどそれと引き換えに、自分の世界は壊れる。
 伝説の聖女復活にこの力を手にしたい者、利権屋達がこぞってやってくるだろう。
 更には聖女にあやかろうと救いを求める人々も押し寄せてくるだろう。
 ジークヴァルトは守ってくれるだろうが、結局はその城に閉じ込められ聖女の仕事をさせられる。
 詰まる所、聖女の利権をアグダス国が得ただけの話だ。
 結局どっちに転んでもリディアにとっては苦痛でしかない。 

(まぁ、大団円達成したし、いずれおさまるかもしれない…、今やる事はコレね)

「さてと、売りに行きますか」

 大量のガラス玉の箱を持とうとした時だった。



ドオオ ―――― ンッッ



「うわぁあああっっ」

 不意に地震が起き持っていた箱が手から滑り落ちる。

「やばっ」

 見事に床にガラス玉がばらまかれ部屋全体に散らばる。

「嘘でしょ…、あーもぉ!」
「きゃぁあああ――――!!」

 箱にガラス玉を戻そうとして外から悲鳴を聞く。

「?」

 おもむろに窓を見たリディアの目が思わず二度見してしまう。

「は?はぁ???何なの?!」

 窓に駆け寄り外を見る。
 青空が魔物達で埋まっていき、どんどん禍々しい色へとなっていく。
 街にも魔物達の大群が押し寄せ人々を襲っていた。

「!」

 あまりの地獄絵図に言葉を失う。

(なんで急にこんな大量に?)

 愕然と眺め見る人々が逃げ惑うその光景の中に毛色の違う男を見つける。

(あれはリュカ?!)

 リュカはキョロキョロしながら街を駆け抜けていく。

(そうか…、扉が開いたのね、でもなんで?おかしい…)

「大団円なのにどうして…?」







「オーレリー様、ここは危険です」

 魔物で埋め尽くされていく空を見上げ立つオーレリーに信徒が声を掛ける。

「大丈夫です、ここは襲われません」
「え…?」

 信徒が首を傾げる。
 それに気づき振り返る。

「ああ、ここは聖女の加護がありますからね、ふふ」

 オーレリーが楽しそうに笑っている事にさらに信徒が首を傾げる。

「そこの者、さっさと部屋へ戻りなさい」
「はい」
「オーレリー様」

 そこへオーレリーの臣下がやって来て空を見上げた。

「どういうつもりなのでしょう?」
「さぁね、我々には知る術がない」
「しかし、困りましたね」
「これでいいのですよ」
「どういうことです?」

 臣下も首を傾げる。

「ふふ、これで聖女を炙り出せます、今ならばまだ上に気づかれていません」
「確かに…、すぐに情報を集めます」
「ええ、頼みましたよ」
「はい」
「何としてでも聖女を手に入れるのです、ああ、くれぐれも教皇には気づかれないように」

 しっかりと頷くと臣下はその場を後にした。







「どうやらここからですね」

 城の教会側の奥にある誰も近寄らないような茂みの奥から魔物が噴出していた。

「うわっ何だこりゃ」
「一体どうしたのですか?」

 振り返るとキャサドラとイザークが目を見張り立っていた。

「なんだ、姉さまいないのか」
「リオ」
「何だこれは?」
「オズワルドも来ましたか、我々もさっぱり、今ここを発見し驚いている所です」

 皆が集まりその茂みを眺める。

「で、どうします?」
「さぁ、困りましたね……」
「まずはあの茂みを焼き払うか」
「そうですね、この茂みの先の状況が知りたいですが近づけませんしね…、ジーク陛下」
「ああ、任せろ」

 ジークが手を前に翳す。
 その手から大きな魔法陣が浮かび上がりそこから炎が茂みに渦を巻き向かうと茂みが一瞬で焼け野原となった。
 魔物達がそれに反応する。

「ジーク様こちらへっ!」

 魔物に見つからぬよう急いで物陰に隠れそこから焼け野原となった茂みの先を見る。

「! これはっ‥‥」

 そこには地下通路があった。
 そこから魔物達が溢れ出していた。

「原因はこの奥ですか…」

 皆がその地下通路を見る。

「というか、この地下通路を閉じちゃえばいいんじゃないです?」
「閉じるにしても、封鎖するモノがありません」
「確かに‥、大人の男が一人立って入れる程の大きさの入り口ですから、それ以上の大きさで、しかも魔物達の重圧に負けない重量があるモノとなると難しいですね」
「なら、入り口潰すか」

