緋いペンダント

オズ

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「 緋 」というタイトルのものです。

初めて。

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「ごめんな、手伝えなくて。」
そう言って心配そうにしているのが、僕の保護者の中山さん。
「心配しないで、僕なら大丈夫だよ。」
中山さんは、かなり過保護だけどいい人だ。いつも仕事が忙しそうだけど、最近の中山さんは家に帰る暇のないくらい忙しいみたいだ。僕は、小さい頃から丈夫な方ではなかったため、それを心配して今日は中山さんが、知人が経営している(いそは荘)という所に入居する事になった。
 中山さんに地図を書いてもらい僕は外へ出た。荷物は、既に運んでもらっているため、僕が身につけているものは携帯電話、財布、水、そしてその荷物をいれるリュックぐらいだ。苦労するものは無い   
道さえ分かればの話だが。
目的地へは一時間もあれば着いていたはず、どうして三時間もオーバーしてしまったのか。自分でも呆れてる。
僕は、目の前にある大きな建物を見上げる、ここが今日から僕の住む所か。大きいな。コンクリート造りで四階建てだった。凄い。そして庭も綺麗。椿、紫陽花なんかもある。何種類の植物が植えてあるんだろう。でも、すごく
「きれいだなぁ。」そう呟いた瞬間後ろから「ありがとう、君植物はすき?」
綺麗な顔の人だ。
「君、名前は?私の名前は、白石 春って
言うんだ。」
「僕の名前は、緋咲 碧と言います。今日からここでお世話になります。」それを聞くと白石さんは、にっこりと笑って、「そっか、それじゃあ、今日からよろしく、碧くん。それから、私の名前を呼ぶ時は春って呼んでね。」中山さん以外で名前を呼ばれることがない僕にとっては少し照れくさかったけど、嬉しいという気持ちの方が大きかった。そんなことを考えていると(いろは荘)の玄関から、黒髪で肌の白い上品な面持ちの女性が出てきた。歩き方から綺麗で、一瞬見とれてしまった。
「こんにちは、春さんとあなた名前はなんて言うの?」そう言われてはっ、とした。僕があたふたしていると横から春さんが、「ほらほら、碧くんこまらせちゃだめよ、静香ちゃん」
「なによ。まぁでも、相手に名前を訪ねる時は自分から名乗らないとね。では、改めまして、北野 静香です。」
「あ!すいません。僕の名前は、緋咲 碧です。よろしくお願いします。」
「緋咲?」そう静香さんが呟いた。僕は、少しドキッとした。慌てて珍し苗字ですよね。と言った。
「そうね。珍しい苗字だわ。
あ、私そろそろ行かなくちゃ!」
そう言って駆け足で出かける静香さんを見送ったあと。僕は、春さんに案内してもらった。そして僕は、春さんがここの管理人だということを知った。
「まだ、あと四人は紹介してないけど、問題は碧くんの隣に住んでる子だよね。でも、今日まだ寝てるか、居ないかだからとりあえずは、ある程度部屋片してから夜ご飯の時に降りておいでね。」
そう言って春さんは、降りていった。
僕の部屋は、三階の左側の部屋だった。この階には部屋は二部屋で、中はすごく広くて、和室、リビング、寝室、お風呂場やトイレという、ざっくり分けても四つの空間があった。
部屋の中を片付けているといつの間にか夕食の時間になっていた。春さんからの電話でようやく気がついた僕は、急いで食堂へ向かった。
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