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ある日後ろを振り返ると君が居た

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戦争や魔物との戦いが耐えない国の魔法学校のお話。


魔法の授業が上手くいかず悩んでいたある男。
その足取りは覚束ず、ふらふらと彷徨いながら何かに惹かれるように温室へ向かった。


ゆっくりと温室の扉を開ける、その先には綺麗な花畑が広がっていた。
色とりどりの花を長めほっと一息を着く。ふと後ろに気配を感じ振り返った。


綺麗な女性だった。まるで月の妖精の様な。
雪のように白く透き通るような肌、月の光を染めこんだように淡い色の髪、新緑のように輝く瞳。全てが美しかった。


彼女の優しさと温かさに触れ、つい涙とともに自分の苦悩をも話してしまった。
それからはなんの縁か、少しずつ温室で相談や、くだらない話をするようになっていた。


話をするうちに悩みも消え、魔法も少しだけだが使えるようになって行った。
いつからか俺は、彼女に恋心を抱いていた。


そして国をかけた戦争が始まった。
元からあまり仲が良くなかった国が今の状態では危ないと判断したためか、兵を動かしたのだった。


戦争は無事とはいいがたいか6:4で勝利、だが死人は多く、滅んだ村や町はたくさんあった。完全な勝利とは言いがたかった。 


ある日の戦争で活躍した人達のパレード。
別に興味はない、と俺は家に帰ろうと足を進める。その途中ふと周りの声が止み、簡単のため息が聞こえた。
なんだと思い振り返った。


そこには美しいドレスを見に纏い静かに笑みを浮かべるあの日であった君がいた。
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