 ジークヴァルトとサディアスが魔法陣を浮かび上がらせる。
 次の瞬間、爆音が響く。

「いったか?」

 魔物達が散らばる中、凝らし見た目が険しい表情を浮かべる。

「崩れていない?」
「一体どうして…」

 サディアスが目を細める。

「あれは…、なるほど、入り口は魔法石で作られているようです」
「な、じゃ、魔法効かないってこと?」
「物理攻撃も無理ですね、あれは魔界にあるという特別な魔石です」
「えーっ、それじゃ入り口潰すの無理って事?」

 イザークの言葉にキャサドラが落胆の声を上げる。

「じゃ、どうすればいいの?このままじゃアグダスは滅んでしまうわ!それどころかこの世界が滅んでしまう…」

 キャサドラが焦燥に駆られ声を上げる。

「どうにかして元栓を閉じてしまわないとな」
「でもどうやって?」

 皆が思案するように黙り込む。

「…その答えはこの奥にあるだろう」
「ジーク様?」

 皆がジークヴァルトを見る。

「この世界には魔界に通じる場所が幾つかあると聞く、その一つがここなのかもしれん」
「確かその場所に封印の岩が置かれていると聞いたことがありますね」
「それを誰かが開いた?」

 ジークヴァルトが頷く。

「そこを閉じれば…、もう一度その岩で封印すればこれ以上魔物は噴出しないわね」
「よし行くか」
「お待ちください!」

 歩き出そうとするジークヴァルトを慌ててサディアスが止める。

「閉じるにしても、もし、何か特別な魔法や呪文がいるやもしれません、これだけの魔物を閉じ込める蓋となる扉なのですから」
「かもしれんが、ここで眺めていても仕方なかろう、ボーっとしていたら我らとて死ぬ」
「っ…」
「もう既に空が覆いつくされてきている、策を講じる時間はない」
「既に城内もかなりの魔物に入り込まれているわ、魔物に城落とされるのも時間の問題ね」
「とにかく時間を稼ぐことが今は先決、封じることは出来なくても穴は一時でもいい、塞がないと何ともならんだろ?」
「確かにこのままではまずいですが、我々だけで飛び込むのは無謀に近い」
「ですが、兵を今から呼び寄せる事もできませんし…」

 国境のいざこざが続いている中、主要な兵には大事な国境を任せている。
 ハーゼルゼットも今、最も重要な場所へと出向いてもらっているため城にはいない。
 また街の民を誘導するよう、ここに来る途中で命令していたため、城に残る兵の数も少ない。
 根本的に兵の数も足りなければ、今これだけの魔物がいる中で呼び寄せるのも至難の業、また呼び寄せる間に魔物達の襲撃に遭いここに辿り着けない可能性だってある。

「だけどあの噴出している中に飛び込むのはね~」
「だが、今ここを離れればもうここにも辿り着けんかもしれん」
「そうなれば、策はもうありませんね‥‥」

 考え込む様に勢いよく噴出する魔物達を見る。

「私達の死も時間の問題ね、てか世界が終わるわ、このままでは」
「ここで策を講じている間に全てが終わってしまうってわけですか…」
「もう”行く“一択しかないってことね」

 キャサドラが低い声で呟く。
 その言葉に皆が決意するように沈黙する。

「チッ、このままだったら姉さまも危ないし、…仕方がないから手伝ってあげるよ」
「! お前がそう言ってくれるとはな」
「姉さまが見つからないんだから仕方ないだろ、原因を排除しないと探している間に姉さまが死んでしまうかもしれない、それは嫌だ」
「もちろん、私もお供しますよ、ジーク陛下」
「ここに残っても死あるのみ、私も参ります、オズワルドも来なさい、あなたの力が今は頼りです」

 オズワルドが頷く。

「私も参ります、リディア様のためにも」
「いいのか?」
「はい」

 皆が顔を見合わせ頷く。
 そしてまたその地下通路を見る。
 サディアスが思案するように顎に手を当てる。

「この噴出している魔物達を力使って避けたとしても、これでは中が魔物で埋め尽くされているはずです、先にその埋め尽くされた魔物をどうにかせねば」
「問題ない、隙間を作ればいい」
「オズワルド?」

 オズワルドが手を翳す。

「だ、団長!」
「お、おい―――っっ」


 刹那――――




―――― ドゴオオオオオンッッ




 凄まじい音と共に砂煙が上がる。

「なっっゲホゴホッ」
「地面に目掛けて何を…ゴホッ」
「団長?一体…ゴホッ」

 激しい砂ぼこりに咳き込む。
 目を瞬かせ見ると地下にいた魔物達が散布していくのが見えた。

「ゲホゲホッ―― っ!?」
「これは――――」

 イザークの言葉に目を瞬かせながら見る。
 砂ぼこりが治まっていく中、現れた光景に皆が絶句する。

「な‥‥」
「軽く撃っただけでこれだけの威力…とは…」

 地面に大きな穴が開いていた。

「地面に穴をあけるなんて…、流石団長…」

 魔物達が散らばる。

「あれは!」

 そこから露わになった地下。
 その地下に二体の遺体が転がっていた。

「アナベル… それにロドリゴ‥」

 唖然とし眺める。

「あの二人が原因でしたか‥‥」
「あれを見て!」

 キャサドラが叫ぶ。
 そのキャサドラが指さすその先に大きな岩が転がりその横の穴から魔物達が噴出している。

「あそこか!行くぞ!」

 今の粉砕で散布した魔物に間が出来たこのチャンスを逃すまいとジークヴァルトが迷わず飛び込む。

「おおっっ!!!」

 その後に続き皆で一斉にその穴へ飛び降りる。

「あの岩が扉だ!あの岩で穴を塞げ!」
「呪文とか必要だったら?!」
「そん時は大急ぎで逃げろ!!」
「そんな無茶な――――っっ」

 キャサドラの声がそれぞれの魔術攻撃の音で搔き消される。

「オズワルド!手伝え!!」

 ジークヴァルトがその岩を手に持つ。
 その後に降り立ったオズワルドも岩を持つ。

「うぉおおおおおおおっっっ」

 二人で持つも岩はビクともしない。

「急いでください!!」
「ちょっと!早くしてよっっこんなに多くちゃやってらんねぇだろ!!」
「リオ性格変わってない?!」
「これが彼の本性です!!キャサドラ集中しなさい!」
「んなこと言ってもこの多さよっイザーク黒魔法で何かできないの!!あんたも魔物なんだろう?!」
「流石にこれだけの魔物相手では打つ手がございませんっ」
「幻覚とか闇とか、あるでしょう?!」
「いくつかの魔物には有効かもしれませんが全てには…魔物も黒魔法を使いますので」
「相殺されちゃうってわけ~?!」
「チッつかえねえ!!」
「陛下!!団長ぉぉ!!」
「解除しろっオズワルド!」

 ジークヴァルトの言葉と同時にオズワルドの体がゴールドのオーラが炎のように燃え上がる。


「うぉおおおおおおおおおおおっっっっ」

―――― ピキッ


「マズいっ止めろ!!」

 亀裂が入りかけたビクともしない岩にジークヴァルトが焦り止める。

「チッ、オズワルドでも無理か…やはり何か呪文が…」
「おい、俺が食い止める間にさっさといけ」
「恰好つけるな、お前でもこれは流石に無理だろ」
「あの岩で塞ぐ」

 指さしたその先には先ほど崩れた見上げる程とてつもなく大きな岩があり目を見張る。

「…な… できるのか?」
「ああ」

(普通なら信じられんが、この男が言うならできるのだろう…が…)

 ジークヴァルトにとって唯一、どう足掻いても敵わない男、それがオズワルドだった。
 はじめハーゼルゼットからこの男の相談を受けた時は面白いと思ったが、使えば使うほど頼もしいと思う反面、癪に障る男となった。
 手中に収めている筈なのに自分の方が手玉に取られているような感覚に陥る相手。

(まったくもって気に食わんな)

 常識を知らない、行動や言動が幼稚に見える癖に、思考が読めず、戦略でも力でも全てが遥か上をいく。
 さっきみたいにあそこで穴をあけるなどとんでもない行動をするが全ては合理的だ。
 しかもあんなに軽く撃っただけであれだけ大きな穴を地面に開けてしまう。
 血の滲むような努力して何とか手に入れた事すべて、難なくこなしてしまうこの男。
 男のプライドが揺さぶられる。

「おい、早くしろ」
「解っている」

(くそっ、こんな時に何考えている、俺は阿呆か)

 頭をぶるんぶるんとふる。

(こいつが敵でなくてよかった…と、思わねばな)

 味方であればかなり頼もしい存在なのは事実だ。
 また、言った事や約束は必ず守る男だ。
 だから死の間際で信用できたのだ。
 ジークヴァルトが皆を見上げる。

「撤退だ!!今すぐ撤退しろ!!」

 そう叫んだ時だった。
 空に散布していた魔物達が一斉にこちらに向かって襲い掛かってくる。

「マズい―――っっ」
「っうぐっっ」

 魔物達を抑えていた皆が不意の攻撃に体制整う前に襲われ皆が地面へ叩きつけられていく。
 嫌な鈍い音をたて地面にぐったりと横たわる。それでも容赦なく魔物達が押し寄せる。
 皆の姿が見えなくなるほどに群がる魔物達。

「このぉおおっっ!!!」

 ジークヴァルトの覇気が魔物達を払い除ける。




――――― ゴオオオオオオッ




 それと同時に地響きがし皆が振り返るそこに大きな岩をオズワルドが持ち上げていた。
 そのまま岩で魔物達が噴き出す入り口を塞ぐ。
 途切れたその隙に退こうとジークヴァルトが声を上げた。

「すぐに退け!!」

 だが誰も動かない。
 焦り振り返り見る表情が強張る。

「すみま…せん…」

 腕や足があらぬ方へ折れ曲がり、血まみれのその様に。
 そこでハッとする。
 覇気で散らばっていた魔物達がまた押し寄せてくる。

「オズワルド!!皆を守れ!!」
「ォオオオオっっ」

 オズワルドが力を放出する。
 その場の魔物が一瞬にして払い除けられる。

「大丈夫か!!」

 その隙に倒れた皆に駆け寄るジークヴァルト。

「いけませんっっ」

 最後の力を振り絞るようにサディアスが叫ぶ。
 その声に振り返ったその目に見渡す限りの魔物が襲い掛かってきていた。

「オオオオオオオオオオオっっ」
「ぐっ」
「ジーク様!」
「陛下!!」

 構える前に襲われジークヴァルトも敢え無く倒れる。

「これほどの威力とは…」

 口の端から血が流れ落ちる。
 予想以上の魔物の力に動揺する。
 これだけの力を持った魔物が空を埋め尽くしているのだ。
 どう考えても勝ち目がない。
 そんなジークヴァルト達めがけてまた魔物達が襲ってくる。
 もう一度魔物をオズワルドの力で退けると上を見上げた。
 見るかぎりに埋め尽くされた魔物達。
 それを見てオズワルドが舌打ちをする。

「チッ、これでは上も危険か…」

 風魔法で皆を地上に押し上げても、負傷した皆はあっけなく魔物にやられてしまうだろう。

「見てっ!あれ!」

 キャサドラが蒼白し声を上げる。
 振り返り見ると、先ほどオズワルドが塞いだ大きな岩にヒビが入っていく。

「なるほど、ただの石では意味がないという事ですか…」
「どうするの?!このままじゃっ」
「いけない、割れてしまう」

 イザークが呟いたと同時に岩が粉々に砕け散る。
 そこからまた魔物の大群がドバッと噴き出す。 

「くそっ、動けっ俺の身体!!」

 皆が必死に動こうと体を動かすも、骨が折れ立つ事すらできない。
 そんな皆の周りにゴールドのシールドが出来る。

「! オズワルド…」

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